ダイヤモンドの星と神 「その名に祈りを込めて、私は歩き出す」
「願いなんて、叶わない」
明るいながらも心に鍵をかけた少女・星里奈。
大切な父を失った痛みの中で、彼女を支えていたのはプロ野球チーム『東京ヒーローズ』だった。
ある春の日、シーズン開幕戦。
観戦に訪れた球場で、彼女は神と名乗る奇妙な青年・神翔琉と出会う。
神は自らをこう名乗った。
「神様だよ」
と――。
冗談のようでいて、なぜか忘れられない重みを持ったその言葉。
それを境に、星里奈の目に映る野球はただのスポーツではなくなっていく。
選手の所作、響く打球音、マウンドに立つ者の沈黙。
そこには、形にならない想いと祈りが確かにあった。
グラウンドの片隅でマスコット『グービル』を演じていた元選手・伊能寿志。
その弟であり、孤独を背負う現役エース・伊能次郎。
交わることなくすれ違い続けてきた兄弟の想いが、一つの季節の終わりに向かって交差していく。
その姿を見つめながら、星里奈もまた問い直す。
祈りとは何か。
信じるとはどういうことか。
誰かのために、何かを信じ続ける強さを持てるのか。
そして、星里奈がずっと避け続けていたその場所――。
祈ることをやめてしまった神社で再び祈る。
イラスト:DELL-E3
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