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5章 際会と再会と再開 『破壊された世界へ』
書の1前半 過去形遊戯『ログに裏付けされる記憶達』
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■書の1前半■ 過去形遊戯 the past game play
一人ずつに渡されたMFC本体セットを部屋に持ち帰って、さっそく箱を開けながら……俺はいろんな事を反芻してみている。
まずは……この仮ネームMFC、新ゲーム開発についての口止めの件。開発中につきテストプレイ内容は口止め、とかされるだろうと予測していたがこれが……あっさり裏切られたな。
全然好きにして良いって言われちゃった。
つまり、MFC開発については誰に、何を言っても良いのだそうだ。ウェブに匿名書き込みをしても、匿名ではなく自分のブログやらサイトやらでテストプレイやってる事をバラしても全然オッケー。
その時にMFCという名称を出しても、出さずに検索にひっかから無い様に隠して書いても良い。高松さん達は……というよりもっと上の権限だな、ゲーム会社そのものがこのMFCという新型ゲームに対しても、全く新しい方法でマーケティングしようという考えであるらしい。
ゲーム会社の方で都合のよい情報開示をしない、という事なのだろう。新しいゲームの告知、良し悪し、諸々の情報開示に関してはテストプレイヤー枠を勝ち取った俺達で、好きに料理してくれとの事である。
……逆にそこまでフリーに放置されると暴露したくなくなる、この俺の捻くれた精神。
そこまで計算して言ったんだとしたらすげぇもんだ。いや、高松さん達は本当に俺達からMFC開発の事を弄ってもらいたいのか?
まぁとにかくそれは後で、ネットを開いてから考えよう。テストプレイが始まる事は、俺達プレイヤーが集められた『お祭り』の中で公開されていたからな。どういう風に開示していくかは俺達次第だ、っていうのなら――誰が真っ先に火ぶたを切るか、監察してからでも良いだろう。うん、そういう面倒な事はレッドがやってくれるに違いない。
俺、今はとりあえずそういう場合じゃない。……その前にやらなくてはいけない事が在るんだ。義務じゃないが、新しいゲーム機渡されたらそりゃぁ、起動せずには居られないだろ?
今朝までやってたゲームで何しようって?
……ログ確認だよ。
仮称、MFCのセットアップは簡単だ。流石家庭用ハードの老舗が開発しているだけあって、機会オンチの人でも迷わない親切さ。電源コードを本体に差して、コンセントに繋げて……テレビチューナーに専用ジャックを差すだけ。
以上。
オンラインする為の設定とかも今は、特には必要無い。今現在はまだサービスが閉じてるからな。
相互データ放送の行き届いたこのご時世、その辺りの設定はチューナーやゲーム機に備わっているからな。その為にデータケーブルは特殊仕様だが、回線に関してはご家庭でも無線が行き届いているだろう。新世代通信だと今はまだケーブルの方が速度出る、大容量データ通信時代である昨今、こういったテクノロジーは日進月歩だ。ちょっと前までは無線通信が普通だったのに、一段階新しい世代が現れるとこれまた仕様が変わって来る。
試作機段階のMFCはオンラインする必要は無いらしいが、説明を聞くといずれ何らかのバイパスで繋ぐ必要性はあるらしい。現状のウェブ回線との混線は避けたいみたいで……どうも新しい仕組みを別チームが開発している様な事を教えてくれた。
実際、オンラインになった時MFCがどんくらいのデータ速度量を必要とするかによるだろうな、家庭用とするならやっぱりテレビチューナー経由があり得る所か。どうにも今までのオンラインゲームとはデータのやり取り方法が根本的に違うっぽいから……その辺りの詳しい仕様はまだ何とも言えんな。
コントローラーはもう、数世代前から無線になってる。MFCでは決まったコントローラーも特に無い。
一応開発中らしいが数世代前の機種とも互換性を持ってるので多分、別途売りだろうとか何とか。俺は様々なゲームハードが収まった棚から、コントローラーの投げ入れられたカゴを取り出して互換性があると言われたスティック型コントローラの電源を入れてみた。
「おお、動く動く」
画面に現れたメニューのカーソルを動かしながら……俺は、一人一人に渡された小さなメモリースティックを取り出す。長方形の真っ白い箱の側面にぽっかり開いているカートリッジにそれを、差し込んだ。
メモリーを認識して……その中に記録されているログの一覧が階層表示されて出てきた。
「すっげ、こんなにイベントこなした事になるのか」
関心してログの見出しを一通り読んで見て……俺は二つ折りの眼鏡みたいな装置を開いてみる。っても、流石に10時間近く寝ちまった後しかも真っ昼間、眠る気にはなれない。
睡眠薬を使用してまでログを確認したい、という衝動に駆られるとするなら……これはどうなんだろう。割とゲーム依存してるみたいでダメなんじゃないかとか思うんだけどな。
でもどうも……そうじゃないんだ。
ログを確認したい、そういう欲望は確かにあるのだけれど……冷静に考えると、なぜそんなにログを確認したいと思うのかよく分からなくなって来ている。
時間が立つにつれて関心が薄れていくみたいに、太陽が上に昇れば昇る程に、見た夢が消えていく。起きた時はっきりと、夢を見た事を覚えていたのに。その夢の中で大冒険なゲームをやってたはずなのに。今ではそれが半信半疑で、本当に俺は夢の中でゲームなんかやってたのか?という感情だけが唯一、ログを見て確認してみろと囁きかけてる状況だ。
でもその声もどんどん小さくなってる。
見た夢がどんな内容だったのか忘れちまって、しかもどんな夢だったのかにも不思議と関心が無くて。
俺はMFCの電源を落としてメモリーを抜いた。この細長いUSBメモリーみたいな装置に、昨日から今朝に掛けて俺が……俺達が見ていた夢の記録が入っていると言われても今ではもう、半信半疑だ。
どうせ寝ない事には記録の確認が出来ないんだぞ、寝てる間しか出来ない作業を覚醒している今あれこれ考えてどうすんだよ俺、という気持ちになって来ている。
それよりもやるべき事があるだろう?とか。
三日目なのにクリアしてないRPGがあるし。これ結構面白かったから二周目でやり尽くすつもりでいるんだよな、サクっとクリアしちまわないと。とか。
気がつくと意識は『現実』に向いてる。
俺はMFCのジャックをチューナーの5番に接続したまま本体を脇に寄せ、2番に接続している別大手会社のゲーム機を起動させてさっさとロード画面に移っていた。
そういえば……と、携帯電話の簡易スケジュールを捲って某オンラインゲーム内の日付けを確認する。
特別モンスターが湧くイベントを一緒にやろうって誘われてるのを思い出して、チャット用ノートパソコンを起動させた。
同時にデスクトップのゲーム用パソコンも起動させながら小腹が減ったので、買い置きのカップラーメンを取り出して来てお湯を沸かす準備をする。イベントシーン中にオンラインゲームを起動させつつ、散らかった台所でお湯が沸く音を聞きつけてコントローラーを投げた。
台所に来ると必ず思う。
あぁ、あさってゴミの日なんだよなぁ……そろそろ暖かくなるし生ゴミ放置はヤバいよなぁ……とか考えながら、落ちているゴミを乱暴に指定ゴミ袋に投げ込んでいく。掃除しなくちゃ、と思うけど毎度の事ながら思うだけだ。ろくすっぽ掃除なんぞしない。
ゲーム三昧な俺の城、訪ねてくる奴もそんな多くない。
居るとするならナッツとか、気の知れたゲーセン友人くらいだ。女性禁だな。ん?阿部瑠は……あれは俺の中では女じゃねぇ。一人笑いながらカップラーメンに湯を注ぎ……やっぱり沸き立ての熱湯で食うラーメンが一番だ……とか無駄に考えながら箸を引っつかみ定位置に戻った。
流石土曜日、某サーバーは昼間っから人が多い。
チャットも割と速い回転だ、俺は関係無いからすっかり失念してたがどうやら明日って祝日なのな。日曜日に祝日な訳だから月曜日が代休になるとかで……週休二日を敷いてる学生や恵まれた会社員なんかは三連休なんだと。
関係無いね、俺明日の朝8時半からバイト入ってるし。
一応これで某ゲーム会社の社員っていう定職にはついた事になるんだが、今しばらくこの金曜日夜から土曜日朝までという特殊な勤務になるので……バイトは続けても良いって言われてる。バイトを辞めてもいいのだが、長く染み付いた習慣からまだバイト先に辞めると言い出せずに居た。
でもそろそろ本気で、バイト先に辞めるって事を相談しておかないとな、こんな居ても居なくても変わらん様なアルバイターでも、突然居なくなりゃ困るんだろう。
……多分、困ると思う。いや、……案外困らなかったりするかもしれない。
俺は流れるチャットや、イベントシーンをぼんやり眺めながら陰鬱な想像をして一人、テンションを下げていた。手持無沙汰で、携帯端末でもゲームを起動して日課を回しながら、いつものゲーム三昧に没頭。
俺なんて居ても居なくても変わらずに、世界は回る。
その日一日がいつもと変わらなく終わる。とはいえ、今日は朝5時前に目がさめた所為で夜の12時を回る頃にはもう眠くなってしまった。普段ならこれから4時間は平気で起きているのにな……。
しかし幸いレアモンスターイベントは12時前に片付いた。そういうのを夜中に発生させる程メーカーは鬼じゃァない。プレイヤーの中には夜遅くにゲームが出来ない学生だっているんだからな。眠くなって欠伸を噛み締めて……MFC本体に目が行った。
ようやくこれでログを確認出来るんだと思い出した。
「……大人しく寝るか」
オンラインゲームはオフライン作業に移行させて、もうちょっとでクリアできそうなゲームは諦めて明日エンディングを見る事にした。2台同時ゲーム?はっはっは、俺の家ではそんなの当たり前デス。3台まではデフォルトで、その為にゲーム用モニターは二つあるしゲーム専用パソコンも別に二台、その他にチャット用のノートパソコン。あと、ゲーム専用のタブレット端末もあるぞ。勿論ゲームのソフトもハードも旧新諸々大体揃ってるからな、俺なんかまだ少ない方だって。
セーブが終わって、寝る支度を整えてから5番チャンネルに合わせMFCを起動する。
ゲーム起動しっぱなしで寝る、ってのも電気代が……と思うだろう。そこの所は心配無用だ。モニター表示は基本的には必要無い。眠る前に重点的に見たいログを絞り込んだりする設定をモニターを使って出来るってだけ。そういうの不要なら本体がセーフモードで起動していれば良いんだと。
最初だから細かく設定しなくていっか、と思ってモニタ電源を落とす。MFCは起動したままだ、5分でスタンバイモードになるデフォルト設定のまま。
俺は二つ折りのメガネフレームを掛けて部屋奥ベッドに横になった。この形は改良するんだろうなぁ、寝相悪かったら絶対耳から外れるだろ、これ。問題なのはこの耳に掛けている部分らしいからな。普通の眼鏡よりかは耳に引っかかり易い形してるけどさ。
春先、まだ寒いからしっかり掛け布団を被る。寝る前に一発抜くというのも早寝の時は習慣化していたりするのだが今日は、そういう気分ではない。
眠いのだ、ものっそい眠気が襲ってきていてそれどころではない。ヘタするとMFCを設定するのも投げ出して寝てしまいたい位だ。
大概極限まで起きているから寝つきは良かったりする。ここ最近、寝不足ではあっても眠れないという事は無い俺だ。
幽体離脱って、多分こんな感じなのではないかと思う。いや?違うよな……この視野はそんなんじゃない。
なんだろう?この懐かしい感じは何だ?
そうだ、今や当たり前になりつつあるフル3Dポリゴン映像を、第三者の視点から見下ろしている構図なんだ。
目を覚ましてベッドから起き上がった『俺』を俯瞰して『俺』が見ている。
当然これに違和感を抱くはずなのに、あれ?っと思ったのは最初の一瞬だけで……俺はこの奇妙な視点で自分を見ている事をまるで、当然であるように受け入れてしまっていた。
疑問も湧いていない様だ。この『ゲーム』はこういうものだと認識しているみたいに冷静に、自分自身を見下ろしている。
そうだ、今回は全てを『思い出している』だけだった。
俺が起きた気配を知って、身体の構造上うつ伏せに寝ていたナッツが起き上がった。
視界がいっそう広く開ける。
『俺』は起きたナッツを振り返って語りだす。そうすると自分が俯瞰図で『自分』を見下ろしている事すら分からなくなってしまう。
「眠れたか?」
「正直、微妙かな」
「俺も、なんか……横になったは良いがしばらくは寝付けなかったぜ。でもセーブはされたんだよな?」
「大丈夫だと思うよ……レッドはちゃんと眠ったかな?一番神経質そうだと思わないか?」
「どうだろう、あいつ見かけに寄らず神経図太そうだぜ?」
「繊細そうじゃないか。少なくともお前よりは」
「うーむ、まぁそこん所は素直に認めますが」
苦笑するナッツを見ながら何素直に認めてんだ俺?とかツッコミを飛ばす『俺』。
おかしいのだ。このやり取りは間違いなくオカシイ筈なのに何故だかそのおかしさに気づいていない『俺』。
「あ、そうだ」
俺はポケットを弄って……軽くそれをナッツに投げ渡す。
「ん、……ナーイアストの石?」
「お前持ってろ」
……分からない。俺はどうして石をナッツに預けたりしたんだ?
「……どうして?」
「俺が持ってなきゃいけない道理は無いだろ?お前が一番逃げ足速そうだし……」
「ん、そうだね。誰が持っていても別に問題無いだろうけど……わかった。僕が預かっておくよ」
このシーンを間違い無く思い出しているのに、どうしても行動の理由を思い出せない。
身支度や朝食を取るシーン、領主やカオスと挨拶するシーンなどを次々にスキップしていく。飛ばして(スキップ)いると判るのに、それらをぼうっと傍観している自分の状態には気がつけないでいる。
自分だけこんな状況になっているのか、それとも俺達全員がこういう訳のわからない幽体離脱状態に置かれているのか……そんな事は一切考えてない。
要するにここからのシーンがちょっとおかしな状態になっているのに気が付いていない。
自意識が乖離し始めて……元々この世界に存在する言わば、世界が存在させているCOMである戦士ヤトが介入し始めている……みたいな感じかもしれない。
全ては過去形で残る記憶から、俺がそう感じるだけだ。
思い出してみて初めて、あの時何かが違っていたと感じる事が出来る。思うにこれがログアウト前の前兆なのかもしれない。今はまたこの世界の、トビラの中にいるからシステム的な事を深く考える要領は俺には無いけどな。
思い出している。
ログアウト前の、強制終了前の僅かなログの残滓。
一人ずつに渡されたMFC本体セットを部屋に持ち帰って、さっそく箱を開けながら……俺はいろんな事を反芻してみている。
まずは……この仮ネームMFC、新ゲーム開発についての口止めの件。開発中につきテストプレイ内容は口止め、とかされるだろうと予測していたがこれが……あっさり裏切られたな。
全然好きにして良いって言われちゃった。
つまり、MFC開発については誰に、何を言っても良いのだそうだ。ウェブに匿名書き込みをしても、匿名ではなく自分のブログやらサイトやらでテストプレイやってる事をバラしても全然オッケー。
その時にMFCという名称を出しても、出さずに検索にひっかから無い様に隠して書いても良い。高松さん達は……というよりもっと上の権限だな、ゲーム会社そのものがこのMFCという新型ゲームに対しても、全く新しい方法でマーケティングしようという考えであるらしい。
ゲーム会社の方で都合のよい情報開示をしない、という事なのだろう。新しいゲームの告知、良し悪し、諸々の情報開示に関してはテストプレイヤー枠を勝ち取った俺達で、好きに料理してくれとの事である。
……逆にそこまでフリーに放置されると暴露したくなくなる、この俺の捻くれた精神。
そこまで計算して言ったんだとしたらすげぇもんだ。いや、高松さん達は本当に俺達からMFC開発の事を弄ってもらいたいのか?
まぁとにかくそれは後で、ネットを開いてから考えよう。テストプレイが始まる事は、俺達プレイヤーが集められた『お祭り』の中で公開されていたからな。どういう風に開示していくかは俺達次第だ、っていうのなら――誰が真っ先に火ぶたを切るか、監察してからでも良いだろう。うん、そういう面倒な事はレッドがやってくれるに違いない。
俺、今はとりあえずそういう場合じゃない。……その前にやらなくてはいけない事が在るんだ。義務じゃないが、新しいゲーム機渡されたらそりゃぁ、起動せずには居られないだろ?
今朝までやってたゲームで何しようって?
……ログ確認だよ。
仮称、MFCのセットアップは簡単だ。流石家庭用ハードの老舗が開発しているだけあって、機会オンチの人でも迷わない親切さ。電源コードを本体に差して、コンセントに繋げて……テレビチューナーに専用ジャックを差すだけ。
以上。
オンラインする為の設定とかも今は、特には必要無い。今現在はまだサービスが閉じてるからな。
相互データ放送の行き届いたこのご時世、その辺りの設定はチューナーやゲーム機に備わっているからな。その為にデータケーブルは特殊仕様だが、回線に関してはご家庭でも無線が行き届いているだろう。新世代通信だと今はまだケーブルの方が速度出る、大容量データ通信時代である昨今、こういったテクノロジーは日進月歩だ。ちょっと前までは無線通信が普通だったのに、一段階新しい世代が現れるとこれまた仕様が変わって来る。
試作機段階のMFCはオンラインする必要は無いらしいが、説明を聞くといずれ何らかのバイパスで繋ぐ必要性はあるらしい。現状のウェブ回線との混線は避けたいみたいで……どうも新しい仕組みを別チームが開発している様な事を教えてくれた。
実際、オンラインになった時MFCがどんくらいのデータ速度量を必要とするかによるだろうな、家庭用とするならやっぱりテレビチューナー経由があり得る所か。どうにも今までのオンラインゲームとはデータのやり取り方法が根本的に違うっぽいから……その辺りの詳しい仕様はまだ何とも言えんな。
コントローラーはもう、数世代前から無線になってる。MFCでは決まったコントローラーも特に無い。
一応開発中らしいが数世代前の機種とも互換性を持ってるので多分、別途売りだろうとか何とか。俺は様々なゲームハードが収まった棚から、コントローラーの投げ入れられたカゴを取り出して互換性があると言われたスティック型コントローラの電源を入れてみた。
「おお、動く動く」
画面に現れたメニューのカーソルを動かしながら……俺は、一人一人に渡された小さなメモリースティックを取り出す。長方形の真っ白い箱の側面にぽっかり開いているカートリッジにそれを、差し込んだ。
メモリーを認識して……その中に記録されているログの一覧が階層表示されて出てきた。
「すっげ、こんなにイベントこなした事になるのか」
関心してログの見出しを一通り読んで見て……俺は二つ折りの眼鏡みたいな装置を開いてみる。っても、流石に10時間近く寝ちまった後しかも真っ昼間、眠る気にはなれない。
睡眠薬を使用してまでログを確認したい、という衝動に駆られるとするなら……これはどうなんだろう。割とゲーム依存してるみたいでダメなんじゃないかとか思うんだけどな。
でもどうも……そうじゃないんだ。
ログを確認したい、そういう欲望は確かにあるのだけれど……冷静に考えると、なぜそんなにログを確認したいと思うのかよく分からなくなって来ている。
時間が立つにつれて関心が薄れていくみたいに、太陽が上に昇れば昇る程に、見た夢が消えていく。起きた時はっきりと、夢を見た事を覚えていたのに。その夢の中で大冒険なゲームをやってたはずなのに。今ではそれが半信半疑で、本当に俺は夢の中でゲームなんかやってたのか?という感情だけが唯一、ログを見て確認してみろと囁きかけてる状況だ。
でもその声もどんどん小さくなってる。
見た夢がどんな内容だったのか忘れちまって、しかもどんな夢だったのかにも不思議と関心が無くて。
俺はMFCの電源を落としてメモリーを抜いた。この細長いUSBメモリーみたいな装置に、昨日から今朝に掛けて俺が……俺達が見ていた夢の記録が入っていると言われても今ではもう、半信半疑だ。
どうせ寝ない事には記録の確認が出来ないんだぞ、寝てる間しか出来ない作業を覚醒している今あれこれ考えてどうすんだよ俺、という気持ちになって来ている。
それよりもやるべき事があるだろう?とか。
三日目なのにクリアしてないRPGがあるし。これ結構面白かったから二周目でやり尽くすつもりでいるんだよな、サクっとクリアしちまわないと。とか。
気がつくと意識は『現実』に向いてる。
俺はMFCのジャックをチューナーの5番に接続したまま本体を脇に寄せ、2番に接続している別大手会社のゲーム機を起動させてさっさとロード画面に移っていた。
そういえば……と、携帯電話の簡易スケジュールを捲って某オンラインゲーム内の日付けを確認する。
特別モンスターが湧くイベントを一緒にやろうって誘われてるのを思い出して、チャット用ノートパソコンを起動させた。
同時にデスクトップのゲーム用パソコンも起動させながら小腹が減ったので、買い置きのカップラーメンを取り出して来てお湯を沸かす準備をする。イベントシーン中にオンラインゲームを起動させつつ、散らかった台所でお湯が沸く音を聞きつけてコントローラーを投げた。
台所に来ると必ず思う。
あぁ、あさってゴミの日なんだよなぁ……そろそろ暖かくなるし生ゴミ放置はヤバいよなぁ……とか考えながら、落ちているゴミを乱暴に指定ゴミ袋に投げ込んでいく。掃除しなくちゃ、と思うけど毎度の事ながら思うだけだ。ろくすっぽ掃除なんぞしない。
ゲーム三昧な俺の城、訪ねてくる奴もそんな多くない。
居るとするならナッツとか、気の知れたゲーセン友人くらいだ。女性禁だな。ん?阿部瑠は……あれは俺の中では女じゃねぇ。一人笑いながらカップラーメンに湯を注ぎ……やっぱり沸き立ての熱湯で食うラーメンが一番だ……とか無駄に考えながら箸を引っつかみ定位置に戻った。
流石土曜日、某サーバーは昼間っから人が多い。
チャットも割と速い回転だ、俺は関係無いからすっかり失念してたがどうやら明日って祝日なのな。日曜日に祝日な訳だから月曜日が代休になるとかで……週休二日を敷いてる学生や恵まれた会社員なんかは三連休なんだと。
関係無いね、俺明日の朝8時半からバイト入ってるし。
一応これで某ゲーム会社の社員っていう定職にはついた事になるんだが、今しばらくこの金曜日夜から土曜日朝までという特殊な勤務になるので……バイトは続けても良いって言われてる。バイトを辞めてもいいのだが、長く染み付いた習慣からまだバイト先に辞めると言い出せずに居た。
でもそろそろ本気で、バイト先に辞めるって事を相談しておかないとな、こんな居ても居なくても変わらん様なアルバイターでも、突然居なくなりゃ困るんだろう。
……多分、困ると思う。いや、……案外困らなかったりするかもしれない。
俺は流れるチャットや、イベントシーンをぼんやり眺めながら陰鬱な想像をして一人、テンションを下げていた。手持無沙汰で、携帯端末でもゲームを起動して日課を回しながら、いつものゲーム三昧に没頭。
俺なんて居ても居なくても変わらずに、世界は回る。
その日一日がいつもと変わらなく終わる。とはいえ、今日は朝5時前に目がさめた所為で夜の12時を回る頃にはもう眠くなってしまった。普段ならこれから4時間は平気で起きているのにな……。
しかし幸いレアモンスターイベントは12時前に片付いた。そういうのを夜中に発生させる程メーカーは鬼じゃァない。プレイヤーの中には夜遅くにゲームが出来ない学生だっているんだからな。眠くなって欠伸を噛み締めて……MFC本体に目が行った。
ようやくこれでログを確認出来るんだと思い出した。
「……大人しく寝るか」
オンラインゲームはオフライン作業に移行させて、もうちょっとでクリアできそうなゲームは諦めて明日エンディングを見る事にした。2台同時ゲーム?はっはっは、俺の家ではそんなの当たり前デス。3台まではデフォルトで、その為にゲーム用モニターは二つあるしゲーム専用パソコンも別に二台、その他にチャット用のノートパソコン。あと、ゲーム専用のタブレット端末もあるぞ。勿論ゲームのソフトもハードも旧新諸々大体揃ってるからな、俺なんかまだ少ない方だって。
セーブが終わって、寝る支度を整えてから5番チャンネルに合わせMFCを起動する。
ゲーム起動しっぱなしで寝る、ってのも電気代が……と思うだろう。そこの所は心配無用だ。モニター表示は基本的には必要無い。眠る前に重点的に見たいログを絞り込んだりする設定をモニターを使って出来るってだけ。そういうの不要なら本体がセーフモードで起動していれば良いんだと。
最初だから細かく設定しなくていっか、と思ってモニタ電源を落とす。MFCは起動したままだ、5分でスタンバイモードになるデフォルト設定のまま。
俺は二つ折りのメガネフレームを掛けて部屋奥ベッドに横になった。この形は改良するんだろうなぁ、寝相悪かったら絶対耳から外れるだろ、これ。問題なのはこの耳に掛けている部分らしいからな。普通の眼鏡よりかは耳に引っかかり易い形してるけどさ。
春先、まだ寒いからしっかり掛け布団を被る。寝る前に一発抜くというのも早寝の時は習慣化していたりするのだが今日は、そういう気分ではない。
眠いのだ、ものっそい眠気が襲ってきていてそれどころではない。ヘタするとMFCを設定するのも投げ出して寝てしまいたい位だ。
大概極限まで起きているから寝つきは良かったりする。ここ最近、寝不足ではあっても眠れないという事は無い俺だ。
幽体離脱って、多分こんな感じなのではないかと思う。いや?違うよな……この視野はそんなんじゃない。
なんだろう?この懐かしい感じは何だ?
そうだ、今や当たり前になりつつあるフル3Dポリゴン映像を、第三者の視点から見下ろしている構図なんだ。
目を覚ましてベッドから起き上がった『俺』を俯瞰して『俺』が見ている。
当然これに違和感を抱くはずなのに、あれ?っと思ったのは最初の一瞬だけで……俺はこの奇妙な視点で自分を見ている事をまるで、当然であるように受け入れてしまっていた。
疑問も湧いていない様だ。この『ゲーム』はこういうものだと認識しているみたいに冷静に、自分自身を見下ろしている。
そうだ、今回は全てを『思い出している』だけだった。
俺が起きた気配を知って、身体の構造上うつ伏せに寝ていたナッツが起き上がった。
視界がいっそう広く開ける。
『俺』は起きたナッツを振り返って語りだす。そうすると自分が俯瞰図で『自分』を見下ろしている事すら分からなくなってしまう。
「眠れたか?」
「正直、微妙かな」
「俺も、なんか……横になったは良いがしばらくは寝付けなかったぜ。でもセーブはされたんだよな?」
「大丈夫だと思うよ……レッドはちゃんと眠ったかな?一番神経質そうだと思わないか?」
「どうだろう、あいつ見かけに寄らず神経図太そうだぜ?」
「繊細そうじゃないか。少なくともお前よりは」
「うーむ、まぁそこん所は素直に認めますが」
苦笑するナッツを見ながら何素直に認めてんだ俺?とかツッコミを飛ばす『俺』。
おかしいのだ。このやり取りは間違いなくオカシイ筈なのに何故だかそのおかしさに気づいていない『俺』。
「あ、そうだ」
俺はポケットを弄って……軽くそれをナッツに投げ渡す。
「ん、……ナーイアストの石?」
「お前持ってろ」
……分からない。俺はどうして石をナッツに預けたりしたんだ?
「……どうして?」
「俺が持ってなきゃいけない道理は無いだろ?お前が一番逃げ足速そうだし……」
「ん、そうだね。誰が持っていても別に問題無いだろうけど……わかった。僕が預かっておくよ」
このシーンを間違い無く思い出しているのに、どうしても行動の理由を思い出せない。
身支度や朝食を取るシーン、領主やカオスと挨拶するシーンなどを次々にスキップしていく。飛ばして(スキップ)いると判るのに、それらをぼうっと傍観している自分の状態には気がつけないでいる。
自分だけこんな状況になっているのか、それとも俺達全員がこういう訳のわからない幽体離脱状態に置かれているのか……そんな事は一切考えてない。
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自意識が乖離し始めて……元々この世界に存在する言わば、世界が存在させているCOMである戦士ヤトが介入し始めている……みたいな感じかもしれない。
全ては過去形で残る記憶から、俺がそう感じるだけだ。
思い出してみて初めて、あの時何かが違っていたと感じる事が出来る。思うにこれがログアウト前の前兆なのかもしれない。今はまたこの世界の、トビラの中にいるからシステム的な事を深く考える要領は俺には無いけどな。
思い出している。
ログアウト前の、強制終了前の僅かなログの残滓。
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もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
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ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
迷惑異世界のんびり道中記~ちびっ子勇者とともに~
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兄の料理の腕におばさん軍団から優しくしてもらったり、姉の外見でおっさんたちから優遇してもらったり、小次郎がうっかりワイバーン討伐しちゃったり。
え? 私の「手芸創作」ってそんなことができちゃうの?
そんな橘一家のドタバタ異世界道中記です。
※更新は不定期です
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