異世界創造NOSYUYO トビラ

RHone

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6章  アイとユウキは……『世界を救う、はずだ』

書の2前半 恐れない一歩『魔王の城、リトライ』

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■書の2前半■ 恐れない一歩 without hesitating step

 ログイン妨害をしていた『呪い』とやらが解ける理由は簡単だった。
 接触すりゃ良かったんだよ。青旗立ててる同士の接触で解けたんだ。

 ただし多少のタイムラグはある。テリーが正気に戻したのは、俺の喉元に喰らいついた瞬間……でなきゃ、タックルかましたその時の接触であるらしい。その後僅かな時間差で奴に掛かっていた呪いは解けた。
 アインの場合も同じだ。ログ・CCでリコレクトすると暴れるアインを取っ組み合って捕まえたテリーとの接触によって正気に戻った、という事らしい。

 さてはて……呪いねぇ。

 これまたなんともぼやけた言い方で責めて来ました。
 呪いって一口に言ったってどうよ?幾らこの世界がファンタジーだからって、呪いだなんてあやふやな理屈で片付けるもんんじゃねぇぞ?ようするに、何らかの制限魔法の事を『呪い』って言ってる訳だろ?つまり、ようするにログイン障害はバグというよりは魔法技術と言う事か?
 しかし……ゲームシステムには干渉出来ないこちらの世界の『理』が、システムの要であるブルーフラグ等のゲームシステムを妨害する、なんて……そんなすげぇ魔法はあるものだろうか?
 あるいは本当に、魔法とも何とも言い知れぬ怪しい『呪い』なのだろうか。



 タトラメルツ郊外の名も無き村には宿は、無い。そういや無かった。
 無いから村長さんから空き部屋借りた事実を今思い出した。それなのにナッツ、宿屋を手配するとか俺にマツナギを追いかける様けしかける為に適当な事言いやがったな?
 今度こそとっちめて全部吐かせてやる。


 俺は腕を組んでどっかり胡座して床に座っていた。
 そんな俺を目の前にした連中は……何となく気分は正座であるらしい。何故か小竜のアインを除き全員正座。これはこれで面白い図である。
「さて、事情を説明してもらおうか」
「ええと、」
 とナッツが賢明に視線を泳がせるのだが、何しろ一番饒舌な奴が抜けてるからなぁ。誰って、残りのレッドだけれども。
 全員がナッツに責任を押し付けるように視線を投げている。
 今はお前以外に、物事を上手くまとめて話せる奴がいないのだよ。諦めれ。諦めて俺に事情を説明しろ。
「何と言うか……大体察しちゃったんだよね?」
「ああ、大体な」
「……非常に言い辛い事なのですが……ええと、その」
 なぜか敬語になってナッツは頭を掻き、それから顔を俯かせて……見方によっては頭を下げるようにして言った。
「……僕らを追いまわしたのは……レッドなんだ」
「詳しく」
 うう、と呻いてからナッツは続けた。
「具体的にはつまり、レッドは魔王側に荷担する事にしたようで……魔王連中に代わって僕らに攻撃をしてきた。意識を奪って……それがログイン障害になって僕らの頭上から青旗を消失させる事態に繋がっていた様だ」
「……続けて」
 ナッツは一瞬口を閉じてから続ける。
「最初は相手がレッドだってわからなかったんだよ。レッドがお前を転移門でどこかに送ったのを確認した。彼の転移門で転送できる場所はタトラメルツかカルケードしかない……だから、お前と一緒にカルケードまで逃げたのだと思ったんだ。別にその行動を非難したりはしない。緊急にそうしなければいけない事情だったに違いないと思って、僕らもその先へ急いだ、って訳だよ。……でも」
 ナッツは顔を上げる。
「結局全員一緒に逃げられなくて、必然的にバラバラになってしまった。南国ファルザット近くまで来た時、まだ敵が追い掛けて来る事を知って僕は……このままではいけないと判断した。僕はファルザットで合流できるであろうお前と、レッドに掛けたんだ。アベルをなんとか一人で行かせて……それで、例の封印魔法で追っ手を拘束する事にした」

 そうしたら、相手は事もあろうかレッドだった。
 そういう事か。

 最期にアベルが残ってしまったのは、ナッツにとっては都合が良かっただろうな。アベルは方向音痴だから一人では前に進む事も、引き返して来る事も出来ない。
 俺をようやく見つけるも氷漬け、しかも半か月それが解けなかった。その間、アベルは待つしか出来なかったのだ。
 ナッツの所まで戻る手掛かりが何一つ無い。引き返したくても、アベルには何処にいるのか見当がつかない。何しろ、壮絶な方向音痴だ。
 たった半月、それがどれ程彼女の心を掻き乱したのか、あのアベルが泣いてしまうんだからな……。
 俺が理解したよりもずっとずっと、アベルにとっては辛かったに違いない。ましてや頼りにした奴が何も覚えてないと来る。
 失望したんだろうと思う。それでも、すがるべき人が俺しか居なかった……そんな感じか。

「どうして魔王側に行ったのか、その理由を聞ければよかったのだけどまぁ、そこらへんはレッドだからさ。半月粘ったけど何も引き出せ無かったよ。むしろヘタに話を聞くとこっちがかく乱されそうでおっかないし……。裏切ったのにも何か意味があるのか、そうしなきゃいけない事態だったのか……それとも、彼の何かの作戦なのか。一体何を信じればいいのか流石の僕でも可能性を絞りきる事が出来ない」
「本当にレッドだったんだ」
 と、さっきから実は絶句して驚いていたのがアベル。
「って、お前も分かってなかったのか?」
「まさか、とは思ってたけど……。だって、何でそんな事する必要があるのかしら?」
 アベルは口を結んで少し間を置いてから呟いた。
「裏切ったなんて、信じられない」
「……相手がレッドだって、本当に予測できなかったのか?」
「正直に言えば、僕はある程度予測していた方かもしれないね。だからレッドの足止めに成功した」
「何かの魔法が確定で入っちまう瞬間、わざとらしく姿を現しやがったぜ」
 テリーがやや苦い顔で腕を組む。
「それまでは巧妙に姿を隠していたね……だから、それを知った時正直一瞬あっけに取られてしまうんだ。心の隙が出来るんだよ。あたし達は予測出来ていなかったからそこを、突かれたんだと思う」
 マツナギが神妙な顔で俯く。
 精神的に働きかけてくる魔法は、精神技能判定で回避する事ができる。つまり、意志の強い人程魔法には掛かり難い。
 記憶を奪ったり自意識を奪ったりする魔法は、基本的にそれ単体で使われる事は無い。
 対象となる人の精神に揺さ振りを掛けながら確実性を引き出して使用されるものだ。
 こういう精神魔法は、作業や作法がつきものだから基本的に魔導師の専売特許だな。まさしくレッドの本領発揮って奴。
 姿を隠しておいて不安を煽り、ここぞという時に姿を晒し動揺を誘う。そしてその瞬間、心が揺らいだ瞬間に魔法で相手の意識を刈り取ってしまう訳だ。

 確かにあの腹黒魔導師の使いそうな手段だ。

「あたし達を殺したりしないって所が……何か企んでいる『怪しい』感じはするけれど……でも。カオスから色々世話してもらってなかったらどうなっていたか」
 町で暴れまわったり、森に帰化してたり。記憶を失ってさ迷ってたり……な。
 呪い?違う。
 アインはそうやって今、明らかになった答えをぼかして言っていただけだ。
 俺達の接触で解けたのは、レッドから掛けられた魔法なのだ。魔法というのは呪術である場合も含むのだから確かに、呪いでも良いだろう。だが呪いと言ってしまうと意味がぼやける。

 はっきりと言い直そう。

 それは、レッドが掛けた魔法の事だったって事だな、ログインをも妨げる程に強力に相手の自意識を奪うくせに、なぜか俺達が触れる事で解けるように仕組まれていた、呪い魔法。強力な魔法程、制約がある、とかいう事をリコレクト出来る。強力な分、解除方法が単純明快だ。とはいえ……ブルーフラグというシステムの、一般的には見えて居ないはずの事象を組み込んだ段階で、こちらの世界からしてみれば相当に強く解呪の難しい『呪い』だったろうな……流石はレッドだ、奴が高位魔導師っていうのはやっぱり、ガチか。

 恐らくだが、カオスはどうやったらこの魔法が解けるのかも大体察していたんじゃねぇのか?だからフェイアーンの地下牢にいたテリーに向けて、俺をけしかけたに違いない。
 マツナギの件だけは、俺やマツナギの意見を尊重して強引に事を運ばなかったのだが……。流石に接触だけだとは奴も知らなかったのかな。少なくとも鍵になるのは俺だと、レッドと口裏合わせをしていた可能性すら疑える。
「……カオスが手を回してフォローしてくれる事はレッドにとって、計算熟だったんじゃねぇのか?」
「それも在りうる」
 ナッツは俺の言葉に頷いてちょっとだけ緊張が解けたのか、足を崩した。
「うーむ……とすると、俺を氷漬けにして南国に送ったのも何かしら、レッドの策略の一部か」
 自然解凍だったらしいからな。カオスは時間が来ればいずれ解ける、とか言ったらしい。
 俺に掛けられた魔法はテリーらとはちょっと種類が違うのな。接触で事態が解消するなら、アベルが南国首都にたどり着いた時点で俺は復活するはずだ。
 ところが、アベルはそこで2週間強待たされるハメになった。

 たった一人で。

「ログインはやっぱり、俺が最期か」
「ていうかねヤト。僕らはどこからが今回のログインの始まりなのかよく把握出来ない」
 ナッツの言葉に一同、頷いた。
「……どういう意味だ?」
「確かに前回ログインの記録が壊れてる、正確に何処で終了したのかがちゃんとリコレクト出来ない訳だろう?だから、どこから再開しているのか僕らもよくわからないんだよ」
 冒険の継ぎ目、それが違和感無く埋められれいる。どこからこの世界に本来存在する『COM』に切替わっているのか分からない様に上手く、騙されている。
 ログが壊れているという事態の所為もあるだろうが、ある程度その様に記憶を『騙す』手法が敷かれているんだろう。展開をスキップしたのが何処なのか、いまいち分からない場合があるのと似ている。
「でも……僕らに流れる時間は無意味でも、時間軸が同じであるなら……お前が1ヶ月眠っていた間に僕らだけで展開した事があるというのも事実だ。……それを素直に語ろうと思うよ」




 では、ログ・CCも交えて全員で起こった出来事をリコレクトしてみよう。

 まず、前回ログの終了部分から。
 最期の正式セーブはタトラメルツの領主の屋敷だな。
 俺はワイズから、実はナッツのモノだった結界魔法を封じたお守りを貰って……それからアベルとちょっと会話をしてさっさとセーブに入った。
 アベルもその後マツナギと合流してセーブに入ったらしいな。

 ちなみに、セーブに入るというのはすなわちこっちの世界で寝る事である。

「僕はレッドの作業が終わるのを見届けてから寝た。部屋に戻ったらお前はもう熟睡してたよ。いや、肝据わってるよなぁと正直関心したね」
「……結構それなりに悩んでいたはずなんだが……」
 それでも人間、寝れる時はちゃんと寝てしまうものである。
「レッドが部屋に戻ってきたのを俺は確認したぜ」
 と、テリー。それからセーブした、って事だな。
「とりあえず、全員タトラメルツ領主屋敷で最終正式セーブをした訳よね」
 そう。
 問題はここからだ。
「……次の日の朝、約束通り魔王の城に行ったね」
「ああ、放置されてるヤケに頑丈な塀に囲まれた屋敷な」
「結局北側の開きっぱなしの門から入ったのよね」
「それで案の定、魔王の本拠地になっていた」
「アイジャンを除いて7人の魔王と睨み合い……ね」
 アベルの言葉に俺は首をかしげた。
「ていうか、連中全員魔王八逆星とは限らなくないか?」
「……あの白衣の男が赤旗を立てていないから?」
 赤い旗が立っていない……白衣の男、ナドゥだな。
「まぁそれはともかく全員、そこまではいいよね。7人のどうやら魔王サイドの主格連中と顔を付き合わせた。そして、僕らは逃げる算段に入った」
 俺達はナッツのまとめに頷いた。
 そうだ、流石に7人の推定魔王相手には勝ち目が無い。だから……逃げ出さなければいけなかった。
「……所が、タトラメルツ全体を人質に取られて逃げられない……」
 テリーが苛立ち気に腕を解いて右の道拳を左手で握りつぶす。
 誰だっけ?ナドゥかな、誰かから逃げたらタトラメルツを攻撃する、的な事を言われたという事も確認する。
「で……俺が暴走した訳だな」
 俺は一人差し出せと言われた『サンプル候補』として、勝手に前に出たのだ。
 大いに非難されるべき所だからな。俺はややおどけて肩を竦めて苦笑していた。
「そう、ヤトが結界魔法を作動させ……僕らを逃がした」
 この辺りまではまだリコレクトできるが……さてはて、その後が問題だ。

 事態が俺と、俺以外に別れる訳だからな。

「……それで、お前はどうした」
 先にテリーが俺のその後を聞いてきた。
「どうしたもこうしたも……何しろ結界の向こう側にいたからな。そうしないとアベルから殴られるよなぁと思って……どこに境界を引くかちょっと迷ったんだけどやっぱ、俺が魔王側にいるべきかなと思って。……お前ら全員逃がす為に俺は、悪あがきをしたよ」
「戦ったのか……連中と」
 テリーが詰めてくるのに俺は頭を掻く。戦う事に関するとコイツは目を光らせるよなぁ。俺は前髪を掻き揚げて溜め息を漏らす。
「ああ、黒い鎧を着た割と好青年な奴がいただろ?俺と真っ先に切り結んだ……」
「確かアービスとか言うらしいね」
「そう、アイツな。アイツと再び戦うハメになった」
「流石に魔王全員でタコ殴りにはしてこねぇか」
「そうしたら俺、瞬殺されてます」
 まぁ、奴らは俺を殺す気はさらさら無かったんだよな。
 だから勝算があると俺は踏んだんだ。

 俺の事、殺す訳には行かなかったんだよ……魔王連中。
 どうにも手間隙掛けてまで他の『サンプル』を手に入れる程連中はヒマでは無いらしい。

 やろうと思えば連中はもっと酷い手段にだって出れたのだ。結界を張って閉じ込めた俺を瞬殺し、逃げ出した他6人を取り押さえる事が不可能であった……とは思えない。
 間違いなく連中は、俺一人で満足したし、他を無駄に殺傷する事を好んではいなかった。
 俺は適度に弄ばれ、その後お約束通りに身柄を拘束されてしまった事を話した。
「……んだが、どうもその辺りから記憶があやふやだな……途中どっかしら展開が抜けてるというか……まぁ、記録からかんがみるにそうなるかな……という感じだ」
「僕らはその間、タトラメルツ領主の所まで逃げた」
 ナッツはかわりにという風に自分達の展開を語る。
「それで、カオスに……ナーイアストの石の事を伝えたのよね。ナッツが酷く後悔してたわ、ヤトはこういう展開を読んでいたのかもしれない……って。だから石を自分に預けたのかなぁとか、そう思ったのよね」
  アインの言葉にナッツは無言で頷いて、それから顔を上げて俺を伺う。
「実際、どうなんだ?」
「……いや、俺がそこまで考えると思うかお前?」
「うん。思わないんだけどね」
 あははー。思わず俺、笑っちまうけど……分かってらっしゃいますねぇ流石ナッツさん。
 それでも、そうなのではないか?と疑ってしまう程、タイミングが良すぎたのだな。だからナッツは俺がそんな事態を予測していたとは考えられ無かっただけに、まさか俺は予測できたのだろうか?などと悩むハメになったのだろう。
 俺は正直、何故そんな事をしたのか今だに、理由をよく思い出せない。
 という事はあれだ。多分、俺は何も考えてない。
 本当に特に意味も無く、逃げ足が速そうだからという理由でナッツに渡した。それだけかもしれない。
「で、ナーイアストの石は?」
「そこからが……僕も記憶が曖昧で。どうもその石があれば魔王連中を何とかできそうな話をカオスからされて、それで……重要な話をしていたはずなんだけどね」
「その重要な所を思い出せないのよ」
 一同うーんと唸って思い出そうとするがやはり、上手く行かない様である。
「……なら逆にカオスに聞けばいいんだ」
「そう、だからカオスに聞いたんだよ」
 相変わらずナッツは手回しがいい。すでにカオスにその件は確認済みであるようだ。
「どうだったの?」
「あの石は、大陸座そのものに匹敵する。大陸座を目の敵にしているらしい魔王にとってそれは、恐らく毒として作用するはずだ。……具体的に言えば理を正す作用があるらしい。歪んでいる事実を矯正するんだ」
「……デバイスツールか?」
「うん?……あたしの経験値マイナスされてたのってもしかして、ソレかしら?」
 アベルが軽く頭を掻いている。ふいと閃いたように目を開いた。
「そうよ、あたしカオスに聞いちゃったのよ。まさかソレってデバイスツールなのかッて。ああ、もう今更思い出すし」
 どうやら一つ、アベルのログがサルベージされたらしいな。
「てことは、違うのか?」
『違いますよ』
 おぅ、唐突であるがメージンのコメントだ。
『デバイスツールはあの時点、まだ配置していませんからね。あの段階では不完全なんです』
「あの段階では?」
 俺達はコメントに対し聞き返してはいけないのだが思わず、聞き返しているのだった。
『ええ。そうです……大陸座はホワイトフラグですからね。白旗権限ツールを受け渡す事が出来るのは当然白旗キャラに限ります。現在はデバイスツールの配備が完了していますので……今の展開が終わったら取りに行ってください。大陸座の所まで』
 ふぅむ、なる程……やっぱりあの石はデバイツツール予備軍でよかったのか。現在は完全に、俺が待ち望んでいたデバイスツールとして機能するようになったと言う事だな!
 しかし、前回のログインまでの段階では、赤旗を正常化するまでの力は無かったようである。
「……待てよ。それで、何で俺が魔王化したと断言する?」
「……タトラメルツが破壊されたわ」
 俺が『サンプル』として差し出された。
 だから、魔王連中はタトラメルツに攻撃はしない……はずだ。そういう約束だったからな。
 だが仮にも相手は魔王と呼ばれてる連中だぞ?律儀に約束を守るか?
「ともかく、タトラメルツを北側から破壊する何かを目指して僕らは……逃げるのを止めた。約束が破られた以上逃げ出しても意味が無い。立ち向かうしか道が無い」
 ナッツが上げた視線の先に居る、俺。
 その破壊行動の先に、俺らしい気配を察知したとナッツは漏らした。だが結局その目で確認はできなかったのだと、道中こっそり教えてくれたな。
「……じゃぁ、魔王な俺を確認したのは?」
「それがね、多分。レッドだけなんだよ」

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