異世界創造NOSYUYO トビラ

RHone

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7章  白旗争奪戦   『神を穿つ宿命』

書の7前半 とても眠い『夢に見る不思議な世界』

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■書の7前半■ とても眠い So very drowsy

 ん?
 蓋がされている?  ……なんだかそれ、前にも誰かに言われたような気がするぞ?
 リコレクト……ああ、思い出した。
 ライバルパーティーのランドールん所にいる、封印師とかいうワイズから言われたんだ。
 ……傷がないのにどうしてかさぶたを被っているんだ、とか何とか。訳の分からない事を言われたな。
 おかしいなぁ、何か秘密が封印されているとか、そういう感じでは無いとかワイズは首をかしげていた。魔法素質が高いのに、魔法を一切使わないっていう俺の『縛り』が蓋をしているように見えるのだろうと思っていたが……。
「心当たりは?」
 と、聞かれても困る。当然無い。リコレクトを連発しても思い出す事なんて何もない。
 俺の顔を見るだけでそれを理解したのか、アダさんはため息を漏らしつつ腕を組んだ。
「君は手段を忘れている、抱えたままでは暴発しかねない……暴発か。……暴発させた覚えは?」
「何をですか?」
「当然、その抱えている桁外れな魔力を、だ」
「あえて言うならその、俺が俺でなくなった時ですね。死んでも死なない、間違いなく数度肉体的に終わってるのにな……不思議とまだ生きている。自分で状況説明出来たら世話ねぇッスよ。分からないからこんな所まで来てる訳で」
「何歳だったっけ?」
「推定24歳」
 素直に答えておいた。
「12歳の頃、君はドコにいた?」
 どうしてそういう質問になるのかよく分からない。だがこれにも素直に答えてる。
「故郷にいましたよ、……いや……もしかするとエズかな?」
「故郷というのは、」
 そういや、ギルにも同じ事聞かれたんだったなぁとか思い出しながら答える。
「コウリーリスの、シエンタですけど」
「それはまた田舎だねぇ」
 へぇ、キングオブ田舎ですよ。どうしてこんなド田舎なのに地図に名前が載っているのか、奇跡的ですらありますよ。
「シエンタからイシュタル国のエズに?子供の頃に、どうしてまたこんな離れた距離を……家庭の事情?」
 と、言いつつアダさんは大体察していると見る。
 ちょっと俺を見る目つきが変わった。顔に出してはいけないと思ってるんだろうが出ちまってるよ……哀れみの視線が。
「俺ぁ天涯孤独だ。両親は居ないし全く知らない」
 俺は笑いながら答えた。
「売り飛ばされたんスよ」
 予想通りであろう答えを。
「……そうか……。何はともあれ転機だったわけだな。……こんな事を聞いて悪いと思う。辛いようであれば答えなくても良いが」
 そういう言い方は卑怯じゃぁないか?まぁ、俺は辛くないから答えるけど。
「……どうして売り飛ばされたりしたんだ?」
「田舎に辟易したんスよ。売り飛ばされたっていうのはちょっと違うのかもな」
 俺は口を曲げた。戦士ヤトがきっと勝手に、思い出してしまっている。

 ……じいさん、まだ生きてんのかなぁ、とか。

「俺は……人買いやってる山賊の所に『売り込み』に行ったんだ、シエンタに居たくないから俺を、ここからどっかに連れて行けって」
「……君は……」
「正直田舎暮らしが合わなくって、そうする以外にどうやって山を越えるのか、ガキの俺には検討が付かなかったんです。で……食い扶持減らしで遠く西や遠東方に子供が連れて行かれるって話を聞いて、それだッて思ったらしいな。我ながら無茶したと笑えますね」
 素直に笑えた。
 俺の中では間違いなく、笑い話として語る事が出来る『終わっている』事だ。

 ヘタすりゃ俺、遠東方じゃなくて魔導都市の実験用検体として売られていた可能性もあるのだな。
 たまたまイシュタルのエズに売られて念願の戦士になれたんである。俺を売り飛ばしてくれた山賊の人達に今まさに、感謝の気持ちで一杯だぜ。
 当然奴隷同然で売られた身、さんざんな扱いは受けたがな。それだって過ぎた事だ。

 俺にはちっとも重くなんぞない。

 そう言う態度を理解してか、アダさんは俺を見据えて質問を続ける。
「……では、どうしてシエンタが嫌になったんだ」
「田舎だからッスよ、俺は……戦士になりたかった。樵や狩人じゃなくって、剣を片手に戦うのに憧れてた。シエンタに居る以上その望みが叶わないのを思い知ったんです。あとまぁ……親が居なかったもんで。割とガキの頃からイジメられてた感じで、相手にされてなかったから多少居辛いというのはあったかな?それで、村に固執する必要が俺には無かった……育ての親もじじい一人で先行き長くないだろうし……」
 深いため息を漏らしたのは……アダさんだ。
「これで何か分かるのか?」
 俺は首をかしげてしまう。

 な?何もないだろう?
 ありきたりとは言えないが、明らかに特殊な事など何一つ無い過去なのだ。
 この中世程度の文化レベルである異世界においては、はっきりいって『よくある事』の羅列だろう 。

「そうだな……手かがりはこれから探すとして……。とりあえず君の状況を改善させる手立てを考えよう」
 席を立ち上がって、ふいとアダさんは俺を見下ろす。
「君は思っていたよりもかなり、強い人物なのだな」
「……はぁ?」
 強いって?誰が。

 リアルでチキンな所為だろうか、俺は自分が強いなどという認識は持ち合わせていない。

 ちなみにこの強いというのは肉体的な問題じゃぁない。
 戦闘における強さ、というのなら確かに自信はある。魔導師というのは頭良いとはいえ一見しただけで、人の技量を見抜く事は出来ないだろう。俺はアダさんの前で暴漢相手に立ち回った訳じゃないしな。

 恐らく、強いと言われた部分は精神的な、という前置きがつくはずだ。

 まさか。
 鼻で笑える、俺が強い?まさか。

「それだけ壮絶な過去を持っていて、その歳で克服して笑い話にしてしまう。それだけ君が精神的に強いもしくは……強がっているという事だろう?」
 ……違う、そんなんじゃない。俺は戦士ヤトを観客的に見ているだけだ。俺であって俺じゃない。だから他人事のように語れるだけだ。
 するとアダさん、俺の心を読んだように言った。
「主観を置いて自らを離れた所から見る。それは難しい事だよ。冷静に過去の自分を観客的に見て語るというのは……難しい事だというのを君は知らないようだ」
 ……いや。知らない訳じゃない。
 俺はこの世界では出来るけど、現実世界ではそれが、全くと言っていい程出来ないのだ。
 それが出来れば俺は、少しはまともになれるんではないかと……そこまで考えているのに出来ないのだ。

 自分を観客的に見て、冷静に受け止める事がどんだけ難しい事か。
 俺は、リアル-サトウハヤトは嫌って程知っている。

 じゃぁ、その難しい事がナチュラルに出来ている戦士ヤトというのは……。
 盲点だった。……俺は、強かったのか?いつしか俺は、俺自身である戦士ヤトも観客的に見ている?
 この世界では俺自身であるというのに、今もどこか他人みたいに感じていて……実際背負っている背景を『ありきたりだ』と切り捨てて……大した事ないと思い込んでいる?
 そういう事か……?

「幽体の大きさに、精神および肉体はバランスを取るように歪むものだ。……君の精神は歪んでいる」

 その強さが……歪みだというのか。
 断言されて言葉が出ない。いや……リコレクト。
 この世界では歪みというのは忌み言葉じゃぁないんだな。褒め言葉でもないんだけど。

 世界にまず歪みありき、という発祥だとかいう。
 よくは知らん、知識としてそのフレーズを知っているだけのようだ。

「そして今、肉体も幽体に引きずられて歪みつつある」
「つまり……どういう事ッスか?」
「簡潔に言うか」
 アダさんはそう言って背中を向けた。
「君は魔道に入っている、要するに……魔物に成りつつあるという事だな。……暗黒混種を発動させているようだ」

 それ、ショックじゃない。むしろ、すげぇ納得しちまった。

 ああそっか、成る程、そう云う事かと思うのは……。俺をこういう状況に追い込んだのが、そういう事を実現している奴だからだ。
 思い出して貰おうか?
 ……魔王八逆星を構成している……ナドゥのおっさんだな。
 本名リュステル・シーサイド。キリュウの兄で次期シーミリオン国の国王予定の人。
 自らを暗黒混種という有能な魔物に改造出来てしまうくらい、生物の構成を変えてしまうアブねぇ研究をやってる人である。
 で、恐らく今、奴は魔王八逆星というとんでもない生物を作り出して世界を混乱の渦に巻き込んでいる。その張本人だ。

 奴には見えてない。
 八逆星の連中および、そこから派生する怪物の頭上に、禍々しい赤い旗が立っている事を。
 この世界の連中は知らない。
 赤い旗はこの世界にとってはとんでもないバグで、世界を破壊してしまうような物騒な、壊れてるプログラムだって事を。
 知る事が出来ないんだ。


 俺は連中に招致された。
 俺の意志など関係なく、俺は八逆星の仲間に数えられそうになってしまった。
 レッドフラグに感染しないという保障のされた、ブルーフラグを立てていたにもかかわらず……色々手違いがあってレッドフラグに犯された。
 ……それで暴走した。
 タトラメルツという街を三分の一、消し去った。

 俺が連中の仲間になる事を拒否したからだ。
 消し去るべきはお前達だと、心の中で唱え続けたからだ。
 抗った代償、俺は死んだ。死んだはずなのだ。

 それでも生きている。

 この状況が分からないと魔導都市までやってきている。
 今後、俺は暴走しないのか?『俺』としてこの世界に居ても良いのか?

 証明して欲しい。

 俺がいくら一人叫んでも真実には成らないから。

 空の色は青だと俺が一人唱えても、それが正しい事にはならないから。
 同じく、空は青いと同意してくれる人が必要で……。
 そういう作法が現実でも、仮想でも、必要な事を俺は知っているから。


「暗黒混種……って、後天的にも発動するもんなんスよね?」
「……いやどうだろうか、はっきりと答えが出ている話では無い。ごく最近分かってきた事で、魔種を研究している一部がどうやら、出来るらしいと確認した程度だな。暗黒混種はずっと昔からあると認められていた現象で、どういう状況だと発症するという所まで分かっていてもその条件が稀だ。それでも追求しようとするのが魔導師の良い所だろうし恐らくは……悪い所でもあるだろうな」
 要するに、その稀な状態を人為的に発生させて確認を取るような実験をしている事を、アダさんは差して苦笑しているようだ。
 暗黒混種とはダークミクストと言われている……何だろうな。一応種と名前は付くが安定した種族ではない。どちらかというと『魔物』と言われる。
 魔種も魔物も同じだって?まぁ同じなんだが……魔物というのは環境に合わせて一世代で姿や能力を変化させる安定しない個体を指す言葉であり、魔種というのはその形が安定した一群を指すのだな。
 これを専門用語で『輪を補完する』とか言うらしい。ナッツが言ってたのを俺はリコレクト。

 暗黒混種の発動は『魔物化』だと長らく言われている訳だが……感覚的には……病気じゃねぇかとも思う。

 自分がそれ発症しているからなんだか笑っちまうけど。
 ……分類すれば肉体的な、病原体のある病じゃねぇ。
 ぶっちゃけて精神的な病気だ。
 精神的な要因が一番絡む、精神と幽体に異常を来たすものであると言えるだろう。

 リュステルの事をユーステル達から聞いた時にも色々説明したと思うがもう一度、俺自身の為にもリコレクトしておこう。
 暗黒混種というのは血統に関わらず発動するモンスター化の事だ。
 条件は以下の通り。

 背負う背景が不幸である事。
 単独で生きなければいけない環境に置かれる事。
 それから……人間と魔道に入った種族の血を引く事。

 魔道に入るイコール魔物化の事だ。要するに短いスパンでの進化適応の事を魔物化とこの世界では言うのだな。誰しも何かひょんな事で、道を外れてしまう。誰でもその可能性は秘めている。
 リアル俺らの世界には知的生物は人間しかいねぇからな。人間以外と言ってしまうと途端に差別問題だ何だと面倒くせぇけど……こっちの世界だと人間以外にも種族があり、それが世界的に認められている。
 だから、人間が容易く人間である事を止めたものを『魔物』として差別する事も容易であるのだな。文化的にアリであり、実際問題でもアリなのだ。

 人を殺す事が楽しくて仕方がないような人間は『殺人鬼』だ。
 リアルでは、殺人鬼と分類は出来てもモンスターと言ってきっぱりと違う種族だと線を引く事が出来ない。
 ところが、こっちの仮想世界ではそうじゃない。
 そういう快楽殺人者は『殺人鬼』というモンスターとして分類してオッケーである。同時に殺人鬼も殺人鬼として開き直る事が出来る。

 その子供が同じく殺人鬼になる可能性が有ろうが無かろうが……子供には殺人鬼という魔物の血が流れる事になるのだ。

 極端な例じゃないんだからな?
 これは実際に起こりうる事で、実際に起こっている事と言える。この俺であってもだ。
 はっきり言おう。
 俺は何の取り柄もない人間であるが、俺の家系はそういう世間的に忌避される血が入っているらしい。

 俺自身がそういう経歴を持っているから俺はそう、断言するのだ。

 とはいえ、アダさんに言った通り俺は両親を知らない。気が付いた時にはじいさんとド田舎で二人暮らしだった。
 ただ……どうもその『家』がそういう曰くを抱えているらしくて村八分にされていた。
 ちなみに、暮らしていたじいさんと俺に血の繋がりがあるのかもはっきり言って分からん。
 血のつながりなんぞ、何で証明出来る?
 遺伝子を調べれば分かるとかそんな近代的な実証がこの世界で出来ると思うか?
 俺はガキで、じいさんの孫として認識されてしまった。その状況をガキだった俺がどのように忌避出来たというのだろう?
 出来たのは、逃げ出す事だけだ。
 その村から、家から、じいさんの孫だという認識をされないどっか遠くに行く事だけがその認識から逃れる術になる。
 それは、戦士ヤトの経歴としてすでに10年以上昔の事になる実に青い思い出だ。だから、俺はそれをアダさんにそうだと説明できるしこのように、冒険の書に公開が可能である。

 だがどうだろう?
 リアルの俺は、サトウハヤトはどうだ?10年前の事を全てああ、あの時は青かったなぁと笑いながら語れる?リアル俺の10年前。
 ……学生時代だ。一番イタい中高生時代、確かに青かった。多くの出来事を笑い事として語る事が可能だが全てとは言えない。今リアルで両親と仲が悪いのは、遡って反抗期を後引きずってるからだ。

 俺はリアルで、過去を戦士ヤトのように全てぶっちゃける事が出来ない。
 過ぎた事だどうでもいいと振る舞う事が出来ない。
 この世界で出来る事が現実では出来ない、出来ない事ができる夢のこの世界で、それを痛い位に思い知る。

 痛みがある。肉体的にではなく、精神的にも。
 それでもこの経験を現実に持ち帰る事は無い。ここでこの痛みを堪え、我慢して超えてもその経験はここだけのもので、現実の俺には持ち越せない。

 戦士ヤトとしてではなく、リアル-サトウハヤトとして俯いて、不貞腐れたくなったが止めた。
 気を抜くんじゃない俺。
 今俺はハヤトじゃなく戦士ヤトだ。青旗プレイヤーの前ならいざ知らず、この世界のNPCのアダさんの前で不適切な行動はすべきじゃない。
 ……経験値が減らされてしまうッ!ゲーマーとして、それは容易く容認しちゃいけんよな?
 俺はゲーマーとしての意地でなんとか鬱な気持ちを耐えた。こういう事が出来る時点で俺は、サトウハヤトとは別だよなぁ。
 俺は、その事実に不貞腐れているのだ。


「……単なる魔物化って可能性は無いんスか?」
「勿論あるだろう。だが……レブナントや神官殿から聞いた話だと君の規模は暗黒混種だろうな。自身でも納得する所はあるのだろう?」
 確かに……ある。

 何しろ俺は一度赤旗を発現し、魔王化している。
 暗黒混種と言えば『魔王』と言われる文化であるある手前、圧倒的に他者を排他する思考の上にもたらした破壊衝動を爆発させた俺は……それを克服できている訳ではない。

 俺は人間だぞ?確かに裏設定で潜在魔力高くはしたけど……ちゃんと人間という種族を選んでキャラクター作ってんだ。
 赤旗から干渉されて、俺の設定が歪み始めている。
 俺の血に混じってしまったものは何の血だろう?

 んぁ?
 しかしいくらここがファンタジーとはいえ、他人の血を混ぜるなんて行為は容易く可能なんであろうか?
 科学的に言うと型が合わない事には出来んよな?
 一番普遍的な奴だとA・B型。それから……RHプラスマイナス?あんまり詳しくは無いけど……血ったって血漿とか赤血球とか、色々なものひっくるめたものである訳だろ?具体的にはそのあたりどうなんだ?
 ……間違いなくナドゥのおっさんからぶち込まれた溶液の色は……赤だったと記憶するが。

「で、ぶっちゃけてどうなんです。俺はその暗黒混種を進めてもいいもんなんスか?」
「それを選ぶのは君だ」
「っても、止められるものかどうかも俺には」
「暗黒混種の発動は精神的なものだ。知っているのだよね?」
 ああ、知っている。だから俺の心の持ちようだって?
「力を望めばそれに適う。だが……何の為の力だろう?疑問に思うなら君の力の暴走は止まるだろうし、再び自分に蓋をするだろう。逆であれば力になびく、その分君は蓋をしたものを解放してしまうんだろう」
「蓋をしているって、それは具体的に何なんですか」
「暗黒混種の根元は他者への憎悪と嫌悪、妬みと嫉妬だ」
「……」

 そんなもの、持たない人間の方が希少だ。
 正直俺はそう思う。

「決着を付けに行ってみるかね」
「どういう事ですか」
「君がどうなるのかは君次第だろう、明日もう少し調べてレブナントには詳しく説明しておくが……難しい事は君には分からないだろうからそうとだけ言っておく。暗黒魔種であるなら精神的な問題が第一問題だ、だから君は、自分の事を理解してみたらどうだろう?」
 よく分からない。
 いや?分からないように戦士ヤトが逃げているだけだというのか?
「シエンタに戻ってみればいい」
「……故郷に、ですか」
「それで過去を全部何でもないと受け入れられるなら、君は暗黒混種がなかなか克服できないと言われる精神的な問題を突破出来ている。すなわち、魔道に入る必要はないだろう。逆に……戻ってみて何か引っかかる事があるならそれが君の『蓋』だ。それをどうするのかは君で決めると良い」
 ようするに俺の心の持ちようで俺の魔王化は止まる、という事だろう。
 ……よく考えると困った展開だな。

 困ったぞ、デバイスツールで何とかなるもんだと気楽に考えていたのに。
 つまりデバイスツール関係ないって事じゃねぇか。

 むしろ、デバイスツールでは俺の『赤旗』は直せないって事じゃねぇかよ。
 なんでだ?どうしてだ。
 ……嫌な展開だが……まさか、俺の事情はレッドフラグ関係無いとでも言うのか……?
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