異世界創造NOSYUYO トビラ

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8章  怪奇現象    『ゴーズ・オン・ゴースト』

書の4後半 約束の午後『約束、しちゃったのかなぁ……』

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■書の4後半■ 約束の午後 Have a date...Who, me!??

 と云う事で、今度は魔導師と一緒に歩いている。
「やっぱり憶えているんですね」
「憶えているだろ、当たり前じゃねぇか」
「……とすると、なかなか理不尽な感じがしませんか?」
「そうか?」

 転移門を幾つか潜って、見慣れない区画に連れて来られている。
 すっかり日が沈んだが……この区画はやけに明るいなぁ。魔法による照明がギラギラだし、人通りも多い。
「ここはドコだよ?」
「物質精製に関する魔導師が多く住む区画で……特に言えば料理に関する魔導師達の店舗が多い区画。ようするに飲食街です」
「へー、そんなんあったんだ」
「一般人は利用しない方がいいですよ、フツーにカモが来たと思われて実験料理食べさせられますから」
 はん、そんな事だろうと思った。俺は苦笑して、明るいイルミネーション?港町でも見たがこれ、俺らが知ってる照明広告塔とはちょっと違うな……魔導都市だからやっぱり、魔法の何かだろうか?とにかく、あちこち眺めていると、
「コーヒーで、よろしいですね?」
 レッドが迷いなく歩いてくので、それから離れないように俺は後に付いて行く。
「おう、美味い所な」
「……合成コーヒー店とか連れて行ったら怒りますよね」
「はぁ?そんなのもあるのか。……てゆーかお前、そこに連れて行こうとしてねぇか?そんで俺を騙す気だろう?」
「いいですねぇ、本当にコーヒーの味が解るのか、試してみたい気もしますが」

 そんなこんな話しつつ、連れられてきたのはカウンターバーだな。リアルでもよくあるような。
 俺、バカキャラだから看板とかよく読めないのである、この異世界基本的に『日本語』が標準でリアルで言う所の外国文字の『横文字』全般が古代語というくくりになってて……知識が無い俺には読めないのだ。
 魔導都市はこの横文字が横行しててだな、ある程度の英語はリアル俺にも読めるはずなのに……こっちの世界の戦士ヤトは読めない。一応そういう情報制限は掛るものであるらしい。
 だから今入った店がどういう所なのか外観から判断するしかないのだが……。
 店に入った途端了解した。
 オッケーレッド、ここはカフェバーだ。店内に満ちている濃厚なコーヒーの匂いに俺は、途端に気が緩む。
 目の前で豆を煎り、曳いて……スタイルに合わせてカップの中に淹れる。
 一連の動作、客の目の前で全部魔法でやるという……なんとも風変わりなバーだ。
「これなら疑われませんよね?……割と、カフェイン中毒の魔導師は多いんですよ。カフェインに限らず中毒症の人達が結構多いのです。ニコチン、アルコール、化学薬品に自然麻薬……その中で一番身体への影響が少ないという事で、コーヒーを飲む魔導師は昔から多い。間違いなく世界の消費量3割は持ってるでしょうね」
「ふぅん、」
 レッドのいつものうんちくを俺は、適当に聞き流す。すでにマスターのコーヒーを淹れる動作にくぎ付けになっている。
「それで、代用品や偽物も横行するのです。だからこのように……騙していない事を目の前で主張する必要に迫られたのでしょう。もちろんそれなりに代価はかかりますが、それでも上等のコーヒーを飲みたいという、貴方みたいな人が結構いるのです」
「なるほどなー……」
 適当に相づちを打ちつつ、早速俺は目の前で淹れて貰ったコーヒーをまったり飲んでいる。こだわりが強いのだろう、産地別、ロースト方法、淹れ方の指定などがリアルと似たような感じで事細かにメニューにあったが良く分からんのでお任せした。流石に名称はフレンチとかアメリカン、とかではない。豆の産地に由来する名前も同じく。しかし、俺の嗜好が反映されていて常習的にコーヒーを呑んでいるらしい戦士ヤトがある程度、このコーヒーの特徴を分かっている様だ。コーヒー飲みながら改めてメニューを眺めていると、これがどちらかというとアメリカン方式で、こっちがエスプレッソ方式、というようなリアル知識とすり合わせた情報がぼんやりとリコレクト出来る。
「……で?」
「で、って。……何でしょう」
「何でしょう、じゃないでしょう。お前が言い出した事だろ?」
「……確かに『ボク』が言い出した事ですが」
 レッドは相変わらず、ミルクたっぷりの奴を呑んでいる。ブラックも飲むっぽいが、余裕があるならラテ方式を選ぶ事は……リアルと同じだな。
「俺は別にお前に用事はねぇんだよ。俺に用事があるのはお前だろう?」
 レッドは困った顔で肩をすくめる。
「いえ、単にあちらで約束した事は……こちらでも通用するのかなとそう思って。それを実験したかっただけです」
「だから、そりゃするだろう。俺達青旗はそうそれが出来るプレイヤーだろうが」
 カウンター席しかないので、マスターが遠ざかったのを確認してから俺は小さな声で返した。
 これ、あんまり人に聞かれて良い部類の話ではないよな。経験値がマイナスされる話である。
「だから理不尽ですよね、と言ったのです。こちらで約束しても……それは、あちらでは果たされる事はないのですから」
 あぁ、そう言う事か。確かにな、俺もその理不尽さには遭遇してるよな。アインの事とか……。
 こっちでどんなに何かを悟っても、語っても。あっち、すなわち現実では全部、忘れ去られてて。
 夢で、夢だから……現実にはならなくて。
「……すいません……。僕は……どうやら話したくないようだ」
「何が?」
「惚けないでくださいよ、僕はまた貴方に嘘付いた事になりますねって、それを懺悔してるんじゃないですか」
「あのさ、お前嘘いっぱいつくからどれが嘘だったかとか、俺ぁ上手くリコレクト出来そうにないんだけど」
 割とマジに。
 そして……少しだけ奴に気を遣ってそう惚けてみた。
 もちろん、レッドは俺が込めた意味の割合までしっかり解ってるんだろう。普通に笑って小さく頭を下げた。
「……すいません」
「別に、いいんじゃねぇの。お前が話したくないなら黙っとけばいい事だ。アベルだってそう言ってたんじゃねぇのか?」
「こっちで……何かしらの解決を望んでも無意味ですからね」
「ああ」
 多分、お互い同じ事考えてたんだろうな。正直勘弁しろよとは思うけど。……俺とレッドは似てるよ。
 現実で、もの凄く似たもの同士だ。だから俺はコイツが生理的に嫌いなのだろう。
「ちょっとだけ、暴走したみたいですね」
 レッドは困った顔で笑っている。
「暴走?」
「いやぁ、こっちに来てもの凄く馬鹿な事をしたなぁと反省しているんです。どうして僕はここではなくて、現実の喫茶店を指定して貴方を呼び出せなかったのかなと」
「でもな、今ここだからぶっちゃけるけど。俺その時色々と鬱ってたから応じてないと思うぞ」
「……いいんですよ、僕は貴方が返事をしない事くらい分かっていますから。貴方の対応を待っているんじゃないんです、僕は自分自身のその行動に意味を見いだしている。重ねて謝っておきます」
 要するに、俺を利用したと言いたい訳か?
「ちなみに、ここのコーヒーは僕がおごります」
「ああ」
「それでチャラにしてくださいね」
「うぉい」
 そういうオチを付けるなよお前は。


 本当は、無視してもよかったんだけどな。


 現実のサトウハヤトの携帯に、無題で届いた『約束』のメール。
 返信不要、行動にて示してくださいと書かれてあり、俺はその時間違いなく気分がむしゃくしゃしてて……差出人に向けて『バカか』と思ったな。

 誰がそんな約束に応じるかと、そう思っていた。

 リアル時間に換算すると昨日の出来事である。
 現実のレッド、すなわちイガラシミギワから届いたメールの内容はようするに……日時および場所を指定して二人きりで会うという俗にデートという奴だ。アベルが言った通りであるから俺はさっき、ちょっと慌てた通り。
 もちろん、デから始まるような不謹慎な言葉は一切書いてなかったけど……要するに、デートだよなという内容だったのだ。
 何を話すつもりなのか、どういう意図があるのかという事は書いてなかった。実験だというのなら、実験だと書けばいいものを。
 正直リアル-サトウハヤトは『誰がそんなもんに応じるか』とかチキン丸出しで思っていた。大体、最初の会合だってあれはテリーらの後押しがあったから実現したのだ。悩み事があったからそれを解決したくて、それで俺が望んでレッドに会った奴。
 俺が珍しく自分から一歩を踏み出したから実現している事である。
 しかし基本的にリアルの俺は、他人から一歩踏み込まれると二歩以上引き下がるようなチキンだ。
 へたすりゃ全速力でその場を逃げるからな。
 俺を呼び出すようなメールが通じないのは……ま、アベルやらテリーやらのメールをことごとく無視している現実の通り。

 でもこっちに来てそれを憶えていて……何を話すつもりなんだろうという興味が勝った。偽装しているキャラクターが、本来の俺の考え方を覆す。
 ぶっちゃけて、とても奇妙な気分だよ。

「トビラというのは、やはり一方通行という意味でそういう名前になっているようですね」
 ぼうっとしていて、ふいと振られた言葉に俺は曖昧な相づちを返す。
「ログインという作業でトビラを潜る、ログアウトという作業で再び……トビラを潜る。外見を憶えていますか?入る時は白で、出る時は黒ですよね。同じトビラを潜っているんではない、同じであるなら本来、この世界の定義的にはトビラとは言わない。その場合は門ですから」
 憶えている、トビラの中ではそれをちゃんと覚えているな。リアルではどうだろう?リアルだと、トビラの事をあまり考えてないんだ。大好きなゲームの事なのに、ゲームをする事は考えられても実際どんな中身だったかは『夢』を思い出すような事で曖昧になるから。
「ああ……成る程な。そうだ、ついでだから聞いて良いか?」
「何でしょう?」
「この場合のエントランスって、どこにあるんだろ」
「トビラの中でしょうね。エントランスから黒いトビラを潜ってログアウトするんですから。要するに……こっちの世界にあって一般的には触れる事の出来ない別の階層(レイヤー)の一つという事だと思います」
「でもそれだと……ログイン前の状況の説明が出来なくねぇ?」
「簡単ですよ。エントランスが二つあるんです。実際には一つなのですが、階層的には二つに分かれているのです。つまり、門によって現実と繋がるエントランス、および仮想と繋がるエントランスがあって……この二つの間にあるのが一方通行であるトビラです。トビラを潜ったかどうかでエントランスの階層が変わると考えればよいでしょう」
 成る程、そのイメージで俺は漸く納得した。
 8人目のテストプレイヤー、メージンは常にエントランスにいる訳だが……メージンはログ・CC出来る。非プレイヤーはログ・CC出来ない、だからメージンもまた一度ログインする必要があるのだ。一旦プレイヤーになれば、トビラを潜る必要なく、情報の共有が可能である。
 俺らとメージンの違いは、こっちの世界に置ける大陸座と世界の関係に似ているかな。
 だから非プレイヤーがリコレクトの一種であるログ・CC出来ないのはまぁ、当たり前だ。
 何でかって?それが、このゲームの肝だからさ。

 非プレイヤーとはすなわち、このトビラという仮想世界にログイン出来ない者の事を言っている。
 MFCを所持しているいないにかかわらず、ゲームログイン手続きを行っていない人、な。
 要するに、この世界にまだログイン出来ない人はリコレクトは出来ないという事だ。ええと……現実の話で説明するか。

 アベルの姉、アベカナコ通称カイン。
 こいつはトビラ・プレイヤーじゃない。
 今現在トビラをプレイ出来ているのは、テストプレイヤー権限を勝ち取った俺ら8人および、開発者の面々だけである。
 今はまだ開発途中であるから、俺達テストプレイヤーは自分の家からのログインはしていない。自宅でやっているのはログインとは違い、あれは単なるリコレクトだ。都合でR・リコレクトって事で説明しよう。
 R・リコレクトは夢を反復するだけに留まっている。RってのはリロードのRだぜ。
 ログインするには特別な鍵と鍵穴が必要だ。現実からの鍵、そして仮想に続く鍵穴としての『キャラクター』。これら二つが合致した時初めて『トビラの中』に入る事が出来る。
 本来このログインは自宅からもオンラインすれば可能であるのだが、現在は繰り返すが開発途中である為まだこの辺り、整備されていない。自宅からのログインは制限されており、トビラを挟んだ『手前の』エントランスまでしか入れない。ええと……エントランスに入る入り口はトビラじゃねぇな。相互行き来可能な『門』と言うべきだろう。
 そっからトビラを潜る事がログインな訳だが、R・リコレクトするだけならトビラがあれば事足りる。エントランスで、自分のトビラを目の前にする事で、夢の反復であるR・リコレクトが可能である。
 さてこの『夢の反復』は……鍵を持った人物であれば誰でも出来るのかというと、出来ないと説明されている。
 当たり前なのだ。
 鍵だけあってもトビラは開かない。というよりも……開けるべきトビラが無い。
 いわば、非プレイヤーはまだ仮想世界にキャラクターを持っていないという意味だ。すなわち、自分が開けるトビラを持っていない状況なのだ。鍵だけあってもしょーがない。

 故に、アベルがプレイヤーとして鍵を家に持ち帰り、これでもって姉のカインがMFCを起動しても何も反復リロード出来ない。R・リコレクトが出来ないという意味だ。

 同時に、鍵とトビラは一致する必要がある。
 俺ん家でナッツが『俺の鍵』を使ってMFCを起動してもやはり、動かないという話になるわけだな。自分の鍵を持ってくれば開く訳だけど。俺の鍵ではナッツのトビラは開かない。
 差すべきトビラは現れるが鍵が合わないのだからそういう事になる。 

「俺さ、現実に行くとここで起った事なんか、殆ど意識に持ってけない」
「僕もですよ、恐らく……みんなそうでしょう。そういう仕様なのです」
「こっちの思いは何一つ持ち帰れないのに。……あっちの感情はここに、持ち込んでいいのかな」
「……どうでしょう。可能なのだから許されているのでは」
「許されているのと、許すのは別じゃね?」
「そうでしょうか」
「お前、許せるのか。……俺は何か許せないな。誰の気持ちでこんな事思うのかよくわかんねぇけど……迷惑なって、戦士ヤトが言っている気がする」
「……貴方は、やっぱりバカですね」
 やっぱりバカとは何だ。俺は憮然としてレッドを睨む。
「そう思う事を含めてこの世界では、それが貴方なのですよ。時に現実を交えて迷う事も……僕自身であるように」
 そういう事に迷うのが……遅いってか。
 俺は苦笑して視線を逸らした。だからバカだってか。
「よくわかんねぇ、俺……バカだもんな。お前はそれに決着ついたのか?」
「おかげさまで」
「おかげってんなら、俺にも教えろよ。俺はどうやってこの迷いを断てばいいんだ?」
 レッドは苦笑する。
「現実で、貴方は同じ事を僕に聞いているんですけどね。だから僕が答える言葉は同じです。『現実』を否定するのを止めればいい。拒絶しないで受け入れてしまえばいい、体裁や一般論は置いておいて、……自分の心に素直になればいい。……今現在の貴方にとっての『現実』はどこですか?」
 繰り返している、その言葉だけ。
 現実と、現実と。
 仮想と、仮想の間で。
 俺はその問いに答えを出すのに少しだけ迷った。
 思い出している。
 正しく思い出せないけれど……俺が経験に対してどのように思い、どのように迷い、どのように……その迷いと決別したか。

 ここは現実だ。

 現実で、俺はそれを言い切る勇気が無く、軽い気持ちで仮想に逃げようとする。
 ここではそれが現実の事であり、現実に置いてはここの事。
 でも俺は、この世界では言えない言葉を言い切って、強く自分の全てを肯定出来る。その様に演じられた俺は『この世界』では正しく、そうではないチキンの俺など間違っている。

 やめよう。
 俺はかつて何度、そう思っただろう。

 そしてそれを忘れ、いつしか仮想に置いてきた俺を引っ張り出してきただろうか?そうしてしまうのは何故だ。
 仮想の俺と現実の俺を、どう足掻いても交差しない二つを同じモノとして関連性を持たせたいからじゃぁないのか?

 リアル俺は出来ないけどな、などと比較する、その事事態が現実からの逃げだ。
 今晒されている『現実』からの逃避なのだ。

 俺が強い?この世界で精神的に強い?
 どこがだ、俺は……とんでもない弱虫だ。
 その気質を、俺は現実という『仮想』から持ち込んでいる。そういう自覚が少なからずあって俺は、現状が許せないと思っている。
 その思いこそが真だ。どこまでも正しい。誰にとってとか主観がどっちかなんて指摘するまでもない。
 それは今俺が抱く『思い』だ。重くなどない、そう思う事こそが俺の真。
 疑うな、比較などするな俺。
 俺は俺だ、そのようにお前はここまで生きてきたんだろう?誰かと比較するような生き方は止せ。

 例えそれが『俺自身』に対してでも。

 俺は……かつてずっと昔に。約束をしたじゃないか。


「ああ、そうだったな。そうだったんだ」
「……重荷は取れましたか」
「ああ、……多分。一回ログアウト挟んだら忘れてたわ」
「いいんですよ。そのように大事な事も時に忘れる、それが人というものです。演じているのは、そういう生き物なのです。でも……思い出す事も出来る、そういう生き物でもあるのです」

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