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10~11章後推奨 番外編 ジムは逃げてくれた
◆BACK-BONE STORY『ジムは逃げてくれた -3-』
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◆BACK-BONE STORY『ジムは逃げてくれた -3-』
※これは、10~11章頃に閲覧推奨の、アベル視点の番外編です※
粗末なおかゆの入った皿を手渡してあげたら、顔の歪んだ少年は嬉しそうに受け取った。
少年は体の一部が麻痺している、慎重にね、と声を掛けてやらないとしょっちゅう、お皿を取り落として中身もぶちまけてしまう。
右腕が萎縮した少年は左手でスプーンを握り、不器用に食事を口に運ぶ。
少年だ、と思っていたけど……そう、彼が小さな頃からあたし、世話をしていたからだわ。
歪な体と、成長の遅い頭を持った彼は昔と何も変わらない様に思えたのに、もう16歳になってしまった。
その少年が怪物に食い殺された瞬間をあたしは、高い観覧席から見ていた。
彼は、長くは生きれないのだろうというのは知っていた。
だから、足を食いちぎられて泣き叫び、助けを求める彼の姿を冷たくあたしは見下ろしているだけで特に、何も感情的になる事はなかった。
むしろあたしは……。
甚振るつもりはないのだろう、獲物を食べる事に不器用そうなあの陸に上げられた巨大な醜い鰐の怪物に噛み千切られる、少年に向けてあたしは。
護身用に携帯しているナイフを投げつけてやりたいと思う。
その喉に、無防備な項に、ナイフを突き刺しあの少年の痛みと恐怖と絶望を今すぐ取り除いてやりたい。
そろそろと手が自然にナイフに伸びていたのを目を細めながら、あたしは止めた。
ヘタな食べ方。
噛み付いて、首を振って引きちぎり肉片と臓物を巻き散らかす鰐の怪物を見ていて、あたしはあの飛び散る肉片で構成されていた少年の、ヘタな食事の様子を思い出す。
必死に生きていたのに。
多くの子供達があのように、無残な死を迎えるのをあたしは、淡々と見ていた。
情が沸く事はない。……感情を移入してはいけない事は知っていたのだと思う。
可哀想だと彼らを思う事がどれだけ、あたしに許されない事であるのか、あたしはそれだけはまるで本能であるように悟っていて。
理屈ではなくて、感情でもなくて。
まるで義務であるように。
それがアベル・エトオノの義務であるように、あたしは少年達が生きるために戦う様子をずっと見ていた。
*** *** *** *** ***
パパから止められたけど、あたしは自分の生き方を変えるつもりは無い。
カーラスがダメで元々とあたしに挑んできたけど……追いかけてくるのもウザいのできっちり肘を食らわせて沈めておいたわ。
あたしは昼過ぎ頃を見計らってラダの所をたずねた。
諸夏にしては暑い昼下がり、魔物達は暑さを誤魔化す為に大人しく寝ている時間帯でもある。
「……お嬢、」
ラダはたずねてきたあたしを深いため息で出迎えた。
「新しいモンスターが入ったそうだけど、どれ?」
いつもと変わらない風をあたしは装い、並ぶケージに目を泳がせる。
「もうここに来るのはお辞めください」
「……どうしてよ、いいじゃない」
「いずれここを出て行かれるのでしょう?」
「……!」
あたしはラダの切り崩し方に対応出来ずに躊躇する。
「貴方は、この闘技場を継がないおつもりなのでしょう」
やや、盲点。
あたしは知らなかったのか?
自分で主張しておいて気が付いていなかったのか。
この町を出るという、自分の言葉の意味を。
目的も無ければ、そうして自分が何者になるのかさえ想像していなかった。
楽天的な夢だったんだ、そんな事出来るはずが無いと、夢見ているだけの事だったんだ。
それを何度も、何度も騙っていたんだ。
「ならば……貴方はここで起こる全てに責任を感じる必要など無いのですよ」
大男であるラダはあたしの前に膝を付き、しゃがみ込んで諭すように訴える。
「ここに来る事も、闘技を観戦する事も、無感情を装い耐える必要は無いのです」
「……あたしは別に、何も責任を感じてこんな事、してる訳じゃ……」
「幼い貴方が……私に何と言ったか憶えておいでですか?」
あたしは……正直よく覚えていないから、小さく首を傾げてしまった。
あたしはラダに何を言ったのだろう?しかしそれをラダは答えなかった。
「……お願いですから」
ラダは地面に額をつけるかと云う程頭を下げるのであたしは、驚いて膝をつく。
「やだ、やめてよラダ」
「本当に、今回は私も引くわけには参りません。お願いいたしますお嬢。もう彼らの世話などしないでください。ここに来るなとは申しませんが……」
顔を上げ、いつもの真面目な顔であたしを見上げるラダ。
「お嬢様によからぬ噂など立ったらと思うと私は、気が気では無い」
心を許している分、カーラスやパパから言われるよりもこうやって、ラダから真剣にお願いされる方があたしには堪えてしまう。
「……ああ、……もう……どうしてそこまでして止めるよの、訳分からない」
それでもまっすぐ見つめられてあたしは、観念した。
「……分かった、分かりました。でもさ、新しいモンスターは見てもいいでしょ?」
「それは……残念ながら見せられません」
「どうしてよ」
口を尖らせたあたしはふっと、背後に気配を感じて振り返る。
「先生?」
昼間は一歩たりとも外に出ないメルア先生が青白い顔で立っているのを見つけ、あたしは慌てて彼に駆け寄っていた。
「大丈夫?どうしたんですか?」
「いや、何……カーラス君がそこの廊下で伸びているのを発見したものでね。もしかするとここにいるのかなと思って」
苦笑してメルア先生はラダに会釈した。
あたしはこの時知らない事だけれど……恐らく、ラダはすでに先生の事情を知っていた様だ。
ラダは無言で、先生を歩かせまいとしてあたしに続いて先生の方へ歩み寄ってきていた。
「アダムさんから、何とか事情を説明するように言われていましてね……」
「何を?」
「……世話を辞めろと貴方に言う、その真の理由ですよ」
扉の影からこっそりと伺う。
暑さにうだる小屋の中で、子供達の殆どが昼寝をしていた。
その中で一人ぼんやりとした姿勢で椅子に腰掛けて、鉄格子の嵌った窓から外を眺めている見慣れない子供をラダは指差したようだ。
遠くから闘技場の歓声が聞こえてくる。
少年はまるでそれに耳を傾けている様にも見えた。
薄汚い上着にぶかぶかのズボン、手首には拘束用の手錠が掛けられ、特に右手には大人の隷属剣闘士に日常的に付けられるタイプの錘を兼ねたプレートがついている。
首にぶら下がっている綺麗な緑色の首輪は、エトオノ所属拳奴のものではなかった。
「……誰?」
「あれが今回競り落とした新しいモンスター」
そっと扉を閉め、ラダは囁いた。
「えッモンスター?……だってあれ、人の子供じゃない。……ここに居るって事は15歳未満でしょ?」
「そう、まだ13歳らしい。……ちょっと訳ありで私がしばらく世話をする事になるが……いずれ拳奴の一人として上の組に上げる」
あたしは怪訝な顔で腕を組んだ。
「おかしいわ、パパは昨日競り落としたのは『モンスター』って言ったわよ?」
「モンスターなんだよ、評価的には」
冷たいお茶を戴きながら先生は言った。あたしはその隣の席に腰を掛けて詳しい説明を聞く為にメルア先生に視線を投げる。
「南町にあるグリーンの話は知っているかい?」
「グリーン?……やだな、あの好色家のグリーンの事?」
あたしはあからさまに嫌な顔で反応した。
グリーン、世間的な評価も最悪な男だ。頭の悪い友達連中との間でも最悪な奴の代名詞的に使われている気持ちの悪い男である。
奴は小さな裏闘技場を持っいてなおかつ、娼婦業も営んでいる。
一番たちの悪い噂では、グリーンは両刀だと言うわね。グリーンは娼婦と娼夫の両刀経営をしているからそういう噂も立つのだろうけど。
だけどもちろん、本当の事はあたしも悪友達も知らない。悪評だけが流れて来て、それを真に受けて勝手に毛嫌いしているだけだ。
「パパったら、あんな奴との取引もしてるの?」
「……じゃぁ知らないのか。グリーンが死んだという話は……」
「死んだ?」
メルア先生は少し考えるようにしてから顔を上げる。
「割と隠されている事なのかもしれない。あまり人には言わない方がいいかもしれないね。……グリーンは死んだんだよ、殺されたらしい……買い上げた拳奴からね」
「……やだ、」
まさかそれって……。
扉の隙間から覗いた、遠くを見つめる少年の横顔をふっと思い出す。
「所がね、普通ならグリーンを殺した拳奴なんてその場で殴り殺されてもそれまでなのだけど。どうも経営陣はあの社長を良く思っていなかったらしい。……流石は裏闘技場経営者と言うべきかね。……グリーンの会社を引き継いだ者達は、この血生臭い噂のこびりついた拳奴を転売に掛けた」
「モンスターとして競売に掛けられていたようだ」
ラダが、静かに付け加える。
「……でも、人間なんでしょ?」
「そうなのだ、ただの人間なのに魔種としての価値など付けられるはずもない。しかし……好色家で知られるグリーンがその拳奴から殺された、という『噂』が先行した。彼がモンスターとして売りに出された『理由』として広まってしまってね……野次馬は付いたが買い手が付かない気配で」
それで、余りものを買い叩いていたエトオノファミリーの所に回ってきてしまったというのか。
「パパったら、どうしてモンスターなんて言ったのかしら」
「もちろん、それは長が販売者の名誉を傷つけぬ為であろう」
「何それ」
ラダは真面目な顔をしながら大きな手で、小さな茶碗をつまむ。
「モンスターとして売られているから、モンスターとして買われたのだろう」
「買い叩いてる癖に」
「それは誤解ですよ、アベルさん」
メルア先生は少し苦笑して茶碗を置いた。
「アダムさんは行き場も無く、たらい回しにされる子供達を引き取っておられるんです」
「モンスターのエサにしちゃうくせに……」
「でもちゃんと、お世話してあげているでしょう?……買い手が付かなければもっと酷い扱いを受ける事になるのですよ?無価値であるならそれこそ、生き延びるための挑戦も出来ぬうちに殺されてしまうかもしれない。タダで賄う訳には行かないから、彼らは自分で食い扶持を稼がなければいけないのです」
あたしは俯いてしまった。
認識していた世界が、少しだけ違う形である事に正直、驚いてしまって……。
再びあの熱に似た感覚が湧き上がるのを必死に抑えていた。
「ラダ、」
「何でしょう」
「あたし、やっぱり嫌だわ」
「……は、何が……ですか?」
あたしは顔を上げる。
「あたし、やっぱりまだここで働きたい」
「……お嬢……」
「ねぇ、せめてそのさっきの彼をもうちょっと見てからじゃぁ駄目?」
「アベルさん、アダムさんはそれを危惧されているんです」
メルア先生の言葉にあたしは眉を潜めていた。
「どういう事?」
「……右腕の拘束、見たでしょう?グリーンの生死に関わっているかは定かではありませんが、ラダさんはその辺りをはっきり、彼から聞き出さなくてはならない。今だ精神不安定で何をし出すか分からないとベンジャーさんが言っていました。しかし……だからといって買い取ってその後もモンスターとして扱うのはどうでしょう、アダムさんはその様な事をする人ではありません」
「いずれ剣闘士の卵だ、ある程度の協調性は仕込む必要があるのに、怪物扱いなどして彼の心を挫くのは得策ではないだろう……私が責任を持って世話すると掛け合った」
「ラダ……」
「お嬢、今しばらくは近づかないで戴きたい。何かあってからでは遅いのです」
ああ、そろいもそろって心配性よね。
あたしはため息をついた。
先生まで出てきて説得にこられたらあたしだって、そんなに意地を張っていられないわ。
「もう……分かったわよ」
*** *** *** *** ***
「あたしって、変なのかなぁ」
ある日、軽くなじられたその言葉を受け流す事が出来なくなってしまって、あたしは先生に尋ねていた。
千鳥足のあたしを驚いて迎え入れた先生は、慌ててあたしの肩を支えてくれた。
「お飲みになったんですか?」
「違うのよ、謀られて一口だけ、もう……先生から警告されてたからこれでかなり、気を付けてるんだけどなぁ」
あたしは実は、種族的にアルコールに弱い。イシュターラーは全体的にアルコール耐性が低いんだけど、輪をかけてあたしには毒だ。一口でも駄目で、酒成分が飛んでいないと料理でも酔っ払ってしまう位。
まぁ、そういう都合出回るお酒の度数自体がかなり低いんだけどね、主にビールなんだけど、イシュターラー向けの通常ビールが如何に不味いか、っていうのは観光で来た大陸人のお決まりセリフなのよね。なんか、あえて頼んで飲んでみるのね、彼ら。
あたしにアルコール耐性が無いっていうのは、メルア先生から予告されていた事なので……間違っても酒場でアルコールなど口に入れないように、あたしはこれで気をつけて夜遊びに出ている。
所が今日、カーラスの奴にまんまと騙されて一口だけ軽いビールを含んでしまった。
途端吹き出し、ついでに持ったグラスの中身を腹いせにカーラスにぶちまけてやったけど。
「あいつ、最悪……何かっていうと引っ付いてくるし、ウザいし、邪魔だし、余計な事ばっかりするし」
「カーラス君の事、本当に嫌いなのですね」
「当たり前でしょ、あいつバカよねー、仕事だとか言って四六時中あたしに引っ付いてさ、」
「……少しは気持ちも汲んで上げては?」
「気持ちぃ?」
椅子に座り、あたしは扇いで貰いながらぐでりと体を伸ばしていた。
「貴方にちょっかいを出すのは……貴方の気を引きたいからでは無いのですか?」
「はーッ、知らないわよそんなの。それがウザいのに」
もちろん、あたしはカーラスの意図を知らない訳ではない。
口に出してすっぱり切り捨てられないのは……単に、あたしがそういう事に実は純情であるという隠された属性の所為じゃないかな。だってあたしは未だに、先生の事が好きな事はいえないし、そういう素振りさえ上手く先生に見せる事も出来ない。
リアルではあんなにズバズバと切り込んで行ったものなのに、どうにもアベル・エトオノは『私』と違って乙女っぽい……恥じらい?って奴を知ってるって云うか……ええと、……思いの外女の子っぽいな、という印象があるかな。
先生、先生はあたしの事鈍感だって苦笑う資格は無いんですよ?
だって先生、先生はあたしの気持ちなんか知らないんでしょう?
もう、この勢いで言ってしまえばいいのにと『私』なら拳を振り上げるのに、アベルったら心の秘めるだけで密かに頬を染めて自己満足してるんだもの。
「アダムさんは勿論、そのつもりでカーラス君を貴方の目付け役にしているのだと思いますが」
「じょーだんじゃ無いわよ、パパ公認だろうとあたしにはそんなの、関係ないもんね」
「……悪い人ではないと思うのですが」
どうしてよ。
どうして先生はカーラスなんかの肩を持つのよ。
確かにあたしはどっちかっていうと面食いで、そういう点から言えばカーラスはいい男ではある。まぁ、バカで性格もあんまり良くないけど。それでマイナス。
結構アレで人気高いのよ?絶対影で他の女の子達から言い寄られているに違い無いのに。
……ここまであたしに拒絶されているのになぜ、あいつはあたしに食い下がってくるのか。っても、それも大体予想がつく。
どうせあたしのこのファミリーネームに固執しているに違いない。そういう嫌な奴だからあたしは、心を許す訳にはいかないのだ。
「ならばせめて、上手く手足として使えるようにしてみたら?」
「先生、結構ヒドい事言うんですね」
「そんな事はありません、ファミリーである貴方には必要なスキルだと思います」
あたしは椅子の上で起き上がる。
人を顎で使う技能、人の上に立って、命令して思い通りに動かすスキル?
「あたしは、この町から出るのよ!ファミリーなんて関係ない!」
「アベルさん……」
先生は……あたしの気持ちを知らなかったのだろうか?
もしかしたらとっくの昔に知っていたのかもしれない。
突然居なくなったメルア先生。
別れも告げずに先生は、あたしの元を去って行った。
あたしの知らない国元へ、突然帰ってしまった。あたしにその予兆を悟らせる事無く。
パパもファミリーのみんなも、カーラスも、ラダも。誰もそれを知らせてくれなかった。
その別れは、先生の望んだ事だったんだ。
事情は、みんなから教えて貰って、誰の所為でも無く、先生の都合で国に帰ったのだと諭されて、
当然あたしは沈んだ。
なんとか平常心を保とうとするんだけどそれが、無理で。
先生への気持ちは誰にも打ち明けたつもりが無いのに。
実はみんな知っていたのではないかという妄執に囚われ、誰と顔を合わすのもしんどくて……。
そんな風に振舞う自分の行動こそが、その事実を知らしめていると知ってもっと落ち込む。
先生、あたしは絶対この町を出る。
何度も先生に言って聞かせた。あたしはどうやってこの町を出て行こうと思っていたのか、誰にも言ってなかったのに。
まるで先生は、それが分かっていたかのように消えていなくなってしまった。
実はあたしは……先生について行きたかったんだよね。
家庭教師だから、いずれ魔導都市とかいう所に帰っちゃうのは知ってた。だからそれに、こっそり付いていこうと夢を見るみたいに考えていたのね。
実際そんな事が出来るのか分からない。そうなったらいいなぁと思うと胸が一杯になって、そうしたいなぁと思うと途端に現実的な問題を思い出して胸が締め付けられたように苦しくなって。
本当にあたし、先生の事好きだったんだ。
自分で思っていたよりずっと、好きで好きで、そばにいたくて堪らなかったんだ。
部屋に閉じこもって、反芻するたびに涙が出るのが悔しかった。
ただ一言、この思いを伝えられたら良かったのに。
それさえももう、出来ないなんて。
あたしはこの町をいずれ出る。
何のために?理由の欠落した未来。
理由が消失した夢。
あたしは必死に、実は伴っていなかった理由を探した。今更埋め込むように必死に理由を探した。
そうだ、先生に会いに行こう。先生を追いかけるんだ。
必死にそう思い描くのに、逆に気持ちが沈みこんでいく。
重く、あたしの心を押しつぶす不安。
……先生は、あたしが追いかけてきたらどう思うだろう?逢いに行ったらちゃんと嬉しそうに笑って手を広げて、あたしの事を迎え入れてくれるだろうか?
むしろ先生は……困った顔をしてあたしを見るのではないのか。
あたしの知らない町で、あたしの知らない誰かと、すでに並んで歩いているかもしれないじゃないか。
一人で居れば居るほどにあたしは、止め処も無く溢れる空想の世界に怯えてしまって……。
気が付けば、この町を出る事の恐ろしさにすっかり、足が竦んでしまっていた。
※これは、10~11章頃に閲覧推奨の、アベル視点の番外編です※
粗末なおかゆの入った皿を手渡してあげたら、顔の歪んだ少年は嬉しそうに受け取った。
少年は体の一部が麻痺している、慎重にね、と声を掛けてやらないとしょっちゅう、お皿を取り落として中身もぶちまけてしまう。
右腕が萎縮した少年は左手でスプーンを握り、不器用に食事を口に運ぶ。
少年だ、と思っていたけど……そう、彼が小さな頃からあたし、世話をしていたからだわ。
歪な体と、成長の遅い頭を持った彼は昔と何も変わらない様に思えたのに、もう16歳になってしまった。
その少年が怪物に食い殺された瞬間をあたしは、高い観覧席から見ていた。
彼は、長くは生きれないのだろうというのは知っていた。
だから、足を食いちぎられて泣き叫び、助けを求める彼の姿を冷たくあたしは見下ろしているだけで特に、何も感情的になる事はなかった。
むしろあたしは……。
甚振るつもりはないのだろう、獲物を食べる事に不器用そうなあの陸に上げられた巨大な醜い鰐の怪物に噛み千切られる、少年に向けてあたしは。
護身用に携帯しているナイフを投げつけてやりたいと思う。
その喉に、無防備な項に、ナイフを突き刺しあの少年の痛みと恐怖と絶望を今すぐ取り除いてやりたい。
そろそろと手が自然にナイフに伸びていたのを目を細めながら、あたしは止めた。
ヘタな食べ方。
噛み付いて、首を振って引きちぎり肉片と臓物を巻き散らかす鰐の怪物を見ていて、あたしはあの飛び散る肉片で構成されていた少年の、ヘタな食事の様子を思い出す。
必死に生きていたのに。
多くの子供達があのように、無残な死を迎えるのをあたしは、淡々と見ていた。
情が沸く事はない。……感情を移入してはいけない事は知っていたのだと思う。
可哀想だと彼らを思う事がどれだけ、あたしに許されない事であるのか、あたしはそれだけはまるで本能であるように悟っていて。
理屈ではなくて、感情でもなくて。
まるで義務であるように。
それがアベル・エトオノの義務であるように、あたしは少年達が生きるために戦う様子をずっと見ていた。
*** *** *** *** ***
パパから止められたけど、あたしは自分の生き方を変えるつもりは無い。
カーラスがダメで元々とあたしに挑んできたけど……追いかけてくるのもウザいのできっちり肘を食らわせて沈めておいたわ。
あたしは昼過ぎ頃を見計らってラダの所をたずねた。
諸夏にしては暑い昼下がり、魔物達は暑さを誤魔化す為に大人しく寝ている時間帯でもある。
「……お嬢、」
ラダはたずねてきたあたしを深いため息で出迎えた。
「新しいモンスターが入ったそうだけど、どれ?」
いつもと変わらない風をあたしは装い、並ぶケージに目を泳がせる。
「もうここに来るのはお辞めください」
「……どうしてよ、いいじゃない」
「いずれここを出て行かれるのでしょう?」
「……!」
あたしはラダの切り崩し方に対応出来ずに躊躇する。
「貴方は、この闘技場を継がないおつもりなのでしょう」
やや、盲点。
あたしは知らなかったのか?
自分で主張しておいて気が付いていなかったのか。
この町を出るという、自分の言葉の意味を。
目的も無ければ、そうして自分が何者になるのかさえ想像していなかった。
楽天的な夢だったんだ、そんな事出来るはずが無いと、夢見ているだけの事だったんだ。
それを何度も、何度も騙っていたんだ。
「ならば……貴方はここで起こる全てに責任を感じる必要など無いのですよ」
大男であるラダはあたしの前に膝を付き、しゃがみ込んで諭すように訴える。
「ここに来る事も、闘技を観戦する事も、無感情を装い耐える必要は無いのです」
「……あたしは別に、何も責任を感じてこんな事、してる訳じゃ……」
「幼い貴方が……私に何と言ったか憶えておいでですか?」
あたしは……正直よく覚えていないから、小さく首を傾げてしまった。
あたしはラダに何を言ったのだろう?しかしそれをラダは答えなかった。
「……お願いですから」
ラダは地面に額をつけるかと云う程頭を下げるのであたしは、驚いて膝をつく。
「やだ、やめてよラダ」
「本当に、今回は私も引くわけには参りません。お願いいたしますお嬢。もう彼らの世話などしないでください。ここに来るなとは申しませんが……」
顔を上げ、いつもの真面目な顔であたしを見上げるラダ。
「お嬢様によからぬ噂など立ったらと思うと私は、気が気では無い」
心を許している分、カーラスやパパから言われるよりもこうやって、ラダから真剣にお願いされる方があたしには堪えてしまう。
「……ああ、……もう……どうしてそこまでして止めるよの、訳分からない」
それでもまっすぐ見つめられてあたしは、観念した。
「……分かった、分かりました。でもさ、新しいモンスターは見てもいいでしょ?」
「それは……残念ながら見せられません」
「どうしてよ」
口を尖らせたあたしはふっと、背後に気配を感じて振り返る。
「先生?」
昼間は一歩たりとも外に出ないメルア先生が青白い顔で立っているのを見つけ、あたしは慌てて彼に駆け寄っていた。
「大丈夫?どうしたんですか?」
「いや、何……カーラス君がそこの廊下で伸びているのを発見したものでね。もしかするとここにいるのかなと思って」
苦笑してメルア先生はラダに会釈した。
あたしはこの時知らない事だけれど……恐らく、ラダはすでに先生の事情を知っていた様だ。
ラダは無言で、先生を歩かせまいとしてあたしに続いて先生の方へ歩み寄ってきていた。
「アダムさんから、何とか事情を説明するように言われていましてね……」
「何を?」
「……世話を辞めろと貴方に言う、その真の理由ですよ」
扉の影からこっそりと伺う。
暑さにうだる小屋の中で、子供達の殆どが昼寝をしていた。
その中で一人ぼんやりとした姿勢で椅子に腰掛けて、鉄格子の嵌った窓から外を眺めている見慣れない子供をラダは指差したようだ。
遠くから闘技場の歓声が聞こえてくる。
少年はまるでそれに耳を傾けている様にも見えた。
薄汚い上着にぶかぶかのズボン、手首には拘束用の手錠が掛けられ、特に右手には大人の隷属剣闘士に日常的に付けられるタイプの錘を兼ねたプレートがついている。
首にぶら下がっている綺麗な緑色の首輪は、エトオノ所属拳奴のものではなかった。
「……誰?」
「あれが今回競り落とした新しいモンスター」
そっと扉を閉め、ラダは囁いた。
「えッモンスター?……だってあれ、人の子供じゃない。……ここに居るって事は15歳未満でしょ?」
「そう、まだ13歳らしい。……ちょっと訳ありで私がしばらく世話をする事になるが……いずれ拳奴の一人として上の組に上げる」
あたしは怪訝な顔で腕を組んだ。
「おかしいわ、パパは昨日競り落としたのは『モンスター』って言ったわよ?」
「モンスターなんだよ、評価的には」
冷たいお茶を戴きながら先生は言った。あたしはその隣の席に腰を掛けて詳しい説明を聞く為にメルア先生に視線を投げる。
「南町にあるグリーンの話は知っているかい?」
「グリーン?……やだな、あの好色家のグリーンの事?」
あたしはあからさまに嫌な顔で反応した。
グリーン、世間的な評価も最悪な男だ。頭の悪い友達連中との間でも最悪な奴の代名詞的に使われている気持ちの悪い男である。
奴は小さな裏闘技場を持っいてなおかつ、娼婦業も営んでいる。
一番たちの悪い噂では、グリーンは両刀だと言うわね。グリーンは娼婦と娼夫の両刀経営をしているからそういう噂も立つのだろうけど。
だけどもちろん、本当の事はあたしも悪友達も知らない。悪評だけが流れて来て、それを真に受けて勝手に毛嫌いしているだけだ。
「パパったら、あんな奴との取引もしてるの?」
「……じゃぁ知らないのか。グリーンが死んだという話は……」
「死んだ?」
メルア先生は少し考えるようにしてから顔を上げる。
「割と隠されている事なのかもしれない。あまり人には言わない方がいいかもしれないね。……グリーンは死んだんだよ、殺されたらしい……買い上げた拳奴からね」
「……やだ、」
まさかそれって……。
扉の隙間から覗いた、遠くを見つめる少年の横顔をふっと思い出す。
「所がね、普通ならグリーンを殺した拳奴なんてその場で殴り殺されてもそれまでなのだけど。どうも経営陣はあの社長を良く思っていなかったらしい。……流石は裏闘技場経営者と言うべきかね。……グリーンの会社を引き継いだ者達は、この血生臭い噂のこびりついた拳奴を転売に掛けた」
「モンスターとして競売に掛けられていたようだ」
ラダが、静かに付け加える。
「……でも、人間なんでしょ?」
「そうなのだ、ただの人間なのに魔種としての価値など付けられるはずもない。しかし……好色家で知られるグリーンがその拳奴から殺された、という『噂』が先行した。彼がモンスターとして売りに出された『理由』として広まってしまってね……野次馬は付いたが買い手が付かない気配で」
それで、余りものを買い叩いていたエトオノファミリーの所に回ってきてしまったというのか。
「パパったら、どうしてモンスターなんて言ったのかしら」
「もちろん、それは長が販売者の名誉を傷つけぬ為であろう」
「何それ」
ラダは真面目な顔をしながら大きな手で、小さな茶碗をつまむ。
「モンスターとして売られているから、モンスターとして買われたのだろう」
「買い叩いてる癖に」
「それは誤解ですよ、アベルさん」
メルア先生は少し苦笑して茶碗を置いた。
「アダムさんは行き場も無く、たらい回しにされる子供達を引き取っておられるんです」
「モンスターのエサにしちゃうくせに……」
「でもちゃんと、お世話してあげているでしょう?……買い手が付かなければもっと酷い扱いを受ける事になるのですよ?無価値であるならそれこそ、生き延びるための挑戦も出来ぬうちに殺されてしまうかもしれない。タダで賄う訳には行かないから、彼らは自分で食い扶持を稼がなければいけないのです」
あたしは俯いてしまった。
認識していた世界が、少しだけ違う形である事に正直、驚いてしまって……。
再びあの熱に似た感覚が湧き上がるのを必死に抑えていた。
「ラダ、」
「何でしょう」
「あたし、やっぱり嫌だわ」
「……は、何が……ですか?」
あたしは顔を上げる。
「あたし、やっぱりまだここで働きたい」
「……お嬢……」
「ねぇ、せめてそのさっきの彼をもうちょっと見てからじゃぁ駄目?」
「アベルさん、アダムさんはそれを危惧されているんです」
メルア先生の言葉にあたしは眉を潜めていた。
「どういう事?」
「……右腕の拘束、見たでしょう?グリーンの生死に関わっているかは定かではありませんが、ラダさんはその辺りをはっきり、彼から聞き出さなくてはならない。今だ精神不安定で何をし出すか分からないとベンジャーさんが言っていました。しかし……だからといって買い取ってその後もモンスターとして扱うのはどうでしょう、アダムさんはその様な事をする人ではありません」
「いずれ剣闘士の卵だ、ある程度の協調性は仕込む必要があるのに、怪物扱いなどして彼の心を挫くのは得策ではないだろう……私が責任を持って世話すると掛け合った」
「ラダ……」
「お嬢、今しばらくは近づかないで戴きたい。何かあってからでは遅いのです」
ああ、そろいもそろって心配性よね。
あたしはため息をついた。
先生まで出てきて説得にこられたらあたしだって、そんなに意地を張っていられないわ。
「もう……分かったわよ」
*** *** *** *** ***
「あたしって、変なのかなぁ」
ある日、軽くなじられたその言葉を受け流す事が出来なくなってしまって、あたしは先生に尋ねていた。
千鳥足のあたしを驚いて迎え入れた先生は、慌ててあたしの肩を支えてくれた。
「お飲みになったんですか?」
「違うのよ、謀られて一口だけ、もう……先生から警告されてたからこれでかなり、気を付けてるんだけどなぁ」
あたしは実は、種族的にアルコールに弱い。イシュターラーは全体的にアルコール耐性が低いんだけど、輪をかけてあたしには毒だ。一口でも駄目で、酒成分が飛んでいないと料理でも酔っ払ってしまう位。
まぁ、そういう都合出回るお酒の度数自体がかなり低いんだけどね、主にビールなんだけど、イシュターラー向けの通常ビールが如何に不味いか、っていうのは観光で来た大陸人のお決まりセリフなのよね。なんか、あえて頼んで飲んでみるのね、彼ら。
あたしにアルコール耐性が無いっていうのは、メルア先生から予告されていた事なので……間違っても酒場でアルコールなど口に入れないように、あたしはこれで気をつけて夜遊びに出ている。
所が今日、カーラスの奴にまんまと騙されて一口だけ軽いビールを含んでしまった。
途端吹き出し、ついでに持ったグラスの中身を腹いせにカーラスにぶちまけてやったけど。
「あいつ、最悪……何かっていうと引っ付いてくるし、ウザいし、邪魔だし、余計な事ばっかりするし」
「カーラス君の事、本当に嫌いなのですね」
「当たり前でしょ、あいつバカよねー、仕事だとか言って四六時中あたしに引っ付いてさ、」
「……少しは気持ちも汲んで上げては?」
「気持ちぃ?」
椅子に座り、あたしは扇いで貰いながらぐでりと体を伸ばしていた。
「貴方にちょっかいを出すのは……貴方の気を引きたいからでは無いのですか?」
「はーッ、知らないわよそんなの。それがウザいのに」
もちろん、あたしはカーラスの意図を知らない訳ではない。
口に出してすっぱり切り捨てられないのは……単に、あたしがそういう事に実は純情であるという隠された属性の所為じゃないかな。だってあたしは未だに、先生の事が好きな事はいえないし、そういう素振りさえ上手く先生に見せる事も出来ない。
リアルではあんなにズバズバと切り込んで行ったものなのに、どうにもアベル・エトオノは『私』と違って乙女っぽい……恥じらい?って奴を知ってるって云うか……ええと、……思いの外女の子っぽいな、という印象があるかな。
先生、先生はあたしの事鈍感だって苦笑う資格は無いんですよ?
だって先生、先生はあたしの気持ちなんか知らないんでしょう?
もう、この勢いで言ってしまえばいいのにと『私』なら拳を振り上げるのに、アベルったら心の秘めるだけで密かに頬を染めて自己満足してるんだもの。
「アダムさんは勿論、そのつもりでカーラス君を貴方の目付け役にしているのだと思いますが」
「じょーだんじゃ無いわよ、パパ公認だろうとあたしにはそんなの、関係ないもんね」
「……悪い人ではないと思うのですが」
どうしてよ。
どうして先生はカーラスなんかの肩を持つのよ。
確かにあたしはどっちかっていうと面食いで、そういう点から言えばカーラスはいい男ではある。まぁ、バカで性格もあんまり良くないけど。それでマイナス。
結構アレで人気高いのよ?絶対影で他の女の子達から言い寄られているに違い無いのに。
……ここまであたしに拒絶されているのになぜ、あいつはあたしに食い下がってくるのか。っても、それも大体予想がつく。
どうせあたしのこのファミリーネームに固執しているに違いない。そういう嫌な奴だからあたしは、心を許す訳にはいかないのだ。
「ならばせめて、上手く手足として使えるようにしてみたら?」
「先生、結構ヒドい事言うんですね」
「そんな事はありません、ファミリーである貴方には必要なスキルだと思います」
あたしは椅子の上で起き上がる。
人を顎で使う技能、人の上に立って、命令して思い通りに動かすスキル?
「あたしは、この町から出るのよ!ファミリーなんて関係ない!」
「アベルさん……」
先生は……あたしの気持ちを知らなかったのだろうか?
もしかしたらとっくの昔に知っていたのかもしれない。
突然居なくなったメルア先生。
別れも告げずに先生は、あたしの元を去って行った。
あたしの知らない国元へ、突然帰ってしまった。あたしにその予兆を悟らせる事無く。
パパもファミリーのみんなも、カーラスも、ラダも。誰もそれを知らせてくれなかった。
その別れは、先生の望んだ事だったんだ。
事情は、みんなから教えて貰って、誰の所為でも無く、先生の都合で国に帰ったのだと諭されて、
当然あたしは沈んだ。
なんとか平常心を保とうとするんだけどそれが、無理で。
先生への気持ちは誰にも打ち明けたつもりが無いのに。
実はみんな知っていたのではないかという妄執に囚われ、誰と顔を合わすのもしんどくて……。
そんな風に振舞う自分の行動こそが、その事実を知らしめていると知ってもっと落ち込む。
先生、あたしは絶対この町を出る。
何度も先生に言って聞かせた。あたしはどうやってこの町を出て行こうと思っていたのか、誰にも言ってなかったのに。
まるで先生は、それが分かっていたかのように消えていなくなってしまった。
実はあたしは……先生について行きたかったんだよね。
家庭教師だから、いずれ魔導都市とかいう所に帰っちゃうのは知ってた。だからそれに、こっそり付いていこうと夢を見るみたいに考えていたのね。
実際そんな事が出来るのか分からない。そうなったらいいなぁと思うと胸が一杯になって、そうしたいなぁと思うと途端に現実的な問題を思い出して胸が締め付けられたように苦しくなって。
本当にあたし、先生の事好きだったんだ。
自分で思っていたよりずっと、好きで好きで、そばにいたくて堪らなかったんだ。
部屋に閉じこもって、反芻するたびに涙が出るのが悔しかった。
ただ一言、この思いを伝えられたら良かったのに。
それさえももう、出来ないなんて。
あたしはこの町をいずれ出る。
何のために?理由の欠落した未来。
理由が消失した夢。
あたしは必死に、実は伴っていなかった理由を探した。今更埋め込むように必死に理由を探した。
そうだ、先生に会いに行こう。先生を追いかけるんだ。
必死にそう思い描くのに、逆に気持ちが沈みこんでいく。
重く、あたしの心を押しつぶす不安。
……先生は、あたしが追いかけてきたらどう思うだろう?逢いに行ったらちゃんと嬉しそうに笑って手を広げて、あたしの事を迎え入れてくれるだろうか?
むしろ先生は……困った顔をしてあたしを見るのではないのか。
あたしの知らない町で、あたしの知らない誰かと、すでに並んで歩いているかもしれないじゃないか。
一人で居れば居るほどにあたしは、止め処も無く溢れる空想の世界に怯えてしまって……。
気が付けば、この町を出る事の恐ろしさにすっかり、足が竦んでしまっていた。
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