異世界創造NOSYUYO トビラ

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12章  望むが侭に   『果たして世界は誰の為』

書の2後半 三つ首竜の伝説『世界に中心があるなら叫びたい』

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■書の2後半■ 三つ首竜の伝説 A Forked head green legend

 南国って今、西方から来ているランドール・ブレイブっていう軍隊と交戦中だってレッドから聞いている。
 俺はしっかりヤト・ガザミとしてのログとの接続を確認し、今俺は怪物であり同時にヤトである事を把握して状況を正しく理解した。

 南国と西方軍のドンパチはマジらしい、日中からぶっ続けで戦っている訳じゃないようだが戦線引いて睨み合っているのは確かだ。
 インティからその情報を引き出し、まずはこれをどうにかしようと俺は目論むぜ。

 え?どうするのかって?
 いやぁ、ほら。
 俺ってば今、『スイッチ』な訳よ。俺は一人じゃねぇんだ、俺の命令で動く『俺』を大量に抱えている。
 そうだ、俺は『俺達』を叩き起こしてそこに乱入するように仕向けてみたらどうだろう。第三戦力だ、どっちの陣営も攻撃したら……どうなるだろうか?
 すでに『俺の顔』が魔王軍側だってのは双方把握しているはずである。カルケード国もランドール・ブレイブも、間違いなく俺の方を攻撃してきてくれるに違いない。

 ……頭悪いなりにこの作戦、上手く行ってしまった。
 ついでに俺達の潜伏先についても盛大にバレるように仕向けている。要するに第三戦力がどこから湧いて出てきているのかバレるように、そりゃもぅ大量の俺を、ヘタに動かしている。

 爽快だ、流石俺。

 溜まっていた鬱憤をようやく晴らすべく動けると知って、しかもそれが自身の破滅へ結びつくと把握して喜んで俺の命令に従ってくれますよ。
 リコレクト出来る酷い記憶に、たま~に息抜きと称して一人イケニエに選んでフルボッコしたりとかしてるらしいからな。どんだけ維持コスト高いのよ俺。

 そうこう勝手に『俺達』を動かしていたら、もくろみ通りカルケード軍の一部がこちらに向かってきているよ、とインティが教えてくれる。

 さて、俺はこれから別行動の予定です。


「あぁあ、いいの?勝手にこんな事したら……」
 ついに『俺達』が潜伏していた杜の一つを取り囲み、開戦した様子を遠目に見ながらインティが呆れている。
 呆れているのは状況を悪く思っているから、ではないな。俺が何をしたいのか理解出来ないからだろう。
「いいのいいの、俺達の望みはお前と同じだから」
「……お兄ちゃんは、」
「何がしたいんだ君は」
 言葉を止めてインティがびっくりして俺の陰に隠れる。
「ようやく出てきたか、随分遅いご登場だが……いいのか?」
 別の用事で潜伏場所を一人抜け出そうとする俺の前にようやく、立ち塞がってくださいましたよ。

 ナドゥ・DSが。

 慌てた様子もないナドゥに向け、俺は挑発気味に言ってやった。
「……当初の目的が達成出来ず、すでにディアス国も制圧されてしまった。もはや君が果たす役割はその程度の事しかない」
「その程度?」
「君が世界に害をなす者と認知される程度、という事だ」
 なんだ、そんな事か。
 余裕だ。
 笑ってそう言ってやるぜ。
「悪いがそうなる事はすでに把握している」
「……そのようだな」
「ムカつく位に冷静だな、俺のこの振る舞いに何も疑問はねぇのか?」
「勿論ある。だが元来そのように『君』と混信するらしい事は把握していた。世界の中に分裂すれば、そうなる事は知っている」
 ナドゥはそのように言い切って微笑んだ。じゃぁ俺は微笑み返してやりますぜ?
「……お前も俺と同じく分裂しているから、か?」
「ふっ」
 ナドゥは短く笑って目を閉じる。
「よくそこに気が付いた、と。褒めてやってもいいだろうな」
 おっと、これで褒められるの2度目かもしれない。以前死の国でナドゥに会った時、アービスが赤い旗が頭上にないナドゥに向けて『お前はナドゥ・DSではないな?』って聞いたんだよな。そうしたら『DSの存在に気が付いたか』と応答していたと思う。
 あの時のナドゥと、今俺の前にいるナドゥは別人だ。
 いや、別人というのは……ちょっと違うか。
 ナドゥは世界に複数いる、これは間違いないだろう。
 そしてその分裂の技法は、今の俺に施されている現象に限りなく近い。
「お前、俺に不死を与えるって前に言ったよな?」
「今の君にではないが、確かに私は君に不死を与えた」
 ふむ、俺をコウリーリス国で攫ったのは今、目の前に居るナドゥで間違いないって事だな。赤い旗ブッ立てたお前がもっと複数いる可能性は低そうだ。その一杯分裂状態なのはどうやら、俺だけっぽい。
「これが不死か?」
 多数に分裂させて無限マリオみたいになってる状況が不死?
「私は君の肉体に不死性を与えたのではない」
 そりゃ、酷ぇ詭弁だ。
「そうやってお前も不死身なつもりか?だから余裕ぶってんのか?」
 俺は剣を構えた。身を隠すためにローブを纏っているがその下の鎧は邪魔だったので脱いである。武器だけ構えて身軽になって、俺はとある事を目論んでいたのだがその出発寸前、このようにナドゥから立ち塞がられているのだ。
 ナドゥが出てこないなら俺は目的を達するだけ。
 だが、立ち塞がるなら遠慮無く切る……!

 それが、俺の、テストプレイヤー兼デバッカーである『俺』の役目だ。

「いや、私は君程万能な状況にはないな」
「俺は今の状況が不死だとか、万能だとか思ってはいねぇがな!」
「私は出来れば君のような器用な状況を再現したいと思っているが……残念ながら成功したのは君だけだった。君だけだ、複数の肉体をそこまで完璧に渡り歩けるのは。一体どのような方法でそうなるのか、色々試してみたがどうしても解けなかった。君に理由を尋ねても……聞き出せるものなのかな?」
 白衣のポケットに突っ込んでいた右手を取り出したのに、突然インティが俺の背後から驚いて後ずさる。
「……どうした?」
「あ、僕……パス!」
 そう言って姿が消える。……なんだ?インティは今、ナドゥを恐れたのか。恐れて逃げた?
 ナドゥ、ひ弱そうで戦闘能力なんかなさそうだがそれはブラフか。こいつにはインティを逃げ出させるだけの何か特別な能力があるというのか。
 俺は武器を構えて身構える。
 構うもんか、出来れば詳しい事全部聞き出したいが、それが無理ならこいつはここでぶっ殺す!赤い旗も立ってやがるしな、今俺は代替の方だが……破壊する能だけはあるぞ。
「大陸座の施す保護能力が要因か?すでにナーイアストの加護は切れているはずだ、それは確認している。他の加護を得ているのか?」
 デバイスツールが欲しいのなら、ドリュアートに俺をくくりつけた時にでも奪っていけばいいんだ。ところがその時俺の中から持っていったのはそれじゃないんだよな。結局、あの時俺の中から奪っていったのが何なのかはよくわからない。デバイスツールって、もしかして選ばれている人しか触れない部類のモノなのだろうか?そういう制限を与えているのなら魔王連中に取られる危険性とか考えなくても良いけど、……いや、レッドフラグがどう振る舞うのかが未知数だから『良く分からない』が正解かもしれないな。制限はあったとして、果たして魔王連中が触れられるかどうかは『良く分かって無い』
 実際、奴らには一切デバイスツールを触れさせては居ないからな。レッドが渡したのはダミーだったし。
「とにかく……君は私が考えた理想型の中ではほぼ完璧だ、だが……管理出来ないのでは意味がない」
「当たり前だ、言いなりになってたまるか。お前はランドールを自分の都合で動かそうとしているだろう?」
 ナドゥは取り出した右手でモノクルを弄りながら答えた。
「私の都合ではない、彼の都合でもある。全てに対し私の都合を押しつけた憶えはないがね……出来れば君とも話し合いの元合意して物事を進めたいと願ったが、君からは悉く拒否されているようだ。どうだね、少し……冷静に私の話を聞くつもりはないかな」
「悪いが、無い」
 俺は笑って武器を構え、一歩踏み出した。
「お前のやってる事は悉く悪い事だ、なんて言い訳されよう理解なんぞ出来ねぇ!するつもりもねぇ!」
「ある意味悪いと把握はしている。だが、君とて理解出来ているはずではないのか。していないというのなら私の忠告をまず聞く事だ」
 割とナドゥの奴、必死なのかもしれない。
 完全に俺に拒否られているのを把握しているのだろうし。
「ギガースを滅ぼすのは人の身では無理な事だぞ」
 俺と会話をする手がかりを探しているな?ふふん、悪いがそんなんでは驚かねぇぞ。
「……お前が魔王討伐隊第一陣で、奴に敗れたという事情は把握している」
「いくら強さを身につけた所で」
「心配要らん、そんな事は分かっている」
 俺の断言にナドゥは目を細めた。
「では、他に方法があるとでも言うのか。……君は、君達は何なのだ?なぜ大陸座を消去出来る?」
 デバイスツールを受け取って大陸座をこの世界から追いやる。それが、端から見ると大陸座の消去に見えるのかもしれない。
「企業秘密だ。お前には教える訳にはいかねぇ。とにかく、諦めろ。後は俺達がやる、お前のやっている事は全部無駄だ」
「……無駄、か」
「そう言われるのが嫌だ、とでもいうのか?」
「……いや?嫌なのではない」
 ナドゥは俺を一瞥して微笑んだ。
「少々意地を擽られて、楽しいだけだよ」
 捻くれた野郎だ、いけすかねぇ。
 ナドゥは右手を再びポケットに押し込んで笑いながら俺を顎で指し首を振る。
「行きたまえ、なら私は君が何をしたいのか見届けたい。私の成す事を無駄と言いきって、そして君は何をするというのだ。見せてみたまえ、」
「ははは、冗談じゃねぇ」
 俺は構えていた武器を下段に下ろす。

 この胸に、今渦巻く感情を素直に吐露する。

「俺の心が叫んでいる、お前を許すな、殺せ、壊せ、放っておくな。ろくな事にならねぇってな」
「今の君に言っても信じないだろうが……私の選択肢を狭める行為はしない方がいい」
 ナドゥの言葉を無視し、俺は更に一歩前に踏み出した。
「私の状況は君とは違う、私が私に施しているのは手段の分裂だ、……そうか、聞かないか」
 歩みを止めず迫る俺にナドゥは諦めたように呟いた。
 振り上げた剣を恐れもせず、ナドゥは俺を淡々と見上げている。少しの疑問がよぎった。
「お前、死ぬのが怖くないのか?」
「その問いは君にそのまま返す。君こそ死を恐れていないだろう?君が恐れているのは自分の消滅ではない」
 そう言われてみればそうなのかもしれない。

 俺が恐れているのは自分の死ではなく、自分の死を受け入れなければならない俺を取り巻く環境の方。

「私は、一度死んでいる」
 剣を振り上げたまま振り下ろせず、俺はナドゥの言葉に目を細めた。
「既に死んでいると知っていれば2度目を恐れる必要があるだろうか?決して今、望んで生きている訳ではないのだしな」
 まさか、斬っても死なないんじゃないよな?インティみたいに、斬った手応え感じても全く斬れてないみたいに逃げられるのか?
 そのような疑問を抱きながら俺は剣を振り下ろした。この剣の切れ味はそんなによくない。何時も使ってるサガラの剣が上等なものなだけに、一般的な剣相応なそれは手に、肉を切り骨を断った感覚を生々しく伝えて来る。
 そもそも剣というのは斬る武器というより殴る武器だ。日本には刀っていうのがあってあれは間違いなく斬るものなんだけど、RPG系だと剣とカタナは同じモノじゃない事が多いんだぜ。だから、戦士ヤトが使ってるサガラ工房リメイクの剣というのは、分類で言えばカタナだ。反り返ってはいねぇけど。サガラの剣は分類すれば斬る武器、カナタであったりする。
 力に任せて剣を叩き付ける、サガラの剣だったら綺麗に真っ二つにしている所だろうが、今持っている鋼の剣ではそこまでは出来ない。肋骨を一気にへし折った感触を握る柄から感じ取れる。
 血の色なんか緑なんじゃね?とか思ったがそうではなく、普通に赤い色の血を胸から吹き出しながらナドゥは背後によろけ、それから蹲った。
 ぼたぼたと血が地面をぬらしそれが、黒く酸化する。
 いや、違う。
 顔を上げたナドゥの顔に黒い模様が浮き出ているのが見える。一瞬例の魔王八逆星のそれではなく、何かの病気かと思ってしまった。丸い斑点がぼつぼつと現れ始めて段々と肌を黒く染め上げていく。
 自分の手を見て、その様子に気が付いたようにナドゥは血を流しながら笑った。
「やれやれ、これは最期まで隠しておく事は出来ないのか」
「……その模様は、魔王八逆星ってのはお前が作ったんだろ?」
「この私も含め劣化複写だよ、魔王軍はその出来損ないだ」
「それは知っている」
 知っている、という俺の言葉にナドゥは口を歪ませる。
 俺、思いの外出来る子に見えたのかもしれない。
「では、誰の複写なのかはわかるかね?」
 俺は剣をナドゥに突き出しながら考えてみる。誰の複写?ああ、なんとなく分かってきたなぁ。
「もしかして、ギルか?」
 その間にもナドゥのどっちかっていうと不健康そうな青っちろい顔がどす黒く変色していく。当っているのかどうかは答えずにナドゥは、ようやく苦しそうな表情になって深く息を吐き出す。
「また会おう、その時君は私を殺した事を後悔する事になるだろうがね」
「最期の最期で呪詛の言葉かよ、また会おう、だぁ?」
「事実だ、……私は君とは違う。私は分岐の一つであり……まぁいい。これで迷いは振り払われた。私にはもう迷いがないという事だ」
 そう言いつつもナドゥ、胸元から何か取り出しそれを、俺の足下に投げ渡す。
「転移魔法だ、もしここに居づらくなったのなら使うがいい」
 粘土板だな、壊す事で魔法が発動する奴だ。アービスがドゥから取り上げて持ってきたのを見た事がある。
 俺は受け取る意思がない事を示すために踏み潰してやった。あ、一応壊さない程度でな。
 ここ、南国だから足下砂地でな、柔らかい事情もあり粘土板は割れる事無く砂の中に埋まり込んでしまう。
「どーせ罠だろ?」
「その顔で、ここから……無事出れるとは思えんがね。私は、君の可能性を潰したい訳ではない、からね」
 そう言うとゆっくりとナドゥは倒れ込み、俺が斬った胸のあたりから……溶け始めた。白衣に黒い染みが広がりそれが、服をも解かし白い煙を上げる。

 俺は剣の露を払って鞘に収めた。

 ……無視しようと思ったが。そうだな、確かに。
 完全に指名手配されているだろうからもし、逃げる事になったら南国カルケードからこの顔で脱出するのは至難の業だろう。
 けど、俺は別にそれで良いと思っているんだ。
 踏み付けて、砂の中に埋もれていた小さな粘土板を拾い上げながら俺は、顔を上げた。

 俺は逃げない。決着を付けに行くだけだ……全てに向けて。




 インティの奴、戻ってこなかった。まぁいい。
 一通り護衛の兵士を切り払い、露を祓って……剣は納めず歩き出す。
 っても流石に……限界かな。

 足下に転がる兵士達の呻き、行かせまいと腕を伸ばすのをなんとか蹴飛ばしながら俺は、大人しく壁に寄りかかってなんとか歩く。

 代替で怪物でも怪我すりゃ血が流れる。再生光を放つ鎧は全部脱いできた。あの力はいらない、頼らない。欲しくない。

 俺は、滅んでもいい。

 全破壊で進めば城の攻略くらいもう少し、楽なんだろうけどな。
 一人でなるべく兵士を殺さないように、なんて器用な真似、俺には難しすぎる。
 ついでに目的達成も無理なのかなぁ、すでに足を上げるに上手く行かない体に苦笑が漏れた。


 最期に、ミストラーデ王に会いたかったんだけど……。


 玉座までが遠い。
 そもそも、あのミスト王が素直に玉座に収まっているかどうかも怪しい。もしかするとランドール・ブレイブとの睨合いに行ってるかもしれない。
 再び兵士が増援されて走り込んでくる音を聞きつけ、すっかり足を止めて喘いでいた俺は顔を上げた。
 安堵する。
 視線の先には神妙な顔をしたミストラーデ王自ら武装し、兵士を伴って俺の前に立ち塞がっていた。
「……やっぱ前線に行ってたのか」
 俺の言葉にミストは、迷いを確信に変えたように俺の元に駆け寄ってきた。
「ヤトか?」
「……いけねぇな、そんな簡単に信じちゃ」
 罠だって事もあるんだから。
 そういう事も分かっている親衛隊の皆さんは、すでにまともに動けない俺を即座に地面に押さえつけた。その中にはヒュンスの姿もある。
 もぅいい、目的は達成だ。抵抗しねぇ俺。
「どうした、君は……この状況は説明されていないのか?」
「いや、ちゃんとレッドとは合流しました。……分かってた」
 ミストは怪訝な顔で周りに倒れている兵士を見回す。
 トドメは差してないぞ、出来る限り手加減した。生きているはずだ、さっさと手当てしてやれよ。
「……なら、どうしてこんな無茶な事を。こうなる事は分かっているだろう?」
 こうなる事、つまり『俺はヤト・ガザミです』という主張を全く聞き入れて貰えず、こうやって問答無用で攻撃されるって事……な。
「それでもどうしても……言わなきゃいけない事があって。俺……もう貴方に会いに来れねぇだろうから」
 俺が何を言いたいのか。
 きっと賢明な南国の王は悟ってくれたのだろう。
 ヒュンスに命じ俺を連れてくるように行って……何処かに歩き出す。俺はもぅ動けません。血を多く流しすぎた。今の俺はホストではない事を祈ってる。まぁ、血が触れただけでは感染しないようだし、魔王八逆星の血肉によって怪物化が引き起こされる事はミストは既に把握している。軽率な事はしないだろう。
 引きずられるままにどこかの部屋につれて行かれた、そうしてヒュンスに命じて人払いをさせる。
 ああ、ヒュンス隊長も事情を把握したな。
 彼だけがミストラーデ王の隣に残り、一応俺を警戒して倒れている俺に槍を向けている。
 人払いが終わり、ミスト王はしかし俺をヤト・ガザミと疑わず膝を付き、小声で囁いた。
「エルークの件だな」
「……すいません」
 俺の口から最初に出たのは謝りの言葉だった。
 その次、何を言えばいいのか頭が真っ白になってしまう。息を吸うにも苦しい。
「……一緒ではないのか」
「……本当に、すいません」
 俺は俯せに倒れている状況でさらに額を地面にこすりつけるべく顎を引いた。
 ……殺されてもいい。
 その覚悟をしてここに来たんだろ俺。そのように決心して、でも俺は辛くて目を瞑ってしまう。
「殺しました。俺が、彼を殺しました」
 ミストが小さく息を飲み込む音が静かに響く。
 きっと睨まれているだろう。俺が見ている所じゃそんな表情一つ出来ない、そういう人だミストラーデ王は。
 睨んでくれ。俺は全てを甘んじて受ける。
 床に伏せている俺の頭上に何かが触れる感覚がある。
「致し方在るまい。君がそういう選択をしなければならない事があった。……そうなのだろう」
 俺は既に首を上げる力が無くうつぶせのまま呻いた。
「んな心にもない事言う必要ない、いいんだ、罵って良いんだミスト……!」
「君にエルークを預けた時、私は……すでに心に決めていた」
「俺は……!」
 罵りを受けに来たんだ。
 悪意を煽るためにここに来たようなもんだ。
 レッドの真似事だ、もちろんバカなことをしていると思っている。
 思っているが、そうしないと俺の気が済まないんだよ……!

 同情を向けるられる事の辛さが今更理解出来る。
 思いを理解される事の『辛さ』が今更に!

 マツナギに抱き留められた時、俺は初めてそれが辛いものだという事を理解した。
 嬉しくなんかねぇ、あれは嬉しかったんじゃないんだ。むしろ、悲しかったんだ。
 嬉しい事と悲しい事は紙一重なんだ。
 時に些細な事で履き違える程に違いが微妙なんだよ……!

「それでも俺を許すのか」
「君は、魔王八逆星を滅ぼすのだろう。……エルークが魔王八逆星から脱する事が出来ないのならばこれは、既に定められた運命だったのだ」
 運命だって云うのは現実からの逃避だよな。
 でも時にそういう逃場が欲しくなる。俺もそうだ、そうだった。だからミストの独白を俺は否定出来ずにいる。
「私はあらゆる運命に抗いたかった。……しかし、その為に私は弟の望む事を何一つ、何一つ、だ」
 強く反復し、ミストの声が震える。
「叶えてやる事が出来なかったのだ。そして君に運命を託した。君は私に謝るべきではない。謝るべきは私なのだ」
 俺はなんとか首を動かし……頭を横にする事に成功する。
 ぼんやりと見上げたミストラーデ王は必死に感情を押し殺し、今にも泣き出しそうな辛そうな顔で俺を……。
 少しだけ睨んでいる気がする。
 それに何故だか安堵して笑ってしまう俺である。
「私の大切な片割れ、もしかすれば私が……あれの立場に立っていたかもしれない。私達はそれぞれに別れて生まれ出るべきではなかった」
 ミストは強く目を瞑る。
 ついに我慢していたらしい涙の滴が落ちてくる。
 俺は薄ら笑い、ああ……ミストに決着つけさせちゃいけねぇんだと思う。俺は、ミスト王から憎しみを頂いて殺して貰っちゃいけない。それをミストに背負わせちゃいけないんだと密かに、籠手の所に忍ばせていた粘土板を左手に握る。
 それさせたら、ミストはエルークを殺してしまう事になるよな。
 エルークを殺した俺を殺す事で間接的に、忌避したかった運命を叶えてしまうんだ。

 今必死にこれは運命だったと折り合いつけてんのに……さ。

「ミストラーデ王、」
 俺の小さな呼びかけにミストは目を開けた。
 青い目が外見の年齢相当に、今素直に弱い部分をさらけ出している。
「……俺、もう行きますね」
「ヤト君?」
「俺の口から直接言えて良かった」

 ありがとよナドゥ。やっぱり使うわ、例え罠でも。

 それでもここにいるよりはいい。
 ナドゥから貰った転移魔法の刻み込まれた粘土板を左手の中で壊す。さて、今度はどこに飛ばされるものやら。


 もはや、満身創痍で動けない状況でどこへ……?





 最期の扉は今、開かれた。

 行くがいい。
 望む世界どこまでも。

 今、三つ目の扉が開く。竜によって閉じられていた最期のトビラが開け放たれる。

 世界は許した。

 トビラによって繋がれた世界と世界がままにある事を。





 俺はゆっくりと目を開ける。
 ……暗いぞ、元から暗いのか俺の目が既に見えていないのか。

 暫く黙って俺は倒れていた。寒いかも、何度目かの死を体験する訳だな。ああ、これは思いの外辛い。
 ひと思いに切り伏せられた方が全然マシだ。

 段々ただ倒れているのが辛く、怖くなって俺はゆっくり地面を這って動き始めた。
 こんな死に方は嫌だ。辛い、誰もいないとこで死にたくねぇ。
 静かに自分の死と向き合ってみたら途端、嫌な気分になって必死に地面を這う。
 こんな力、まだ俺にはあったんだな?

「おーい、誰かいるのかー?」

 と、すげぇ間抜けな声が聞えてきて俺は自分の耳を疑う。

「誰かー?いるなら返事しろー?」
 草が擦れ合う懐かしい音がする……なんだ?ここどこだ?
 死ぬ間際の悪あがき、俺の感覚が少しだけ戻ってくる。暗いと思っていた世界にさっと光が差した。
 いいや?違う。
 今まで本当に陰にいた。地面が柔らかい、土の匂いが鼻につく。
 風が吹いたのを感じる。それに合わせて生い茂る草がさざ波を立てた音が再び耳に入った。

「……嫌な風が吹くな」

 声と、草を踏む音が近づいてくる。
 俺は必死に頭を上げた。ぼんやりとした視界に、ようやく差した陽の光の元……誰かが歩いてくるのが見える。


 ああ……夢だったのかな。


 俺は見えてきた人物を把握して目を閉じ、項垂れ……意識を閉じた。






 そんで、……よく寝たなぁと目を覚ます。
 あくびをかまして、俺はぼんやりとした頭を振る。
 なんか酷い悪夢を見ていた気分だ。
「よぉ、なんだ、目ぇ覚ましやがったのか」
 声に驚いて一気に覚醒する。
「なんだ?あれ?ギル?」
「ギル?じぇねぇだろう。いきなりぶっ倒れやがって」

 ……あれれぇ?

 俺ったら、中央大陸に戻ってきた?

 俺は意識で状況を把握するに疲れて、思わずメージンに呼び掛けてしまった。本当なら頼っちゃいけないんだろうけど。
 これは、どういう事だ?俺、中央大陸から追い出されたはずでは?
『あ、今しがた開発者レイヤーのロックは外れました。その関係で多分……元に戻ってきたのだと思います』
 あー成る程って、そんな簡単な状況かよ!
 ええとまず、思い出せ?

 夢を見ていたよな?いや、夢じゃねぇぞ。俺はアイツの記憶を思い出せる。
 ログの統合が起きたから、俺はあいつらの記録もリコレクト出来る様になっている。

 間違いない、俺はさっきまで……南国にいた。
 俺一人顔を顰めミストラーデ王と話をしてきた事を思い出し両手の拳を握る。

「……どうしたよ」
「別に、……それよか、俺何日寝てた?」
 その問いにギルは不思議そうに首をかしげる。
「爆睡していた意識はあるようだな、時間にすれば2日間だ」
「くそ、で?状況は?」
「最悪だ」
 ギルは苦笑して頭を掻いて目を逸らした。
「俺は別にギガースに用事ねぇからな。案内だけしてぶっ倒れたお前と留守番になっちまった。……アービスらは行っちまったぜ」
 俺は無言で立ち上がる。力業じゃギガースは倒せない、ナドゥも言っていた。そのログ、確かにリコレクト出来る。

 夢じゃねぇ。

 あれもまた俺にとっては現実だ。
「追っかけるつもりか?」
「当たり前だろ、奴らだけで何とかなる相手じゃねぇってのはお前、分かってんだろうが」
「まぁ待ちなよ、君が『夢を見ている』間に状況は変わった」
 第三者の声に俺は首を巡らせる。
 インティだ、……いや、ちょっと雰囲気が違う。インティに似ているがこいつは……誰だ?
「……あんたは誰だ?」
 インティに似ているが少年、と断言するに憚られる。なんだろう、不思議な事に少女のようにも感じる。
 少年のようで少女のような人物は妖艶に笑った。
「君がインティと呼びたければそれでもいいよ」
「……?」
「やぁ、起きたんだ」
 別の声に俺は振り返る。野良着を着た……やっぱり見覚えがある青年が人懐っこく笑い、被っていた麦わら帽子を脱いだ。
 その姿格好に違和感を憶えるが……黒髪に青い目の……?
「ミストラーデ……?」
「ん?誰だいそれ」
 青年はいたってナチュラルに惚けて首をかしげた。
「世話んなったな」
 ギルも俺に倣って立ち上がり、纏めてあった荷物を掴む。
「もういくのかい?」
 ミスト似の青年の言葉にギルは苦笑する。
「状況が変わったってんだろ?そしてその事情を奴らも把握している」
 そのギルの言葉に頷いたのはインティ似の方だ。
「行っておいで、ここには戻ってきても無駄だ。僕らも時期にここを出て行く」
「え?何の話だそれ?」
 ミスト似の方がやや驚いている。
「出て行くんだよ。ようやく僕らも自由になった」
「一寸待てよ、ようやく新しい苗が順調に育ってるトコなのに。やっぱりファーステクんとこの土は違うなぁ、上手くいって無かったハーブも順調だし。それに、お前が好きな水瓜はこれから花が咲くとこなんだぞ」
「あのねぇ、確かに僕は水瓜好きだけど。だからってここで永遠に君が土弄りするのに付き合うつもりはないよ?」
「俺だって状況に飽きないようにいろいろな工夫を……ん?出て行く?」
 まるで状況を今把握したようにミスト似の青年、腕を組んで天井を見上げた。
「そう、出て行く事が出来るんだよルミザ。ようやく三首竜がそれを許した。新しい世界への輪廻の舞台が整った、トビラは今、完全に開かれたんだよ」

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