異世界創造NOSYUYO トビラ

RHone

文字の大きさ
336 / 366
番外編 EX EDITION

■番外編EX『戦いを捧げろ!』#6/10

しおりを挟む
N&SinMFC シリーズ番外編『戦いを捧げろ!』#6/10

※同世界設定同士の物語登場人物による、
 俗に言うパラレルの様なそうでもないような番外編です やや長め


 2回戦目ともなると……登場キャラクターについてイジるという会話も出来なくなる訳でして。

「いや、しなくてもいいから」
「ルインさん、仕事熱心なのはいい事ですが会話以外にまでツッコミしなくてもいいんですよ。」
「ツッコミたくもなるだろう。何かお前ら、さんざん酷い事ここでくっちゃべってた訳だよな?」
「いいじゃないですか、もう終わったことです」
「遠い目でごまかすんじゃねぇ……!」
 そんな二人を見ながら和やかにトリスは、休憩の紅茶を飲みながら笑う。
「何がおかしいテメェ」
「いや、注釈がないとお前がヤト君ではない、というのが分からないなぁと思って」
「そりゃ、上の人の書き分け能力の低さだろ。ああ、その低能っぷりを笑ってたわけか。言いがかりつけて悪かったな」
 素直にメンチを切った事について謝るルインである。
「素直さでは彼の方が3倍マシです。せめてこれくらいの脳みそは有していてほしかったですねぇ彼……」
 レッドが自分の所のヤト氏を散々扱き下ろすので、ルインは若干同情に似た感情が芽生えつつあったりする。
「そんなダメ人間か、お前んとこのリーダーは」
「例えるなら、貴方の所のチキン軍師さんの軍師、を取っ払った感じです」
 分かりやすいたとえを貰い、思わず想像するルイン。
 ちなみに、外見情報も同じなので二人とも同じ顔です。オービットの方が背が高く線が細いものの、趣味嗜好までほぼ同じです。例のキャラ使いまわしなのでご了承ください。
「………ああ、そりゃダメ人間だ」
 すまないヤト君、俺もこれ以上のフォローは無理だ。
 トリスはそのように……青い空を眺めるのであった。


「休憩もそろそろ終わりだね、それで、次の対戦は誰と誰なの?」
 一時的に散会していたスタジアムに、続々と人が戻ってくるのが見える。
「なんだよハイド、お前なんだかんだいって興味津津なのか?」
「うるさいな、どーでもいいと思っていたから誰が勝ち残ってたのか、あんまちゃんと覚えてなかったんだよ。……ダークは負けちゃったんだよね。ということはあの脳みそまで筋肉なお兄さんと……」
「俺を負かしたクリスっつー大剣使いとの対戦だな」
「その通りです。次の試合はウチの脳みそまでガチに筋肉、テリー・Wとトリスさんの所の謎の出土品、クリス・八撃星さんの対戦です」
「出土品って、なんだ?……そういやなんか人間ぽくない奴だったが、もしかして人形だとか?おーとまーたとかって奴?」
 ルインの質問にレッドは首を振って違いますと流し、二人の視線はトリスへ。
「ふむ、俺の仕事か。……クリスは『成人の姿で生まれた』という肩書を持つ謎の人物だ」
 司会がレッドで解説はトリスの役どころ、ではあるものの。
「トリスさん、某読み顕著すぎ」
「察したまえ、わざとだ………ごほん……あー、イシュタル国は北方フィガールにて水晶の中から生じたらしい。発掘者ティナ嬢で、彼の名前を考えたのも彼女だ。故に冗談なのか本気なのか、出土、という表記があったりする。実際にはちゃんと血の通った人なのだが」
 あえて資料の棒読みを行ったトリス、彼は彼の意見としてクリスを説明する気はないのだ。そうしてしまうと某原作に致命的なネタバレが発生しかねない、という事なのだろうとレッドは察するが。
 今更じゃないですかそんなの、とこっそり思ったりする。
 なにはともあれルイン、そういう意図はどうでもいいとばかりに納得しつつ、自分が感じた疑問を投げる。
「そうなのか、しかし……見た感じ右半身不具だったり……するか?」
「割とそうだと気がつかない人もいるが実は、そうだ。右腕、右足などに不具を抱えていてまともに動かせない障害を持っていて、動かせる部分と左半身でカバーしている。それでかなり、本来の能力は削られている状況のようだな」
 そんなトリスの解説に、ハイドロウ……横目でルインを窺う。
「お前はそんなのに負けたんだな」
「……う、うるせぇよ。そんなのとか、奴に失礼だぞハイド」
「ふん、」
 不機嫌にハイドロウ、顔をそむけた。
「おれを負かした奴だかんな。……どうにか勝ち進んでほしいぜ」
「お前が勝手に自爆したんだろ」
「うるせぇっつってんだろ!魔法が効かないとか、裏設定ありすぎなんだよ奴ぁ!」

 実際そうである。
 実は本編でもまだはっきり彼の『性能』については明かされていない部分が多い。……すでに本編を連載始めて◎年立つ癖に。

 ※解説※
 クリスの属する物語は『精霊異譚エレメンタラティナ』連載開始はすでにフタケタ年前にさかのぼる。ようするにフタケタ年前から連載中。すでに超超長編に属している話で、更新を止めているが裏では最終章クライマックス書いてる つまりまだ完結デキテナイ。

 そういう所、すなわちクリスのスペックを最初から把握している人物は……カンペを読み上げるのみである。
「外見から何の種であるのかが把握できていないが怪力の持ち主。また瞬発力なども相当なものがある」
「……ここでちろっと答え言っちゃいませんか?」
 レッド、そそのかしてみるが。
「言わないぞ、これ困った事にブログ掲載してるんだから。誰がどこで読んでるか分からないじゃないか」

 ※解説※
 ブログ連載で、誤字脱字の激しい……ほぼ見直しナシのイッキ書き下ろしだから……的な奴もそのまま絶賛放置中!!こちら誤字脱字直しバージョン!!

「激しく理由になってませんよトリスさん」
 と、さわやかな黒い笑顔でレッドは迫ってみる。
「さらっと貴方の活躍するお話をリアルの方にて読ませていただきましたが、こう、わかる人は分かる、みたいな具合に彼の正体ばらまき過ぎてます。ですからきっと多くの人はもう察してます。ネタバレしたところで誰も驚きませんから」
「にこやかに迫って来てももダメなものはダメだ。本編でネタが割れたところで誰も驚かないだろう事はすでに上の人も察している。驚くのは登場人物らだけだろうな☆」
「それでいいいんですか、どっちかっていうとミステリー属性の書きモノとして★」
「……上の人はそんなの目指してないぞ☆」
「みたいですね★」

 飛び交う謎の星マークにルイン、たじたじである。

「なんだ、あの星マークは」
「ああ、魔導師連中の専売特許だよ」
 さらっと嘘をすりこむ、ハイドロウにも魔導師としての片鱗はしっかりあるようだ。


「仕切り直しまして、謎の怪力青年と相対するは我らがキング・オブ・ノウマデ・マッスル」
「……これ、本人ら聞いたら怒ると思うんだがどうだろう」
 トリスのぼやきをレッドはあえて無視。
 聞かせようと思わなければ聞こえてないから問題はないので無視。
「テリー・Wは先の戦いで怪我を負っていますね」
「そういや、そうらしいな。……ちゃんと治してやれよ」
 ルインはハイドロウに言った。彼なら治せる事を知っているからそのように言っている。が、いいんですとレッドは止めた。
「これはそういう勝ち抜き戦であり、ダメージ蓄積は後半に響くという事を事前に説明してあるのです。テリーさんはそれを承知でダークさんに無茶な戦法を取った。……ああでもしなければ活路が見出せなかったとテリーさんが判断したか……」
「あるいは、闘ってる間はそんな事すっかり忘れて夢中になっちゃったか」
 ハイドロウの言葉にレッド、額を抑えて首横に振る。
「ウチの前衛どもは揃いも揃って戦いヴァカで困ります」
「問題ない、ウチもそうだ」
 にこやかにトリス断言。
「上の人の戦いヴァカ(巻き舌)スキーっぷりには困ったもんです。と、そのように話をしているにどうやら舞台は整ったようですね。お二人が出てまいりました」


 すでに、何かよからぬアナウンスをしているに違いないと予測して、こちらを睨みながら出てきたのがテリー。巨大な剣、ドラゴントースを引きずってやってきたのがクリスである。

「上で変な事言われる前に、とっととおっぱじめようぜ」
 硬く包帯で巻きつけ、石膏で固めた拳を打ち鳴らす。怪我を知っているクリスは少し眉をひそめていた。
「……大丈夫なのか」
「敵の心配をするのかお前は?」
「武器とか、使ったらどうだろうと思って」
 その言葉にテリーは苦笑い少し頭を下げた。
「闘技場で戦う以上、それは封印なんだよ……俺の大切な美学だ」
 そう言って、問答無用で戦いを始めるに地面を蹴り上げた。
 複雑骨折の為ギブスの巻かれた右拳で、遠慮なく殴りかかって来たのをクリスはドラゴントースの広い刃を盾にして防いぐ。


「おっと、こっちであれこれ言う前に始められてしまいましたね」
「……いっそ拳を壊す覚悟なのだろうか」
 破損しているだろう右で殴りかかって行った行動を見てトリスは目を細める。猛勇と評価するべきか、あるいは右を使っているのは一種ハンディキャップを補うための作戦なのか測り損ねているのだろう。
「彼ならやりかねません。……なんたって戦いヴァカです」
「戦いと勝利の為なら肉体の破損も厭わない、……たとえ、永久に失うとしてもか」
 ふっと笑い、レッドはメガネのブリッジを押し上げた。
「彼らは時に我々の予測などたやすく蹴散らしてくれるものですからホント、僕も困っていますよ。そんな事するはずがないって事ばっかりヤラれてしまって、その先の未来が見えていないのかと思わず尋ねずにはいられなくなる、理解不能な行動の数々には僕も何度泣かされたことか」
「で、実際先を見てないと」
 彼らの話がマジメに続くはずがない。トリス、もちろん心得ている。
「そーなんですよ!全く、これだからヴァカはッ!」
 思わず膝を叩いてしまうレッドに、トリスは思い当たる節が無いでもないので苦笑い。
「それでも真面目にいえば、彼らの価値観が僕らには理解できないのでしょう」
「そうだな、俺も理解は不能だ。……理解しようと努めた事はあるが。実に無駄に終わった気配もする」

 巨大な剣が振り回される、それをギリギリで躱してテリーは拳を振り上げた。
 テリーの反射神経はやや人間の越えたところがあるが、どっこいクリスの方も明らかに人間ではない、外見からして魔種の何らかである。
 先ほどから下で繰り広げられる、思わず見る方も手に汗握る追って追われての攻防戦は……双方一歩も譲らずの展開になっていた。
 もはや詳細については早すぎて目で追えていないものも多いだろう。
 斬られたと思ったらそれは残像で、捉えたと思ったら拳は空を掴んでいる。

「ちっ、すばしこい奴だな……!」
 回し蹴りを3回も連続で繰り出され、背後に逃げ場がなくなったところ壁を蹴り、一瞬でテリーの背後に回り込んだクリス。引きずる剣を振りまわすも……動作は一拍遅れていてたやすくテリーからは逃げられてしまう。
「お前、その武器見合ってねぇんじゃねぇの」
 その指摘はやや図星と心得ていて、クリスは動揺を隠せず小さく身構えた。
 戦いに集中している間無駄口を叩く程の余裕はクリスには無い。
「お前は俺と同じ、拳一つで戦った方が『見合ってる』ような気がするが……」
 そうするつもりは無い、その答えを示すようにクリスは剣を下段から中段に引き上げた。
 瞬間的かつ爆発的な加速で突きを見舞う。
 対しテリー、すでに迎え撃つ態勢で腰を低く落として左腕を背後に構えている。
 クリスの人間離れした加速にテリーが合わせた。
 得意の衝撃波を打ち出してこれを盾にし、クリスを迎撃。

 その一瞬の交戦を目視で捕らえられたものはごくわずかであろう。

 空気が割れ、摩擦によってまず火花が散りその後、衝撃と音が闘技場を襲った。

 会場の多くが結末としてまず目にしたのは、剣を握ったまま後ろの壁まで吹っ飛ばされ叩きつけられたクリスである。それが、亀裂を生じさせている壁からずり落ちる瞬間を見たに違いない。
 慌てもう一人はどうなったかと中央に目を戻す。
 そこには、腰を低く据えて左腕をまっすぐ前に突き出した格好で固まっているテリーがいた。

「……ふぅ」
 深く、足元の砂さえ吹き飛ばすような重い息を吹き出しテリーが構えを解いた。
 その間、クリスはなんとか剣を杖にして立ちあがる。
「こいつを真っ正面から近距離で喰らって……立ち上がった奴は多くねぇぞ」
 好戦的にそのように呟きゆっくりと構え直す。
「いいねぇ、なかなか頑丈で俺もぶちのめしがいがある。へらへらよけられっぱなしってのは、ストレスがたまるもんな」
 誰かさんとの対戦を例えに出して剣を左手に引きずり、こちらに戻ってこようとするクリスを出迎える。
「……っ」
 一方、クリスの方はなんとか立ち上がったもののまだダメージによって頭が揺れていた。
 それを必死に隠しながら……ゆっくり、舞台の中央へ戻るべく足を前に踏み出す。
 歩ける、まだ大丈夫だとクリスは闘争心を呼び戻し武器を構えた。

 しかし……一体何をされたのかよくわからない。

 吹き飛んでいるのは相手のはずなのに、なぜかこっちが壁に衝突している。混乱する頭で何が起きたのか思いだすに……相手の正面に見えない壁があるような感覚を思い出す事が出来る。
 目の前にあるのが岩だとしても打ち破る自信のあるクリスだが……今目の前にした障壁は貫けなかった。貫けなかったどころか逆にこっちが吹き飛んだ。この壁のようなものに向けた力が自分に逆流してきたのを思い出している。

 そう、そして反対側の壁まで押しつぶされた。

 巨大な拳によって跳ね返された、それだ。
 ……攻撃に対するイメージを固め終わり、ほぼ中央に戻ってクリスは再び中段に構える。

「凝りねぇな」
「……斬る」

 再び跳躍、今度は突きではなく横薙ぎであるのをテリーは目視したが、あえて同じ対処をする。
 衝撃波を前方に放つ……これによってクリスの一撃は無効化され吹き飛んだ訳だが、クリスはこの迫ってくる見えない攻撃を……斬るという行動に出た。
 見えない壁を突破した、ドラゴントースの描く軌跡の分、衝撃を吹き飛ばした。
 そこまではいい。問題はそのあとである。

 大きく横にないで隙だらけのクリスに、下方から衝撃が見舞う。
 今度こそ確実に脳が揺らぎ、意識が途切れたのがクリス自身でもわかった。

 地面に不時着した衝撃で目を覚ましたが……遅い。
 首がおかしい、顎を強打されたのが今、理解出来ている。

 相手は追撃をしてこない、それを知り再び立ち上がったものの……今回は足がふらつくのを抑えられない。
 一瞬気を失ったものの手放さなかったドラゴントースを杖にして、なんとか姿勢制御が出来ている状況だが……クリス自身が困惑していた。

「無防備すぎるんだよ、……立ちあがったのは褒めてやるがお前、それだけだな」
「何?」
「頑丈なのはいいがそれだけだってんだ。相手になんねぇんだよ、出直してこい」
 ふらつく足元をなんとか左足一本で支える。
 ドラゴントースを無防備にぶら下げ、クリスは……迷いなく不自由な右足の、動く部分を総動員して次の一歩を踏み出した。
「……その心意気に免じ応える……か」

 無遠慮なドラゴントースの一撃を、テリーは事もあろうか右手のギプスで往なした。

 固めていた石膏が弾け、その替わり確実にテリーの体をおおざっぱに狙っていた巨大な剣の軌道を反らす。
 クリスは確実にその巨大な剣に振り回されていた。
 この大きくて、弾きようがないはずの一撃を『弾く』相手はクリスにとってこれが初めてではない。
 剣を教わる師たる、ダァクもまたこのようにたやすくクリスの一撃を往なしてくる。

 瞬間、的確に急所を狙った拳が叩きこまれてきたのをクリスは察知したが、避ける事は出来ない。
 今度こそ意識は途切れ、しばらく……舞台を降りても戻らずに医務室送りとなったのだった。


「力だけでは、このレベルともなるとどうしようもありませんね」
 クリスの代わりにレッドが代弁する。
 おそらく同じと事をクリスは、目を覚ました後考える事だろう。
「経験不足は仕方ないだろう、そもそも彼は剣……ごにょごにょ」
「なんですかトリスさん、言いたい事があるならはっきりおっしゃってください」
「いや、なでもない。なんでもないよ☆」
「……ヘタな事覚えさせてしまいました。星飛ばさないでください、貴方の性格的に非常に違和感なんですから」
「うん、そうだな、キモいって言われる気がしてきた。ここだけにしておく。……しかし、実に見事な戦いだったな。ここは経験値の豊富さでテリー君の圧勝となってしまったが……」
 都合につきリプレイ映像をスローで再生する窓をハイドロウが展開し、今何が起こったのか見ている。
「これでまたテリーさんの右手の治癒が遅れますよ。これでは最終戦まで治りません。……わざとやりましたね、あれ」
「そのようだ。……ああいう行為が我々には理解不能、な訳だが」
「なんだー、思ったよりガチだったな。俺の出番ほとんどなかったじゃねぇか」
 と、ツッコミ足りないのかルインがこぼす。
「いいじゃないですか、アベルさん時に散々仕事してくれましたし。この調子で最終戦までよろしくお願いしますよ」
「うーん、けどな。今後はずっと、こんな感じだろう?今みたいなちゃんとした戦いになるんだろ?」
 そこでレッド一瞬沈黙。
「いや?分かりませんよ?」
「……お前、その笑みすげぇ黒ぇ」
「ふふふ、お褒め頂き光栄です」
「褒めてねぇよ!う、やっぱりなんかアイツを思い出す……」
 なぜか引いているルインに、僕何か変な事貴方にしましたか?とレッドは首をかしげた。
「ああ、じゃぁもしかして今回はこれで終わりなのかな?」
 終り、というのはようするに……ここで一旦小休止(続きはまた今度!的な)になるという意味である。 
「というか、ここまで来たならあと全部やってしまったらどうだろうなどと、そんな事もぼやいてみるが」
「最もですね、あと2戦なんですからやっちゃえばいいでしょうに」
 まぁそう言わないでください。ページの都合とか……あと、ペース的な問題で。

 近日中にやりますから。

「本当でしょうかね?いったい全体、前回から何カ月開いたと思って」

 ※解説※
 実際にはものすっごい間が開きました ごめんさい

「それで、最後の対戦カードは何なんだい?」
 ハイドロウは本気で誰の対戦が残っていないのか覚えてないらしい。
 それもそのはず、実はアベルがシードで入って来た所為で、トーナメント表的に偏ったものになっているのだ。
 次は2回戦および3回戦目となる対戦で、初戦某主人公をあっさり破ってしまったナンパな剣士ダァクと、ブレイズを強制的に敗退させてしまったアベルとの対戦である。
 そして、その勝者と今回の最後の対戦の勝者すなわち、テリーとの決勝戦となるのだ。
「……一難去ってまた一難、彼女の対戦相手はブレイズ君の次はダァクか……これもまた微妙なカードだな」
「というと、どういう事でしょうトリスさん」
「……全部俺に言わせるつもりかな君は」
「いや、ほら僕ってばダァクさんの事よく知りませんし?」
 悪意を持ってとぼけるレッドに、トリスは苦笑して額を抑えた。
「まぁいいだろう、ダァク・S・バメルダは自称女の子至上主義な剣士だ。女性には、一方的に弱いと言っていい。まぁもっとも幼女とか人間じゃないのには無効らしいが……」
「……幼女って、そんなん出るんかオタクん所」
 ルイン、突っ込み所と心得て問う。
「……あまり大声では言えないが実は……な」
 何しろその幼女と形容しているものはすこぶる地獄耳なのだ。
 伊達に破壊魔の名前を背負っていない、とんでもない性格をよく知っているトリスは慎重に答える。ヘタな事を言うののを控え、誤魔化した。
「ふぅん、じゃぁ一方的にダァクが再び棄権する可能性もあるって事?」
「流石に二回もそのパターンだとアベルさんがキレそうで怖いですねぇ……」
 一回目、ダァクがこのお遊び対戦にすこぶる消極的だった事を一同思い出している。負けず嫌いな性格とはいえ、格下と把握した相手に本気になるほどではない。そのように容易く相手の技量を図ってしまうからこそ本来、積極的に戦うという選択肢は取らない性格である。
 という事は、これ以上勝ち進む事を辞退すべくアベルに勝利を譲ってしまうという事も十二分にありうるのだ。
「なにはともあれ、今回はこれにてお開きだ。……今度こそ次で最後になるだろう。なるのだよな?もう一回分お付き合い願おう」

◆◆◆◆ その4に続く ◆◆◆◆
 ※解説※
 ここまでが3回目のブログに記載されていた内容です。テキスト版は文字量を分断するのでページはもう少し先があります

 *** 続く ***
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

まず、後宮に入れませんっ! ~悪役令嬢として他の国に嫁がされましたが、何故か荷物から勇者の剣が出てきたので、魔王を倒しに行くことになりました

菱沼あゆ
ファンタジー
 妹の婚約者を狙う悪女だと罵られ、国を追い出された王女フェリシア。  残忍で好色だと評判のトレラント王のもとに嫁ぐことになるが。  何故か、輿入れの荷物の中には、勇者の剣が入っていた。  後宮にも入れず、魔王を倒しに行くことになったフェリシアは――。 (小説家になろうでも掲載しています)

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

蒼炎の公爵令嬢 〜追放された私は、最強冒険者と共に真実の力に目覚める〜

雛月 らん
ファンタジー
「お前は出来損ないだ」——家族に見捨てられた令嬢が、最強の冒険者と出会い、真の力に目覚める異世界ファンタジー! 公爵家に生まれたエリアナは、幼い頃から魔法の制御ができず、家族から冷遇されてきた。 唯一の味方は執事のポールだけ。 人前で魔法を使わなくなった彼女に、いつしか「出来損ない」の烙印が押される。 そして運命の夜会—— 婚約者レオンハルトから、容赦ない言葉を告げられる。 「魔法も使えないお前とは、婚約を続けられない」 婚約破棄され、家からも追放されたエリアナ。 だが彼女に未練はなかった。 「ようやく、自由になれる」 新天地を求め隣国へ向かう途中、魔物に襲われた乗り合い馬車。 人々を守るため、封印していた魔法を解き放つ——! だが放たれた炎は、常識を超えた威力で魔物を一掃。 その光景を目撃していたのは、フードの男。 彼の正体は、孤高のS級冒険者・レイヴン。 「お前は出来損ないなんかじゃない。ただ、正しい指導を受けなかっただけだ」 レイヴンに才能を見出されたエリアナは、彼とパーティーを組むことに。 冒険者ギルドでの魔力測定で判明した驚愕の事実。 そして迎えた、古代竜との死闘。 母の形見「蒼氷の涙」が覚醒を促し、エリアナは真の力を解放する。 隠された出生の秘密、母の遺した力、そして待ち受ける新たな試練。 追放された令嬢の、真の冒険が今、始まる!

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3) 「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

処理中です...