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番外編 EX EDITION
■番外編EX『戦いを捧げろ!』#7/10
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N&SinMFC シリーズ番外編『戦いを捧げろ!』#7/10
※同世界設定同士の物語登場人物による、
俗に言うパラレルの様なそうでもないような番外編です やや長め
「足かけ半年、ようやく終わりますね」
「いや、さらっと詭弁混ぜるんじゃねぇよ。さすがに半年放置はしてねぇぞ。ウチのアレと違って」
早速ツッコミ仕事をキめるルインに紫魔導師レッド、穏やかな微笑みを浮かべて目を閉じる。
「ようやくこれで一つ肩の荷が下りますね」
「……お前じゃなくて上の人のな」
「いいコンビだよ全く、そんなんやってると前置きが長くなるんだからさっさと始めたら?」
ハイドロウからいいコンビ、などといわれて口を曲げるルインとまんざらでもないレッド。
「僕、イジりがいのあるツッコミ属性の人は嫌いじゃありません」
ブラックに微笑みを投げかける司会役、対しどうにも苦手な『あの人』の属性に限りなく近いらしい事を把握し始めたルインは後ず去り。
※解説※ 何度めかになりますがSFのFがつく人
「なんで俺はこういう奴らから好かれるんだろうか?」
「体質だろ?」
特別ゲスト・ハイドロウ、例によって容赦なく言い捨ててこの毎度くだらない前振りを終わらせた。
そんなやりとりを紅茶を味わいつつまったり眺めていた解説の青魔導トリス・ヴァーニス。やや咳ばらい。
「えーと、では。はじめても良いのかな」
「オッケーです。いつもの奴、終わりましたので状況解説、お願いいたたします」
これっていつもの奴って言うのか?などとやや疑問に思いつつ。俺関係してないからまぁいいかと疑問すら忘却の彼方に放りやってトリス、ティーカップを皿に戻す。
彼は魔導師にしては珍しく紅茶派である。
「物語の都合、時間軸、様々な事は全部忘れてやってしまおう、剣士さん頂上決定戦トーナメントがついに最終話を迎えたようだ。
※解説※
今回の冒頭からブログでの最終回、4回目になります
最終的に全4回になったようだな……実は、こっそり第3位決定戦とはまた違うオマケもやろうとか目論んでいるらしいがそれはそれ、これはこれ。準決勝と決勝戦をこれからお届けしよう」
「ついでなので履歴も含めておきましょう。09年2月現在、長編小説と分類される上の人の登場人物でメインとなっている『ケンを振って戦う人』を時空を超えて集めて戦わせた話です。あーまぁ、一人剣も拳も使わない人混じってますがね」
解説トリスの言葉の次に司会が付け加えた言葉には、ツッコミ役として後半からこの解説席に座っているルイン、やや不貞腐れた。
「正確にいえば『戦闘特化キャラ頂上決定戦』なんだよね。何しろオフェンスしか手段のない魔法使いが混じってるワケだからさ」
「うるせぇよ、どーせ俺は攻撃特化だよ」
「一般的に魔法使いは攻撃特化だろJK(常識的に考えて)などと思っている人もいるかもしれませんが……」
レッド、深くため息をつきつつメガネのブリッジを押し上げる。
「そう言う貴方、コンピューターゲームのやりすぎですよ。魔法使いとはそも奇跡を取り扱う者の事。本来ベギ◎マとかマハラ◎オンとかブリ◎ガとか、攻撃的な魔法ばっかり覚えるものではありません」
「こんぴゅーた?」
はっちゃけ番外編なのでNGワードも遠慮なく持ち出すレッドに、上の事情に詳しい方位神眷属のトリスは苦笑い。
「ルイン、君本当に仕事熱心なのはいいんだが、わからない所はあえて聞かなかった事にした方が身の為だぞ」
「フィールド歩いたって隣町まで行く間にそんなモンスターとかエンカウントしてたら生活成り立たないに決まってるじゃないですか。悪魔とか闊歩してるのどー考えてもおかしいでしょう。そーいうご都合世界ならば攻撃特化魔法使いくらい居てもいいかもしれませんが現実を見据えれば、攻撃魔法しか取り扱えない魔法使いなど生活的に役立たずの代名詞」
「悪かったな!!!どーせ俺は攻撃しか能の無い役立たず魔法使いだよ!悪かったよ!格闘大会にこっそり忍び込んだりしてスイマセンでしたーだ!」
密かにトーナメントに組み込まれ、ただ一人魔法使い(ただし攻撃特化)として参戦していたルイン、怒って腕を組みそっぽを向いてしまった。
「別に貴方の事を言っている訳ではありませんが」
などと、にこやかに笑いながらフォローらしきものを言うレッド。ああこの人わざとやった、というのがトリス、ハイドロウには分かってしまった。
ルイン本当にへそを曲げてしまったようで無言である。
「……レッド、コイツを怒らせても君の得にはならないと思うんだけど」
「ええ、わかっているんですがどうにも。こう、打つと響くような反応が返ってくるものでつい」
「あー、その気持ち僕は同意できないなぁ……」
なるほど確かにレッドには『あの人』の気質があるんだと、正直『あの人』は得意とは言えないハイドロウは苦笑い。
「……行間に突っ込んで悪いんだが、その……『あの人』って誰だ?」
トリスの問いに、ルインとハイドロウはやや眉をひそめた後……こそっとこれに応える。
「大声では言えないな、呼ばなくとも名を出すだけで出現するような……非常に厄介な相手だし」
「……SF版のなんちゃって女子の『あの人』だ」
彼らの恐れを酌んで行間で解説しておくならば……『カズオミ・F』の事である。
事あれば5人組をイジり倒すに一所懸命になるという、5人にとってはイヤなお姉さんだ。そのカズオミの属性設定を渡されて読んだレッドは、行間含んで見まわした上で外見所爽やかに笑う。
実際腹のあたりは真っ黒い。
「嫌ですね、それは僕じゃなくて僕ん所の(トビラ)アインさんの属性のはずですが」
「俺もそうだと思っていたんだが、今の君のその性格の悪さは素か?演技なのか?」
トリスの呆れた問いかけにレッドは含み笑いで応答。
「ふふふ……演じるが真である仮想世界において、何が事実であるかなど問うも追及するも愚かな事ですよ。ぶっちゃけ言えば、僕だってたまにはとことんギャグキャラもやりたいんですから」
本音そっちか。トリス、お決まりの苦笑いで額を抑える。ルインが仕事をしに戻ってくる。
「いや、お前本編でも十分ギャグだと思うぞ」
「……いや、主人公のボケを助長するに一役買っているのは確かなのだが、実際のところは状況解説役に終始しているので割と真面目そうに思えたりもするのだ。実に不思議な事に」
「それがトビラ・クオリティ」
「どーだか」
まったく、本当にどーだか。
「……またしてもずいぶん行数使ってしまいましたが……。ええと僕らは第八期世界の住人(トビラ)であり、トリスさんは第六期~第七期(魔物使いシリーズ&エレメン)からおいでになっていて、ついでルインさんハイドロウさんは元来リアル世界の人達です。で僕らとほぼ同じ都合で第八期に稀に乱入してくる存在ですね。こっそり第四期物語にもキャラクターは使われていまして、主にその設定が流用されております」
「非常に上の都合での話だな。で、これら主に三つの世界から戦闘特化したキャラクターを競わせようというこの企画、ようやく最終話となった。レッド、例の対戦カードを示してくれ」
トリスの指示にレッド、最近まで伏せていた対戦トーナメント表を立てる。
初戦は方位神眷属『番犬』バンクルドVS実は剣豪『領主』ブレイズの対戦。こちら魔法剣使いのブレイズの前にまさかの最強剣士初戦敗退。
この結果に、バンクルドの好敵手に位置する(実際逆だが)ダァクがやややる気を失った状況で第2戦、『リンクスレイヤー』ダァクVS元剣闘士『勇者≒魔王』ヤトが開戦となった。
ダァクがやる気を失った状況にもかかわらず某主人公あっさり敗退。またしても番狂わせな結果となったのであった。
第3戦はケンはケンでも拳のケン。実は上の人が一番やりたかった格闘戦、元拳闘士『西方公族』テリーVS北方人食い『鬼』ダーク(ダァクとは別)。
こちらはがっつり真面目に戦闘シーン書き出しておいて、テリーが肉を切らして骨断つ戦法にて勝利。ダークに一方的な肩入れをするハイドロウがふてくされる結果に終わっている。
第4戦は問題の一人なぜか混ざり込んでいる原初魔法使いその2『攻撃特化』ルインVS謎の『八撃星』怪力青年クリス。
クリスが『実は』と備える様々な特性のおかげでルインの放った魔法を一方的に無力化し……ルインは魔法使いのくせに剣士の前に倒れる終結を迎えている。
その後、シードとしてむりやり入って来たこの会場である闘技場のオーナー、アベル・エトオノと初戦勝者のブレイズが戦うはずだったのだが……話が食い違った関係ブレイズが試合放棄。
意図する所とは裏腹に不戦勝してしまったアベルと……。
のらりくらりと某主人公をあっけなく破ってしまった、もしかしてこの人強いんじゃない?いや、間違いなく実は強いんですよ、という……ダァク・S・バメルダの準決勝戦がこれから始まる。
*** *** ***
「前回の終わりに疑問提示があったとおり、唯一女性で参戦しているアベルさん相手に……女性にはめっぽう弱いらしいダァクさんは戦う事が出来るのでしょうか?」
「だから、もうあたしは参加しないって言ってるでしょ」
一同驚いてふり返るに……解説部屋に5人目の乱入者が登場。
「アベルさん、どうしたんですか。次試合ですよ?」
「あたしはもうやらない」
またそんな我儘を、しかし……闘技場オーナーでエラい人だから強くは非難できないレッド。
「……じゃぁ、あいつは不戦勝になるのか?」
先に舞台に現れて頭を掻いているダァクをトリスは指差した。
気配を感じたのか、舞台に一人出て対戦者を待っていたダァクがこちらを振り返って……赤い髪の対戦相手が解説席にいるのにやや驚いている。
アベル、強引にレッドのマイク(正確には魔法『拡張伝達~トランスミッション~』の媒体道具。都合マイクと一般的に呼ばれているものと同じ形をしている)を奪い取って机に手を付き、ダァクを指差し言った。
「あたしはあんたと戦わないわ!だって手加減出来ないかもしれないもの」
どういう意味だ、ザワザワと揺れる会場に……舞台のダァクはやはり苦笑いして頭を掻いている。
ダァクは剣士にしては非常に頭の回る……脳みそが筋肉化してないという珍しい戦士であったりする。
何しろ口げんかで詭弁家トリス・ヴァーニスとやり合える人物でもあるのだ。
アベルの言葉がどういう意味での事かはもちろん察した。
……実は舞台裏でヤト氏からあれこれ事情は聞いている訳だ、彼女の事は。
「古代龍種先祖がえりのあたしとアンタじゃ勝負にならないの、目に見えてるわけだし」
一方的に優位宣言されてダァクは苦笑うしかない。
確かに……女性相手じゃ本気は出しにくいとは思っていたし本気になるのは主義に反する。
たとえアベルが女性ではなく男だったとしても、すでにダァクはすべてに対し本気を出すという事は無い。本気でやるわよ、と口先で言うのは楽だ。実際本気になる事はあまりないのである。
主義だ、バンクルドに向けてまれに本気になれるのは……彼が人間ではなく方位神眷属であるからだろう。
人ではないなら人に見合わない力をぶつけてもいいだろう、という理屈が根底にある。
ダァクは自分が本気を振るう時、決して人に向けてはいけない力を向ける事になる事を知っている。
しかし……どうにも彼女、アベル・エトオノというのは弟子に取ったクリスと同じく……相当に肉体的に有能な種族であるらしい。
そうなると少しだけ話は変わってくる。
本来成り立たない戦いながら、そうであるからこそダァクは興味がある。
不具合を抱えないクリスの、素質として抱えている実力はどれほどのものなのか。
もしかすればアベルと戦えばそれが見えるかもしれない。
強きを求める剣士として……ダァクはそれに興味があった。
ならば戦おう、女性だから負けてもいいや、手を抜いて、ぶちのめされる事になってもいいから戦ってみようと思って舞台に上がったというのに。
彼女の方から逃げ出されてしまった。
……いったい誰を見習ったのやら。
彼女が男なら得意な口先三寸で挑発を決めて舞台に引きずり降ろしてもいいのだが……女性となるとそんな事は出来ないダァクである。
戦えないのかぁ。それは残念だ、という意味をこめての苦笑いでもある訳だ。
「で、不戦勝にするのも癪だから……」
どういう風に癪なのか、そこらへん盛大に解説不足と察しレッド、トリスに目くばせ。
「……彼女の隣では俺も解説は無理」
殴られたくないからな、俺。そういうキャラじゃないんだから俺、とトリス仕事を拒否。
「仕事放棄はいけませんよトリスさん」
「……ああ、じゃぁこうしよう」
トリス、立ちあがって……対戦相手が出てこないという状況に何事かと……舞台のそでに現れていたヤト氏に向かってマイクをぶん投げた。
肉体技能的に有能とはいいがたいトリス、魔法操作によって確実にヤトの頭に向けてマイク(くどいようだが正確には魔法『拡張伝達』の以下略)を投げつける。
それに、腐っても元剣闘士、反射神経は上級戦士のそれであるヤトは見知らぬ方向から飛んできたマイクを受け止めて、マイクと知って目を白黒させる。
「君、状況解説頼むー!」
トリスの叫びが聞こえたのだろう、明らかに嫌な顔を返すヤト・ガザミ。
「お前にしかできない事だ!このままでは君と対戦したダァクは不戦勝になってしまう!」
何よりそれを防ぎたいだけじゃないのかと思ったハイドロウだったが、このややこしい状況に片足を突っ込みたくなかったので黙っている事にした。
「あー……ええと、……しかたがないなぁ」
突然解説らとは違う声が会場に入る。
言っておくが魔法使い連中らは『都合の悪い無駄話』はきっちり拡張魔法を切って話しているので悪しからず。
……フォローせずとも当然の話なのだが、そんな彼らの狡猾さなどご存じでない皆様方に解説を向けてみた。
「おいアベル、お前ただでさえ無茶苦茶なこの番外編、さらにひっかきまわしてんじゃねーぞ!」
あれって、マイク握ると豹変するタイプでしょうかね。
やれやれ、これで再び何行使う事になるのかな。
などと、司会と解説は止める気さらさら無しでこっそり囁いていたりする。
「うっさいわねー!あたしがオーナーだから文句言うな!」
「いくらお遊び仕様ったって、舞台儀礼まで無視しちゃ闘技場協会が黙ってねーだろ!」
「問題ない、あたし舞台に上がってないもん!まだ儀式始まってないからノーカウント!」
「あのな、俺は闘技場のそーいうご都合主義が嫌だから……あー、この話はまぁいい、とにかくおとなしく舞台に戻ってこい!」
「やだ!それにもう代役頼んじゃったもん」
代役?
会場が揺れる。
ヤトもまた怪訝な顔をするに……自分の後ろにいつの間にやら黒髪の青年が立っているのに気がついた。
大袈裟に驚いてふり返る。
「うわ、なんだ!いつから後ろに」
「すまん……ええと、どうにも前の対戦で俺、いろいろ勘違いしちゃったみたいだから」
苦笑いで突っ立っていたのは……前回勝手に勘違いを起こして試合放棄したブレイズ・サンデイではないか。
「というわけだから!ダァクさん、ブレイズさんと闘ってー!」
ダァク、苦笑いのまま肩を落とした。
「……ま、しょうがいないわよね。上がりなさいよブレイズ」
「悪いな、待たせてしまって」
「構わんさ、我儘娘に振り回されるのには慣れてるのよ」
そんな二人の会話とは裏腹に、オーナーの横暴な我儘に腹を立てたヤトがマイク握って反撃中。
「お前な!そういう事勝手に通してイイと思ってんのか!」
「いーのよ、正式試合じゃないんだから、お遊びなんだから!」
「よくねーよ!そもそもお前が勝手に乱入した癖に、最終的には戦わないからこんな事になってんだろ!?ちゃんと戦って負けた俺の立場はどーなるんだ!」
「あんな間抜けな負け方しとしてエラそうに、大体アンタがあっさり負けるから悪いのよ!」
「なんで俺が悪いんだよッ!」
ああ、なるほどそこが問題で、そこが癪な理由というわけだ。
舞台全てに響き渡る痴話喧嘩によってうっすら状況を把握し始める観客席。
「恥ずかしいですねぇ」
「……そろそろ、マイクオンになっていて全部観客に筒抜けである事実を言ってやったらどうだね」
「………。そんな事言ったら、なんでマイク切っとかないのよ!とか殴られてしまいます。僕も殴られるの嫌ですから……フェードアウトで」
「了解、そうしよう」
*** *** ***
痴話喧嘩はその後、一方的な殴り合い(その場合殴り合いとは言わないと思います)に発展し、ようやく解説席、舞台ともに平和が訪れる。
そろそろはじめていーかー、というダァクの声に……司会と解説、同時に咳ばらいを行った。
「では、始めて頂きましょう。ダァクさんと代役……もとい、本来であれば勝ち上るはずだった……らしい、ブレイズさんとの対戦です」
*** 続く ***
※同世界設定同士の物語登場人物による、
俗に言うパラレルの様なそうでもないような番外編です やや長め
「足かけ半年、ようやく終わりますね」
「いや、さらっと詭弁混ぜるんじゃねぇよ。さすがに半年放置はしてねぇぞ。ウチのアレと違って」
早速ツッコミ仕事をキめるルインに紫魔導師レッド、穏やかな微笑みを浮かべて目を閉じる。
「ようやくこれで一つ肩の荷が下りますね」
「……お前じゃなくて上の人のな」
「いいコンビだよ全く、そんなんやってると前置きが長くなるんだからさっさと始めたら?」
ハイドロウからいいコンビ、などといわれて口を曲げるルインとまんざらでもないレッド。
「僕、イジりがいのあるツッコミ属性の人は嫌いじゃありません」
ブラックに微笑みを投げかける司会役、対しどうにも苦手な『あの人』の属性に限りなく近いらしい事を把握し始めたルインは後ず去り。
※解説※ 何度めかになりますがSFのFがつく人
「なんで俺はこういう奴らから好かれるんだろうか?」
「体質だろ?」
特別ゲスト・ハイドロウ、例によって容赦なく言い捨ててこの毎度くだらない前振りを終わらせた。
そんなやりとりを紅茶を味わいつつまったり眺めていた解説の青魔導トリス・ヴァーニス。やや咳ばらい。
「えーと、では。はじめても良いのかな」
「オッケーです。いつもの奴、終わりましたので状況解説、お願いいたたします」
これっていつもの奴って言うのか?などとやや疑問に思いつつ。俺関係してないからまぁいいかと疑問すら忘却の彼方に放りやってトリス、ティーカップを皿に戻す。
彼は魔導師にしては珍しく紅茶派である。
「物語の都合、時間軸、様々な事は全部忘れてやってしまおう、剣士さん頂上決定戦トーナメントがついに最終話を迎えたようだ。
※解説※
今回の冒頭からブログでの最終回、4回目になります
最終的に全4回になったようだな……実は、こっそり第3位決定戦とはまた違うオマケもやろうとか目論んでいるらしいがそれはそれ、これはこれ。準決勝と決勝戦をこれからお届けしよう」
「ついでなので履歴も含めておきましょう。09年2月現在、長編小説と分類される上の人の登場人物でメインとなっている『ケンを振って戦う人』を時空を超えて集めて戦わせた話です。あーまぁ、一人剣も拳も使わない人混じってますがね」
解説トリスの言葉の次に司会が付け加えた言葉には、ツッコミ役として後半からこの解説席に座っているルイン、やや不貞腐れた。
「正確にいえば『戦闘特化キャラ頂上決定戦』なんだよね。何しろオフェンスしか手段のない魔法使いが混じってるワケだからさ」
「うるせぇよ、どーせ俺は攻撃特化だよ」
「一般的に魔法使いは攻撃特化だろJK(常識的に考えて)などと思っている人もいるかもしれませんが……」
レッド、深くため息をつきつつメガネのブリッジを押し上げる。
「そう言う貴方、コンピューターゲームのやりすぎですよ。魔法使いとはそも奇跡を取り扱う者の事。本来ベギ◎マとかマハラ◎オンとかブリ◎ガとか、攻撃的な魔法ばっかり覚えるものではありません」
「こんぴゅーた?」
はっちゃけ番外編なのでNGワードも遠慮なく持ち出すレッドに、上の事情に詳しい方位神眷属のトリスは苦笑い。
「ルイン、君本当に仕事熱心なのはいいんだが、わからない所はあえて聞かなかった事にした方が身の為だぞ」
「フィールド歩いたって隣町まで行く間にそんなモンスターとかエンカウントしてたら生活成り立たないに決まってるじゃないですか。悪魔とか闊歩してるのどー考えてもおかしいでしょう。そーいうご都合世界ならば攻撃特化魔法使いくらい居てもいいかもしれませんが現実を見据えれば、攻撃魔法しか取り扱えない魔法使いなど生活的に役立たずの代名詞」
「悪かったな!!!どーせ俺は攻撃しか能の無い役立たず魔法使いだよ!悪かったよ!格闘大会にこっそり忍び込んだりしてスイマセンでしたーだ!」
密かにトーナメントに組み込まれ、ただ一人魔法使い(ただし攻撃特化)として参戦していたルイン、怒って腕を組みそっぽを向いてしまった。
「別に貴方の事を言っている訳ではありませんが」
などと、にこやかに笑いながらフォローらしきものを言うレッド。ああこの人わざとやった、というのがトリス、ハイドロウには分かってしまった。
ルイン本当にへそを曲げてしまったようで無言である。
「……レッド、コイツを怒らせても君の得にはならないと思うんだけど」
「ええ、わかっているんですがどうにも。こう、打つと響くような反応が返ってくるものでつい」
「あー、その気持ち僕は同意できないなぁ……」
なるほど確かにレッドには『あの人』の気質があるんだと、正直『あの人』は得意とは言えないハイドロウは苦笑い。
「……行間に突っ込んで悪いんだが、その……『あの人』って誰だ?」
トリスの問いに、ルインとハイドロウはやや眉をひそめた後……こそっとこれに応える。
「大声では言えないな、呼ばなくとも名を出すだけで出現するような……非常に厄介な相手だし」
「……SF版のなんちゃって女子の『あの人』だ」
彼らの恐れを酌んで行間で解説しておくならば……『カズオミ・F』の事である。
事あれば5人組をイジり倒すに一所懸命になるという、5人にとってはイヤなお姉さんだ。そのカズオミの属性設定を渡されて読んだレッドは、行間含んで見まわした上で外見所爽やかに笑う。
実際腹のあたりは真っ黒い。
「嫌ですね、それは僕じゃなくて僕ん所の(トビラ)アインさんの属性のはずですが」
「俺もそうだと思っていたんだが、今の君のその性格の悪さは素か?演技なのか?」
トリスの呆れた問いかけにレッドは含み笑いで応答。
「ふふふ……演じるが真である仮想世界において、何が事実であるかなど問うも追及するも愚かな事ですよ。ぶっちゃけ言えば、僕だってたまにはとことんギャグキャラもやりたいんですから」
本音そっちか。トリス、お決まりの苦笑いで額を抑える。ルインが仕事をしに戻ってくる。
「いや、お前本編でも十分ギャグだと思うぞ」
「……いや、主人公のボケを助長するに一役買っているのは確かなのだが、実際のところは状況解説役に終始しているので割と真面目そうに思えたりもするのだ。実に不思議な事に」
「それがトビラ・クオリティ」
「どーだか」
まったく、本当にどーだか。
「……またしてもずいぶん行数使ってしまいましたが……。ええと僕らは第八期世界の住人(トビラ)であり、トリスさんは第六期~第七期(魔物使いシリーズ&エレメン)からおいでになっていて、ついでルインさんハイドロウさんは元来リアル世界の人達です。で僕らとほぼ同じ都合で第八期に稀に乱入してくる存在ですね。こっそり第四期物語にもキャラクターは使われていまして、主にその設定が流用されております」
「非常に上の都合での話だな。で、これら主に三つの世界から戦闘特化したキャラクターを競わせようというこの企画、ようやく最終話となった。レッド、例の対戦カードを示してくれ」
トリスの指示にレッド、最近まで伏せていた対戦トーナメント表を立てる。
初戦は方位神眷属『番犬』バンクルドVS実は剣豪『領主』ブレイズの対戦。こちら魔法剣使いのブレイズの前にまさかの最強剣士初戦敗退。
この結果に、バンクルドの好敵手に位置する(実際逆だが)ダァクがやややる気を失った状況で第2戦、『リンクスレイヤー』ダァクVS元剣闘士『勇者≒魔王』ヤトが開戦となった。
ダァクがやる気を失った状況にもかかわらず某主人公あっさり敗退。またしても番狂わせな結果となったのであった。
第3戦はケンはケンでも拳のケン。実は上の人が一番やりたかった格闘戦、元拳闘士『西方公族』テリーVS北方人食い『鬼』ダーク(ダァクとは別)。
こちらはがっつり真面目に戦闘シーン書き出しておいて、テリーが肉を切らして骨断つ戦法にて勝利。ダークに一方的な肩入れをするハイドロウがふてくされる結果に終わっている。
第4戦は問題の一人なぜか混ざり込んでいる原初魔法使いその2『攻撃特化』ルインVS謎の『八撃星』怪力青年クリス。
クリスが『実は』と備える様々な特性のおかげでルインの放った魔法を一方的に無力化し……ルインは魔法使いのくせに剣士の前に倒れる終結を迎えている。
その後、シードとしてむりやり入って来たこの会場である闘技場のオーナー、アベル・エトオノと初戦勝者のブレイズが戦うはずだったのだが……話が食い違った関係ブレイズが試合放棄。
意図する所とは裏腹に不戦勝してしまったアベルと……。
のらりくらりと某主人公をあっけなく破ってしまった、もしかしてこの人強いんじゃない?いや、間違いなく実は強いんですよ、という……ダァク・S・バメルダの準決勝戦がこれから始まる。
*** *** ***
「前回の終わりに疑問提示があったとおり、唯一女性で参戦しているアベルさん相手に……女性にはめっぽう弱いらしいダァクさんは戦う事が出来るのでしょうか?」
「だから、もうあたしは参加しないって言ってるでしょ」
一同驚いてふり返るに……解説部屋に5人目の乱入者が登場。
「アベルさん、どうしたんですか。次試合ですよ?」
「あたしはもうやらない」
またそんな我儘を、しかし……闘技場オーナーでエラい人だから強くは非難できないレッド。
「……じゃぁ、あいつは不戦勝になるのか?」
先に舞台に現れて頭を掻いているダァクをトリスは指差した。
気配を感じたのか、舞台に一人出て対戦者を待っていたダァクがこちらを振り返って……赤い髪の対戦相手が解説席にいるのにやや驚いている。
アベル、強引にレッドのマイク(正確には魔法『拡張伝達~トランスミッション~』の媒体道具。都合マイクと一般的に呼ばれているものと同じ形をしている)を奪い取って机に手を付き、ダァクを指差し言った。
「あたしはあんたと戦わないわ!だって手加減出来ないかもしれないもの」
どういう意味だ、ザワザワと揺れる会場に……舞台のダァクはやはり苦笑いして頭を掻いている。
ダァクは剣士にしては非常に頭の回る……脳みそが筋肉化してないという珍しい戦士であったりする。
何しろ口げんかで詭弁家トリス・ヴァーニスとやり合える人物でもあるのだ。
アベルの言葉がどういう意味での事かはもちろん察した。
……実は舞台裏でヤト氏からあれこれ事情は聞いている訳だ、彼女の事は。
「古代龍種先祖がえりのあたしとアンタじゃ勝負にならないの、目に見えてるわけだし」
一方的に優位宣言されてダァクは苦笑うしかない。
確かに……女性相手じゃ本気は出しにくいとは思っていたし本気になるのは主義に反する。
たとえアベルが女性ではなく男だったとしても、すでにダァクはすべてに対し本気を出すという事は無い。本気でやるわよ、と口先で言うのは楽だ。実際本気になる事はあまりないのである。
主義だ、バンクルドに向けてまれに本気になれるのは……彼が人間ではなく方位神眷属であるからだろう。
人ではないなら人に見合わない力をぶつけてもいいだろう、という理屈が根底にある。
ダァクは自分が本気を振るう時、決して人に向けてはいけない力を向ける事になる事を知っている。
しかし……どうにも彼女、アベル・エトオノというのは弟子に取ったクリスと同じく……相当に肉体的に有能な種族であるらしい。
そうなると少しだけ話は変わってくる。
本来成り立たない戦いながら、そうであるからこそダァクは興味がある。
不具合を抱えないクリスの、素質として抱えている実力はどれほどのものなのか。
もしかすればアベルと戦えばそれが見えるかもしれない。
強きを求める剣士として……ダァクはそれに興味があった。
ならば戦おう、女性だから負けてもいいや、手を抜いて、ぶちのめされる事になってもいいから戦ってみようと思って舞台に上がったというのに。
彼女の方から逃げ出されてしまった。
……いったい誰を見習ったのやら。
彼女が男なら得意な口先三寸で挑発を決めて舞台に引きずり降ろしてもいいのだが……女性となるとそんな事は出来ないダァクである。
戦えないのかぁ。それは残念だ、という意味をこめての苦笑いでもある訳だ。
「で、不戦勝にするのも癪だから……」
どういう風に癪なのか、そこらへん盛大に解説不足と察しレッド、トリスに目くばせ。
「……彼女の隣では俺も解説は無理」
殴られたくないからな、俺。そういうキャラじゃないんだから俺、とトリス仕事を拒否。
「仕事放棄はいけませんよトリスさん」
「……ああ、じゃぁこうしよう」
トリス、立ちあがって……対戦相手が出てこないという状況に何事かと……舞台のそでに現れていたヤト氏に向かってマイクをぶん投げた。
肉体技能的に有能とはいいがたいトリス、魔法操作によって確実にヤトの頭に向けてマイク(くどいようだが正確には魔法『拡張伝達』の以下略)を投げつける。
それに、腐っても元剣闘士、反射神経は上級戦士のそれであるヤトは見知らぬ方向から飛んできたマイクを受け止めて、マイクと知って目を白黒させる。
「君、状況解説頼むー!」
トリスの叫びが聞こえたのだろう、明らかに嫌な顔を返すヤト・ガザミ。
「お前にしかできない事だ!このままでは君と対戦したダァクは不戦勝になってしまう!」
何よりそれを防ぎたいだけじゃないのかと思ったハイドロウだったが、このややこしい状況に片足を突っ込みたくなかったので黙っている事にした。
「あー……ええと、……しかたがないなぁ」
突然解説らとは違う声が会場に入る。
言っておくが魔法使い連中らは『都合の悪い無駄話』はきっちり拡張魔法を切って話しているので悪しからず。
……フォローせずとも当然の話なのだが、そんな彼らの狡猾さなどご存じでない皆様方に解説を向けてみた。
「おいアベル、お前ただでさえ無茶苦茶なこの番外編、さらにひっかきまわしてんじゃねーぞ!」
あれって、マイク握ると豹変するタイプでしょうかね。
やれやれ、これで再び何行使う事になるのかな。
などと、司会と解説は止める気さらさら無しでこっそり囁いていたりする。
「うっさいわねー!あたしがオーナーだから文句言うな!」
「いくらお遊び仕様ったって、舞台儀礼まで無視しちゃ闘技場協会が黙ってねーだろ!」
「問題ない、あたし舞台に上がってないもん!まだ儀式始まってないからノーカウント!」
「あのな、俺は闘技場のそーいうご都合主義が嫌だから……あー、この話はまぁいい、とにかくおとなしく舞台に戻ってこい!」
「やだ!それにもう代役頼んじゃったもん」
代役?
会場が揺れる。
ヤトもまた怪訝な顔をするに……自分の後ろにいつの間にやら黒髪の青年が立っているのに気がついた。
大袈裟に驚いてふり返る。
「うわ、なんだ!いつから後ろに」
「すまん……ええと、どうにも前の対戦で俺、いろいろ勘違いしちゃったみたいだから」
苦笑いで突っ立っていたのは……前回勝手に勘違いを起こして試合放棄したブレイズ・サンデイではないか。
「というわけだから!ダァクさん、ブレイズさんと闘ってー!」
ダァク、苦笑いのまま肩を落とした。
「……ま、しょうがいないわよね。上がりなさいよブレイズ」
「悪いな、待たせてしまって」
「構わんさ、我儘娘に振り回されるのには慣れてるのよ」
そんな二人の会話とは裏腹に、オーナーの横暴な我儘に腹を立てたヤトがマイク握って反撃中。
「お前な!そういう事勝手に通してイイと思ってんのか!」
「いーのよ、正式試合じゃないんだから、お遊びなんだから!」
「よくねーよ!そもそもお前が勝手に乱入した癖に、最終的には戦わないからこんな事になってんだろ!?ちゃんと戦って負けた俺の立場はどーなるんだ!」
「あんな間抜けな負け方しとしてエラそうに、大体アンタがあっさり負けるから悪いのよ!」
「なんで俺が悪いんだよッ!」
ああ、なるほどそこが問題で、そこが癪な理由というわけだ。
舞台全てに響き渡る痴話喧嘩によってうっすら状況を把握し始める観客席。
「恥ずかしいですねぇ」
「……そろそろ、マイクオンになっていて全部観客に筒抜けである事実を言ってやったらどうだね」
「………。そんな事言ったら、なんでマイク切っとかないのよ!とか殴られてしまいます。僕も殴られるの嫌ですから……フェードアウトで」
「了解、そうしよう」
*** *** ***
痴話喧嘩はその後、一方的な殴り合い(その場合殴り合いとは言わないと思います)に発展し、ようやく解説席、舞台ともに平和が訪れる。
そろそろはじめていーかー、というダァクの声に……司会と解説、同時に咳ばらいを行った。
「では、始めて頂きましょう。ダァクさんと代役……もとい、本来であれば勝ち上るはずだった……らしい、ブレイズさんとの対戦です」
*** 続く ***
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