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ヒロセ、米が食いたくなる
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「こ、米が食いたい~」
俺が剣と魔法の世界に来てから数週間は経つけど、米食ってない。
止まり木亭に連泊していた時も、シチューにパン、魚にパン、サラダにパンと、なんの料理にもついてたのはパンばかりだった。
特にいままで気にしたことなかったけど、食事にご飯がついていないとこんなにも辛いなんて……。
生まれたときから料理にはご飯がついていたから、どうやら俺はすっかりとご飯中毒になっていたらしい。
そのことに食事にパンばかりがつくようになってから気づくとはな。。
けど、この世界にご飯なんてあるのか?
数週間この世界にいるけど、もちろん食ったこともないし、見たこともない。
うむ。どうしたものか? スラちゃんは……。
俺は部屋のなかでふにふにぷにぷにしているスラちゃんを見た。
「スラー~~~」
スラちゃんは俺が撫でてくれると思ったのか、ふにふにと近寄ってきてすりすりしてきた。
俺はスラちゃんをよしよしと撫でた。
「スラー(*'▽')」
スラちゃんは気持ちよさそうにぷにぷにしている。
「まあ、スラちゃんは知らないよな」
う~~~ん。
「そうだ。スラちゃんが知らないなら、ちみっこ妖精に聞いてみるか」
ちみっこ妖精なら、羽根があるし何か知っているかもしれない。
俺は自室を出て102号室に向かった。
「お~~~い、ちみっこ妖精、いるかー」
102号室のドアをたたきながら、俺はちみっこ妖精を呼んでみた。
呼んでしばらくすると、ドアの下にある犬用玄関っぽいところから、ちみっこ妖精が飛びでてきた。なるほど、小さすぎてドア開けられないから、あんなとこに専用の玄関があるのか。。
「どうしたのー。まだお花の蜜はぜんぜん集まってないよー。それとも、かくれんぼして遊ぶー? いつもスラちゃんと遊んでるのー」
ちみっこ妖精はパタパタとして、かくれんぼを要求してきた。
だけど、そんな場合ではない。
「ちみっこ妖精、米を知らないか?」
「米? 米ってなに~? 新しい遊び方~?」
「いや違う。米というのは、小さくて白い粒粒とした食べもののことだ。知らないか?」
「知らない~。そんな食べ物、初めて聞くよー。それにしても、小さくて白い粒粒したものってなんか気持ち悪いねー」
俺は愕然とした。小さくて白い粒粒したものが気持ち悪いだとー。。ますます、米を発見したくなってきた。そうして、ちみっこ妖精にも食べさせてやるぞ。
でも、米のことを知ってそうな人間っているか?
う~~~ん。おっ、そうだ。止まり木亭の人なら知ってるかもしれない。食堂も併設してるから、そのへんの事情に詳しいかも。
よし、さっそく止まり木亭に行くことにしよう。
「よし、ちみっこ妖精、止まり木亭に行くぞ。ついでに、スラちゃんも散歩がてら連れていくか」
「わ~~~い。冒険だー。スラちゃん、呼んでくるー」
そういうと、ちみっこ妖精は101号室に飛んでいき、スラちゃんを外に連れてきた。
「よ~し、米を見つけるぞ」
「わーい、冒険へ出発だー」
「スラ~~~」
◇
スラちゃんとちみっこ妖精と一緒に歩いて、止まり木亭を訪れると、
「わーお兄さん、数日ぶりー。どうしたんですか? また止まり木亭に泊まってくれることになったんですか?」
止まり木亭に俺が行くと、玄関先を掃き掃除していたミーアちゃんをすぐに発見した。あいかわらずのマスコット少女だ。
「いや違う。ミーアちゃんに質問なんだけど、米っていう食べ物知ってる?」
「コメ? コメですか? う~~~ん」
ミーアちゃんは右手をほほにあてて、うーんとうなっている。ミーアちゃんでも知らないか……。この世界に米はあるんだろうか?
「お兄さん、わたしは分からないのでお父さんを呼んできますね」
「おお、けど、今忙しくないのか?」
「大丈夫ですよ。ちょうど今は暇な時間帯ですから」
「そうか、じゃあ頼むよ」
「はい」
そういうと、ミーアちゃんは店の中に入っていった。
「ヒロセー、米なんて食べ物やっぱり誰も知らないよー。そうだよねー、スラちゃん」
「スラー、スラスラー(・・?」
ちみっこ妖精の質問にスラちゃんははてなーという顔をしている。
「そうかもなー。この世界には米はないかもなー」
俺はなかばあきらめた気持ちになっていた。
俺がこの異世界から日本に帰れないとすると、もう二度と米を食えないかもしれない。ホームシックならぬ、ライスショックにかかりそうだ。
と、思っていたら、
「お兄さ~ん、お父さんつれてきましたよ」
「おお、ミーアちゃんありがとう。……え?」
「クマ、こんな街中にクマがいるよー」
「スラ~~~、スラスラ~~~」
ちみっこ妖精とスラちゃんが恐怖におののいている。
そりゃそうだ。ミーアちゃんが連れてきたお父さんは、2m超の身長があり筋骨隆々のひげ面おやじだったのだ。
クマ……、いや、クマを瞬殺できそうな恐ろしさだ。文字通り、ミーアちゃんにプロポーズする男は命がけになるだろう。
「おめえ、コメを探してるんだってな」
「!! 米を知ってるのか?」
「ああ、聞いたことはある。ニアの街でコメの栽培を研究している研究者がいるが、研究費が足りないから実用化できないでいるらしい」
「本当か? 本当なら会いたいんだが」
「ふむ。その男はニアの大学に勤めているらしい。行ってみるといい」
「よっしゃー、米が近づいてきたぞー」
◇
こうして俺を隊長とする探索隊は米の手がかりをつかむことに成功した。
果たしてこの世界で俺は米を食うことができるのだろうか?
やる気マックスの俺と、ちょっと飽きてきたスラちゃんとちみっこ妖精を引き連れて、俺は大学に向かうことにした。
俺が剣と魔法の世界に来てから数週間は経つけど、米食ってない。
止まり木亭に連泊していた時も、シチューにパン、魚にパン、サラダにパンと、なんの料理にもついてたのはパンばかりだった。
特にいままで気にしたことなかったけど、食事にご飯がついていないとこんなにも辛いなんて……。
生まれたときから料理にはご飯がついていたから、どうやら俺はすっかりとご飯中毒になっていたらしい。
そのことに食事にパンばかりがつくようになってから気づくとはな。。
けど、この世界にご飯なんてあるのか?
数週間この世界にいるけど、もちろん食ったこともないし、見たこともない。
うむ。どうしたものか? スラちゃんは……。
俺は部屋のなかでふにふにぷにぷにしているスラちゃんを見た。
「スラー~~~」
スラちゃんは俺が撫でてくれると思ったのか、ふにふにと近寄ってきてすりすりしてきた。
俺はスラちゃんをよしよしと撫でた。
「スラー(*'▽')」
スラちゃんは気持ちよさそうにぷにぷにしている。
「まあ、スラちゃんは知らないよな」
う~~~ん。
「そうだ。スラちゃんが知らないなら、ちみっこ妖精に聞いてみるか」
ちみっこ妖精なら、羽根があるし何か知っているかもしれない。
俺は自室を出て102号室に向かった。
「お~~~い、ちみっこ妖精、いるかー」
102号室のドアをたたきながら、俺はちみっこ妖精を呼んでみた。
呼んでしばらくすると、ドアの下にある犬用玄関っぽいところから、ちみっこ妖精が飛びでてきた。なるほど、小さすぎてドア開けられないから、あんなとこに専用の玄関があるのか。。
「どうしたのー。まだお花の蜜はぜんぜん集まってないよー。それとも、かくれんぼして遊ぶー? いつもスラちゃんと遊んでるのー」
ちみっこ妖精はパタパタとして、かくれんぼを要求してきた。
だけど、そんな場合ではない。
「ちみっこ妖精、米を知らないか?」
「米? 米ってなに~? 新しい遊び方~?」
「いや違う。米というのは、小さくて白い粒粒とした食べもののことだ。知らないか?」
「知らない~。そんな食べ物、初めて聞くよー。それにしても、小さくて白い粒粒したものってなんか気持ち悪いねー」
俺は愕然とした。小さくて白い粒粒したものが気持ち悪いだとー。。ますます、米を発見したくなってきた。そうして、ちみっこ妖精にも食べさせてやるぞ。
でも、米のことを知ってそうな人間っているか?
う~~~ん。おっ、そうだ。止まり木亭の人なら知ってるかもしれない。食堂も併設してるから、そのへんの事情に詳しいかも。
よし、さっそく止まり木亭に行くことにしよう。
「よし、ちみっこ妖精、止まり木亭に行くぞ。ついでに、スラちゃんも散歩がてら連れていくか」
「わ~~~い。冒険だー。スラちゃん、呼んでくるー」
そういうと、ちみっこ妖精は101号室に飛んでいき、スラちゃんを外に連れてきた。
「よ~し、米を見つけるぞ」
「わーい、冒険へ出発だー」
「スラ~~~」
◇
スラちゃんとちみっこ妖精と一緒に歩いて、止まり木亭を訪れると、
「わーお兄さん、数日ぶりー。どうしたんですか? また止まり木亭に泊まってくれることになったんですか?」
止まり木亭に俺が行くと、玄関先を掃き掃除していたミーアちゃんをすぐに発見した。あいかわらずのマスコット少女だ。
「いや違う。ミーアちゃんに質問なんだけど、米っていう食べ物知ってる?」
「コメ? コメですか? う~~~ん」
ミーアちゃんは右手をほほにあてて、うーんとうなっている。ミーアちゃんでも知らないか……。この世界に米はあるんだろうか?
「お兄さん、わたしは分からないのでお父さんを呼んできますね」
「おお、けど、今忙しくないのか?」
「大丈夫ですよ。ちょうど今は暇な時間帯ですから」
「そうか、じゃあ頼むよ」
「はい」
そういうと、ミーアちゃんは店の中に入っていった。
「ヒロセー、米なんて食べ物やっぱり誰も知らないよー。そうだよねー、スラちゃん」
「スラー、スラスラー(・・?」
ちみっこ妖精の質問にスラちゃんははてなーという顔をしている。
「そうかもなー。この世界には米はないかもなー」
俺はなかばあきらめた気持ちになっていた。
俺がこの異世界から日本に帰れないとすると、もう二度と米を食えないかもしれない。ホームシックならぬ、ライスショックにかかりそうだ。
と、思っていたら、
「お兄さ~ん、お父さんつれてきましたよ」
「おお、ミーアちゃんありがとう。……え?」
「クマ、こんな街中にクマがいるよー」
「スラ~~~、スラスラ~~~」
ちみっこ妖精とスラちゃんが恐怖におののいている。
そりゃそうだ。ミーアちゃんが連れてきたお父さんは、2m超の身長があり筋骨隆々のひげ面おやじだったのだ。
クマ……、いや、クマを瞬殺できそうな恐ろしさだ。文字通り、ミーアちゃんにプロポーズする男は命がけになるだろう。
「おめえ、コメを探してるんだってな」
「!! 米を知ってるのか?」
「ああ、聞いたことはある。ニアの街でコメの栽培を研究している研究者がいるが、研究費が足りないから実用化できないでいるらしい」
「本当か? 本当なら会いたいんだが」
「ふむ。その男はニアの大学に勤めているらしい。行ってみるといい」
「よっしゃー、米が近づいてきたぞー」
◇
こうして俺を隊長とする探索隊は米の手がかりをつかむことに成功した。
果たしてこの世界で俺は米を食うことができるのだろうか?
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