52 / 84
8章
2.帰る場所と指紋と凶器《クロード目線》
しおりを挟む
ジョザイア様がアイリーンさんと
致し始めてから、
数時間後。機嫌良さそうにジョザイア様が
気絶した彼女を抱えて、部屋に入ってきた。
この部屋は簡単に言うと、
私と彼の作戦会議室みたいな物だ。
黒いレザーのソファにテーブル。
怪しい薬品の数々。
銃などの武器。
地下には解体室。
ここは違法の巣窟だ。
「クロード!久し振りに仕事をしよう!」
「仕事‥?殺しですか?」
「うん!ちょっとした準備も兼ねて
グレンくんにどんな拷問がいいか試すんだ!」
ジョザイア様は彼女を抱えたまま、
ソファにボスリと座る。
彼女の首には首輪がついていて、
彼の持つリードが、ゆらゆら揺れる。
「それに、いい物も手に入ったしね。」
そう言って、黒い手袋をしてから、
何かを取り出した。
それは、銀色にギラリと光る。
「…刃物‥?あ、さっきのメスですか。
なんで、いいものなんですか?それが‥」
ジョザイア様は小さく溜息をつく。
「もークロードは鈍いなぁ‥
アイリーンは、これを握りしめて、
僕に向けました。
つまり、これには何がついてる?」
‥‥
「指紋‥?」
「そう。しかも、
人に向けて使う時につくような
不自然な指紋。
これが殺人現場に落ちてたらどうなるかな?
その現場に
『みて!先生』なんて、書いてあって
磔の死体があったら?
前の現場に彼女の髪が落ちてたら?
彼女の妹が警官だったら?」
彼の言いたいことがわかってきた‥
この人‥自分のした連続殺人の罪を
彼女に着せる気だ。
でも、何故?
彼はまた呆れたように
ジトリと私をみつめる。
「クロード‥まだわからないって顔してる?
まぁ‥いずれ分かるよ。」
彼はそう言って、
ぐったりと腕の中で
気を失っている彼女を抱き寄せ、
深いキスをした。
「アイリーン‥
貴女の目を覚まさせてあげる。
貴女の大切な人達はロクな奴じゃないよ?
僕らの愛の邪魔をするんだもん。
全員、僕が殺してあげる。
出来うる限りの苦痛を味あわせてやる‥
そうしたら、僕らはずーっと一緒‥
アイリーンは僕を愛する為だけに
生きて、死んでくれるよね?
僕がそうであるように‥」
彼の視線が蛇のように彼女にまとわりつく。
そして、感触を愉しむように、
身体を絡ませ抱きしめるように愛撫する。
彼女は小さく呻く。
その姿が
妖艶で美しいと思うと同時に
恐ろしいとも思う。
あーあ‥可哀想に‥、
あの時、ジョザイア様を
殺していればよかったのに‥
あ‥そんなことないか‥
もし、自分が死んだら、
彼女を殺して、一緒に埋めてくれと
ジョザイア様から指示されたしな‥
そんなことを考えていると、
ジョザイア様が立ち上がる。
「さて、出掛けようか。
クロード、車の準備しておいて。
…アイリーン‥いってくるね。」
そう言って微笑み
彼女の額にキスをして、拘束具をつけ、
また檻に運んでいく。
‥ジョザイア様が何を考えているのか
私にはまだ測れないが、
ただ分かるのは
、
彼女にさらなる不幸が降り注ぐ
ということだけだ。
致し始めてから、
数時間後。機嫌良さそうにジョザイア様が
気絶した彼女を抱えて、部屋に入ってきた。
この部屋は簡単に言うと、
私と彼の作戦会議室みたいな物だ。
黒いレザーのソファにテーブル。
怪しい薬品の数々。
銃などの武器。
地下には解体室。
ここは違法の巣窟だ。
「クロード!久し振りに仕事をしよう!」
「仕事‥?殺しですか?」
「うん!ちょっとした準備も兼ねて
グレンくんにどんな拷問がいいか試すんだ!」
ジョザイア様は彼女を抱えたまま、
ソファにボスリと座る。
彼女の首には首輪がついていて、
彼の持つリードが、ゆらゆら揺れる。
「それに、いい物も手に入ったしね。」
そう言って、黒い手袋をしてから、
何かを取り出した。
それは、銀色にギラリと光る。
「…刃物‥?あ、さっきのメスですか。
なんで、いいものなんですか?それが‥」
ジョザイア様は小さく溜息をつく。
「もークロードは鈍いなぁ‥
アイリーンは、これを握りしめて、
僕に向けました。
つまり、これには何がついてる?」
‥‥
「指紋‥?」
「そう。しかも、
人に向けて使う時につくような
不自然な指紋。
これが殺人現場に落ちてたらどうなるかな?
その現場に
『みて!先生』なんて、書いてあって
磔の死体があったら?
前の現場に彼女の髪が落ちてたら?
彼女の妹が警官だったら?」
彼の言いたいことがわかってきた‥
この人‥自分のした連続殺人の罪を
彼女に着せる気だ。
でも、何故?
彼はまた呆れたように
ジトリと私をみつめる。
「クロード‥まだわからないって顔してる?
まぁ‥いずれ分かるよ。」
彼はそう言って、
ぐったりと腕の中で
気を失っている彼女を抱き寄せ、
深いキスをした。
「アイリーン‥
貴女の目を覚まさせてあげる。
貴女の大切な人達はロクな奴じゃないよ?
僕らの愛の邪魔をするんだもん。
全員、僕が殺してあげる。
出来うる限りの苦痛を味あわせてやる‥
そうしたら、僕らはずーっと一緒‥
アイリーンは僕を愛する為だけに
生きて、死んでくれるよね?
僕がそうであるように‥」
彼の視線が蛇のように彼女にまとわりつく。
そして、感触を愉しむように、
身体を絡ませ抱きしめるように愛撫する。
彼女は小さく呻く。
その姿が
妖艶で美しいと思うと同時に
恐ろしいとも思う。
あーあ‥可哀想に‥、
あの時、ジョザイア様を
殺していればよかったのに‥
あ‥そんなことないか‥
もし、自分が死んだら、
彼女を殺して、一緒に埋めてくれと
ジョザイア様から指示されたしな‥
そんなことを考えていると、
ジョザイア様が立ち上がる。
「さて、出掛けようか。
クロード、車の準備しておいて。
…アイリーン‥いってくるね。」
そう言って微笑み
彼女の額にキスをして、拘束具をつけ、
また檻に運んでいく。
‥ジョザイア様が何を考えているのか
私にはまだ測れないが、
ただ分かるのは
、
彼女にさらなる不幸が降り注ぐ
ということだけだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
609
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる