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飯島 禊
了と禊。
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夜の縁側に冷たい夜風が強く吹く。
「おい、禊ぃ‥お前、何やってるんです?」
飯島さんは聞いた事もない様なドスの利いた低い声を出して私を力強く引き寄せた。
縁側から落ちて地面にうずくまる
禊さんを見下ろしながら。
飯島さんは私の身体を乱雑に力強く
抱きしめるように抱え撫でた。
「これは‥楓さんは俺のなんですよ。
俺の妻で、俺だけのものなんですよ。
なに触ってんですか?
なに話してるんですか?
彼女に関わるんじゃねぇよ。
このイカレたど変態の根暗バンドマンが。」
「飯島さん‥あの違くて‥」
私が禊さんの弁明をしようとすると、
それは遮られた。
「楓さん、怪我はありませんか?
変な事されてません?」
「されてないです!あの、違くて!
禊さんは、私を助けてくれて‥」
「…助け?」
飯島さんの眉がひくりと動く。
それを見て禊さんは慌てたように口を開く。
「彼女‥庭で迷ってて!‥その、助けたんだ‥」
飯島さんは私を抱き抱えたまま、
冷ややかに禊さんをジロリと見た。
「へぇ‥庭。だとしたら
なんでお前が、庭にいたんです?
楓さんが庭に行くのはわかるけど。
お前の棟は随分遠いですよね?
なんでいたんですか?
もしかして、彼女をつけていたんですか?
彼女に手を出す為に?」
畳み掛けるように、尋問は続く。
でも確かになんで禊さんはあそこに?
飯島さんは返答を待たずに縁側から降りて、
地面に腰を抜かす禊さんににじり寄る。
庭先の砂利を踏みしめる音がやけに大きく響く。
「俺の楓さんに手を出しておいて、
タダで済むと思わないことですよ。禊。」
「違うってば‥!!勘違いしないでよ‥!
ほら、僕って‥アレでしょ‥!
彼女にはなにもしてない!!」
飯島さんが、拳を振り上げようとしたとき
彼は急にその手を下ろした。
「あ!あぁ‥そっか。そうでしたね。
禊の趣味って‥。あぁなるほど。」
そう言うと表情から急に怒気が消えて、
見下すような薄ら笑いを浮かべた。
え?なにが?なにが、なるほどなんだろう?
「え?飯島さん?なんの話?」
「あー楓さんはなにも知らなくて良いですよ。
とにかく、禊はこう見えて猟奇的など変態なので関わらない方がいいってことです。」
え?禊さんが?
聞く間もなく、飯島さんは私の肩を抱いたまま踵を返し廊下を歩き始める。
そして、腰を抜かしたままの禊さんを背に
手を振り、こう言った。
「禊。俺には、もう楓さんがいるので、
『アレ』はあげますよ。好きにしてください。
ただ、楓さんに手を出したら、
次期当主としてお前を消します。
これは飯島家の総意ですよ?いいですね?」
背後から小さくて吃った禊さんの声がした。
それは何故か嬉しそうな声だった。
「あぁ、わかったよ‥
ありがと‥了くん 。大事にするね。」
「??」
私にはいまの会話の意味がよくわからず
首を傾げながらも
了さんに連れられて縁側を歩く。
一悶着あった縁側はとても静かで、
私達の歩く足音と床板の軽く軋む音だけが響く。
コツコツと肘で歩く彼女の音が
もうしていなかったことに私は気づかなかった。
「おい、禊ぃ‥お前、何やってるんです?」
飯島さんは聞いた事もない様なドスの利いた低い声を出して私を力強く引き寄せた。
縁側から落ちて地面にうずくまる
禊さんを見下ろしながら。
飯島さんは私の身体を乱雑に力強く
抱きしめるように抱え撫でた。
「これは‥楓さんは俺のなんですよ。
俺の妻で、俺だけのものなんですよ。
なに触ってんですか?
なに話してるんですか?
彼女に関わるんじゃねぇよ。
このイカレたど変態の根暗バンドマンが。」
「飯島さん‥あの違くて‥」
私が禊さんの弁明をしようとすると、
それは遮られた。
「楓さん、怪我はありませんか?
変な事されてません?」
「されてないです!あの、違くて!
禊さんは、私を助けてくれて‥」
「…助け?」
飯島さんの眉がひくりと動く。
それを見て禊さんは慌てたように口を開く。
「彼女‥庭で迷ってて!‥その、助けたんだ‥」
飯島さんは私を抱き抱えたまま、
冷ややかに禊さんをジロリと見た。
「へぇ‥庭。だとしたら
なんでお前が、庭にいたんです?
楓さんが庭に行くのはわかるけど。
お前の棟は随分遠いですよね?
なんでいたんですか?
もしかして、彼女をつけていたんですか?
彼女に手を出す為に?」
畳み掛けるように、尋問は続く。
でも確かになんで禊さんはあそこに?
飯島さんは返答を待たずに縁側から降りて、
地面に腰を抜かす禊さんににじり寄る。
庭先の砂利を踏みしめる音がやけに大きく響く。
「俺の楓さんに手を出しておいて、
タダで済むと思わないことですよ。禊。」
「違うってば‥!!勘違いしないでよ‥!
ほら、僕って‥アレでしょ‥!
彼女にはなにもしてない!!」
飯島さんが、拳を振り上げようとしたとき
彼は急にその手を下ろした。
「あ!あぁ‥そっか。そうでしたね。
禊の趣味って‥。あぁなるほど。」
そう言うと表情から急に怒気が消えて、
見下すような薄ら笑いを浮かべた。
え?なにが?なにが、なるほどなんだろう?
「え?飯島さん?なんの話?」
「あー楓さんはなにも知らなくて良いですよ。
とにかく、禊はこう見えて猟奇的など変態なので関わらない方がいいってことです。」
え?禊さんが?
聞く間もなく、飯島さんは私の肩を抱いたまま踵を返し廊下を歩き始める。
そして、腰を抜かしたままの禊さんを背に
手を振り、こう言った。
「禊。俺には、もう楓さんがいるので、
『アレ』はあげますよ。好きにしてください。
ただ、楓さんに手を出したら、
次期当主としてお前を消します。
これは飯島家の総意ですよ?いいですね?」
背後から小さくて吃った禊さんの声がした。
それは何故か嬉しそうな声だった。
「あぁ、わかったよ‥
ありがと‥了くん 。大事にするね。」
「??」
私にはいまの会話の意味がよくわからず
首を傾げながらも
了さんに連れられて縁側を歩く。
一悶着あった縁側はとても静かで、
私達の歩く足音と床板の軽く軋む音だけが響く。
コツコツと肘で歩く彼女の音が
もうしていなかったことに私は気づかなかった。
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