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第一話 秘密を抱えた男爵令息は恋をする
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ベルナード・レイブスは、貧乏男爵家の次男として生まれた。
家は貧乏だったが、家族仲はよく幸せに暮らしていた。
お金がないため、侍女やメイドを雇うことも出来ず、自分のことは自分でやるといった状況ではあったが、ベルナードは幸せだった。
しかし、ベルナードが12歳の時に大好きな母親が病気のせいでこの世を去った。
元々母親は、体の弱い人だった。
そして、その性質を受け継いだのか、ベルナードの兄も体が弱かった。
度々、病気にかかりその治療費に家財を売ったりなどしてなんとか賄っていたが、それも次第に難しくなっていった。
レイブス男爵家の持つ領地は、特産物もなく普通に生活する分には問題なく生活できるほどではあったが、それほど豊かな領地でもなかった。
ベルナードの父親は、領民の負担を減らすべく税金などは良心的な金額で抑えていたこともあり、そのしわ寄せは男爵家の家計にダイレクトに響いていたのだった。
そんな中、ベルナードの兄が重い病気にかかってしまったのだ。
ベルナードは、金策として自身を売ることを決意した。
売ると言っても、侯爵家に婿入りするという内容だった。
偶然だったが、ベルナードに侯爵家から婿入りの話が来ていたのだ。
しかし、当初それを断るつもりだった。
それはベルナードには、誰にも言えない秘密があったからだ。
もし秘密を知られた場合、ベルナードの死を意味するほどの秘密を抱えていたのだ。
しかし、金がいるのだと自分に言い聞かせたベルナードは、父親に侯爵家からの縁談を受けることを宣言した。
「父上、僕はロイスーン侯爵家からの縁談を受けようと思う。その際に、向こうに金銭的援助を求めるのが条件で、それを受けてくれたらという前提ではあるけど」
「駄目だ!!お前は、何も気にせずにずっとここに居なさい!!」
「でも!!このままじゃ、兄上の病気が!」
「大丈夫だ。金なら私がどうにかする。だからお前は何も気にするな。お願いだから、自分を売るようなことだけはしないでくれ……」
そう言って、ベルナードを愛してくれる父親は泣き崩れてしまった。
しかし、ベルナードは金の工面が難しいことを分かっていたため、父の背中を優しく撫でながらも強い口調で言った。
「父上、僕はもう決めました」
「っ!!だが、お前は……」
父が悲しそうな瞳をベルナードに向けていることに気が付いてはいたが、それを敢えて見なかったふりをした。
そして、自分の秘密を知る由もない父親に安心させるように微笑んだ。
「大丈夫です。まだ、家族以外の人と話すことは不安ですが僕はもう大丈夫です。きっと素敵な奥さんと幸せな家庭を築いて、王国一の愛妻家って言われてみせますよ」
そんな事は無理だと分かっていたが、父を安心させるために、ベルナードは嘯いたのだった。
そう言って、ベルナードは相手側の侯爵家に金銭的な援助を確約させた後に一人、男爵家から侯爵家へと婿入するため旅立ったのだった。
しかし、この判断が後にベルナードの幸福へと繋がっていくとは誰も想像することは出来なかっただろう。
そう、ベルナードは、侯爵家で初めて顔を合わせた、ルーナベルニカ・ロイスーンに一目惚れしていたのだ。
ベルナードよりも高い身長に、長いサラサラの銀髪。涼し気な青い瞳の美女に駄目だと分かっていてもベルナードは恋する気持ちを抑えることは出来なかった。
しかし、初めて顔を合わせたルーナベルニカは、直ぐに顔を逸らして何も言わずに応接室を出ていってしまったことに、ベルナードは落胆した。
だが、どうあってもベルナードは、人と結ばれることはあってはならないことだった。だから、金にがめつい婿など嫌われて当然、これで良かったのだと、痛む胸を無意識に押さえていたのだった。
一方、部屋を無言で出ていったルーナベルニカは、初めてあったベルナードの瞳を見た瞬間恋に落ちてしまったことに動揺していただけで、ベルナードの思っているような事は一切なかった。
15歳にしては幼さの残る顔は、美少年と言うよりもまるで美少女のようだった。
珍しい灰色の髪に、小動物を思わせる榛色の大きな瞳にルーナベルニカは、一目惚れしていたのだ。
(どうしよう……、私…………、あの人と結ばれることは決してあってはならないのに、ひと目で恋に落ちてしまった……。どうしたらいいの……)
ベルナードに恋をしてしまった、ルーナベルニカも自身の抱える秘密のせいで一生、人を好きになることは出来ないと思っていたところに現れた愛おしい人の存在に高鳴る鼓動を抑えるのに必死だった。
そう、これは秘密を抱えた二人が幸せになるまでの物語。
家は貧乏だったが、家族仲はよく幸せに暮らしていた。
お金がないため、侍女やメイドを雇うことも出来ず、自分のことは自分でやるといった状況ではあったが、ベルナードは幸せだった。
しかし、ベルナードが12歳の時に大好きな母親が病気のせいでこの世を去った。
元々母親は、体の弱い人だった。
そして、その性質を受け継いだのか、ベルナードの兄も体が弱かった。
度々、病気にかかりその治療費に家財を売ったりなどしてなんとか賄っていたが、それも次第に難しくなっていった。
レイブス男爵家の持つ領地は、特産物もなく普通に生活する分には問題なく生活できるほどではあったが、それほど豊かな領地でもなかった。
ベルナードの父親は、領民の負担を減らすべく税金などは良心的な金額で抑えていたこともあり、そのしわ寄せは男爵家の家計にダイレクトに響いていたのだった。
そんな中、ベルナードの兄が重い病気にかかってしまったのだ。
ベルナードは、金策として自身を売ることを決意した。
売ると言っても、侯爵家に婿入りするという内容だった。
偶然だったが、ベルナードに侯爵家から婿入りの話が来ていたのだ。
しかし、当初それを断るつもりだった。
それはベルナードには、誰にも言えない秘密があったからだ。
もし秘密を知られた場合、ベルナードの死を意味するほどの秘密を抱えていたのだ。
しかし、金がいるのだと自分に言い聞かせたベルナードは、父親に侯爵家からの縁談を受けることを宣言した。
「父上、僕はロイスーン侯爵家からの縁談を受けようと思う。その際に、向こうに金銭的援助を求めるのが条件で、それを受けてくれたらという前提ではあるけど」
「駄目だ!!お前は、何も気にせずにずっとここに居なさい!!」
「でも!!このままじゃ、兄上の病気が!」
「大丈夫だ。金なら私がどうにかする。だからお前は何も気にするな。お願いだから、自分を売るようなことだけはしないでくれ……」
そう言って、ベルナードを愛してくれる父親は泣き崩れてしまった。
しかし、ベルナードは金の工面が難しいことを分かっていたため、父の背中を優しく撫でながらも強い口調で言った。
「父上、僕はもう決めました」
「っ!!だが、お前は……」
父が悲しそうな瞳をベルナードに向けていることに気が付いてはいたが、それを敢えて見なかったふりをした。
そして、自分の秘密を知る由もない父親に安心させるように微笑んだ。
「大丈夫です。まだ、家族以外の人と話すことは不安ですが僕はもう大丈夫です。きっと素敵な奥さんと幸せな家庭を築いて、王国一の愛妻家って言われてみせますよ」
そんな事は無理だと分かっていたが、父を安心させるために、ベルナードは嘯いたのだった。
そう言って、ベルナードは相手側の侯爵家に金銭的な援助を確約させた後に一人、男爵家から侯爵家へと婿入するため旅立ったのだった。
しかし、この判断が後にベルナードの幸福へと繋がっていくとは誰も想像することは出来なかっただろう。
そう、ベルナードは、侯爵家で初めて顔を合わせた、ルーナベルニカ・ロイスーンに一目惚れしていたのだ。
ベルナードよりも高い身長に、長いサラサラの銀髪。涼し気な青い瞳の美女に駄目だと分かっていてもベルナードは恋する気持ちを抑えることは出来なかった。
しかし、初めて顔を合わせたルーナベルニカは、直ぐに顔を逸らして何も言わずに応接室を出ていってしまったことに、ベルナードは落胆した。
だが、どうあってもベルナードは、人と結ばれることはあってはならないことだった。だから、金にがめつい婿など嫌われて当然、これで良かったのだと、痛む胸を無意識に押さえていたのだった。
一方、部屋を無言で出ていったルーナベルニカは、初めてあったベルナードの瞳を見た瞬間恋に落ちてしまったことに動揺していただけで、ベルナードの思っているような事は一切なかった。
15歳にしては幼さの残る顔は、美少年と言うよりもまるで美少女のようだった。
珍しい灰色の髪に、小動物を思わせる榛色の大きな瞳にルーナベルニカは、一目惚れしていたのだ。
(どうしよう……、私…………、あの人と結ばれることは決してあってはならないのに、ひと目で恋に落ちてしまった……。どうしたらいいの……)
ベルナードに恋をしてしまった、ルーナベルニカも自身の抱える秘密のせいで一生、人を好きになることは出来ないと思っていたところに現れた愛おしい人の存在に高鳴る鼓動を抑えるのに必死だった。
そう、これは秘密を抱えた二人が幸せになるまでの物語。
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