9 / 19
お肉が転がっていた
しおりを挟む
気を失っていたのは短い間だったみたい。
目を覚ますと、ジオラルドが心配そうに私を見ていた。
苦笑いになったけど、とりあえず心配顔に見えるジオラルドに笑って見せる。
「ごめん。ちょっと驚いた……。私、お肉はお肉になった姿しか見たことなくて……。アハハハ~」
「くぅ~ん……」
「うん。大丈夫。お腹が減ってはなんとやらってね。うん。頑張る。私は、ウサギっぽい魔物をお肉にする。私は、やればできる子。頑張れ私! そして、お腹を満たそう!!」
自分を鼓舞するようにそう言った私だったけど、動物をお肉にするのに、解体? って、どうしたらいいのか分からなくて、頑張ろうとした気持ちがしぼみそうになる。
それに、道具もないし……。
うん、詰んだ。
でも、ジオラルドが体を張って獲ってきたものだ。
無駄にしては可哀相だ。
そう思った私は、恐る恐るウサギっぽい魔物の元に向かう。
でも、血の匂いと、モザイクが必要そうな絵面に吐き気がしてくる。
片目を瞑って、手で鼻もつまむ。
空いている方の手で、とりあえずウサギっぽい魔物にちょんって指先で触れてみる。
何度かつんつんって、突いてみる。
うん。何やってるんだろう私……。
でも、掴むことも出来ない私は、指先で突くのが精いっぱいだった。
心の中で、私頑張れーって、自分を励ますことをしながら、何度目かのツンツンをしたときに、指先にさっきまでとは違う感触が伝わったのよね。
もうね。怖くて、途中から目も瞑っていたから、指先に伝わる感触が変わったことで、全身に冷や汗が噴き出していた。
何なの? どうなってるの? って、心は焦るばかりで。
でも、確かめないことにはどうしようもなくて……。
怖いけど、頑張って指先のウサギっぽい魔物に視線を向ける。
だけど、私が見た指先にあったのは、ウサギっぽい魔物じゃなかった。
「あ……あれ? どうなってるの? ジオラルド……あなたが?」
私がジオラルドにそう聞くと、ジオラルドはプルプルと横に頭を振っていた。
そして、再び指先を見る。
そこには、不思議なことにお肉が転がっていたのだ……。
なんで?
これ、夢なの?
そんなことを考えつつ、ほっぺたをつねるけど、確かに痛みがあった。
「夢じゃない……。なんで? お肉になってるの?」
私が混乱していると、ジオラルドが地面の文字をタシタシと叩いていた。
「えっと……。す・う・か・い・つ・つ・く・に・く・か・わ・つ・た……。数回突く、肉変わった……。えっ? えーーーー?!」
どういうこと?
あっ、そうか、分かったわ!!
「ジオラルド! 私、理解したわ。ここはダンジョンの中! きっと、倒した魔物は、突くとアイテムになるのよ!! ゲームあるある~。まぁ、ゲームだと、倒した瞬間にアイテムドロップが基本だけど、ここでは、突くことでアイテムに変えるってことなのよ。うん、きっとそうよ!!」
私がそう言うと、ジオラルドは、コテンと首を傾げていた。
うん。子狼のそういう仕草、可愛いわね。
今起こった不思議な出来事をゲームあるあるで片づけた私だけど、再び詰むことに。
「おーのー……。火がないから、折角ドロップしたお肉が焼けないよぉ……」
目を覚ますと、ジオラルドが心配そうに私を見ていた。
苦笑いになったけど、とりあえず心配顔に見えるジオラルドに笑って見せる。
「ごめん。ちょっと驚いた……。私、お肉はお肉になった姿しか見たことなくて……。アハハハ~」
「くぅ~ん……」
「うん。大丈夫。お腹が減ってはなんとやらってね。うん。頑張る。私は、ウサギっぽい魔物をお肉にする。私は、やればできる子。頑張れ私! そして、お腹を満たそう!!」
自分を鼓舞するようにそう言った私だったけど、動物をお肉にするのに、解体? って、どうしたらいいのか分からなくて、頑張ろうとした気持ちがしぼみそうになる。
それに、道具もないし……。
うん、詰んだ。
でも、ジオラルドが体を張って獲ってきたものだ。
無駄にしては可哀相だ。
そう思った私は、恐る恐るウサギっぽい魔物の元に向かう。
でも、血の匂いと、モザイクが必要そうな絵面に吐き気がしてくる。
片目を瞑って、手で鼻もつまむ。
空いている方の手で、とりあえずウサギっぽい魔物にちょんって指先で触れてみる。
何度かつんつんって、突いてみる。
うん。何やってるんだろう私……。
でも、掴むことも出来ない私は、指先で突くのが精いっぱいだった。
心の中で、私頑張れーって、自分を励ますことをしながら、何度目かのツンツンをしたときに、指先にさっきまでとは違う感触が伝わったのよね。
もうね。怖くて、途中から目も瞑っていたから、指先に伝わる感触が変わったことで、全身に冷や汗が噴き出していた。
何なの? どうなってるの? って、心は焦るばかりで。
でも、確かめないことにはどうしようもなくて……。
怖いけど、頑張って指先のウサギっぽい魔物に視線を向ける。
だけど、私が見た指先にあったのは、ウサギっぽい魔物じゃなかった。
「あ……あれ? どうなってるの? ジオラルド……あなたが?」
私がジオラルドにそう聞くと、ジオラルドはプルプルと横に頭を振っていた。
そして、再び指先を見る。
そこには、不思議なことにお肉が転がっていたのだ……。
なんで?
これ、夢なの?
そんなことを考えつつ、ほっぺたをつねるけど、確かに痛みがあった。
「夢じゃない……。なんで? お肉になってるの?」
私が混乱していると、ジオラルドが地面の文字をタシタシと叩いていた。
「えっと……。す・う・か・い・つ・つ・く・に・く・か・わ・つ・た……。数回突く、肉変わった……。えっ? えーーーー?!」
どういうこと?
あっ、そうか、分かったわ!!
「ジオラルド! 私、理解したわ。ここはダンジョンの中! きっと、倒した魔物は、突くとアイテムになるのよ!! ゲームあるある~。まぁ、ゲームだと、倒した瞬間にアイテムドロップが基本だけど、ここでは、突くことでアイテムに変えるってことなのよ。うん、きっとそうよ!!」
私がそう言うと、ジオラルドは、コテンと首を傾げていた。
うん。子狼のそういう仕草、可愛いわね。
今起こった不思議な出来事をゲームあるあるで片づけた私だけど、再び詰むことに。
「おーのー……。火がないから、折角ドロップしたお肉が焼けないよぉ……」
10
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
契約結婚の相手が優しすぎて困ります
みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」
まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05
仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。
私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。
王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。
冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。
本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる