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本編
第二章 欠陥姫と騎士(4)
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「ミリーちゃん。遊びに来たよ」
嬉しげな声でそう言ったリートは、小柄なミリアリアを抱き上げたのだ。
急に体が浮いたように感じたミリアリアは、体を小さく震わせてから、何かに縋りたいという思いから無意識にリートに手を伸ばしていた。
ミリアリアから伸ばされた両手の意味を、抱きしめて欲しいという意味だと解釈したリートは、頬を緩めてからそっとミリアリアの小さな体を抱きしめていた。
腕の中に感じる細い体は、少しでも力を込めれば壊れてしまいそうだと思えた。それと同時に、この腕の中の存在を守りたいとも思えたのだった。
大人しく抱きしめられたままのミリアリアからは、微かに甘い匂いが立ち込めていた。
甘い匂いに惹かれるように、ミリアリアの淡い金色の髪の隙間から見える白く滑らかな首筋に鼻先を向けたリートは、甘い匂いを確かめるように息を吸っていた。
ミリアリアは、首元に顔を寄せるリートの動きがくすぐったくなりびくりと身を震わせていた。
(リートさま? 変なの、くすぐったいのに嫌じゃない……。リートさまとくっついているとなんだろう? 心が温かいような、不思議な感じがする……。もっと近くでリートさまを感じたいと思うのはなんでだろう?)
ミリアリアは、リートの首に両手を回してぎゅっと抱きしめた後に、くんくんと小さく鼻を鳴らしていた。柑橘系の爽やかな香りがした後に、ほんのりとムスクの香りが優しく広がった。
(あ、リートさまの匂い……すごく好きな匂い)
そんなことを考えつつ、ミリアリアは、すんすんと小さく鼻を動かしてリートの首筋の匂いを嗅いでいた。
すると、自分はミリアリアの匂いを嗅いでいたのを棚に上げてリートは焦りだしていたのだ。自分の匂いをミリアリアに嗅がれていると気が付いたリートは、慌ててミリアリアを降ろしてから自分の匂いを確認していた。
そして、今日の自分の行動を思い返しながら、ミリアリアに言い訳の言葉を並べていたのだ。
「ミリーちゃん、違うんだ。普段は訓練後にちゃんとシャワーで汗を流すんだが、今日はミリーちゃんに早く会いたくて……。でも時間があまりなかったから、濡れタオルで拭いて着替えだけで済ませてしまったんだ」
そう言って、焦ったように言い訳するリートの言葉を聞いたミリアリアは、(汗の匂い? いい匂いしかしなかったような?)などと考えつつ小さく首を傾げていた。
そんなミリアリアの仕草を可愛いと感じたリートは、ただでさえ緩んでいた頬が更に緩くなっていくのが分かって気を引き締めようとした。
ちょうどそのときだった。
リートは、何気なく視線を動かした先にいたセイラと視線が合ってしまい、気まずそうに視線を泳がせたが、それは一瞬だった。
セイラの存在を無視することに決めたリートは、ミリアリアを膝の上に乗せた状態で地面に座って楽し気に微笑んだのだ。
「ミリーちゃん、元気にしていたかい?」
リートの質問にミリアリアは、こくりと小さく頷いた後に笑顔を見せることで質問に答えていた。
それを見たリートは、ミリアリアの頭を優しく撫でた。そして、柔らかい髪を梳くように指を動かしたのだ。
ミリアリアは、何も言わずに優しく頭を撫でるリートとおしゃべりすることが出来ないことを残念に思いつつも、なんとかして嬉しい気持ちを伝えたいと思い、手元に置いていた琴に指を滑らせていた。
小さく爪弾く琴の音色はどこまでも優しく澄んだ音をしていた。
気まま思いつくまま琴を奏でていると、リートが残念そうに言ったのだ。
「はぁ。残念だけど時間が来てしまった。もう戻らないと……。ミリーちゃん、また遊びに来るよ」
そう言った後にリートは、名残惜しそうにミリアリアを膝から降ろしてその場を立ち去ったのだった。
ミリアリアは、リートの立ち去る足音を聞きながら、次に会える日が早く来ればいいのにと思うのだった。
嬉しげな声でそう言ったリートは、小柄なミリアリアを抱き上げたのだ。
急に体が浮いたように感じたミリアリアは、体を小さく震わせてから、何かに縋りたいという思いから無意識にリートに手を伸ばしていた。
ミリアリアから伸ばされた両手の意味を、抱きしめて欲しいという意味だと解釈したリートは、頬を緩めてからそっとミリアリアの小さな体を抱きしめていた。
腕の中に感じる細い体は、少しでも力を込めれば壊れてしまいそうだと思えた。それと同時に、この腕の中の存在を守りたいとも思えたのだった。
大人しく抱きしめられたままのミリアリアからは、微かに甘い匂いが立ち込めていた。
甘い匂いに惹かれるように、ミリアリアの淡い金色の髪の隙間から見える白く滑らかな首筋に鼻先を向けたリートは、甘い匂いを確かめるように息を吸っていた。
ミリアリアは、首元に顔を寄せるリートの動きがくすぐったくなりびくりと身を震わせていた。
(リートさま? 変なの、くすぐったいのに嫌じゃない……。リートさまとくっついているとなんだろう? 心が温かいような、不思議な感じがする……。もっと近くでリートさまを感じたいと思うのはなんでだろう?)
ミリアリアは、リートの首に両手を回してぎゅっと抱きしめた後に、くんくんと小さく鼻を鳴らしていた。柑橘系の爽やかな香りがした後に、ほんのりとムスクの香りが優しく広がった。
(あ、リートさまの匂い……すごく好きな匂い)
そんなことを考えつつ、ミリアリアは、すんすんと小さく鼻を動かしてリートの首筋の匂いを嗅いでいた。
すると、自分はミリアリアの匂いを嗅いでいたのを棚に上げてリートは焦りだしていたのだ。自分の匂いをミリアリアに嗅がれていると気が付いたリートは、慌ててミリアリアを降ろしてから自分の匂いを確認していた。
そして、今日の自分の行動を思い返しながら、ミリアリアに言い訳の言葉を並べていたのだ。
「ミリーちゃん、違うんだ。普段は訓練後にちゃんとシャワーで汗を流すんだが、今日はミリーちゃんに早く会いたくて……。でも時間があまりなかったから、濡れタオルで拭いて着替えだけで済ませてしまったんだ」
そう言って、焦ったように言い訳するリートの言葉を聞いたミリアリアは、(汗の匂い? いい匂いしかしなかったような?)などと考えつつ小さく首を傾げていた。
そんなミリアリアの仕草を可愛いと感じたリートは、ただでさえ緩んでいた頬が更に緩くなっていくのが分かって気を引き締めようとした。
ちょうどそのときだった。
リートは、何気なく視線を動かした先にいたセイラと視線が合ってしまい、気まずそうに視線を泳がせたが、それは一瞬だった。
セイラの存在を無視することに決めたリートは、ミリアリアを膝の上に乗せた状態で地面に座って楽し気に微笑んだのだ。
「ミリーちゃん、元気にしていたかい?」
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それを見たリートは、ミリアリアの頭を優しく撫でた。そして、柔らかい髪を梳くように指を動かしたのだ。
ミリアリアは、何も言わずに優しく頭を撫でるリートとおしゃべりすることが出来ないことを残念に思いつつも、なんとかして嬉しい気持ちを伝えたいと思い、手元に置いていた琴に指を滑らせていた。
小さく爪弾く琴の音色はどこまでも優しく澄んだ音をしていた。
気まま思いつくまま琴を奏でていると、リートが残念そうに言ったのだ。
「はぁ。残念だけど時間が来てしまった。もう戻らないと……。ミリーちゃん、また遊びに来るよ」
そう言った後にリートは、名残惜しそうにミリアリアを膝から降ろしてその場を立ち去ったのだった。
ミリアリアは、リートの立ち去る足音を聞きながら、次に会える日が早く来ればいいのにと思うのだった。
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