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本編
第四章 皇帝の初恋(4)
翌日、目を覚ましたミリアリアは、状況が掴めずにおろおろとする事しか出来なかった。
起きた時に、フカフカと寝心地のいいベッドの中で目を覚ましたミリアリアは、広すぎるベッドの中で泣きそうになっていたのだ。
セイラに意思を伝えるための鈴もなく、身に覚えのないベッドで目を覚ましたのだからそれも仕方がないことだと言えよう。
不安に押し潰されそうになっていた時だった。
手元にあった枕を手繰り寄せて胸に抱きこんだ時だった。枕からいつか嗅いだ覚えのある優しいムスクの香りがしたのだ。
(この匂い……。リートさまと同じだ。やっぱりこの匂い、とてもいい匂い)
そうやって枕に顔を埋めていると、部屋の隅でガタンを大きな音がしたのだ。
音に驚いたミリアリアは、音が聞こえた場所から距離を取るかのように後退ったのだ。
大きなベッドの上を後退っていたミリアリアは、これ以上後が無い場所まで来ていたがそれには気が付かずに更に後ろに後退しようとして、ベッドから転がり落ちそうになったのだ。
体が落下する感覚にミリアリアは、きつく目を瞑って衝撃に備えたが、想像していた衝撃の代わりに、優しい温もりに包まれたのだ。
(あれ? 痛くない……。なんだろう、温かい……。それに、リートさまと同じ匂いがする……)
謎の温もりと香りに包まれたミリアリアは知らなかった。
ミリアリアが目を覚ました時、ジークフリートが部屋にいたことを。そして、普段自分が使っている枕に顔を埋めているミリアリアを見て動揺したジークフリートが、座っていた椅子から転がり落ちていたことを。
更には、ミリアリアがベッドから落ちそうになっているのを見たジークフリートが、血相を変えてスライディングしながらミリアリアを抱きとめたことをだ。
間一髪でミリアリアを抱きとめたジークフリートは、安堵の息を吐いていた。
「はぁ……。間に合った……。ミリアリア、どこもぶつけなかったか?」
耳元で聞こえてきた低く優しい声にミリアリアは、耳を抑えてびくりと身を竦めたのだ。
(ふぇーーー? この声、リートさま? え? なんで?)
動揺しているミリアリアを知ってか知らずか、ジークフリートは、腕の中にいるミリアリアの細い体をぎゅっと抱きしめた後に、お返しとばかりにミリアリアの淡く輝く金色の髪に顔を埋めて大きく息を吸ったのだ。
「ミリアリア……。ミリアリア、ミリアリア…………」
ただ名前を呼ばれただけなのに、ミリアリアの胸は大きな音を立てたのだ。
ぎゅっと抱きしめる腕の力は痛くはないが、もう離さないとばかりに強くミリアリアを閉じ込めていた。
そして、ミリアリアを抱きしめるジークフリートの胸に顔を押し付けるような形になっていたミリアリアは、ジークフリートの胸から聞こえる鼓動に耳を傾けたのだ。
(リートさまの心臓の音……。すごくドキドキしてる。私の心臓もすごくドキドキしてる……。でも、リートさまの腕の中にいるのは嫌じゃない……。むしろ、ずっとこのまま……)
そんなことを思いながら、うっとりと瞼を閉じたミリアリアだったが、全く状況把握が出来ていないということに気が付いていなかったのだった。
起きた時に、フカフカと寝心地のいいベッドの中で目を覚ましたミリアリアは、広すぎるベッドの中で泣きそうになっていたのだ。
セイラに意思を伝えるための鈴もなく、身に覚えのないベッドで目を覚ましたのだからそれも仕方がないことだと言えよう。
不安に押し潰されそうになっていた時だった。
手元にあった枕を手繰り寄せて胸に抱きこんだ時だった。枕からいつか嗅いだ覚えのある優しいムスクの香りがしたのだ。
(この匂い……。リートさまと同じだ。やっぱりこの匂い、とてもいい匂い)
そうやって枕に顔を埋めていると、部屋の隅でガタンを大きな音がしたのだ。
音に驚いたミリアリアは、音が聞こえた場所から距離を取るかのように後退ったのだ。
大きなベッドの上を後退っていたミリアリアは、これ以上後が無い場所まで来ていたがそれには気が付かずに更に後ろに後退しようとして、ベッドから転がり落ちそうになったのだ。
体が落下する感覚にミリアリアは、きつく目を瞑って衝撃に備えたが、想像していた衝撃の代わりに、優しい温もりに包まれたのだ。
(あれ? 痛くない……。なんだろう、温かい……。それに、リートさまと同じ匂いがする……)
謎の温もりと香りに包まれたミリアリアは知らなかった。
ミリアリアが目を覚ました時、ジークフリートが部屋にいたことを。そして、普段自分が使っている枕に顔を埋めているミリアリアを見て動揺したジークフリートが、座っていた椅子から転がり落ちていたことを。
更には、ミリアリアがベッドから落ちそうになっているのを見たジークフリートが、血相を変えてスライディングしながらミリアリアを抱きとめたことをだ。
間一髪でミリアリアを抱きとめたジークフリートは、安堵の息を吐いていた。
「はぁ……。間に合った……。ミリアリア、どこもぶつけなかったか?」
耳元で聞こえてきた低く優しい声にミリアリアは、耳を抑えてびくりと身を竦めたのだ。
(ふぇーーー? この声、リートさま? え? なんで?)
動揺しているミリアリアを知ってか知らずか、ジークフリートは、腕の中にいるミリアリアの細い体をぎゅっと抱きしめた後に、お返しとばかりにミリアリアの淡く輝く金色の髪に顔を埋めて大きく息を吸ったのだ。
「ミリアリア……。ミリアリア、ミリアリア…………」
ただ名前を呼ばれただけなのに、ミリアリアの胸は大きな音を立てたのだ。
ぎゅっと抱きしめる腕の力は痛くはないが、もう離さないとばかりに強くミリアリアを閉じ込めていた。
そして、ミリアリアを抱きしめるジークフリートの胸に顔を押し付けるような形になっていたミリアリアは、ジークフリートの胸から聞こえる鼓動に耳を傾けたのだ。
(リートさまの心臓の音……。すごくドキドキしてる。私の心臓もすごくドキドキしてる……。でも、リートさまの腕の中にいるのは嫌じゃない……。むしろ、ずっとこのまま……)
そんなことを思いながら、うっとりと瞼を閉じたミリアリアだったが、全く状況把握が出来ていないということに気が付いていなかったのだった。
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