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本編
第四章 皇帝の初恋(5)
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うっとりと目を閉じたミリアリアを強く抱きしめたジークフリートは、甘く囁くように言ったのだ。
「ミリアリア、お前にひどい仕打ちをした者たちは俺が始末するから安心しろ」
その言葉が耳に入ったミリアリアは、聴き間違いかと思いジークフリートから少し体を離して首を傾げたのだった。
(あれ? 今、聞き間違いかな? しまつ? えっ?)
小さく首を傾げていたミリアリアを見たジークフリートは、優しい微笑みを浮かべていたがその口から発せられる言葉は物騒なものだった。
「そうだ、ミリアリアの希望はあるか? もし希望する拷問があれば取り入れるぞ」
そう言って、ジークフリートは、惚れ惚れするような笑顔でとんでもないことを言ったのだ。
ジークフリートの言葉の意味を最初は理解できていなかったミリアリアだったが、遅れてその内容を理解したのだ。
(えっ? ええええーーー! 今、リートさま拷問って……。なんで? どうして?)
展開に全くついていけていないミリアリアは、何度も頭を横に振って、ジークフリートにそんなことは望んでいないと伝えようとした。
しかし、言葉で伝えることのできないミリアリアには、それがとても難しいことだったのだ。
涙目で首を振って、そんな恐ろしいことはしないで欲しいと懇願したがジークフリートには伝わっていなかった。
「どうしたんだ。ミリアリア、何がそんなに悲しいんだ。すまない。言ってくれないと分からない……。どうして欲しいんだ?」
何気なく言ったジークフリートの「言ってくれないと分からない」という言葉が、声を失っているミリアリアの胸に鋭いナイフのように深く突き刺さったのだ。
(ああ……。どうして私は声を失ってしまったんだろう。リートさまに何も伝えることが出来ない……)
そう思ったとたん、ミリアリアの瞳から涙がはらはらと零れ落ちていた。
それを見たジークフリートは、焦りに焦っていた。
「ミリアリア、お願いだ。泣かないでくれ。どうしたらいいんだ……」
そう言って、拭っても拭っても零れ落ちるミリアリアの涙に動揺しつつも、その細い体を抱きしめて慰めようと必死になっていた。
ミリアリアに何度も「泣くな、頼む」と言って、優しく背中を撫でて落ち着かせようとしていたジークフリートは、そのうち腕の中のミリアリアが意識を失っていることに気が付いたのだ。
そして、ミリアリアをベッドに横にさせてから優しく頭を一撫でした後に、厳しい表情で部屋を出たのだった。
ジークフリートが向かった先は、王宮の地下の最深部だった。
そこには、ごく一部の人間しか知らない王宮の闇が広がっていたのだった。
最深部に着いたジークフリートは、そこにいた人物に冷え切った声で状況を聞いていた。
「どうだ。何か吐いたか?」
ジークフリートにそう声を掛けられた人物は、首を振ってから低くしわがれた声で簡潔に答えていた。
「何も」
「そうか。なら、今度は俺が尋ねよう」
そう言って、ジークフリートは、部屋の奥にいる人物に声を掛けたのだ。
「何故ミリアリアを襲った?」
そう問われた人物は、俯けていた顔を上げてから、懇願するようにジークフリートの靴に頬擦りをした後に口付けて言ったのだ。
「ジークフリート様ぁ。わたくしは、何もしていません。信じてください。わたくしは、身も心もジークフリートに捧げます。だから、こんな場所から早く出してくださいませ」
そう言って、ジークフリートに無様な姿を晒していたのは、両手を後ろ手に縛られ、涙と鼻水で顔を汚したミドガルズ王国の王女だった。
「ミリアリア、お前にひどい仕打ちをした者たちは俺が始末するから安心しろ」
その言葉が耳に入ったミリアリアは、聴き間違いかと思いジークフリートから少し体を離して首を傾げたのだった。
(あれ? 今、聞き間違いかな? しまつ? えっ?)
小さく首を傾げていたミリアリアを見たジークフリートは、優しい微笑みを浮かべていたがその口から発せられる言葉は物騒なものだった。
「そうだ、ミリアリアの希望はあるか? もし希望する拷問があれば取り入れるぞ」
そう言って、ジークフリートは、惚れ惚れするような笑顔でとんでもないことを言ったのだ。
ジークフリートの言葉の意味を最初は理解できていなかったミリアリアだったが、遅れてその内容を理解したのだ。
(えっ? ええええーーー! 今、リートさま拷問って……。なんで? どうして?)
展開に全くついていけていないミリアリアは、何度も頭を横に振って、ジークフリートにそんなことは望んでいないと伝えようとした。
しかし、言葉で伝えることのできないミリアリアには、それがとても難しいことだったのだ。
涙目で首を振って、そんな恐ろしいことはしないで欲しいと懇願したがジークフリートには伝わっていなかった。
「どうしたんだ。ミリアリア、何がそんなに悲しいんだ。すまない。言ってくれないと分からない……。どうして欲しいんだ?」
何気なく言ったジークフリートの「言ってくれないと分からない」という言葉が、声を失っているミリアリアの胸に鋭いナイフのように深く突き刺さったのだ。
(ああ……。どうして私は声を失ってしまったんだろう。リートさまに何も伝えることが出来ない……)
そう思ったとたん、ミリアリアの瞳から涙がはらはらと零れ落ちていた。
それを見たジークフリートは、焦りに焦っていた。
「ミリアリア、お願いだ。泣かないでくれ。どうしたらいいんだ……」
そう言って、拭っても拭っても零れ落ちるミリアリアの涙に動揺しつつも、その細い体を抱きしめて慰めようと必死になっていた。
ミリアリアに何度も「泣くな、頼む」と言って、優しく背中を撫でて落ち着かせようとしていたジークフリートは、そのうち腕の中のミリアリアが意識を失っていることに気が付いたのだ。
そして、ミリアリアをベッドに横にさせてから優しく頭を一撫でした後に、厳しい表情で部屋を出たのだった。
ジークフリートが向かった先は、王宮の地下の最深部だった。
そこには、ごく一部の人間しか知らない王宮の闇が広がっていたのだった。
最深部に着いたジークフリートは、そこにいた人物に冷え切った声で状況を聞いていた。
「どうだ。何か吐いたか?」
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「何も」
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「ジークフリート様ぁ。わたくしは、何もしていません。信じてください。わたくしは、身も心もジークフリートに捧げます。だから、こんな場所から早く出してくださいませ」
そう言って、ジークフリートに無様な姿を晒していたのは、両手を後ろ手に縛られ、涙と鼻水で顔を汚したミドガルズ王国の王女だった。
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