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本編
第四章 皇帝の初恋(7)
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ミリアリアの頬の腫れが引いたころ、王宮から花嫁候補たちの処遇が正式に発表された。
その内容とは、帝国の貴族たちに嫁されるというものだった。
それぞれの花嫁候補は、ジークフリートに指名された貴族の元に向かったのだった。
なかでも、今回の騒動を起こしたミドガルズ王国の王女とその取り巻きたちは、低位の貴族の元に嫁されることとなったのだ。
知る者は少なかったが、騒動を起こしたミドガルズ王国の王女とその取り巻きたちを嫁された貴族たちは、ジークフリートに絶対的な忠誠を誓っている一族だった。
それは、王家に決して逆らうことのできない妄信的なまでの忠誠心だった。まるで呪いのような忠誠だ。
隠された真実として、実はその一族の者たちは、代々王家の汚れ仕事を請け負っていたのだ。
花嫁候補が嫁されることを知った一族の者たちは、何も言われなかったが瞬時に理解したのだ。
殺さない程度の苦痛と屈辱を与えて飼いならせというジークフリートの意思をだ。
中でも、ミドガルズ王国の王女が向かいうこととなった一族の当主は、喜んで受け入れたのだった。
ミドガルズ王国の王女を迎え入れるとき、一族の当主は、低くしわがれた声で言ったのだ。
「前の妻は壊れてしまって困っていたのだ。新しい妻を迎えられることを心から歓迎しますよ。くくくっ。貴方は思いのほか元気もあり精神力も強いようなので、長い間楽しめそうで嬉しいです。我妻よ。末永くよろしく頼むよ」
そう言って、ニヤリと笑った姿を見た、全身包帯だらけのミドガルズ王国の王女が、白目を剥いて倒れたが、その奥底から湧き上がる恐怖を知る者は誰もいなかったのだった。
そして、ジークフリートの寝室で養生していたミリアリアにもその知らせが届けられたのだ。
勿論、その知らせを持ってきたのはジークフリートその人だった。
ジークフリートによってベッドから出ることを禁止されていたミリアリアは、一日をベッドの中で過ごしていた。
そんな中、嬉しそうなジークフリートがミリアリアの元を訪ねてこう言ったのだ。
「ミリアリア、聞いてくれ。花嫁候補たちの処遇が正式に決まった。花嫁候補たちは、それぞれ帝国の貴族の元に嫁されることとなった。そして、メローズ王国の王女である君は、俺の元に嫁ぐことが正式に決まった」
ミリアリアは、まさか自分の身分が知られているとは思ってもいなかったため目をぱちくりとさせた後に、密かに思いを寄せていた相手に嫁ぐことが分かって喜びにその身を震わせたのだった。
(えっ? 今わたしのこと、メローズ王国の王女って……。ああ、リートさまにわたしの本当の身分を知られてしまっていたのね。そうよね。ここ数日、誰も何も教えてくれなかったけど、わたしの身分が知られてしまったから小屋ではなく、この広い部屋で過ごすことになったのよね。セイラは詳しくは教えてくれなかったけど、小屋でのこと、結構な騒ぎになっていたみたいだし、調査されるのは仕方がないわね。でも、誰でもない、リートさまの元にお嫁に行けるなんて……。嬉しい)
ミリアリアがそんなことを考えていると、ジークフリートがミリアリアを強く抱きしめてきたのだ。
「順序が逆になってしまったが聞いてくれ。ミリアリア、俺は君が好きだ。俺と結婚してくれ」
耳元でそう言われたミリアリアは、仕方なくミリアリアを受け入れるのではなく、好きだから結婚したいと言ってくれるジークフリートの言葉が嬉しかった。
しかし、喜んだのは一瞬だった。
ミリアリアは、ジークフリートを好きだと気持ちを口に出そうとしたが、空気が漏れただけで声が出ることはなかったことで、自分が欠けた存在だというとを思い出してしまっていた。
(だめ……。私は、目も見えないし、話もできない。こんな私が、リートさまの妻になるなんて出来ない。リートさまの爵位は分からないけど、たとえ男爵位だとしても、その妻が目も見えず話もできないだなんてあってはならない……)
ミリアリアが思い悩んでいることを知らないジークフリートは、嬉しそうにミリアリアに語り掛けたのだ。
「結婚式に着るドレスの準備をさっそく始めよう。ミリアリアの淡く美しい金髪と白い肌に合うドレスは、やっぱり白だろうか? いや、俺の色に合わせて銀や紫もいいな」
嬉しそうにそう語るジークフリートの言葉で、ミリアリアは心が浮き立つのを感じた。
(リートさまは、銀と紫の色なのね。嬉しい、リートさまの持っている色を知れただけでもこんなにうれしい。だけど、こんなわたしでは、リートさまに釣り合わない。リートさまを不幸にしてしまう……。言おう。今まで隠してきたわたしの秘密を……。ごめんなさい。このことでセイラに迷惑を掛けてしまうかもしれない。でも、リートさまに伝えないと……。このまま黙っていることなんて出来ない)
そう決意したミリアリアは、ゆっくりと顔を上げた。そして、両手でジークフリートの胸を押した後に口を開いたのだった。
その内容とは、帝国の貴族たちに嫁されるというものだった。
それぞれの花嫁候補は、ジークフリートに指名された貴族の元に向かったのだった。
なかでも、今回の騒動を起こしたミドガルズ王国の王女とその取り巻きたちは、低位の貴族の元に嫁されることとなったのだ。
知る者は少なかったが、騒動を起こしたミドガルズ王国の王女とその取り巻きたちを嫁された貴族たちは、ジークフリートに絶対的な忠誠を誓っている一族だった。
それは、王家に決して逆らうことのできない妄信的なまでの忠誠心だった。まるで呪いのような忠誠だ。
隠された真実として、実はその一族の者たちは、代々王家の汚れ仕事を請け負っていたのだ。
花嫁候補が嫁されることを知った一族の者たちは、何も言われなかったが瞬時に理解したのだ。
殺さない程度の苦痛と屈辱を与えて飼いならせというジークフリートの意思をだ。
中でも、ミドガルズ王国の王女が向かいうこととなった一族の当主は、喜んで受け入れたのだった。
ミドガルズ王国の王女を迎え入れるとき、一族の当主は、低くしわがれた声で言ったのだ。
「前の妻は壊れてしまって困っていたのだ。新しい妻を迎えられることを心から歓迎しますよ。くくくっ。貴方は思いのほか元気もあり精神力も強いようなので、長い間楽しめそうで嬉しいです。我妻よ。末永くよろしく頼むよ」
そう言って、ニヤリと笑った姿を見た、全身包帯だらけのミドガルズ王国の王女が、白目を剥いて倒れたが、その奥底から湧き上がる恐怖を知る者は誰もいなかったのだった。
そして、ジークフリートの寝室で養生していたミリアリアにもその知らせが届けられたのだ。
勿論、その知らせを持ってきたのはジークフリートその人だった。
ジークフリートによってベッドから出ることを禁止されていたミリアリアは、一日をベッドの中で過ごしていた。
そんな中、嬉しそうなジークフリートがミリアリアの元を訪ねてこう言ったのだ。
「ミリアリア、聞いてくれ。花嫁候補たちの処遇が正式に決まった。花嫁候補たちは、それぞれ帝国の貴族の元に嫁されることとなった。そして、メローズ王国の王女である君は、俺の元に嫁ぐことが正式に決まった」
ミリアリアは、まさか自分の身分が知られているとは思ってもいなかったため目をぱちくりとさせた後に、密かに思いを寄せていた相手に嫁ぐことが分かって喜びにその身を震わせたのだった。
(えっ? 今わたしのこと、メローズ王国の王女って……。ああ、リートさまにわたしの本当の身分を知られてしまっていたのね。そうよね。ここ数日、誰も何も教えてくれなかったけど、わたしの身分が知られてしまったから小屋ではなく、この広い部屋で過ごすことになったのよね。セイラは詳しくは教えてくれなかったけど、小屋でのこと、結構な騒ぎになっていたみたいだし、調査されるのは仕方がないわね。でも、誰でもない、リートさまの元にお嫁に行けるなんて……。嬉しい)
ミリアリアがそんなことを考えていると、ジークフリートがミリアリアを強く抱きしめてきたのだ。
「順序が逆になってしまったが聞いてくれ。ミリアリア、俺は君が好きだ。俺と結婚してくれ」
耳元でそう言われたミリアリアは、仕方なくミリアリアを受け入れるのではなく、好きだから結婚したいと言ってくれるジークフリートの言葉が嬉しかった。
しかし、喜んだのは一瞬だった。
ミリアリアは、ジークフリートを好きだと気持ちを口に出そうとしたが、空気が漏れただけで声が出ることはなかったことで、自分が欠けた存在だというとを思い出してしまっていた。
(だめ……。私は、目も見えないし、話もできない。こんな私が、リートさまの妻になるなんて出来ない。リートさまの爵位は分からないけど、たとえ男爵位だとしても、その妻が目も見えず話もできないだなんてあってはならない……)
ミリアリアが思い悩んでいることを知らないジークフリートは、嬉しそうにミリアリアに語り掛けたのだ。
「結婚式に着るドレスの準備をさっそく始めよう。ミリアリアの淡く美しい金髪と白い肌に合うドレスは、やっぱり白だろうか? いや、俺の色に合わせて銀や紫もいいな」
嬉しそうにそう語るジークフリートの言葉で、ミリアリアは心が浮き立つのを感じた。
(リートさまは、銀と紫の色なのね。嬉しい、リートさまの持っている色を知れただけでもこんなにうれしい。だけど、こんなわたしでは、リートさまに釣り合わない。リートさまを不幸にしてしまう……。言おう。今まで隠してきたわたしの秘密を……。ごめんなさい。このことでセイラに迷惑を掛けてしまうかもしれない。でも、リートさまに伝えないと……。このまま黙っていることなんて出来ない)
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