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本編
第六章 欠陥姫と毒花(1)
ジークフリートは、急ぎ足でミリアリアの元に向かっていた。
事件から数日たったが、ミリアリアの意識はまだ戻っていなかった。
ミリアリアを診た女医の話では、精神的なショックが大きく目を覚まさない可能性があるとジークフリートに言ったのだ。
そして、あの時あの場所であったことを知るために、ジークフリートは、一人の少女を地下牢に閉じ込めていたのだ。
ジークフリートが部屋に着いた時、ミリアリアを襲ったと思われる兵士は、全員が縄で縛られていたのだ。
そして、その他に部屋にいたのは既に事切れていたセイラとどこかで見た覚えのあるメイド服の少女だったのだ。
少女は、腹を剣で刺されているようで、重症だったがその命は、辛うじて助かったのだ。
医者に治療をさせる際、重症にも拘らず暴れるなどして手を焼かされたことと、素性が分からなかったため治療後は牢に放り込んだという経緯があったのだ。
テンス大公たちの後始末を付けるためになかなか時間が取れず、少女の元に事情を聴きに来るのが遅くなったが、ようやく今日、事情聴取に訪れることが出来たのだった。
改めて少女の顔を見たジークフリートは、なんとなく見覚えがあったが、それがいつのことだったのか思い出せないでいた。
牢に閉じ込められている少女は、肩まである灰色の髪を掻きながら榛色の瞳でジークフリートを睨みつけて言ったのだ。
「はぁ。いい加減解放してくれない? 俺は、お姫様を助けただけなの。見たでしょう?兵士たちが縄で縛られてるの。あれは、俺がやったの。なぁ、お姫様に会わせてくれよ。お姫様はどうしてるんだ? 元気なのか……いや、元気なわけないよな。セイラがあんな風に死んで……ショックだよな……」
最後の方は独り言のようにそう呟いた少女の言葉を聞き逃さなかったジークフリートは、牢の中で胡坐をかく少女を観察したのだ。
心からミリアリアを案じているように見えたのだ。
そして、セイラの死を目の当たりにしたミリアリアを思って暗い顔をしていたのだ。
それでも、少女が何者なのか聞いても答えないことから、ここから出す訳にはいかなかったのだ。
「なぁ、お姫様に会わせてくれよ」
「駄目だ。ミリアリアに会いたいなのら、まずはお前の素性を話せ」
「やだ。俺のことはお姫様以外には言いたくない。なぁ、お姫様にシューニャが会いたがってるって伝えてくれよ。そしたら、お姫様も会いたがってくれるから」
シューニャという名を出せばミリアリアが笑顔になると聞いた言葉を聞いたジークフリートは、暗い顔をしてから鼻で笑ったのだ。
「不審者の名など、ミリアリアの耳に入れる訳がないだろう」
ジークフリートにそう言われた少女は一瞬ムッとした顔をした後に、面白がるように言ったのだ。
「俺は、不審者じゃねーし。ふーん。そう? お姫様は俺の名前を出せば笑顔になると思うけどなぁ。だって俺は、お姫様のおしゃべり友達だからなぁ。俺が入れたお茶を一緒に飲んで他愛のない話にはなをさか―――」
そこまで話した少女……シューニャに詰め寄るようにジークフリートは、鬼気迫る表情で言ったのだ。
「お前は、ミリアリアと会話をしたことがあるのか?」
思いのほかジークフリートが必死な表情でそう問いかけたことで、シューニャは、不味いと表情を歪めたのだった。
ミリアリアを自分のものだとでも言うように独占して、シューニャに会わせようとしないジークフリートにマウントを取りたいがためにしゃべり過ぎたと後悔したがもう遅かった。
シューニャは、鼻の頭を掻きながら誤魔化すように言ったのだ。
「へ? そんなこと言ったっけ? それよりも、お姫様にあーわーせーろー」
「誤魔化すな! 確かに聞いた。何を話した? ミリアリアは、俺のこと何か言っていたか?」
あまりにも必死な様子で、もともとここを訪れた目的も忘れた様子のジークフリートは、ミリアリアのことならどんな些細なことでも知りたいと必死になっていたのだ。
結局、その日は話は平行線をたどっただけで何の解決にもならなかったのだった。
事件から数日たったが、ミリアリアの意識はまだ戻っていなかった。
ミリアリアを診た女医の話では、精神的なショックが大きく目を覚まさない可能性があるとジークフリートに言ったのだ。
そして、あの時あの場所であったことを知るために、ジークフリートは、一人の少女を地下牢に閉じ込めていたのだ。
ジークフリートが部屋に着いた時、ミリアリアを襲ったと思われる兵士は、全員が縄で縛られていたのだ。
そして、その他に部屋にいたのは既に事切れていたセイラとどこかで見た覚えのあるメイド服の少女だったのだ。
少女は、腹を剣で刺されているようで、重症だったがその命は、辛うじて助かったのだ。
医者に治療をさせる際、重症にも拘らず暴れるなどして手を焼かされたことと、素性が分からなかったため治療後は牢に放り込んだという経緯があったのだ。
テンス大公たちの後始末を付けるためになかなか時間が取れず、少女の元に事情を聴きに来るのが遅くなったが、ようやく今日、事情聴取に訪れることが出来たのだった。
改めて少女の顔を見たジークフリートは、なんとなく見覚えがあったが、それがいつのことだったのか思い出せないでいた。
牢に閉じ込められている少女は、肩まである灰色の髪を掻きながら榛色の瞳でジークフリートを睨みつけて言ったのだ。
「はぁ。いい加減解放してくれない? 俺は、お姫様を助けただけなの。見たでしょう?兵士たちが縄で縛られてるの。あれは、俺がやったの。なぁ、お姫様に会わせてくれよ。お姫様はどうしてるんだ? 元気なのか……いや、元気なわけないよな。セイラがあんな風に死んで……ショックだよな……」
最後の方は独り言のようにそう呟いた少女の言葉を聞き逃さなかったジークフリートは、牢の中で胡坐をかく少女を観察したのだ。
心からミリアリアを案じているように見えたのだ。
そして、セイラの死を目の当たりにしたミリアリアを思って暗い顔をしていたのだ。
それでも、少女が何者なのか聞いても答えないことから、ここから出す訳にはいかなかったのだ。
「なぁ、お姫様に会わせてくれよ」
「駄目だ。ミリアリアに会いたいなのら、まずはお前の素性を話せ」
「やだ。俺のことはお姫様以外には言いたくない。なぁ、お姫様にシューニャが会いたがってるって伝えてくれよ。そしたら、お姫様も会いたがってくれるから」
シューニャという名を出せばミリアリアが笑顔になると聞いた言葉を聞いたジークフリートは、暗い顔をしてから鼻で笑ったのだ。
「不審者の名など、ミリアリアの耳に入れる訳がないだろう」
ジークフリートにそう言われた少女は一瞬ムッとした顔をした後に、面白がるように言ったのだ。
「俺は、不審者じゃねーし。ふーん。そう? お姫様は俺の名前を出せば笑顔になると思うけどなぁ。だって俺は、お姫様のおしゃべり友達だからなぁ。俺が入れたお茶を一緒に飲んで他愛のない話にはなをさか―――」
そこまで話した少女……シューニャに詰め寄るようにジークフリートは、鬼気迫る表情で言ったのだ。
「お前は、ミリアリアと会話をしたことがあるのか?」
思いのほかジークフリートが必死な表情でそう問いかけたことで、シューニャは、不味いと表情を歪めたのだった。
ミリアリアを自分のものだとでも言うように独占して、シューニャに会わせようとしないジークフリートにマウントを取りたいがためにしゃべり過ぎたと後悔したがもう遅かった。
シューニャは、鼻の頭を掻きながら誤魔化すように言ったのだ。
「へ? そんなこと言ったっけ? それよりも、お姫様にあーわーせーろー」
「誤魔化すな! 確かに聞いた。何を話した? ミリアリアは、俺のこと何か言っていたか?」
あまりにも必死な様子で、もともとここを訪れた目的も忘れた様子のジークフリートは、ミリアリアのことならどんな些細なことでも知りたいと必死になっていたのだ。
結局、その日は話は平行線をたどっただけで何の解決にもならなかったのだった。
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