欠陥姫の嫁入り~花嫁候補と言う名の人質だけど結構楽しく暮らしています~

バナナマヨネーズ

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本編

第六章 欠陥姫と毒花(2)

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 翌日、再び地下牢にやってきたジークフリートにシューニャは言ったのだ。
 
「皇帝さん、お姫様が大切なら俺をここから出せ。お前がどう思おうと今のお姫様には俺が必要なんだよ」

 床に胡坐をかいた姿でそういうシューニャを忌々しく思いながら、セイラを失ったミリアリアの心の支えになれる可能性があるのなら……、一瞬そう思ったジークフリートだったが、心の支えなら自分がなればいいとそれを否定していた。
 しかし、ジークフリートがそう思っているだけで、ミリアリアのためになる選択だとは断言できなかったのだ。
 だから、ジークフリートはシューニャに聞いていた。
 
「お前は……ミリアリアに仕えるメイドなのか?」

 そう言われたシューニャは、一瞬言われた言葉を理解できなかったが、自分の格好を思い出してから成程と思ったのだ。
 
(なるほど……。皇帝さんは、俺のこと女だと勘違いしてる訳ね。まぁ、治療されるときも体を見られないように暴れたしなぁ。ふむふむ。この嫉妬深そうな……いや、完全に嫉妬の塊のような皇帝さんに今俺が男だと知られるのは逆効果だな。お姫様に会うために一芝居打とう)

「はい。私は、お姫様のメイドです。心より忠誠を誓ったメイドのシューニャです」

 そう言って、急に女らしさをアピールしたシューニャに疑わし気な視線を向けたジークフリートだったが、本当にミリアリアのメイドだった場合、勝手に処分したとあっては嫌われてしまうと考えたのだ。
 
「わかった。ここから出してやる。だが、ミリアリアに会うのは身を清めた後だ。そんな汚い恰好のお前をあの子の元に行かせる訳にはいかない」

「はーい。そんじゃ、綺麗になってからお姫様の元に行きますよ」

 そう言ったシューニャは、牢から出た後に体を伸ばしてから、思い出したように言ったのだ。
 
「お姫様とは二人っきりで話させて欲しい。理由は、お姫様がそれを望んでるからとだけ言っておく」

 それだけ言ったシューニャは、王宮のメイドに案内されて身を清め行ったのだった。
 
 
 そして、真新しいメイド服に身を包んだシューニャは、通された部屋のベッドで眠るミリアリアを見てジークフリートに詰め寄っていた。
 
「おい! どういうことだ!! お姫様はどうしたんだよ!」

「医者の話では事件のショックでまだ意識が戻っていない……」

「チクショウ……」

 そう言って、硬く拳を握るシューニャを見たジークフリートは、シューニャが心からミリアリアの身を案じていることが分かったのだ。
 
 
 それから、ジークフリートは、出来るだけミリアリアの傍に居られるように時間を可能な限り作って看病にあたったのだ。
 ジークフリートは、ミリアリアの細い手を握りその寝顔を見つめて言ったのだ。
 
「ミリアリア、目を覚ましてくれ。お願いだ。今度こそ君を守る。守らせてくれ」

 そんなジークフリートの背中を見ながらシューニャは、ミリアリアの回復を祈るばかりだった。
 
 その甲斐あってなのか、ミリアリアは目を覚ましたのだ。
 いつものように、ジークフリートがミリアリアの手を握って声を掛けていると、長い睫毛を揺らしてから目を覚ましたのだ。
 
 ミリアリアは、状況が掴めていないようでぼーっとした後に首を傾げてから、はらはらと涙を流したのだった。
 
 
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