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本編
第六章 欠陥姫と毒花(7)
その日、テンペランス帝国に季節外れの雪が降った。まだ冬に向けての準備も整っていない王宮では慌ただしく暖房器具の点検が行われていた。
昼を過ぎたころには、薄らと雪が積もるほどだった。
シューニャの淹れた温かいお茶を飲んでいたミリアリアは、小さく首を傾げた後に鈴を鳴らした。
(どうして、暖房の陣を発動させないのかな?)
鈴の音を聞いたシューニャだったが、一部の意味が分からずに申し訳なさそうにミリアリアに言ったのだ。
「ごめん。お姫様の鈴の音の一部がよくわからなかった。なんの発動って言ったんだ?」
シューニャの申し訳なさそうな声を聴いたミリアリアは、緩く首を振った後にシューニャに手を出すように鈴を鳴らした。
そして、差し出されたシューニャの手のひらに文字を綴っていったのだ。
「部屋、暖かい、する。刻印、発動……。うーん。部屋を温かくする刻印?」
手のひらの文字を読み上げたシューニャに頷いて見せたミリアリアの反応から、文字は正しく読み取れたと安堵したものの、最後の刻印と発動というキーワードを理解できなかったシューニャは、申し訳なさそうに言ったのだ。
「ごめん。刻印と発動の意味が分かんなかった。でも、お姫様が寒がっていることは十分理解した。暖房器具の部品の交換急いでもらうようにするな」
そう言って、部屋を出ていこうとするシューニャに向かって、ミリアリアは鈴を鳴らして引き留めていた。
(部品の交換? そんなのいらないよ?)
今度の言葉を理解できたシューニャだったが、寒いというのに暖房器具の部品の交換は不要だというミリアリアに、今度はシューニャが首を傾げることとなったのだ。
「えっ? でも、昼前の報告で暖房器具の部品が劣化してて、交換しないと動かないって……。交換しないと寒いまんまだぞ?」
今度は、シューニャの言葉を聞いたミリアリアが首を傾げたのだ。
(えっ? 太陽石のエネルギーが切れたなら、太陽石自体を交換するか、エネルギーの補充をすればいいんじゃないの?)
「え?」
最終的には、ミリアリアとシューニャの二人で首を傾げることとなったのだった。
短い沈黙の後、ミリアリアは、シューニャにいくつかの物を用意するように指示をしたのだ。
シューニャは、いつかの様に言われたものをすぐに用意してミリアリアの元に戻ったのだ。
そして、ミリアリアに指示された通りに鉱石の粉末を溶かしたインクで紙に丸を描いたのだ。
「お姫様、言われた通り円規で正確に丸を書いたぞ。次はどうしたらいい?」
(うん。本当は、もっと複雑な図形だといいんだけど、伝えるのが難しいから今回は丸でいいかな。それじゃ、エスペラント文字で設定温度を書き込んでいくんだけど、設定温度は24度くらいでいいかな?)
「えっ?ごめん。難しすぎて音だけで聞き取れない……。手のひらに書いてもらっていいかな?」
そう言われたミリアリアは、頷いた後にシューニャの手のひらに文字を書き出したのだが、シューニャは途中から呆気にとられたような表情になった後に、盛大に突っ込んでいたのだった。
「せっていおんど、にじゅうよんど、えすぺらんともじ、かく…………。えすぺらんともじって、あのエスペラント? は? 普通に無理! だって、エスペラント語は、頭のいい学者でも解読が難しい古代文字なんだぞ!!」
昼を過ぎたころには、薄らと雪が積もるほどだった。
シューニャの淹れた温かいお茶を飲んでいたミリアリアは、小さく首を傾げた後に鈴を鳴らした。
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鈴の音を聞いたシューニャだったが、一部の意味が分からずに申し訳なさそうにミリアリアに言ったのだ。
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そして、差し出されたシューニャの手のひらに文字を綴っていったのだ。
「部屋、暖かい、する。刻印、発動……。うーん。部屋を温かくする刻印?」
手のひらの文字を読み上げたシューニャに頷いて見せたミリアリアの反応から、文字は正しく読み取れたと安堵したものの、最後の刻印と発動というキーワードを理解できなかったシューニャは、申し訳なさそうに言ったのだ。
「ごめん。刻印と発動の意味が分かんなかった。でも、お姫様が寒がっていることは十分理解した。暖房器具の部品の交換急いでもらうようにするな」
そう言って、部屋を出ていこうとするシューニャに向かって、ミリアリアは鈴を鳴らして引き留めていた。
(部品の交換? そんなのいらないよ?)
今度の言葉を理解できたシューニャだったが、寒いというのに暖房器具の部品の交換は不要だというミリアリアに、今度はシューニャが首を傾げることとなったのだ。
「えっ? でも、昼前の報告で暖房器具の部品が劣化してて、交換しないと動かないって……。交換しないと寒いまんまだぞ?」
今度は、シューニャの言葉を聞いたミリアリアが首を傾げたのだ。
(えっ? 太陽石のエネルギーが切れたなら、太陽石自体を交換するか、エネルギーの補充をすればいいんじゃないの?)
「え?」
最終的には、ミリアリアとシューニャの二人で首を傾げることとなったのだった。
短い沈黙の後、ミリアリアは、シューニャにいくつかの物を用意するように指示をしたのだ。
シューニャは、いつかの様に言われたものをすぐに用意してミリアリアの元に戻ったのだ。
そして、ミリアリアに指示された通りに鉱石の粉末を溶かしたインクで紙に丸を描いたのだ。
「お姫様、言われた通り円規で正確に丸を書いたぞ。次はどうしたらいい?」
(うん。本当は、もっと複雑な図形だといいんだけど、伝えるのが難しいから今回は丸でいいかな。それじゃ、エスペラント文字で設定温度を書き込んでいくんだけど、設定温度は24度くらいでいいかな?)
「えっ?ごめん。難しすぎて音だけで聞き取れない……。手のひらに書いてもらっていいかな?」
そう言われたミリアリアは、頷いた後にシューニャの手のひらに文字を書き出したのだが、シューニャは途中から呆気にとられたような表情になった後に、盛大に突っ込んでいたのだった。
「せっていおんど、にじゅうよんど、えすぺらんともじ、かく…………。えすぺらんともじって、あのエスペラント? は? 普通に無理! だって、エスペラント語は、頭のいい学者でも解読が難しい古代文字なんだぞ!!」
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