47 / 97
本編
第六章 欠陥姫と毒花(11)
しおりを挟む
ミリアリアの満開の笑顔に心を奪われていた二人だったが、ミリアリアが暑そうにワンピースの胸元を扇ぎ風を送る姿を見て我に返ったのだった。
「す…少し、窓を開けて空気の入れ替えをした方がよさそうだな。おい、メイド」
「だな。そんで、お姫様はもう少し着こもうか?」
窓を開ける前にミリアリアに羽織らせていたカーディガンの前をしっかり閉めてから、靴下も履かせた後にシューニャは、窓を開けて空気の入れ替えをしていた。
部屋の中に冷たい空気が入ってきたが、部屋の暑さはマシになっていた。
過ごしやすい温度になったところで、シューニャが淹れたお茶を飲みながらジークフリートは、窓の外に視線を向けてぼそりと言ったのだ。
「ミリアリアが寒い思いをしなくてよかったが、雪が止む気配がないな……」
その言葉を聞いたミリアリアは、ぴったりと寄り添うように身を寄せていた体を離してから、ジークフリートの服を引っ張っていた。
すぐにミリアリアの意図に気が付いたジークフリートは、手を差し出してミリアリアの手のひらに乗せていた。
そんなジークフリートに、頬を薄らと染めてはにかむように微笑んだミリアリアは、ジークフリートの手のひらに指先をゆっくりと走らせたのだった。
ミリアリアの愛らしい笑みに見とれていたジークフリートだったが、すぐに手のひらの指先に集中していた。
「雪、沢山積もる、外、出てみたい……。このまま降り続ければ明日の朝には、ミリアリアの膝くらいまで積もるかもしれないな……。外か……」
ジークフリートが、外に出るのはあまり推奨しないと言った声で呟くと、ミリアリアは、ジークフリートの手をぎゅっと握ってから、口を開いたのだ。
そして、唇の動きでジークフリートに「りーとさま、おねがいです」と、訴えたのだ。
切なそうな表情で、そんなことを言われてしまったジークフリートは、額に手を当てて天井を仰ぎ見ていた。
そして、極めて小さな声で呟いたのだった。
「可愛すぎなんだが……。しかし、外は寒い、ミリアリアが風邪でも引いたら大変だ……。しかし、折角のおねだりを無下にするのは……」
ジークフリートは、少しの間何かを考えた後に、ミリアリアを抱き上げて自分の膝の上に乗せた後に言ったのだ。
「わかった。但し、俺も一緒にだ。それと、十分に着込んで、ほんの少し散歩するだけだ。ミリアリアが少しでも寒そうにしていたら、すぐに部屋に戻って、体を温めてもらう。それでもいいなら」
ジークフリートそう言うと、ミリアリアは、笑顔で唇を動かしたのだ。
(りーとさま、ありがとうございます)
「す…少し、窓を開けて空気の入れ替えをした方がよさそうだな。おい、メイド」
「だな。そんで、お姫様はもう少し着こもうか?」
窓を開ける前にミリアリアに羽織らせていたカーディガンの前をしっかり閉めてから、靴下も履かせた後にシューニャは、窓を開けて空気の入れ替えをしていた。
部屋の中に冷たい空気が入ってきたが、部屋の暑さはマシになっていた。
過ごしやすい温度になったところで、シューニャが淹れたお茶を飲みながらジークフリートは、窓の外に視線を向けてぼそりと言ったのだ。
「ミリアリアが寒い思いをしなくてよかったが、雪が止む気配がないな……」
その言葉を聞いたミリアリアは、ぴったりと寄り添うように身を寄せていた体を離してから、ジークフリートの服を引っ張っていた。
すぐにミリアリアの意図に気が付いたジークフリートは、手を差し出してミリアリアの手のひらに乗せていた。
そんなジークフリートに、頬を薄らと染めてはにかむように微笑んだミリアリアは、ジークフリートの手のひらに指先をゆっくりと走らせたのだった。
ミリアリアの愛らしい笑みに見とれていたジークフリートだったが、すぐに手のひらの指先に集中していた。
「雪、沢山積もる、外、出てみたい……。このまま降り続ければ明日の朝には、ミリアリアの膝くらいまで積もるかもしれないな……。外か……」
ジークフリートが、外に出るのはあまり推奨しないと言った声で呟くと、ミリアリアは、ジークフリートの手をぎゅっと握ってから、口を開いたのだ。
そして、唇の動きでジークフリートに「りーとさま、おねがいです」と、訴えたのだ。
切なそうな表情で、そんなことを言われてしまったジークフリートは、額に手を当てて天井を仰ぎ見ていた。
そして、極めて小さな声で呟いたのだった。
「可愛すぎなんだが……。しかし、外は寒い、ミリアリアが風邪でも引いたら大変だ……。しかし、折角のおねだりを無下にするのは……」
ジークフリートは、少しの間何かを考えた後に、ミリアリアを抱き上げて自分の膝の上に乗せた後に言ったのだ。
「わかった。但し、俺も一緒にだ。それと、十分に着込んで、ほんの少し散歩するだけだ。ミリアリアが少しでも寒そうにしていたら、すぐに部屋に戻って、体を温めてもらう。それでもいいなら」
ジークフリートそう言うと、ミリアリアは、笑顔で唇を動かしたのだ。
(りーとさま、ありがとうございます)
81
あなたにおすすめの小説
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
今宵、薔薇の園で
天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。
しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。
彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。
キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。
そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。
彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。
見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます
珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。
そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。
そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。
ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる