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本編
第六章 欠陥姫と毒花(14)
ジークフリートが、本気で氷室の新設を考えていると、ミリアリアが仰向けに倒れるのが視界の端に見えたのだ。それに気が付いたジークフリートは、大慌てで雪に倒れていたミリアリアを抱き起していた。
しかし、ミリアリアの表情はとても嬉しそうで、怒るに怒れないジークフリートがいた。
ミリアリアは、ジークフリートに体の雪を払われた後に、嬉しそうに手のひらに文字を綴ろうとして動きを止めたのだ。
手袋越しでは、上手に指を滑らせられなかったからだ。
それに気が付いたミリアリアは、自分の手袋を取ってからジークフリートの手に文字を綴ったのだ。
「雪、凄く積もる、初めて。雪、ダイブ、やりたかった。夢、叶った、嬉しい……。そうか、でも、体が冷えてしまったからそろそろ戻ろう」
そう言われてみると体が冷えてきていると遅れて自覚したミリアリアは、素直に頷いた後に、ジークフリートの手を取って温めるように息を吹きかけたのだ。
そして、唇の動きでこう告げたのだ。
(りーとさま、ありがとうございます)
それを見たジークフリートは、雪をすべて溶かしてしまうのではないのかと言う程の甘やかな微笑みをミリアリアに向けていたのだ。
そんな二人のやり取りを少し離れた場所で見ていたシューニャは、内心で盛大なため息を吐き出していた。
そして、更に離れた場所で控えていたジークフリート付きの騎士と侍女たちは、目を丸くして主の姿を見ていたのだ。
心からミリアリアを愛していると誰しもが分かるジークフリートの表情と過保護すぎるともいえる行動に、見ているだけでお腹いっぱいな気持ちになっていたのだった。
庭園に出るときと同じように、ジークフリートに抱きかかえられて部屋に向かっている時だった。
少し離れた場所で、数人の文官たちが集まって深刻そうに話している内容がミリアリアの耳に届いたのだ。
「はぁ。これから収穫という大事な時期にこんなに雪が降っては、今年はもう駄目だな」
「収穫が間に合ったのは、三割にも満たないらしい」
「なんてことだ。国庫にある備蓄で国民が飢えることはないが、こう言った異常気象が続けば、国庫を当てにできなくなる。対策を練らなければ……」
「対策と言っても、寒さに強い作物の開発は以前から力を入れているが未だに成果は出ていないしなぁ」
「はぁぁ」
「はぁぁぁ」
そんな会話が聞こえてきたのだ。
ミリアリアは、文官たちのやり取りが不思議で首を傾げている内に部屋に到着していた。
そして、体が冷え切っているミリアリアを温かいお湯で温めるように侍女たちに命じて、自分はシューニャが用意したお茶で体を温めていた。
お茶を飲みながらもジークフリートの頭の中には、先ほどの文官たちと同様に、今後の冷害についての対策をどのようにするのかで埋め尽くされていたのだった。
しかし、ミリアリアの表情はとても嬉しそうで、怒るに怒れないジークフリートがいた。
ミリアリアは、ジークフリートに体の雪を払われた後に、嬉しそうに手のひらに文字を綴ろうとして動きを止めたのだ。
手袋越しでは、上手に指を滑らせられなかったからだ。
それに気が付いたミリアリアは、自分の手袋を取ってからジークフリートの手に文字を綴ったのだ。
「雪、凄く積もる、初めて。雪、ダイブ、やりたかった。夢、叶った、嬉しい……。そうか、でも、体が冷えてしまったからそろそろ戻ろう」
そう言われてみると体が冷えてきていると遅れて自覚したミリアリアは、素直に頷いた後に、ジークフリートの手を取って温めるように息を吹きかけたのだ。
そして、唇の動きでこう告げたのだ。
(りーとさま、ありがとうございます)
それを見たジークフリートは、雪をすべて溶かしてしまうのではないのかと言う程の甘やかな微笑みをミリアリアに向けていたのだ。
そんな二人のやり取りを少し離れた場所で見ていたシューニャは、内心で盛大なため息を吐き出していた。
そして、更に離れた場所で控えていたジークフリート付きの騎士と侍女たちは、目を丸くして主の姿を見ていたのだ。
心からミリアリアを愛していると誰しもが分かるジークフリートの表情と過保護すぎるともいえる行動に、見ているだけでお腹いっぱいな気持ちになっていたのだった。
庭園に出るときと同じように、ジークフリートに抱きかかえられて部屋に向かっている時だった。
少し離れた場所で、数人の文官たちが集まって深刻そうに話している内容がミリアリアの耳に届いたのだ。
「はぁ。これから収穫という大事な時期にこんなに雪が降っては、今年はもう駄目だな」
「収穫が間に合ったのは、三割にも満たないらしい」
「なんてことだ。国庫にある備蓄で国民が飢えることはないが、こう言った異常気象が続けば、国庫を当てにできなくなる。対策を練らなければ……」
「対策と言っても、寒さに強い作物の開発は以前から力を入れているが未だに成果は出ていないしなぁ」
「はぁぁ」
「はぁぁぁ」
そんな会話が聞こえてきたのだ。
ミリアリアは、文官たちのやり取りが不思議で首を傾げている内に部屋に到着していた。
そして、体が冷え切っているミリアリアを温かいお湯で温めるように侍女たちに命じて、自分はシューニャが用意したお茶で体を温めていた。
お茶を飲みながらもジークフリートの頭の中には、先ほどの文官たちと同様に、今後の冷害についての対策をどのようにするのかで埋め尽くされていたのだった。
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