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本編
第七章 真実と隠された心の叫び(4)
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注意※※※※暴力表現があります※※※※注意
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ロザリーナは、ジークフリートの視線に気が付くとぱっと顔を上げて、場違いにも嬉しそうに言ったのだ。
「皇帝陛下、どうかこの縄を解いてください。陛下は、私を迎えに来てくれたのですよね? 私を皇妃に迎えようと―――」
そこまで言ったところで、ロザリーナは、ジークフリートによって目から下の顔面を掴まれて強制的に口を閉じることとなったのだ。
ジークフリートは、怒りに燃える紫色の瞳でロザリーナを睨みつけた後に、顔を掴む力を強めて言ったのだ。
「貴様の持ってきたあのロッサと言う花の正体はなんだ? 言え」
そう言いながらも、ジークフリートが手の力を強めるため、顎が砕けそうになっていたロザリーナは、涙目で声にならない悲鳴を上げていた。
「あが……あが!!! あがはが!!」
醜い悲鳴を上げたロザリーナを床に投げ捨てたジークフリートは、威圧的な視線で再度ロザリーナに答えを促したのだ。
それを見たロザリーナは、震えあがりながらも命乞いを始めていた。
「ち…違うんです。違うんです! お願いします。命だけは、命だけは助けてください!! お願いします。何でもしますから!!」
そう言って、床を這いずりながらジークフリートに縋りついたのだ。
それを汚いものでも見るかのようにしたジークフリートは、容赦なくロザリーナの背中を踏みつけて言ったのだ。
「命乞いなどしても無駄だ。それよりも、あの花のことを言え」
そう言われたロザリーナだったが、何も聞こえていないのか、背中を踏みつけられている状態でも命乞いを続けたのだった。
「いやぁ、死にたくない。死にたくない。助けて、助けてよ!!」
ジークフリートは、イラついたように踏みつける力を強めながら再び問いかけていた。
「黙れ。命乞いなど聞く気はない。俺が聞きたいのはあの花のことだ」
「いやーーー、いやーーーー。死にたくない、死にたくない!!!」
とうとう、我慢の限界に来たジークフリートは、足元のロザリーナの背中を強く踏みつけていた。
すると、「ゴキリッ!!」と嫌な音が周囲に響いた後に、ロザリーナの口から悲鳴が零れたのだ。
「あぎゃーーーーーーーーー!!!」
口から泡を吹いて白目を剥いて気絶するロザリーナを見ることもなく、ジークフリートは、怯える愚王を冷たく見下ろしていた。
「お前は知っているな? あの女が持ってきたロッサと言う花はなんだ?」
ジークフリートの高圧的な視線に耐えかねた愚王は、床に額を擦りつけながら言ったのだ。
「知らん。何も知らん。頼む、命だけは助けてくれ」
あまりにも滑稽な姿にジークフリートは、呆れたように口を開いたのだ。
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ロザリーナは、ジークフリートの視線に気が付くとぱっと顔を上げて、場違いにも嬉しそうに言ったのだ。
「皇帝陛下、どうかこの縄を解いてください。陛下は、私を迎えに来てくれたのですよね? 私を皇妃に迎えようと―――」
そこまで言ったところで、ロザリーナは、ジークフリートによって目から下の顔面を掴まれて強制的に口を閉じることとなったのだ。
ジークフリートは、怒りに燃える紫色の瞳でロザリーナを睨みつけた後に、顔を掴む力を強めて言ったのだ。
「貴様の持ってきたあのロッサと言う花の正体はなんだ? 言え」
そう言いながらも、ジークフリートが手の力を強めるため、顎が砕けそうになっていたロザリーナは、涙目で声にならない悲鳴を上げていた。
「あが……あが!!! あがはが!!」
醜い悲鳴を上げたロザリーナを床に投げ捨てたジークフリートは、威圧的な視線で再度ロザリーナに答えを促したのだ。
それを見たロザリーナは、震えあがりながらも命乞いを始めていた。
「ち…違うんです。違うんです! お願いします。命だけは、命だけは助けてください!! お願いします。何でもしますから!!」
そう言って、床を這いずりながらジークフリートに縋りついたのだ。
それを汚いものでも見るかのようにしたジークフリートは、容赦なくロザリーナの背中を踏みつけて言ったのだ。
「命乞いなどしても無駄だ。それよりも、あの花のことを言え」
そう言われたロザリーナだったが、何も聞こえていないのか、背中を踏みつけられている状態でも命乞いを続けたのだった。
「いやぁ、死にたくない。死にたくない。助けて、助けてよ!!」
ジークフリートは、イラついたように踏みつける力を強めながら再び問いかけていた。
「黙れ。命乞いなど聞く気はない。俺が聞きたいのはあの花のことだ」
「いやーーー、いやーーーー。死にたくない、死にたくない!!!」
とうとう、我慢の限界に来たジークフリートは、足元のロザリーナの背中を強く踏みつけていた。
すると、「ゴキリッ!!」と嫌な音が周囲に響いた後に、ロザリーナの口から悲鳴が零れたのだ。
「あぎゃーーーーーーーーー!!!」
口から泡を吹いて白目を剥いて気絶するロザリーナを見ることもなく、ジークフリートは、怯える愚王を冷たく見下ろしていた。
「お前は知っているな? あの女が持ってきたロッサと言う花はなんだ?」
ジークフリートの高圧的な視線に耐えかねた愚王は、床に額を擦りつけながら言ったのだ。
「知らん。何も知らん。頼む、命だけは助けてくれ」
あまりにも滑稽な姿にジークフリートは、呆れたように口を開いたのだ。
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