69 / 97
本編
第八章 欠陥姫の嫁入り(8)
しおりを挟む
優しい声音で問いかけたジークフリートは、緩く抱きしめてからミリアリアの瞳を覗き込んだのだ。
ミリアリアは、勇気を振り絞ってジークフリートに言ったのだ。
「リートさまのお嫁さんになりたいけど、わたしは元々、ここに皇帝陛下の花嫁候補としてきたの……。だから、陛下がわたしを望むなら……そうしないといけない……。でも、わたしは、リートさましか好きじゃないの。リートさまが好きなの。リートさま以外なんてありえないの!! リートさまが好きです。好きです!!」
ミリアリアの突然の告白に嬉しそうに頬を緩めたジークフリートは、何が問題なのか分からずにいた。
それを見たミリアリアは、頬を膨らませてプイっと横を向いてしまっていた。
「真剣に聞いてください!! わたしは、リートさまのお嫁さんになりたいんです。会ったことのない皇帝陛下に求められて、どうしようもなくなったら、わたし……」
「えっ?」
ミリアリアが何かを勘違いしていると気が付いたジークフリートだったが、それよりも前にミリアリアが声を上げたのだった。
「リートさま、お願いです。わたしの初めてを受け取ってください。やり方はいまいち分かっていないけど、頑張ります! だから、皇帝陛下が来る前に! もし、咎められることがあれば、わたしがリートさまに無理やり迫ったと、陛下にお伝えください」
そう言って、ミリアリアは、驚くジークフリートの膝から降りて、ドレスを脱ぎだしてしまったのだ。
それに驚いたジークフリートは、慌ててミリアリアを止めに入っていた。
「待って、待ってくれ。何か誤解が……」
「待てません。早くしないと、皇帝陛下が来てしまいます。リートさま、わたしをもらってください!」
「いや、ミリアリアをもらいたいが、今はまずい」
「何がまずいのですか? 急がないと来てしまいます」
「待って、今は駄目だ」
ミリアリアを止めようとしている内に、ソファーにミリアリア押し倒してその両手をソファーに押さえつけていたジークフリートに冷たい声が掛かったのだ。
「最低ですね。病み上がりのお姫様をソファーに押さえつけて無体を働こうなどと……」
シューニャの声にミリアリアとジークフリートは、それぞれ違った表情で同時に声を掛けていたのだ。
「シューニャ、やだ、違うの!」
「誤解だ!!」
ミリアリアは、はしたないことをしようとしている自分を見られたことが恥ずかしくて頬を染めていた。
対するジークフリートは、どう見てもミリアリアを襲っているようにしか見えない体勢に、自分は無実だという思いで叫んでいたのだった。
二人の心情に気が付いていないシューニャだったが、面倒ごとが増える前に解決した方がいいと考えて二人に言ったのだ。
「えっと、どうしてこんなことに?」
シューニャの問いを聞いたミリアリアは、時間が無いことを思い出して声を上げていたのだ。
「大変! 皇帝陛下がいらっしゃる前に、リートさまに―――」
ミリアリアが最後まで言い切らないうちに、ジークフリートは、慌ててその口を塞いでいたのだ。
そんな二人に首を傾げたシューニャは、不思議そうに言ったのだ。
「えっ? なんのプレイ? 皇帝さんが来る前にって……。お姫様の目の前じゃん?」
その声にミリアリアは、目を丸くして悲鳴を上げていたのだった。
「えっ? えーーーーーーー!!!」
そこでミリアリアは、初めて知ったのだ。自分が恋しく思うリートの正体が皇帝ジークフリートその人だということに。
ミリアリアは、勇気を振り絞ってジークフリートに言ったのだ。
「リートさまのお嫁さんになりたいけど、わたしは元々、ここに皇帝陛下の花嫁候補としてきたの……。だから、陛下がわたしを望むなら……そうしないといけない……。でも、わたしは、リートさましか好きじゃないの。リートさまが好きなの。リートさま以外なんてありえないの!! リートさまが好きです。好きです!!」
ミリアリアの突然の告白に嬉しそうに頬を緩めたジークフリートは、何が問題なのか分からずにいた。
それを見たミリアリアは、頬を膨らませてプイっと横を向いてしまっていた。
「真剣に聞いてください!! わたしは、リートさまのお嫁さんになりたいんです。会ったことのない皇帝陛下に求められて、どうしようもなくなったら、わたし……」
「えっ?」
ミリアリアが何かを勘違いしていると気が付いたジークフリートだったが、それよりも前にミリアリアが声を上げたのだった。
「リートさま、お願いです。わたしの初めてを受け取ってください。やり方はいまいち分かっていないけど、頑張ります! だから、皇帝陛下が来る前に! もし、咎められることがあれば、わたしがリートさまに無理やり迫ったと、陛下にお伝えください」
そう言って、ミリアリアは、驚くジークフリートの膝から降りて、ドレスを脱ぎだしてしまったのだ。
それに驚いたジークフリートは、慌ててミリアリアを止めに入っていた。
「待って、待ってくれ。何か誤解が……」
「待てません。早くしないと、皇帝陛下が来てしまいます。リートさま、わたしをもらってください!」
「いや、ミリアリアをもらいたいが、今はまずい」
「何がまずいのですか? 急がないと来てしまいます」
「待って、今は駄目だ」
ミリアリアを止めようとしている内に、ソファーにミリアリア押し倒してその両手をソファーに押さえつけていたジークフリートに冷たい声が掛かったのだ。
「最低ですね。病み上がりのお姫様をソファーに押さえつけて無体を働こうなどと……」
シューニャの声にミリアリアとジークフリートは、それぞれ違った表情で同時に声を掛けていたのだ。
「シューニャ、やだ、違うの!」
「誤解だ!!」
ミリアリアは、はしたないことをしようとしている自分を見られたことが恥ずかしくて頬を染めていた。
対するジークフリートは、どう見てもミリアリアを襲っているようにしか見えない体勢に、自分は無実だという思いで叫んでいたのだった。
二人の心情に気が付いていないシューニャだったが、面倒ごとが増える前に解決した方がいいと考えて二人に言ったのだ。
「えっと、どうしてこんなことに?」
シューニャの問いを聞いたミリアリアは、時間が無いことを思い出して声を上げていたのだ。
「大変! 皇帝陛下がいらっしゃる前に、リートさまに―――」
ミリアリアが最後まで言い切らないうちに、ジークフリートは、慌ててその口を塞いでいたのだ。
そんな二人に首を傾げたシューニャは、不思議そうに言ったのだ。
「えっ? なんのプレイ? 皇帝さんが来る前にって……。お姫様の目の前じゃん?」
その声にミリアリアは、目を丸くして悲鳴を上げていたのだった。
「えっ? えーーーーーーー!!!」
そこでミリアリアは、初めて知ったのだ。自分が恋しく思うリートの正体が皇帝ジークフリートその人だということに。
91
あなたにおすすめの小説
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
今宵、薔薇の園で
天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。
しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。
彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。
キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。
そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。
彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。
見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます
珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。
そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。
そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。
ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる