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番外編
美味しいケーキにご用心(2)
そうと決まれば、シューニャの行動は早かった。
外にいる護衛に至急ジークフリートを呼ぶように伝えたのだ。
護衛には、ジークフリートにミリアリアが大変なことになったとだけ伝えるように指示していた。
しかし、ジークフリートは、そんな短い伝言にもかかわらず、飛んできたのだ。
そんなジークフリートを見たシューニャは、心の底から申し訳なさそうな表情で言ったのだ。
「悪い……。お姫様が、ここまで酒に弱いとは思わなかったんだ」
そう言って、詫びの言葉を口にした後に部屋を出て行ってしまったのだ。
残されたジークフリートは、全身を紅く染めて、潤んだ瞳でジークフリートに抱きつくミリアリアを前にしてぐっと唇を噛め締めたのだった。
「くっ……。初夜を迎えるまでは手を出さないと誓ったがこれは……。まずい……。色々とまずい……」
そんなジークフリートの気持ちも知らないミリアリアは、ジークフリートに抱き着いて嬉しそうに言ったのだ。
「ふへへぇ。だーいすきぃ。じーくふりーとしゃまぁ」
そう言って、ニコリとほほ笑んだ後に、瞳を瞑って顔を少しだけ上に向けたのだ。
そして、とんでもないことを言い出したのだ。
「うぅー。じーくふりーとしゃまぁ、ちゅー」
そう言ってから、小さな唇でジークフリートの頬に触れたのだ。
それだけでは飽き足らずに、なんども小鳥が啄むようにちゅっ、ちゅっ、と小さなキスを降らせたのだ。
これには、ジークフリートの理性も悲鳴を上げる結果になった。
堪えられない甘やかな気持ちに突き動かされたジークフリートは、ミリアリアを抱きしめてその可愛らしい唇を奪おうとしたのだ。
しかし、ミリアリアはそれをするりと躱して、ジークフリートの腕の中から出た後に、呆然とするジークフリートの手を引いてソファーに連れて行ったのだ。
そして、状況についていけていないジークフリートを置き去りに、食べていたケーキをフォークで刺して嬉しそうに言ったのだ。
「じーくふりーとしゃまぁ、あーんしてくらさい。これ、おいしいんれすよ?」
そう言われたジークフリートは、差し出されたケーキを食べて、全てを理解したのだ。
シューニャがこの、ブランデーケーキを用意したこと。
ミリアリアが、異常なまでに酒に弱かったこと。
こんな状態のミリアリアを前にしてシューニャが、どうしようもなくなって、ジークフリートに丸投げしたことをだ。
しかし、アルコールの熱で潤んだ空色の瞳は、ジークフリートの欲情を易々と煽ってくれた。
だからと言って、こんな状態のミリアリアに手を出す訳にもいかないジークフリートは、頭の中で「煩悩退散、心頭滅却、明鏡止水」といった、別大陸にある国の書物にあった、心を落ち着かせるという言葉を繰り返し唱えることしか出来なかったのだ。
その間も、ミリアリアは、ジークフリートにぴったりと抱き着いて、嬉しそうに頬にキスをしたり、ジークフリートの頭を小さな胸に抱きこんで、触り心地のいい銀色の髪を梳いたりと、ジークフリートにとっては嬉しくも辛い時間が過ぎたのだった。
煩悩と戦うジークフリートが石化している間に、思う存分ジークフリートの頬や額、そして髪にキスをしたミリアリアは、最後に可愛らしく小さな欠伸をしてから、ジークフリートの膝に頭を乗せて眠ってしまったのだ。
すやすやと眠るミリアリアを見て我に返ったジークフリートだったが、ミリアリアの小さな寝言に胸を押さえることとなったのだ。
「じーくふりーとしゃまぁ……。だーいすきれす。はやく、じーくふりーとしゃまぁのおよめしゃんになりたいのれすぅ。ふへへぇ。じーくふりーとしゃまぁ……」
その後、ミリアリアをベッドに移動させたジークフリートは、そっと部屋をでていた。
そんなジークフリートの表情は、中で何があったのか誰も予想することのできないような複雑怪奇なものだったとシューニャを始め、それを目撃した全員が思ったのだ。
しかし、不思議に思っても中で何があったのか触れてはいけないような気がして、誰もそのことに触れることは無かったのだった。
外にいる護衛に至急ジークフリートを呼ぶように伝えたのだ。
護衛には、ジークフリートにミリアリアが大変なことになったとだけ伝えるように指示していた。
しかし、ジークフリートは、そんな短い伝言にもかかわらず、飛んできたのだ。
そんなジークフリートを見たシューニャは、心の底から申し訳なさそうな表情で言ったのだ。
「悪い……。お姫様が、ここまで酒に弱いとは思わなかったんだ」
そう言って、詫びの言葉を口にした後に部屋を出て行ってしまったのだ。
残されたジークフリートは、全身を紅く染めて、潤んだ瞳でジークフリートに抱きつくミリアリアを前にしてぐっと唇を噛め締めたのだった。
「くっ……。初夜を迎えるまでは手を出さないと誓ったがこれは……。まずい……。色々とまずい……」
そんなジークフリートの気持ちも知らないミリアリアは、ジークフリートに抱き着いて嬉しそうに言ったのだ。
「ふへへぇ。だーいすきぃ。じーくふりーとしゃまぁ」
そう言って、ニコリとほほ笑んだ後に、瞳を瞑って顔を少しだけ上に向けたのだ。
そして、とんでもないことを言い出したのだ。
「うぅー。じーくふりーとしゃまぁ、ちゅー」
そう言ってから、小さな唇でジークフリートの頬に触れたのだ。
それだけでは飽き足らずに、なんども小鳥が啄むようにちゅっ、ちゅっ、と小さなキスを降らせたのだ。
これには、ジークフリートの理性も悲鳴を上げる結果になった。
堪えられない甘やかな気持ちに突き動かされたジークフリートは、ミリアリアを抱きしめてその可愛らしい唇を奪おうとしたのだ。
しかし、ミリアリアはそれをするりと躱して、ジークフリートの腕の中から出た後に、呆然とするジークフリートの手を引いてソファーに連れて行ったのだ。
そして、状況についていけていないジークフリートを置き去りに、食べていたケーキをフォークで刺して嬉しそうに言ったのだ。
「じーくふりーとしゃまぁ、あーんしてくらさい。これ、おいしいんれすよ?」
そう言われたジークフリートは、差し出されたケーキを食べて、全てを理解したのだ。
シューニャがこの、ブランデーケーキを用意したこと。
ミリアリアが、異常なまでに酒に弱かったこと。
こんな状態のミリアリアを前にしてシューニャが、どうしようもなくなって、ジークフリートに丸投げしたことをだ。
しかし、アルコールの熱で潤んだ空色の瞳は、ジークフリートの欲情を易々と煽ってくれた。
だからと言って、こんな状態のミリアリアに手を出す訳にもいかないジークフリートは、頭の中で「煩悩退散、心頭滅却、明鏡止水」といった、別大陸にある国の書物にあった、心を落ち着かせるという言葉を繰り返し唱えることしか出来なかったのだ。
その間も、ミリアリアは、ジークフリートにぴったりと抱き着いて、嬉しそうに頬にキスをしたり、ジークフリートの頭を小さな胸に抱きこんで、触り心地のいい銀色の髪を梳いたりと、ジークフリートにとっては嬉しくも辛い時間が過ぎたのだった。
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すやすやと眠るミリアリアを見て我に返ったジークフリートだったが、ミリアリアの小さな寝言に胸を押さえることとなったのだ。
「じーくふりーとしゃまぁ……。だーいすきれす。はやく、じーくふりーとしゃまぁのおよめしゃんになりたいのれすぅ。ふへへぇ。じーくふりーとしゃまぁ……」
その後、ミリアリアをベッドに移動させたジークフリートは、そっと部屋をでていた。
そんなジークフリートの表情は、中で何があったのか誰も予想することのできないような複雑怪奇なものだったとシューニャを始め、それを目撃した全員が思ったのだ。
しかし、不思議に思っても中で何があったのか触れてはいけないような気がして、誰もそのことに触れることは無かったのだった。
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