欠陥姫の嫁入り~花嫁候補と言う名の人質だけど結構楽しく暮らしています~

バナナマヨネーズ

文字の大きさ
86 / 97
番外編

ミリアリアの超真剣な悩み(4)

しおりを挟む
 しかし、ジークフリートの好みの胸を手に入れていないミリアリアには、ジークフリートの提案を拒むことは出来なかった。
 
「わかり……ました。それでは、今日から寝所を別に致しましょう……」

 そう言ったミリアリアだったが、その瞳からは大粒の涙が零れていた。
 
 
 涙を流すミリアリアに驚いたジークフリートは、咄嗟にミリアリアを抱きしめていた。
 そして、抱きしめられたミリアリアもジークフリートの背に両手を回して抱きしめ返していたのだ。
 
 そんな二人を見ていたシューニャは、なんだかアホらしい気持ちになっていた。
 どう見てもお互いに想い合っていることは明白で、胸の大きさなど些細なことに思えたのだ。
 しかし、ここでシューニャが何を言っても当人たちの問題に変わりはなく、部外者がとやかく言っても解決しないように思えたのだ。
 それでも、それでもだ。
 シューニャは、好きあう二人のこじれる様子を見ていられなくなり、とうとう口を挟んでしまっていた。
 
「あのさ……。これ、どう思うよ」

 そう言って、ミリアリアが作ったプニコンをジークフリートに渡していた。
 シューニャとしては、本物のおっぱいのような揉み心地のプニコンを触ったジークフリートの反応を見て、ジークフリートが本当におっぱい星人なのかを確かめる意図があったのだ。
 ミリアリアもすぐにシューニャの意図を悟り、ジークフリートの答えに固唾をのんでいた。

 そんなシューニャの意図を知らないジークフリートは、プニコンを受け取ってから首を傾げて眉間に皺を寄せてシューニャに言ったのだ。

「なんだこれは?」
 
「それ握ってみて、何かを思い出さないか?」

 突然の意味不明な問いかけにジークフリートは、シューニャを無視しようとしたが、腕の中のミリアリアが、謎の期待に満ちた瞳でジークフリートの答えを待っていることに気が付いたのだ。
 そこでジークフリートは、この回答によってこの先の運命が左右されると感じ取ったのだ。
 手の中にある、柔らかくそれでいて弾力のある謎の物体を何度か握ってみてから何かに気が付いたような表情でジークフリートは言ったのだ。
 
「はっ! これはもしや……、体術訓練の際に怪我をしないように、模型人形に付けるためのクッション材だな!! すごいぞミリアリア!! これで体術訓練の練度が上がるぞ」

 そう言って、偽乳にしようとしていたプニコンを衝撃吸収材だと勘違いしたジークフリートは、ミリアリアがもたらした新素材に称賛を贈ったのだった。
 
 そんなジークフリートのまさかの勘違いに何も言えないでいるミリアリアとシューニャは、ジークフリートに調子を合わせるようにしていた。
 
「おう、そうなんだよ! お姫様が訓練中の事故を減らせるようにって試作してくれたんだよ」

 その言葉にミリアリアもうんうんと頷いていた。
 
 そんなミリアリアにジークフリートは、感動したように表情を緩めた後に言ったのだ。
 
「そうか……。ありがとうミリアリア」

 ミリアリアは、違うとは言い出せずに視線を泳がせながら「大したことではありません……」というのが精一杯だった。


しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。 魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。 でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。 その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。 ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。 え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。 平凡で普通の生活がしたいの。 私を巻き込まないで下さい! 恋愛要素は、中盤以降から出てきます 9月28日 本編完結 10月4日 番外編完結 長い間、お付き合い頂きありがとうございました。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた

向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。 聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。 暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!? 一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。

氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。 聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。 でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。 「婚約してほしい」 「いえ、責任を取らせるわけには」 守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。 元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。 小説家になろう様にも、投稿しています。

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜

しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。 高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。 しかし父は知らないのだ。 ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。 そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。 それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。 けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。 その相手はなんと辺境伯様で——。 なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。 彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。 それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。 天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。 壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

今宵、薔薇の園で

天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。 しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。 彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。 キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。 そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。 彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。

見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます

珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。 そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。 そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。 ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。

処理中です...