94 / 97
お礼のおまけ話
第五話 温泉とショー
しおりを挟む
翌日、ミリアリアとジークフリートは、温泉着を着て温泉区画にやってきていた。
因みに、ミリアリアは、ジークフリートから水着を着たさらに上に温泉着を着るように言われていた。
ミリアリアは、首を傾げつつもジークフリートの言う通りにしたのだった。
そんな二人は、温泉の無限の可能性に昨日の温水プールに続いて驚くこととなったのだ。
今まで二人が温泉といえば思い浮かべる物は勿論だが、ジャグジー風呂、気泡湯、寝湯、打たせ湯、サウナといった、今まで体験したことのない様々な風呂を前にしたミリアリアとジークフリートは、それらをとことん楽しんだのだった。
特に、ヒノキで出来た浴槽に果物を浮かべた温泉をミリアリアは気に入ったのだった。
「ふぁぁ。気持ちいですね。今まで花びらを浮かべたお風呂に入ったことは何度かありましたが、果物を浮かべたのは初めてです。はぁ、ヒノキのいい香りと果物の甘い匂いが最高ですね」
そう言って、隣にいるジークフリートにもたれながらうっとりと呟くミリアリアだった。
ジークフリートはというと、温泉で上気し桃色にしっとり濡れて輝く、玉のような肌を伝う汗とミリアリアの温泉の熱に潤む瞳に釘付けになっていた。
なお、ジークフリートの放つ尋常ではない空気を感じた人々は、二人から離れた場所で温泉を楽しんでいた。
決してジークフリートの威嚇によるものではないと言いたいところだが、紙一重とだけ言っておく。
温泉を堪能したミリアリアとジークフリートは、その日の夜、施設にあるレストランに来ていた。
そこは、ショーを見ながら食事をするというものだった。
その日は、魚介類を焼いたものを中心としたメニューが売りだったので、人気メニューの海鮮焼き盛り合わせを注文していた。
塩で焼いたエビ―や、イカ―やターコと言った、帝都では珍しい食材の他にターイやゴールドメダーイと言った焼き魚も絶品だった。
不器用なミリアリアのために、焼き魚の身を解したジークフリートは、スプーンに解した身を乗せてミリアリアの口元に差し出したのだ。
「ほら、ミリアリア」
そう言われたミリアリアは、折角の魚が不器用なせいで不格好な姿になっているのを見た後に、申し訳なさそうに言ったのだ。
「わたし……、ひとりでお魚も食べられないなんて……」
「大丈夫だよ。普段食べない魚料理だ。それに、王宮で食べる時は、料理長が食べやすいようにしているから、こんな風に骨があるのは初めてだろう? ほら、熱いうちに遠慮せずにお食べ」
ジークフリートのミリアリアをフォローするような言葉に感動を覚えたミリアリアは、嬉しそうに微笑んでお礼を口にしてから小さな口で差し出された魚を頬張っていた。
「ジークフリートさま、ありがとうございます。それでは、いただきます。はむ」
魚を口にしたミリアリアは、両手で頬を押さえていた。
「うぅぅ~。美味しいです。身がホクホクで、塩味が効いていて、それでいて微かな甘みもあって、お肉とは違った美味しさです」
そう言って、うっとりとするミリアリアを見たジークフリートは、見た者の目を蕩けさせるかのような極甘の表情になっていた。そして、ミリアリアのためにせっせと魚の身を解したのは言うまでもなかった。
二人が一通りの食事を楽しみ終わったところで、ショーが開始された。
褐色の肌の女性たちが腰を揺らめかせて優雅でいて激しくダンスする姿にミリアリアは夢中になっていた。
社交ダンスとは違う、独特の足腰の動きは、運動が得意ではないミリアリアには、物凄い動きに見えたのだ。
腰を揺らすたびに不思議なスカートが揺れて、首に下げた花の首飾りが揺れる姿は見ごたえのあるものだった。
何といっても、のんびりとしたリズムの音楽が、場の雰囲気を合わさって、異国にでも来ているかのような空気を味わうことが出来たのだ。
女性たちの踊りが終わった後は、半裸の男たちが現れて、激しい太鼓のリズムで松明を振りかざすというワイルドなダンスが披露されたが、ジークフリート以外の男の裸(半裸)をまじまじと見る機会など無かったミリアリアは、両手で顔を覆っていた。
しかし、周囲の盛り上がりに興味が湧き少しだけ開いた指の隙間からこっそりと見た半裸の男たちのダンスに目を奪われることとなったのだった。
因みに、温水プールでは、ジークフリート以外目に入っていなかったミリアリアは、他の男性の水着が本当に目に入っていなかったのだった。
そんな訳で、鍛え抜かれた筋肉を惜しげもなく晒す男性たちを前にしてミリアリアが内心キャーキャー言いながらも見入っていることを知ったジークフリートがスイートルームに戻った後、ミリアリアにとった行動は仕方ないことだと……言えなくもない。
因みに、ミリアリアは、ジークフリートから水着を着たさらに上に温泉着を着るように言われていた。
ミリアリアは、首を傾げつつもジークフリートの言う通りにしたのだった。
そんな二人は、温泉の無限の可能性に昨日の温水プールに続いて驚くこととなったのだ。
今まで二人が温泉といえば思い浮かべる物は勿論だが、ジャグジー風呂、気泡湯、寝湯、打たせ湯、サウナといった、今まで体験したことのない様々な風呂を前にしたミリアリアとジークフリートは、それらをとことん楽しんだのだった。
特に、ヒノキで出来た浴槽に果物を浮かべた温泉をミリアリアは気に入ったのだった。
「ふぁぁ。気持ちいですね。今まで花びらを浮かべたお風呂に入ったことは何度かありましたが、果物を浮かべたのは初めてです。はぁ、ヒノキのいい香りと果物の甘い匂いが最高ですね」
そう言って、隣にいるジークフリートにもたれながらうっとりと呟くミリアリアだった。
ジークフリートはというと、温泉で上気し桃色にしっとり濡れて輝く、玉のような肌を伝う汗とミリアリアの温泉の熱に潤む瞳に釘付けになっていた。
なお、ジークフリートの放つ尋常ではない空気を感じた人々は、二人から離れた場所で温泉を楽しんでいた。
決してジークフリートの威嚇によるものではないと言いたいところだが、紙一重とだけ言っておく。
温泉を堪能したミリアリアとジークフリートは、その日の夜、施設にあるレストランに来ていた。
そこは、ショーを見ながら食事をするというものだった。
その日は、魚介類を焼いたものを中心としたメニューが売りだったので、人気メニューの海鮮焼き盛り合わせを注文していた。
塩で焼いたエビ―や、イカ―やターコと言った、帝都では珍しい食材の他にターイやゴールドメダーイと言った焼き魚も絶品だった。
不器用なミリアリアのために、焼き魚の身を解したジークフリートは、スプーンに解した身を乗せてミリアリアの口元に差し出したのだ。
「ほら、ミリアリア」
そう言われたミリアリアは、折角の魚が不器用なせいで不格好な姿になっているのを見た後に、申し訳なさそうに言ったのだ。
「わたし……、ひとりでお魚も食べられないなんて……」
「大丈夫だよ。普段食べない魚料理だ。それに、王宮で食べる時は、料理長が食べやすいようにしているから、こんな風に骨があるのは初めてだろう? ほら、熱いうちに遠慮せずにお食べ」
ジークフリートのミリアリアをフォローするような言葉に感動を覚えたミリアリアは、嬉しそうに微笑んでお礼を口にしてから小さな口で差し出された魚を頬張っていた。
「ジークフリートさま、ありがとうございます。それでは、いただきます。はむ」
魚を口にしたミリアリアは、両手で頬を押さえていた。
「うぅぅ~。美味しいです。身がホクホクで、塩味が効いていて、それでいて微かな甘みもあって、お肉とは違った美味しさです」
そう言って、うっとりとするミリアリアを見たジークフリートは、見た者の目を蕩けさせるかのような極甘の表情になっていた。そして、ミリアリアのためにせっせと魚の身を解したのは言うまでもなかった。
二人が一通りの食事を楽しみ終わったところで、ショーが開始された。
褐色の肌の女性たちが腰を揺らめかせて優雅でいて激しくダンスする姿にミリアリアは夢中になっていた。
社交ダンスとは違う、独特の足腰の動きは、運動が得意ではないミリアリアには、物凄い動きに見えたのだ。
腰を揺らすたびに不思議なスカートが揺れて、首に下げた花の首飾りが揺れる姿は見ごたえのあるものだった。
何といっても、のんびりとしたリズムの音楽が、場の雰囲気を合わさって、異国にでも来ているかのような空気を味わうことが出来たのだ。
女性たちの踊りが終わった後は、半裸の男たちが現れて、激しい太鼓のリズムで松明を振りかざすというワイルドなダンスが披露されたが、ジークフリート以外の男の裸(半裸)をまじまじと見る機会など無かったミリアリアは、両手で顔を覆っていた。
しかし、周囲の盛り上がりに興味が湧き少しだけ開いた指の隙間からこっそりと見た半裸の男たちのダンスに目を奪われることとなったのだった。
因みに、温水プールでは、ジークフリート以外目に入っていなかったミリアリアは、他の男性の水着が本当に目に入っていなかったのだった。
そんな訳で、鍛え抜かれた筋肉を惜しげもなく晒す男性たちを前にしてミリアリアが内心キャーキャー言いながらも見入っていることを知ったジークフリートがスイートルームに戻った後、ミリアリアにとった行動は仕方ないことだと……言えなくもない。
36
あなたにおすすめの小説
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
今宵、薔薇の園で
天海月
恋愛
早世した母の代わりに妹たちの世話に励み、婚期を逃しかけていた伯爵家の長女・シャーロットは、これが最後のチャンスだと思い、唐突に持ち込まれた気の進まない婚約話を承諾する。
しかし、一か月も経たないうちに、その話は先方からの一方的な申し出によって破談になってしまう。
彼女は藁にもすがる思いで、幼馴染の公爵アルバート・グレアムに相談を持ち掛けるが、新たな婚約者候補として紹介されたのは彼の弟のキースだった。
キースは長年、シャーロットに思いを寄せていたが、遠慮して距離を縮めることが出来ないでいた。
そんな弟を見かねた兄が一計を図ったのだった。
彼女はキースのことを弟のようにしか思っていなかったが、次第に彼の情熱に絆されていく・・・。
見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます
珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。
そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。
そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。
ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる