12 / 71
第一部
第12話 天使がいる!!
しおりを挟む
翌朝、なんとタイガ君は完全回復していた。
そんなわけで、元気になったタイガ君をお風呂に入れようと思うの。
タイガ君は、何日もお風呂に入っていなかったようで、かなり汚れていたのだ。
昨日は緊急事態だったので、お風呂にも入れずに寝かせてしまったのでシーツや枕カバーを洗わないといけないわ。
と、言う訳で今日はお店は臨時休業にして、タイガ君に必要な物を買いに行こうと思うの。
お店の入り口には、臨時休業の張り紙を出したし問題ないだろう。
実は引っ越した後に、お風呂場を日本風に改装したから、使い方が分かるか心配だわ。
この世界のお風呂は、西洋風だったのだ。
そう、お風呂の中で身体を洗ってっていうあれね。
生活魔法の水魔法を使って、水とか出し放題ならではの、西洋風と私は勝手に推察したわ。
でも、私は湯船浸かってのんびりしたり、半身浴したり、お風呂の外で体や髪を洗いたかったのよ。
なので、ギルドに相談して、お風呂場の改装をしたの。ついでに、簡易シャワーも作ってもらったわ。
生活魔法で水は出せるけど、どう頑張っても、シャワーみたいにお湯を出せなかったのよね。
そんな訳で、使い方が分からない可能性を危惧した私は、タイガ君と一緒にお風呂に入ることにした。
まだ、歳は聞いていなかったけど、小学生くらいに見えるから、タイガ君が嫌じゃなければ一緒に入ろうと思ったのだ。
「タイガ君、お風呂の使い方わかる?分からなければ、私が入れてあげるよ?」
「!!!、だっ、大丈夫です。僕一人でも使い方を教えてもらえば入れます!!」
「君はまだ小さいし、二人でも十分湯船に浸かれると思うから心配しなくてもいいのに」
「でも、僕!!」
「何やってんの?」
「タイガ君をお風呂に入れてあげようと思って」
「っ!俺が入れるから大丈夫だよ!!」
何故か駆君が真っ赤になって叫んでいた。
まぁ、男の子同志の方が気軽でいいわよね。
タイガくんとお風呂に入る権利は、駆君に譲ってあげよう。
そうだ。二人がお風呂に入っている間に、アレを作ろう。湯上りには最高だよね。
時間がないので錬金窯さんにお手伝いしてもらうことにした私は、オレンジ、塩、砂糖、生クリーム、レモン果汁と大きめの器を入れたら、いつものように「錬金窯さん、よろしくお願いします」と、上手く行くようにお願いする。
数分ほど待っていると、オレンジシャーベットが完成した。
一緒に入れた器からシャーベットを小皿に移して、余った分は冷蔵庫(仮)の冷凍庫部分に入れて置く。
そうしていると、お風呂場から二人がやってきた。
「さぁ、お風呂の後のお楽しみだよ。はい、冷たいシャーベットを召し上がれ」
そう言いつつ、二人を見た私はフリーズした。なんと、駆君の隣に、美少年がいたのだ。
陶器のような白く、すべすべのお肌に、天使の輪が見える綺麗な銀髪。
吸い込まれそうな蒼い瞳。
天使がいる!!
「天使がいる!!」
あっ、思わず口に出てしまったわ。
「ぷっ、小春さん。大げさですよ」
「そうだぜ、風呂に入って垢を落としただけでそこまで驚くなよ。まぁ、風呂場で少し髪は切ったけど」
そう、天使の正体はタイガ君だった。
というか、つまりはそこまで汚れていたんだね。
汚れていた時も、可愛らしいとは思っていたが、綺麗になったらそれはそれで、天使レベルってすごいよ。
お姉さん、びっくりだよ。
昨日の話だと、何日も食事をしていなかったみたいで、体はほぼ骨と皮な状態。
それがかえって、儚さを醸し出し天使らしくみせている要因かも知れないわ。
いっぱい美味しいものを食べさせてあげて、タイガ君を少しは太らせないといけないと私が決意したのは言うまでもないわね。
「ささ、気を取り直して、溶けないうちに召し上がれ」
そう言って、改めて二人にシャーベットを差し出した。
「~~~~。冷たくて美味しいです~」
「うまっ!風呂上がりに冷たいものは最高だな」
良かった、二人ともシャーベットを気に入ってくれたみたいで。
昨日タイガ君が使ったベッドのシーツと枕カバーは洗って、布団と、枕と一緒に干してあるので、タイガ君に必要な物を三人で買いに行こう。
現在タイガ君は、駆君の服を無理やり着ている。最初はサイズ的に私の服を貸そうとしたのだけれど、断固拒否されてしまった。
そのため、タイガ君はだぼだぼな状態なのだ。
最初は、お留守番してもらうことも考えたけど、自分の使うものはで選びたいよね。
なので、最初に服を見て、買った服に着替えてから日用品を買いに行こうと思うの。
いい案でしょ?異論はないとは思うけど二人に今日の行動計画を話した。
そしたら、タイガ君は思いもよらなかったとびっくりしていたっけ。
「えっ!僕、ここでお世話になってもいいんですか?」
「もちろん。タイガ君さえよければ」
「すごくありがたいです。僕、もうどこにも行く場所がなくて……」
「今日から、ここが君のお家だよ」
そう言って、タイガ君を見ると目が潤んでいたが泣くことはなかった。我慢したのかな、男の子だね。
そんなことを考えていたら、駆君が思いもよらないことを言いだした。
「働かざる者食うべからず。タイガには店番とか、俺の手伝いをしてもらうぞ」
「えっ!良いじゃない、まだ小さいんだし。私が養うよ」
「いえ、お手伝いさせてください!」
そっか、お手伝いしてくれるんだ。いい子だね。でもとても残念。
そんなわけで、元気になったタイガ君をお風呂に入れようと思うの。
タイガ君は、何日もお風呂に入っていなかったようで、かなり汚れていたのだ。
昨日は緊急事態だったので、お風呂にも入れずに寝かせてしまったのでシーツや枕カバーを洗わないといけないわ。
と、言う訳で今日はお店は臨時休業にして、タイガ君に必要な物を買いに行こうと思うの。
お店の入り口には、臨時休業の張り紙を出したし問題ないだろう。
実は引っ越した後に、お風呂場を日本風に改装したから、使い方が分かるか心配だわ。
この世界のお風呂は、西洋風だったのだ。
そう、お風呂の中で身体を洗ってっていうあれね。
生活魔法の水魔法を使って、水とか出し放題ならではの、西洋風と私は勝手に推察したわ。
でも、私は湯船浸かってのんびりしたり、半身浴したり、お風呂の外で体や髪を洗いたかったのよ。
なので、ギルドに相談して、お風呂場の改装をしたの。ついでに、簡易シャワーも作ってもらったわ。
生活魔法で水は出せるけど、どう頑張っても、シャワーみたいにお湯を出せなかったのよね。
そんな訳で、使い方が分からない可能性を危惧した私は、タイガ君と一緒にお風呂に入ることにした。
まだ、歳は聞いていなかったけど、小学生くらいに見えるから、タイガ君が嫌じゃなければ一緒に入ろうと思ったのだ。
「タイガ君、お風呂の使い方わかる?分からなければ、私が入れてあげるよ?」
「!!!、だっ、大丈夫です。僕一人でも使い方を教えてもらえば入れます!!」
「君はまだ小さいし、二人でも十分湯船に浸かれると思うから心配しなくてもいいのに」
「でも、僕!!」
「何やってんの?」
「タイガ君をお風呂に入れてあげようと思って」
「っ!俺が入れるから大丈夫だよ!!」
何故か駆君が真っ赤になって叫んでいた。
まぁ、男の子同志の方が気軽でいいわよね。
タイガくんとお風呂に入る権利は、駆君に譲ってあげよう。
そうだ。二人がお風呂に入っている間に、アレを作ろう。湯上りには最高だよね。
時間がないので錬金窯さんにお手伝いしてもらうことにした私は、オレンジ、塩、砂糖、生クリーム、レモン果汁と大きめの器を入れたら、いつものように「錬金窯さん、よろしくお願いします」と、上手く行くようにお願いする。
数分ほど待っていると、オレンジシャーベットが完成した。
一緒に入れた器からシャーベットを小皿に移して、余った分は冷蔵庫(仮)の冷凍庫部分に入れて置く。
そうしていると、お風呂場から二人がやってきた。
「さぁ、お風呂の後のお楽しみだよ。はい、冷たいシャーベットを召し上がれ」
そう言いつつ、二人を見た私はフリーズした。なんと、駆君の隣に、美少年がいたのだ。
陶器のような白く、すべすべのお肌に、天使の輪が見える綺麗な銀髪。
吸い込まれそうな蒼い瞳。
天使がいる!!
「天使がいる!!」
あっ、思わず口に出てしまったわ。
「ぷっ、小春さん。大げさですよ」
「そうだぜ、風呂に入って垢を落としただけでそこまで驚くなよ。まぁ、風呂場で少し髪は切ったけど」
そう、天使の正体はタイガ君だった。
というか、つまりはそこまで汚れていたんだね。
汚れていた時も、可愛らしいとは思っていたが、綺麗になったらそれはそれで、天使レベルってすごいよ。
お姉さん、びっくりだよ。
昨日の話だと、何日も食事をしていなかったみたいで、体はほぼ骨と皮な状態。
それがかえって、儚さを醸し出し天使らしくみせている要因かも知れないわ。
いっぱい美味しいものを食べさせてあげて、タイガ君を少しは太らせないといけないと私が決意したのは言うまでもないわね。
「ささ、気を取り直して、溶けないうちに召し上がれ」
そう言って、改めて二人にシャーベットを差し出した。
「~~~~。冷たくて美味しいです~」
「うまっ!風呂上がりに冷たいものは最高だな」
良かった、二人ともシャーベットを気に入ってくれたみたいで。
昨日タイガ君が使ったベッドのシーツと枕カバーは洗って、布団と、枕と一緒に干してあるので、タイガ君に必要な物を三人で買いに行こう。
現在タイガ君は、駆君の服を無理やり着ている。最初はサイズ的に私の服を貸そうとしたのだけれど、断固拒否されてしまった。
そのため、タイガ君はだぼだぼな状態なのだ。
最初は、お留守番してもらうことも考えたけど、自分の使うものはで選びたいよね。
なので、最初に服を見て、買った服に着替えてから日用品を買いに行こうと思うの。
いい案でしょ?異論はないとは思うけど二人に今日の行動計画を話した。
そしたら、タイガ君は思いもよらなかったとびっくりしていたっけ。
「えっ!僕、ここでお世話になってもいいんですか?」
「もちろん。タイガ君さえよければ」
「すごくありがたいです。僕、もうどこにも行く場所がなくて……」
「今日から、ここが君のお家だよ」
そう言って、タイガ君を見ると目が潤んでいたが泣くことはなかった。我慢したのかな、男の子だね。
そんなことを考えていたら、駆君が思いもよらないことを言いだした。
「働かざる者食うべからず。タイガには店番とか、俺の手伝いをしてもらうぞ」
「えっ!良いじゃない、まだ小さいんだし。私が養うよ」
「いえ、お手伝いさせてください!」
そっか、お手伝いしてくれるんだ。いい子だね。でもとても残念。
11
あなたにおすすめの小説
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
婚約破棄された没落寸前の公爵令嬢ですが、なぜか隣国の最強皇帝陛下に溺愛されて、辺境領地で幸せなスローライフを始めることになりました
六角
恋愛
公爵令嬢アリアンナは、王立アカデミーの卒業パーティーで、長年の婚約者であった王太子から突然の婚約破棄を突きつけられる。
「アリアンナ! 貴様との婚約は、今この時をもって破棄させてもらう!」
彼の腕には、可憐な男爵令嬢が寄り添っていた。
アリアンナにありもしない罪を着せ、嘲笑う元婚約者と取り巻きたち。
時を同じくして、実家の公爵家にも謀反の嫌疑がかけられ、栄華を誇った家は没落寸前の危機に陥ってしまう。
すべてを失い、絶望の淵に立たされたアリアンナ。
そんな彼女の前に、一人の男が静かに歩み寄る。
その人物は、戦場では『鬼神』、政務では『氷帝』と国内外に恐れられる、隣国の若き最強皇帝――ゼオンハルト・フォン・アドラーだった。
誰もがアリアンナの終わりを確信し、固唾をのんで見守る中、絶対君主であるはずの皇帝が、おもむろに彼女の前に跪いた。
「――ようやくお会いできました、私の愛しい人。どうか、この私と結婚していただけませんか?」
「…………え?」
予想外すぎる言葉に、アリアンナは思考が停止する。
なぜ、落ちぶれた私を?
そもそも、お会いしたこともないはずでは……?
戸惑うアリアンナを意にも介さず、皇帝陛下の猛烈な求愛が始まる。
冷酷非情な仮面の下に隠された素顔は、アリアンナにだけは蜂蜜のように甘く、とろけるような眼差しを向けてくる独占欲の塊だった。
彼から与えられたのは、豊かな自然に囲まれた美しい辺境の領地。
美味しいものを食べ、可愛いもふもふに癒やされ、温かい領民たちと心を通わせる――。
そんな穏やかな日々の中で、アリアンナは凍てついていた心を少しずつ溶かしていく。
しかし、彼がひた隠す〝重大な秘密〟と、時折見せる切なげな表情の理由とは……?
これは、どん底から這い上がる令嬢が、最強皇帝の重すぎるほどの愛に包まれながら、自分だけの居場所を見つけ、幸せなスローライフを築き上げていく、逆転シンデレラストーリー。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる