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第一部
第32話 式典
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ジョエルさんとロジエルさんが家に来た次の日からケーキ作りの試作が本格的に始まった。というか、ジョエルさんが毎日様子を見に来るので、若干せかされている気がするくらいだけど、ある意味順調にケーキ作りが進んだのだった。
最終的に、イチゴをメインにしたベリーケーキに決まった。ジョエルさんは何度も試食と言って食べたがったので、完成したと思ったそばから食べられてしまったから……。
結局、ケーキは第二王子のお祝いの当日の朝に納品することになった。最初は、前日に納品するはずだったけど、ジョエルさんのケーキへの思いは、それを見事に妨害してくれたのだった。
「ジョエルさん、このケーキだけは食べてはだめですよ。じゃないと、王子様にあげられませんからね」
「まさか、王子のためのケーキを盗み食いする訳ないでしょう」
「試食もダメですからね」
「分かってますから」
「信じてますよ」
「……。分かってますよ。それと、式典には来られないんですか?」
「納品はしますけど、別に式典には興味ないですから行きませんよ」
「そうですか、それでは気が変わったら、いらしてくださいね」
そう言って、ジョエルさんはお城に帰って行った。
◆◇◆◇
「小春さん、行かなくていいんですか?」
「別にいいよ、本当に興味ないし」
「はは、小春らしいな。自分の興味のあることにしか行動を起こさないあたり」
「ちょっと、駆君?それってけなしてる?」
「いや、褒めてる。そう言うところ俺は好きだよ」
「ぼっ、僕だって小春さんのこと大好きです!!」
「ふふふ、二人ともありがとう」
「俺も、式典はどうでもいいんだけどさ、確かめないといけないことがあるから式典の様子を覗いてくるよ」
「僕も行きます」
「なら、私だけ留守番も寂しいから一緒に行くわ」
駆君の確認したい事が何かは分からなかったけど、式典のために街中がお祭り騒ぎで色んな出店が出ているということで、それを冷やかしながら式典会場に向かった。
普段だと、こちらの食事は微妙なんだけど、お祭り効果なのか簡単な焼き串の出店で食べたお肉は塩味が効いていて美味しかった。
そうして、買い食いをしながら向かっていると、式典会場では第二王子のアルトリア・ステイル様が成人の証の王族に伝わる魔除けのペンダントの授与をされている最中だった。
こちらの成人も元の世界と同じ20歳なので、第二王子は今日で20歳になるということね。
遠くから見た王子様は、銀髪の背の高い青年だった。銀髪と言えば、隣にいるタイガ君も綺麗な銀髪をしている。今は天使のように可憐な美少年だけど、あと数年もすれば美青年に成長して、街の女の子達にキャーキャー言われるのかな?そうしたら、お姉さん少し寂しいかも。大きくなっても、変わらす一緒に暮らしていきたいわ。
そんなことを考えていると、式典会場が騒がしくなっていた。
「どうしたの?」
「僕の位置からだと良くは見えませんでしたが、式典会場に正教会の人が乱入したように見えました」
「乱入?」
「はい。いま、押さえつけられているローブを羽織った人です」
そう言われて、遠くに見える会場で、確かにローブの人が複数の騎士に取り押さえられている様子が見えた。
「まずい、王子が危ない」
「駆君?でも、ローブの人は騎士の人に押さえつけられているし」
「そうじゃない、騎士の中にも狂信者が居るはずなんだ」
「狂信者ですって!駆はやっぱり……」
「今は、それどころじゃない。俺の知っている未来を守らないといけない!」
「そうか、駆が今こうしているということは、僕の中の彼は無事に」
「ああ、だから俺を信じろ」
「分かりました」
「ちょっと待って、全然話が見えないんだけど?」
「悪い。今は説明している暇がない。どうにかして王子の側に行かないと間に合わなくなる」
「分かった。今は、理由は聞かないわ。でも、落ち着いたらちゃんと話してね」
「約束する」
そう言って、真剣な顔をした駆君は後で説明してくれると約束してくれた。ならば、今は駆君の力になることが先決ね。
王子様の近くに行くには、会場にいる人が多すぎて結構難しい。人を避けている時間はなさそうね。
なら、携帯用に改良した折りたたみ式のアレの出番だわ!
最終的に、イチゴをメインにしたベリーケーキに決まった。ジョエルさんは何度も試食と言って食べたがったので、完成したと思ったそばから食べられてしまったから……。
結局、ケーキは第二王子のお祝いの当日の朝に納品することになった。最初は、前日に納品するはずだったけど、ジョエルさんのケーキへの思いは、それを見事に妨害してくれたのだった。
「ジョエルさん、このケーキだけは食べてはだめですよ。じゃないと、王子様にあげられませんからね」
「まさか、王子のためのケーキを盗み食いする訳ないでしょう」
「試食もダメですからね」
「分かってますから」
「信じてますよ」
「……。分かってますよ。それと、式典には来られないんですか?」
「納品はしますけど、別に式典には興味ないですから行きませんよ」
「そうですか、それでは気が変わったら、いらしてくださいね」
そう言って、ジョエルさんはお城に帰って行った。
◆◇◆◇
「小春さん、行かなくていいんですか?」
「別にいいよ、本当に興味ないし」
「はは、小春らしいな。自分の興味のあることにしか行動を起こさないあたり」
「ちょっと、駆君?それってけなしてる?」
「いや、褒めてる。そう言うところ俺は好きだよ」
「ぼっ、僕だって小春さんのこと大好きです!!」
「ふふふ、二人ともありがとう」
「俺も、式典はどうでもいいんだけどさ、確かめないといけないことがあるから式典の様子を覗いてくるよ」
「僕も行きます」
「なら、私だけ留守番も寂しいから一緒に行くわ」
駆君の確認したい事が何かは分からなかったけど、式典のために街中がお祭り騒ぎで色んな出店が出ているということで、それを冷やかしながら式典会場に向かった。
普段だと、こちらの食事は微妙なんだけど、お祭り効果なのか簡単な焼き串の出店で食べたお肉は塩味が効いていて美味しかった。
そうして、買い食いをしながら向かっていると、式典会場では第二王子のアルトリア・ステイル様が成人の証の王族に伝わる魔除けのペンダントの授与をされている最中だった。
こちらの成人も元の世界と同じ20歳なので、第二王子は今日で20歳になるということね。
遠くから見た王子様は、銀髪の背の高い青年だった。銀髪と言えば、隣にいるタイガ君も綺麗な銀髪をしている。今は天使のように可憐な美少年だけど、あと数年もすれば美青年に成長して、街の女の子達にキャーキャー言われるのかな?そうしたら、お姉さん少し寂しいかも。大きくなっても、変わらす一緒に暮らしていきたいわ。
そんなことを考えていると、式典会場が騒がしくなっていた。
「どうしたの?」
「僕の位置からだと良くは見えませんでしたが、式典会場に正教会の人が乱入したように見えました」
「乱入?」
「はい。いま、押さえつけられているローブを羽織った人です」
そう言われて、遠くに見える会場で、確かにローブの人が複数の騎士に取り押さえられている様子が見えた。
「まずい、王子が危ない」
「駆君?でも、ローブの人は騎士の人に押さえつけられているし」
「そうじゃない、騎士の中にも狂信者が居るはずなんだ」
「狂信者ですって!駆はやっぱり……」
「今は、それどころじゃない。俺の知っている未来を守らないといけない!」
「そうか、駆が今こうしているということは、僕の中の彼は無事に」
「ああ、だから俺を信じろ」
「分かりました」
「ちょっと待って、全然話が見えないんだけど?」
「悪い。今は説明している暇がない。どうにかして王子の側に行かないと間に合わなくなる」
「分かった。今は、理由は聞かないわ。でも、落ち着いたらちゃんと話してね」
「約束する」
そう言って、真剣な顔をした駆君は後で説明してくれると約束してくれた。ならば、今は駆君の力になることが先決ね。
王子様の近くに行くには、会場にいる人が多すぎて結構難しい。人を避けている時間はなさそうね。
なら、携帯用に改良した折りたたみ式のアレの出番だわ!
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