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第十二話 ティアナの魔法の真の副作用
ティアナの回復魔法に隠された真実……。
それは、完全回復し、体力が戻った後に起こる現象だ。
最初の被害者の兵士は、今でもその日のことを思い出すと全身が震えてしまうほどの副作用があったのだ。
その兵士は体が回復した後夜の蝶に誘われて、甘ったるい空気の漂う店に足を踏み入れた。
兵士に支払われる手当はかなりのものだった。
その兵士は奮発して、お気に入りの蝶々と楽しい夜を過ごすつもりだった……。
しかし、男の男の部分はいい子に眠り続けて……。
そう、美しい蝶々と戯れるための男の男が眠りから覚めなかったのだ……。
何をしても起き上がることのない男の男に蝶々は、心配そうに慰めてくれたが、それがかえって兵士の心を抉ったのだ。
蝶々は、「すごい大きな怪我をしたって話だしね……。大丈夫よ。疲れているのよ。元気になったらまた遊びましょう? ね?」と言って励ましてくれたのだ。
それから数週間。夜の街で遊ぼうとして、至れなかった男たちの間である共通点が浮かんだのだ。
それは、一人の例外もなくティアナの魔法で元気になったという共通点が見つかったのだ。
悲観して引きこもってしまう者、全てを忘れるために戦場に死に場を求める者、何もかもを諦めて戦いに明け暮れる者。
しかし、条件は不明だが寝た子が起きだすという事例が挙がったのだ。
兵士たちは、それに希望を見出す。
誰がやりだしたのかは不明だが、何時しか条件は不明なままだがいくつかの回復条件が発見されたのだ。
とはいえ、ティアナの魔法の副作用は男たちに恐怖を与えるには十分な効力があった。
そんなことを部下たちからこっそり愚痴られた黒騎士は、身震いしたのだった。
黒騎士が恐怖に震える中、加奈は黒騎士の顔面をうっとりと見つめていた。
整った顔は好みのどストライクだが、しなやかな筋肉に覆われた肉体に熱の籠った視線を向けてしまうのを止められなかった。
ぼんやりとしている加奈に気が付いた黒騎士は、加奈の眼前で手を振った。
「赤城? 大丈夫か?」
「ふぁっ! うんうん。大丈夫だよ。それでよ、群青の魔法使いのことよ! 見てみたい! その正体を知りたいのよ!」
諦めそうにない加奈をどうしようかと考えていると、黒騎士と加奈に声がかかる。
「おいっす! 群青の魔法使いの魔法使いを捕まえって聞いたぜ。どんな面か楽しみだぜ!! 俺は、美魔女と予想するぜ!!」
「はぁ……。あんた馬鹿なの? あっ、脳筋だったわ」
「はあ? お前こそ……。お前こそ……」
「なあに?」
「くそっ!」
「あはは! 鏑木の脳筋馬ぁ鹿!」
そう言ってケラケラと笑うのは、明るい髪色をした長身でスレンダーな美女だった。
彼女の名は、七瀬夏美。
そして、夏美に揶揄われていたいた長身で筋肉の鎧を纏ったような男は鏑木健輔と言った。
健輔はいじけながらも黒騎士に聞いていた。
「笹垣よ。噂の群青の魔法使いのとやらは?」
その場の全員の目当てがティアナなのだと知った黒騎士は頭を抱えそうになっていた。
「お前たち……。はぁ、駄目だ。あの子はまだ誰かに会えるような状態じゃない」
そう言った黒騎士だったが、既に四人は屋敷の部屋を物色し始めていたことに気が付くと、足早にティアナのいる部屋に急ぐのだった。
誰よりも早くティアナの部屋にたどり着いた黒騎士は、部屋の中から聞こえるすすり泣きに胸が痛くなる。
「はぁ……。俺は元の世界に戻ることだけを考えればいい……。それなのに……。杏子……。俺は……」
それは、完全回復し、体力が戻った後に起こる現象だ。
最初の被害者の兵士は、今でもその日のことを思い出すと全身が震えてしまうほどの副作用があったのだ。
その兵士は体が回復した後夜の蝶に誘われて、甘ったるい空気の漂う店に足を踏み入れた。
兵士に支払われる手当はかなりのものだった。
その兵士は奮発して、お気に入りの蝶々と楽しい夜を過ごすつもりだった……。
しかし、男の男の部分はいい子に眠り続けて……。
そう、美しい蝶々と戯れるための男の男が眠りから覚めなかったのだ……。
何をしても起き上がることのない男の男に蝶々は、心配そうに慰めてくれたが、それがかえって兵士の心を抉ったのだ。
蝶々は、「すごい大きな怪我をしたって話だしね……。大丈夫よ。疲れているのよ。元気になったらまた遊びましょう? ね?」と言って励ましてくれたのだ。
それから数週間。夜の街で遊ぼうとして、至れなかった男たちの間である共通点が浮かんだのだ。
それは、一人の例外もなくティアナの魔法で元気になったという共通点が見つかったのだ。
悲観して引きこもってしまう者、全てを忘れるために戦場に死に場を求める者、何もかもを諦めて戦いに明け暮れる者。
しかし、条件は不明だが寝た子が起きだすという事例が挙がったのだ。
兵士たちは、それに希望を見出す。
誰がやりだしたのかは不明だが、何時しか条件は不明なままだがいくつかの回復条件が発見されたのだ。
とはいえ、ティアナの魔法の副作用は男たちに恐怖を与えるには十分な効力があった。
そんなことを部下たちからこっそり愚痴られた黒騎士は、身震いしたのだった。
黒騎士が恐怖に震える中、加奈は黒騎士の顔面をうっとりと見つめていた。
整った顔は好みのどストライクだが、しなやかな筋肉に覆われた肉体に熱の籠った視線を向けてしまうのを止められなかった。
ぼんやりとしている加奈に気が付いた黒騎士は、加奈の眼前で手を振った。
「赤城? 大丈夫か?」
「ふぁっ! うんうん。大丈夫だよ。それでよ、群青の魔法使いのことよ! 見てみたい! その正体を知りたいのよ!」
諦めそうにない加奈をどうしようかと考えていると、黒騎士と加奈に声がかかる。
「おいっす! 群青の魔法使いの魔法使いを捕まえって聞いたぜ。どんな面か楽しみだぜ!! 俺は、美魔女と予想するぜ!!」
「はぁ……。あんた馬鹿なの? あっ、脳筋だったわ」
「はあ? お前こそ……。お前こそ……」
「なあに?」
「くそっ!」
「あはは! 鏑木の脳筋馬ぁ鹿!」
そう言ってケラケラと笑うのは、明るい髪色をした長身でスレンダーな美女だった。
彼女の名は、七瀬夏美。
そして、夏美に揶揄われていたいた長身で筋肉の鎧を纏ったような男は鏑木健輔と言った。
健輔はいじけながらも黒騎士に聞いていた。
「笹垣よ。噂の群青の魔法使いのとやらは?」
その場の全員の目当てがティアナなのだと知った黒騎士は頭を抱えそうになっていた。
「お前たち……。はぁ、駄目だ。あの子はまだ誰かに会えるような状態じゃない」
そう言った黒騎士だったが、既に四人は屋敷の部屋を物色し始めていたことに気が付くと、足早にティアナのいる部屋に急ぐのだった。
誰よりも早くティアナの部屋にたどり着いた黒騎士は、部屋の中から聞こえるすすり泣きに胸が痛くなる。
「はぁ……。俺は元の世界に戻ることだけを考えればいい……。それなのに……。杏子……。俺は……」
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