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第二十話 取引
戦場で出会った女性は、必死さを漂わせる湊を見てこう言うのだ。
「と……取引をしましょう」
「取引?」
「ええ。貴方は召喚魔法について……。いえ、元の世界に帰る方法を探しているのよね?」
そう言った女性の瞳には確信めいた色が浮かんでいた。
それを見た湊は、ここで嘘を吐くのは徳作ではないとないと判断し、素直に頷く。
「正直に言うわ。私は、私の娘を助けて欲しいの。協力してくれるのなら、私も私の出来る範囲で協力すると誓うわ」
女性の提案に湊は戦場で囁かれている噂を思い出していた。
ルーマニア王国の兵士たち、とくに魔法兵は家族や恋人を人質にとられ、仕方なく戦っているという噂をだ。
女性の口ぶりからその噂が事実だと確信した湊は疑問に思うのだ。
これほどの魔法使いなら自力で家族と逃げることが出来るのではないのかと。
そんなことを考えていると、女性は自分の首に付けられている首輪を指さして言うのだ。
「これは枷よ。命令には逆らえないの」
「そうか……」
その一言で湊は大体のことが想像できてしまっえいた。
「逆らえば死が待っていると言ことか……。エゲツないことをするな」
「そうね……」
「俺はどうしたらいい?」
「もう少し待って欲しいの。娘が囚われている場所を探るわ」
「わかった。そちらのタイミングに合わせる。帰還魔法については、貴女とその娘を救出した後だ」
「っ! ありがとう……。でも、娘を助けてくれたタイミングで私の知っていることを全て伝えます。それと、怪しまれない範囲でだけれど、そちら側への被害があまり出ないようにするわ」
女性の言葉の意味に気が付いてしまった湊はただ頷いていた。
「ああ」
「それじゃ……」
そう言った女性は、自分の髪をひと房ナイフで切り落とし、その髪に何かの魔法を掛けたのだ。
一瞬で手の中の髪は、球体状の何かに変わっていたのだ。
女性はその球体を湊に差し出して言った。
「これは、使い切りの信号魔法が込められたオーブよ。私の準備が出来たらそのオーブに信号を送るわ。そうしたら……ここで落ち合いましょう」
そう言った女性の瞳は真剣で、必死で、嘘や罠の可能性は考えられなかった。
だからこそ湊もその覚悟に応えるべくしっかりと頷くのだ。
そして、右手を差し出して女性に名乗りを上げていた。
「俺は、そちら側から黒騎士と呼ばれている。笹垣湊だ」
「私は……、一度は失われたはずの召喚魔法を復活させた魔女の末裔。名をマリカと言います」
お互いにそう名乗り合った二人は固く握手を交わすのだった。
「と……取引をしましょう」
「取引?」
「ええ。貴方は召喚魔法について……。いえ、元の世界に帰る方法を探しているのよね?」
そう言った女性の瞳には確信めいた色が浮かんでいた。
それを見た湊は、ここで嘘を吐くのは徳作ではないとないと判断し、素直に頷く。
「正直に言うわ。私は、私の娘を助けて欲しいの。協力してくれるのなら、私も私の出来る範囲で協力すると誓うわ」
女性の提案に湊は戦場で囁かれている噂を思い出していた。
ルーマニア王国の兵士たち、とくに魔法兵は家族や恋人を人質にとられ、仕方なく戦っているという噂をだ。
女性の口ぶりからその噂が事実だと確信した湊は疑問に思うのだ。
これほどの魔法使いなら自力で家族と逃げることが出来るのではないのかと。
そんなことを考えていると、女性は自分の首に付けられている首輪を指さして言うのだ。
「これは枷よ。命令には逆らえないの」
「そうか……」
その一言で湊は大体のことが想像できてしまっえいた。
「逆らえば死が待っていると言ことか……。エゲツないことをするな」
「そうね……」
「俺はどうしたらいい?」
「もう少し待って欲しいの。娘が囚われている場所を探るわ」
「わかった。そちらのタイミングに合わせる。帰還魔法については、貴女とその娘を救出した後だ」
「っ! ありがとう……。でも、娘を助けてくれたタイミングで私の知っていることを全て伝えます。それと、怪しまれない範囲でだけれど、そちら側への被害があまり出ないようにするわ」
女性の言葉の意味に気が付いてしまった湊はただ頷いていた。
「ああ」
「それじゃ……」
そう言った女性は、自分の髪をひと房ナイフで切り落とし、その髪に何かの魔法を掛けたのだ。
一瞬で手の中の髪は、球体状の何かに変わっていたのだ。
女性はその球体を湊に差し出して言った。
「これは、使い切りの信号魔法が込められたオーブよ。私の準備が出来たらそのオーブに信号を送るわ。そうしたら……ここで落ち合いましょう」
そう言った女性の瞳は真剣で、必死で、嘘や罠の可能性は考えられなかった。
だからこそ湊もその覚悟に応えるべくしっかりと頷くのだ。
そして、右手を差し出して女性に名乗りを上げていた。
「俺は、そちら側から黒騎士と呼ばれている。笹垣湊だ」
「私は……、一度は失われたはずの召喚魔法を復活させた魔女の末裔。名をマリカと言います」
お互いにそう名乗り合った二人は固く握手を交わすのだった。
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