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廃洋館
#39
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『何だかんだ、ここで生まれ育ったからな…。こんなのでも愛着はあるさ。』
『二人で居る時間はとても長かったけど、不思議と寂しい気持ちは無かったわね…。さ!もうお帰りなさい。浄化出来たとはいえ、今は完全に手薄…。入り込もうとする不浄が、いつやって来るかわかりません…。あなた方が持っている、御守だけでは流石に限界は来るでしょう…。』
もう一人のナツミさんからそう言われた時、ポケットの中が妙に熱く感じることに気が付いた。確か、昼に買った御守入っていた筈。
「あっつ…。」
御守の紐の部分を掴み何とか取り出してみると、お守りの外側の布の部分が黒く焦げていた。
『私たちの力を浴びてもなお、まだそれほど原型を留めてられるなんて、一体どんな術者が作ったんだい?』
「買ったのは、麓にある小さな神社から買いました。作ったのは分かりませんが、『生駒さん』という方が管理しているみたいでした。」
私がその名前を言った瞬間、二人のナツミさんはハッとした様な顔をし、見合わせた。
『そっか、あの子…。どんな見た目でした?』
「えっと、白髪がと白い髭が特徴なお爺さんでしたよ…。」
『ふふ…。随分と老け顔になったらしいな…。ちょっと見てみたいなぁ…。』
二人は懐かしむ様に目を閉じていた。
「生駒さんの事、知っているんですか?」
『あぁ、あの子が小さい頃からな…。』
そう言うとナツミさんは、私の御守に触れ、例の青い炎を焚き付けた。
すると、御守は、焦げた部分がまるで逆再生されている様に、戻り始めた。
『御守も浄化さえしてしまえば、何度でも使える。そして…。』
炎はやがて消え、元通りになった御守だけが、風に靡いていた。
『私の炎も入れた。ここまで出来るなら、これも使える筈だ…。戻ったら、その“疫病神”に“済まなかった”と伝えてくれ…。』
そう言った時だった。背後の館が青く光った。
『もう来ましたか…。早く行きなさい!』
も言う一人のナツミさんがそう言うと、人差し指を何度か回すと、立っていた筈の照明機器や録音機材等が一瞬にして消えた。
そして、光の紐の様なものが、空中を漂い、来た道を辿って行った。
『車に押し込んでおきました!早く山を下りて下さい!私の光が見えている間は、その周囲は何も安全です!その御守、絶対に彼に渡して下さいね!』
そう言われ、気が付いたときには、私たち3人も、車に押し込まれていた。振り返ると、そこには、薄暗い館があるだけで、入った時と何も変わっていない様に見えた。
だが、空中を漂っている、光の紐だけは、確かに見えた。
「良し、行くぞ。」
寺井さんがそう言うと、車を走らせ、山を下りた。
『二人で居る時間はとても長かったけど、不思議と寂しい気持ちは無かったわね…。さ!もうお帰りなさい。浄化出来たとはいえ、今は完全に手薄…。入り込もうとする不浄が、いつやって来るかわかりません…。あなた方が持っている、御守だけでは流石に限界は来るでしょう…。』
もう一人のナツミさんからそう言われた時、ポケットの中が妙に熱く感じることに気が付いた。確か、昼に買った御守入っていた筈。
「あっつ…。」
御守の紐の部分を掴み何とか取り出してみると、お守りの外側の布の部分が黒く焦げていた。
『私たちの力を浴びてもなお、まだそれほど原型を留めてられるなんて、一体どんな術者が作ったんだい?』
「買ったのは、麓にある小さな神社から買いました。作ったのは分かりませんが、『生駒さん』という方が管理しているみたいでした。」
私がその名前を言った瞬間、二人のナツミさんはハッとした様な顔をし、見合わせた。
『そっか、あの子…。どんな見た目でした?』
「えっと、白髪がと白い髭が特徴なお爺さんでしたよ…。」
『ふふ…。随分と老け顔になったらしいな…。ちょっと見てみたいなぁ…。』
二人は懐かしむ様に目を閉じていた。
「生駒さんの事、知っているんですか?」
『あぁ、あの子が小さい頃からな…。』
そう言うとナツミさんは、私の御守に触れ、例の青い炎を焚き付けた。
すると、御守は、焦げた部分がまるで逆再生されている様に、戻り始めた。
『御守も浄化さえしてしまえば、何度でも使える。そして…。』
炎はやがて消え、元通りになった御守だけが、風に靡いていた。
『私の炎も入れた。ここまで出来るなら、これも使える筈だ…。戻ったら、その“疫病神”に“済まなかった”と伝えてくれ…。』
そう言った時だった。背後の館が青く光った。
『もう来ましたか…。早く行きなさい!』
も言う一人のナツミさんがそう言うと、人差し指を何度か回すと、立っていた筈の照明機器や録音機材等が一瞬にして消えた。
そして、光の紐の様なものが、空中を漂い、来た道を辿って行った。
『車に押し込んでおきました!早く山を下りて下さい!私の光が見えている間は、その周囲は何も安全です!その御守、絶対に彼に渡して下さいね!』
そう言われ、気が付いたときには、私たち3人も、車に押し込まれていた。振り返ると、そこには、薄暗い館があるだけで、入った時と何も変わっていない様に見えた。
だが、空中を漂っている、光の紐だけは、確かに見えた。
「良し、行くぞ。」
寺井さんがそう言うと、車を走らせ、山を下りた。
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