23 / 281
ファイルⅠ:連続ひったくり事件
#14
しおりを挟む
「どうやって分かった。」
太田が問う。
「わかるも何も、今回の事件自体、存在しない。」
天木さんが答える。
「つまり、今回の六件のひったくり事件は起きてない。被害者も犯人も全員グルだってこと。」
「根拠は…。」
「これよ。」
柏木さんが、何枚かの写真を取り出し、ひらひらさせた。
「この事件のないと思われていた、共通点その一。このコンビニが現場近くに必ず存在すること。」
「でも、このコンビニの防犯カメラを調べたけど、犯人に繋がる様な手がかりは、何もなかった。でも、面白い物が見つかって…。」
そう言って、柏木さんがまた、別の写真を取り出す。
「これ、指紋。」
「この指紋、どこから見つかったと思う?」
天木さんが楽しそうに、太田に問いかける。
「六件目近くにあった、コンビニの週刊雑誌の背表紙。君の指紋と一致したよ。」
「この雑誌の発売日は昨日。で、これを回収できたのが、昨日の夕方。つまり、事件当時にこれを呼んで居たことになる。」
天木さんが更に畳みかける。
「でも、可笑しくない?君の指紋が、昨日出てきてるのに、君の姿はなかった…。君、透明人間なのかい?」
「もしやと思い、防犯カメラを少し、調べさせてもらった。そしたら、ハッキングされた形跡があった。それも、事件近くのウィークリー六店舗全てで。」
土屋さんも便乗する様に説明する。
「でも、いくら腕があるとはいえ、一人じゃ犯行は無理。だから、ある可能性を探ったら、ビンゴだった。第四の被害者の女子高生、田中美紀。彼女は、一か月前まで、ウィークリーでバイトしていた。彼女なら、店内のPCにUSBを差し込むくらい、容易だよね。」
「痕跡は完全に消したはずなんだがな…。」
太田が嘆くように答えた。
「だから、何とかしたって言っただろ…。」
日下部さんが半ば呆れた様に言った。
「二つ目の共通点。」
天木さんが指を二本立てる。
「全員携帯が盗られていない。連絡を取らなきゃいけないからね…。」
そう言った時だった。工場内部の至る所から、十何人かの人影が、工藤刑事たちを取り囲む様に、湧いて出てきた。
「だいぶ賑やかだね…。」
天木さんが怯えた様に呟いた…。
「ご名答。そちらのお嬢さんは相当頭が良いみたいだが、一つ大きな間違いがある。いくら軍人君の彼でも、この数は無理じゃないかな?」
太田が少し体力が戻ったのか、立ち上がりながら言った。
「確かに、この人数は多いね…。でも、ウチのリュー君をあまり舐めないでもらいたい…。」
そう言いながら、宮間さんが日下部さんの隣に並んだ。
「それに、彼しか戦えないわけじゃないですからね。」
「ミヤマさん…。」
日下部さんが心配そうに宮間さんを見た。
「君は心配性ですね…。でも、君たちを守るのも、バトラーの仕事ですよ。」
しかし、それでも太田は余裕だった。
「彼らも、結構強いよ。軍人とまではいかないけど、中には元ボディーガードとかもいるから…。」
それだけではない、鉄パイプ等の鈍器の様な物を持っている人もちらほらいる。
「武器は卑怯じゃないかい?」
流石の土屋さんも問いただす。
「ここまで来たら、最後まで抵抗するでしょ。」
太田もやる気満々の様だ。
その時、遠くからバイクの音が響いた。工藤刑事は聞いたことがあった。どうやら、ここに近づいてくる…。
「もう一人、強力な助人が来ましたね。」
「俺一人でも十分…。」
日下部さんがまたしてもぼそっと言う。
「すぐそう言うこと言う…。まぁ、君一人に任せっぱなしじゃ、チームは成立しない。さんざん言われたじゃないですか。」
間宮さんが煙草に火をつけた。
「バトラーは人前で煙草は吸わない。」
「堅い事言うなって。」
何故か楽しそうな二人だった。
バイクは日下部さんの車の脇を抜け、工場内に突っ込んできた。バイクは工藤刑事たちの周りを一周し、取り囲んでいた人たちに距離を取らせ、日下部さんと宮間さんの前に止める。ライダーはバイクから降りたが、ヘルメットはしたままだった。
彼は、そのまま太田に近づいて行く。が、鉄パイプを持った男が、彼を目掛け、振り下ろす。
刹那、鈍い音とともに、鉄パイプ男が、倒れ込む。
「一服くらいさせろよ…。」
宮間さんも日下部さん同様、ぼそりと呟く。
透かさず、工藤刑事が「なんで今吸った…。」と脳内で突っ込みを入れた。
「リューさん、ミヤマさん、助けに来ましたよ。」
そう言い、彼がヘルメットを取った。
「タケ!」
天木さんが岡本さんの名前を叫ぶ。
太田が問う。
「わかるも何も、今回の事件自体、存在しない。」
天木さんが答える。
「つまり、今回の六件のひったくり事件は起きてない。被害者も犯人も全員グルだってこと。」
「根拠は…。」
「これよ。」
柏木さんが、何枚かの写真を取り出し、ひらひらさせた。
「この事件のないと思われていた、共通点その一。このコンビニが現場近くに必ず存在すること。」
「でも、このコンビニの防犯カメラを調べたけど、犯人に繋がる様な手がかりは、何もなかった。でも、面白い物が見つかって…。」
そう言って、柏木さんがまた、別の写真を取り出す。
「これ、指紋。」
「この指紋、どこから見つかったと思う?」
天木さんが楽しそうに、太田に問いかける。
「六件目近くにあった、コンビニの週刊雑誌の背表紙。君の指紋と一致したよ。」
「この雑誌の発売日は昨日。で、これを回収できたのが、昨日の夕方。つまり、事件当時にこれを呼んで居たことになる。」
天木さんが更に畳みかける。
「でも、可笑しくない?君の指紋が、昨日出てきてるのに、君の姿はなかった…。君、透明人間なのかい?」
「もしやと思い、防犯カメラを少し、調べさせてもらった。そしたら、ハッキングされた形跡があった。それも、事件近くのウィークリー六店舗全てで。」
土屋さんも便乗する様に説明する。
「でも、いくら腕があるとはいえ、一人じゃ犯行は無理。だから、ある可能性を探ったら、ビンゴだった。第四の被害者の女子高生、田中美紀。彼女は、一か月前まで、ウィークリーでバイトしていた。彼女なら、店内のPCにUSBを差し込むくらい、容易だよね。」
「痕跡は完全に消したはずなんだがな…。」
太田が嘆くように答えた。
「だから、何とかしたって言っただろ…。」
日下部さんが半ば呆れた様に言った。
「二つ目の共通点。」
天木さんが指を二本立てる。
「全員携帯が盗られていない。連絡を取らなきゃいけないからね…。」
そう言った時だった。工場内部の至る所から、十何人かの人影が、工藤刑事たちを取り囲む様に、湧いて出てきた。
「だいぶ賑やかだね…。」
天木さんが怯えた様に呟いた…。
「ご名答。そちらのお嬢さんは相当頭が良いみたいだが、一つ大きな間違いがある。いくら軍人君の彼でも、この数は無理じゃないかな?」
太田が少し体力が戻ったのか、立ち上がりながら言った。
「確かに、この人数は多いね…。でも、ウチのリュー君をあまり舐めないでもらいたい…。」
そう言いながら、宮間さんが日下部さんの隣に並んだ。
「それに、彼しか戦えないわけじゃないですからね。」
「ミヤマさん…。」
日下部さんが心配そうに宮間さんを見た。
「君は心配性ですね…。でも、君たちを守るのも、バトラーの仕事ですよ。」
しかし、それでも太田は余裕だった。
「彼らも、結構強いよ。軍人とまではいかないけど、中には元ボディーガードとかもいるから…。」
それだけではない、鉄パイプ等の鈍器の様な物を持っている人もちらほらいる。
「武器は卑怯じゃないかい?」
流石の土屋さんも問いただす。
「ここまで来たら、最後まで抵抗するでしょ。」
太田もやる気満々の様だ。
その時、遠くからバイクの音が響いた。工藤刑事は聞いたことがあった。どうやら、ここに近づいてくる…。
「もう一人、強力な助人が来ましたね。」
「俺一人でも十分…。」
日下部さんがまたしてもぼそっと言う。
「すぐそう言うこと言う…。まぁ、君一人に任せっぱなしじゃ、チームは成立しない。さんざん言われたじゃないですか。」
間宮さんが煙草に火をつけた。
「バトラーは人前で煙草は吸わない。」
「堅い事言うなって。」
何故か楽しそうな二人だった。
バイクは日下部さんの車の脇を抜け、工場内に突っ込んできた。バイクは工藤刑事たちの周りを一周し、取り囲んでいた人たちに距離を取らせ、日下部さんと宮間さんの前に止める。ライダーはバイクから降りたが、ヘルメットはしたままだった。
彼は、そのまま太田に近づいて行く。が、鉄パイプを持った男が、彼を目掛け、振り下ろす。
刹那、鈍い音とともに、鉄パイプ男が、倒れ込む。
「一服くらいさせろよ…。」
宮間さんも日下部さん同様、ぼそりと呟く。
透かさず、工藤刑事が「なんで今吸った…。」と脳内で突っ込みを入れた。
「リューさん、ミヤマさん、助けに来ましたよ。」
そう言い、彼がヘルメットを取った。
「タケ!」
天木さんが岡本さんの名前を叫ぶ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
神典日月神示 真実の物語
蔵屋
歴史・時代
私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。
この方たちのお名前は
大本開祖•出口なお(でぐちなお)、
神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。
この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。
昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。
その神示を纏めた書類です。
私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。
日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。
殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。
本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。
日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。
そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。
この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
『神知りて 人の幸せ 願うのみ
神のつたへし 愛善の道』
歌人 蔵屋日唱
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる