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1 大好きな(元)義理のお姉様の裏切り(エメリーン視点)
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アルフォンズお兄様の奥方だったマルガレータ・ノット公爵令嬢は、金髪碧眼の絶世の美女だった。アルフォンズお兄様と心から愛し合って結婚し、私もとても可愛がっていただいた。
けれど、アルフォンズお兄様は結婚期間わずか半年で病死。マルガレータ様は実家に戻られた。
「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」
マルガレータ様は、幾筋もの涙をその美しい頬に流す。
それからまもなくして、王家主催の舞踏会が開かれた。私はコンスタンティン・バディド王太子殿下からダンスを申し込まれる。
コンスタンティン王太子殿下はプラチナブロンドにシルバーグレーの瞳。顔立ちの整った方で背も高い。その方に腰を抱かれ、音楽に合わせてステップを踏む。まるで雲の上を歩いているように足が軽い。
コンスタンティン王太子殿下のシルバグレーの瞳に見つめられる度に、興奮して胸が高鳴り背筋がぞくぞくする。
そう、私は恋に落ちたのよ!!
「とても可愛いね」と、耳元で囁かれ腰がくだけそうになる。
王太子殿下とのダンスの後、マルガレータ様の姿を見つけ駆け寄った。
「王太子殿下に可愛いと言われました。すっごく恥ずかしいけれど嬉しいです」
さきほどまで私に、蕩けるような笑顔を見せていたマルガレータ様は顔色を変えた。
「そう、コンスタンティンは、誰にでもそう言うのよ。あまり本気にしてはいけないわ」
怒っているような表情で声音も低い。
(なぜ、いきなりご機嫌が悪くなられたのかしら?)
その数日後、リトラー侯爵家にコンスタンティン王太子殿下から正式に私を婚約者にしたい、とのお話しが舞い込んだ。
「王太子妃だなんてとんでもない!」
シェリンダンお兄様は、青ざめている。
「そうよね。エメリーンには、荷が重すぎるわ」
お母様はおろおろしだした。
おかしい! ここは普通、喜ぶ場面でしょう?
お父様はなんだかんだとお返事を先延ばしにし、断ろうとするので私は泣きだしてしまう。
「コンスタンティン王太子殿下の妻になれないなら死んでやるからぁーー! そうよ、餓死してやるわ。もうお夕飯はいらないわ!」
「今夜はエメリーンの好きな仔牛のカツレツよ」
お母様はすかさず私に夕飯のメニューを知らせる。
「そうだよ。トマトソースがけだ。アンチョビとバジルを使い、バルサミコ酢でさっぱり風味だぞ!」
シェリンダンお兄様の具体的な説明に思わず喉を鳴らす。
ゴクッ
「うっ、明日からにしますわ! 今日は食べます」
家族の皆がホッとした顔で私の頭を撫でる。
食欲に負ける恋って・・・・・・
それでも私は、お父様にこの申し出を受けてくださるようお願いして、めでたく私はコンスタンティン王太子殿下の婚約者となった。
そしてある日の夜会で、シェリンダンお兄様に庭園に誘われバラの香りを楽しんでいると、コンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様が抱き合っているのを目撃してしまう。
「マルガレータ様! なぜ・・・・・・コンスタンティン王太子殿下は私の憧れで婚約者になる方ですよ?」
「ふっふっ、もちろん知っているわよ。でも、考えてみて? あなたより私の方が数千倍、王太子妃に相応しいでしょう? それにコンスタンティン王太子殿下はこの私が好きなのです。ねぇ、そうでしょう?」
「あぁ、そうだよ。僕の女神様」
王太子殿下はマルガレータ様しか見ていない。それなら、なぜ私に婚約を申し込んだの?
けれど、アルフォンズお兄様は結婚期間わずか半年で病死。マルガレータ様は実家に戻られた。
「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」
マルガレータ様は、幾筋もの涙をその美しい頬に流す。
それからまもなくして、王家主催の舞踏会が開かれた。私はコンスタンティン・バディド王太子殿下からダンスを申し込まれる。
コンスタンティン王太子殿下はプラチナブロンドにシルバーグレーの瞳。顔立ちの整った方で背も高い。その方に腰を抱かれ、音楽に合わせてステップを踏む。まるで雲の上を歩いているように足が軽い。
コンスタンティン王太子殿下のシルバグレーの瞳に見つめられる度に、興奮して胸が高鳴り背筋がぞくぞくする。
そう、私は恋に落ちたのよ!!
「とても可愛いね」と、耳元で囁かれ腰がくだけそうになる。
王太子殿下とのダンスの後、マルガレータ様の姿を見つけ駆け寄った。
「王太子殿下に可愛いと言われました。すっごく恥ずかしいけれど嬉しいです」
さきほどまで私に、蕩けるような笑顔を見せていたマルガレータ様は顔色を変えた。
「そう、コンスタンティンは、誰にでもそう言うのよ。あまり本気にしてはいけないわ」
怒っているような表情で声音も低い。
(なぜ、いきなりご機嫌が悪くなられたのかしら?)
その数日後、リトラー侯爵家にコンスタンティン王太子殿下から正式に私を婚約者にしたい、とのお話しが舞い込んだ。
「王太子妃だなんてとんでもない!」
シェリンダンお兄様は、青ざめている。
「そうよね。エメリーンには、荷が重すぎるわ」
お母様はおろおろしだした。
おかしい! ここは普通、喜ぶ場面でしょう?
お父様はなんだかんだとお返事を先延ばしにし、断ろうとするので私は泣きだしてしまう。
「コンスタンティン王太子殿下の妻になれないなら死んでやるからぁーー! そうよ、餓死してやるわ。もうお夕飯はいらないわ!」
「今夜はエメリーンの好きな仔牛のカツレツよ」
お母様はすかさず私に夕飯のメニューを知らせる。
「そうだよ。トマトソースがけだ。アンチョビとバジルを使い、バルサミコ酢でさっぱり風味だぞ!」
シェリンダンお兄様の具体的な説明に思わず喉を鳴らす。
ゴクッ
「うっ、明日からにしますわ! 今日は食べます」
家族の皆がホッとした顔で私の頭を撫でる。
食欲に負ける恋って・・・・・・
それでも私は、お父様にこの申し出を受けてくださるようお願いして、めでたく私はコンスタンティン王太子殿下の婚約者となった。
そしてある日の夜会で、シェリンダンお兄様に庭園に誘われバラの香りを楽しんでいると、コンスタンティン王太子殿下とマルガレータ様が抱き合っているのを目撃してしまう。
「マルガレータ様! なぜ・・・・・・コンスタンティン王太子殿下は私の憧れで婚約者になる方ですよ?」
「ふっふっ、もちろん知っているわよ。でも、考えてみて? あなたより私の方が数千倍、王太子妃に相応しいでしょう? それにコンスタンティン王太子殿下はこの私が好きなのです。ねぇ、そうでしょう?」
「あぁ、そうだよ。僕の女神様」
王太子殿下はマルガレータ様しか見ていない。それなら、なぜ私に婚約を申し込んだの?
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