(完結)(続編)カトレーネ・トマス前々公爵夫人の事件簿 その1

青空一夏

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ドリアン子爵夫妻の場合

ドリアン子爵夫人(ドリアン子爵夫人視点)

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私は、自分で言うのもなんだけれど、とても美しい。だから、男性は全て、私の物だ。

私が、にこりと微笑めば、ほとんどの男性が、微笑みかえしてくる。

なのに、実家のアデリー男爵家の借金のために、ドリアン子爵家に嫁いだ私は、犠牲者だ。マイロ様は全然好きなタイプじゃなかった。

だから、夜の行為は苦痛だった。

早く終わってほしい・・・・・・こんな貧弱な身体つきの冴えない男性なんかと、なんでしなければいけないのだろう・・・・・・

あの行為は、本当はすごく楽しい行為のはずなのに、こうも好みじゃない男性とするのは、少しも楽しくない。

よく、男性用のエッチな雑誌に抵抗してても女性は、そのうち気持ちよくなって、はしたない声をだすようになる、なんて書いてあるのを見るけれど、あれは大嘘だわ。

あれは、男性が書いている都合の良い妄想だ。女性はもっと、感情が大事なのよ。

好きな人だったり、好みのタイプならいいけれど、そうでなければ、心のなかで念仏を唱えているわよ。

『お願い、終わって・・・・・・いいから、そこで体位なんて変えなくていいわよ』

私は、いつも、そう願いながら、やり過ごしているのだから。できれば身体に触れられたくないのよ・・・・・・



でも、あるとき、貴族用フィットネスクラブで素敵なトレーナーと出会った。

理想的な肉体美と顔に、夢みたいな気がした。

私は、空想で彼の恋人になった。綺麗な身体に顔、引き締まった腕や胸は芸術品だわ。

これが、夫なら、どんなにか、いいだろう・・・・・・

もちろん、声なんかかけないし、浮気を実際するなんて思っていない。

でも、週に3回行くと会えるトレーナーにプライベートレッスンを頼むと、おしゃれに気を遣うようになった。

お化粧法を変えたり、流行のドレスを買った。毎日が楽しくて、とても、有意義だった。

本当に、それだけのつもりだった。でも、手を握られて腰を触られて指導されるうちに、この男性は、どんどん私の特別になっていく。

そう、彼は私の恋人だわ。彼は、私をきっと、愛している。相思相愛に違いない、と思うようになった。
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