(完)婚約破棄しますーお姉様が大好きだから

青空一夏

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姉編

5 だって、癪だったのよ(姉視点)

私は、お母様がお父様と離婚した際に、お母様に引き取られた。
お母様は、伯爵令嬢だったけれど、もうそこではお母様の弟が家督を継いでいて、戻れなかった。

そうなると、こういう立場の女性は良家の子女の家庭教師になるしかなかった。
幸い、コルト公爵というこの国でも一番のお金持ちに雇われることになった。

私は、最大限に、この筆頭公爵家の愛娘のセレニティーに、おべっかを使いまくった。
生活が、かかっているのだから、私は必死だったわ。

この天然系のおバカさんは、甘やかされたお嬢様らしく、すぐに人を信じてしまう。
正しくは、おばかさんではない。お勉強は私よりできるし、マナーやダンスも完璧だ。おまけに、ものすごく可愛かった。けれど、人を疑うようには育てられていないから、少し優しくするとすぐに懐いてくれた。

ちょろすぎる・・・・・・でも、ありがたかった。
しかし、終いには、私のお母様に、お義母様になって欲しいなどと、不愉快なことを言い出した。

お母様は、私のお母様なのに・・・・・・なぜ、なんでも持っているあんたが盗るのよ?
あんなに、お金持ちで地位のある優しいお父様がいるくせに・・・・・・
おまけに、セレニティーの亡くなったお母様は、この国の王女様だったから王様にもかわいがられていた。

そのうえ、まだ、お母様が欲しいの?
なぜ、私のお母様まで欲しがるの? 酷い子だわ・・・・・・
自分が、いかに恵まれた立場かわからない人間は大嫌いよ!

でも、セレニティーのお父様のお陰で、マシュー伯爵家の嫡男と結婚ができたし、今まで贅沢もできたから良い義姉を演じてきた。それでも、心の中のもやもやはおさまらなかった。

あの子が知らないところで、私だけが笑ってやれることはないかしら? 
あの子を貶めることはできないけれど、密かに笑いものにして、私だけが優越感に浸れる方法・・・・・・

あぁ、そうして、私はとても良い方法を思いついたのだった。

セレニティーの婚約者と仲良くなること・・・・・・
これこそは、いい復讐だと思っていた。
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