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11 王太子の末路 ※残酷注意! R18
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※残酷注意!
「王太子様は医学の進歩に興味をもっているので、その線でいきましょう!」
明るい笑顔で地下牢に入ってきた若い男は道化の格好をしていた。
「お前。だれ?」
「ふっ。いいから、私と一緒に行きましょう。痛くしないと誓います。ここにいればスラエ侯爵と同じ末路でしょうなぁ。まずは耳をそがれ・・・・・・」
「聞きたくないわ! あっちに行け! 待てよ、逃がしてくれるのか?」
「まぁ、その痛い刑からは逃げられると申しましょうか。新しい物に生まれ変われるといいましょうか」
「なら、お前と一緒に行くぞ」
――目覚めるとどこにも痛さはない。けれど、ここはどこなんだ?
「さぁ、見世物が始まりますよぉ~~!!こいつは男の人魚です!」
「え? ここは水槽? なんで足がなくて鱗があるんだ? どういうことなんだ? これは」
急にスポットライトが照らされて私は好奇の目に晒された。
「へぇーー、顔は人間でお腹から下は魚なんだ」
「面白いなぁ~~。こいつの芸はなんだ?」
「あぁ、こいつはなんでも食べます!」
「なんでも食べられるなら蜘蛛やゴキブリも食える?」
「はい! もちろんですよ」
――ばか! なに言ってるんだよ! 食えるわけないだろ!
水槽に大量のゴキブリが投げ込まれて、
「食べろ ! 食べろ!」
見物人のコールが繰り返された。
「食べなければ、お前を食べてやる! 人魚って人間じゃないよな。塩を振って炭火でじっくり焼いたらうまそう」
「はいはい! このショーが終わったら皆でバーベキューですな!」
――え? 嘘だろ?
その時、観客側にいた道化がにたりと笑った。
――そういえば人体実験が好きで、豚と犬を合体させたりおかしな生物を作り出す異常者の話しを聞いたことがあったな。
私は食べられこそしなかったけれど、見世物になってずっとこの水槽に閉じ込められている。食べ物は昆虫、ゴキブリは海老のような味がしたし蜘蛛は少しほろ苦い木の実のようだ。
段々と慣れていくと、ある日突然ピローンと私の舌が伸びてハエを捕らえて飲み込んだ。
水槽に映る顔はカメレオン?
――あぁ、そうか。これが罰か・・・・・・どんどん人間でなくなる刑罰なんだ・・・・・・まともな刑で死にたかった・・・・・・
「おい! いつまで寝てるんだ! お前はこれから火あぶりの刑だ」
騎士達にゆり起こされて、私は思わず足を確認する。
――あるよ、足が・・・・・・夢だったのか・・・・・・でも、ホッとしたのもつかの間、私は木に手と足を打ち付けられた。
下からは、弱火の炎がチロチロと舌をだす。
ー熱い! 熱い! 痛いよ! 助けて! ぎゃぁあぁあぁぁーー!!
ごく弱火で炙られていくとゆうに六時間は死ねないで、苦痛だけを味わうんだ。声がかれるくらいずっと叫び続け、やっと内臓のあたりにまで炎がまわって死ねる。
自分の身体が焼ける匂いで息が詰まり、吐き気はするが吐けるほどの元気もなく・・・・・・死ぬ直前に私は野犬の群れに放り込まれた。
ーーぎゃぁあぁあぁぁーー!!
ーーよくも、こんな酷い刑を・・・・・・人間じゃないぞ・・・・・・お前ら皆・・・・・・
私の周りでピクニックのように見物している民衆達は、笑いながら私を見ていた。
「これが、因果応報だよね。だって、たくさんの女を生きながら解剖したサイコ野郎だもん」
ーー違う! 私は医学の進歩に・・・・・・
がぶっ・・・・・・喉元を食いつかれやっと絶命できた私だ・・・・・・
「王太子様は医学の進歩に興味をもっているので、その線でいきましょう!」
明るい笑顔で地下牢に入ってきた若い男は道化の格好をしていた。
「お前。だれ?」
「ふっ。いいから、私と一緒に行きましょう。痛くしないと誓います。ここにいればスラエ侯爵と同じ末路でしょうなぁ。まずは耳をそがれ・・・・・・」
「聞きたくないわ! あっちに行け! 待てよ、逃がしてくれるのか?」
「まぁ、その痛い刑からは逃げられると申しましょうか。新しい物に生まれ変われるといいましょうか」
「なら、お前と一緒に行くぞ」
――目覚めるとどこにも痛さはない。けれど、ここはどこなんだ?
「さぁ、見世物が始まりますよぉ~~!!こいつは男の人魚です!」
「え? ここは水槽? なんで足がなくて鱗があるんだ? どういうことなんだ? これは」
急にスポットライトが照らされて私は好奇の目に晒された。
「へぇーー、顔は人間でお腹から下は魚なんだ」
「面白いなぁ~~。こいつの芸はなんだ?」
「あぁ、こいつはなんでも食べます!」
「なんでも食べられるなら蜘蛛やゴキブリも食える?」
「はい! もちろんですよ」
――ばか! なに言ってるんだよ! 食えるわけないだろ!
水槽に大量のゴキブリが投げ込まれて、
「食べろ ! 食べろ!」
見物人のコールが繰り返された。
「食べなければ、お前を食べてやる! 人魚って人間じゃないよな。塩を振って炭火でじっくり焼いたらうまそう」
「はいはい! このショーが終わったら皆でバーベキューですな!」
――え? 嘘だろ?
その時、観客側にいた道化がにたりと笑った。
――そういえば人体実験が好きで、豚と犬を合体させたりおかしな生物を作り出す異常者の話しを聞いたことがあったな。
私は食べられこそしなかったけれど、見世物になってずっとこの水槽に閉じ込められている。食べ物は昆虫、ゴキブリは海老のような味がしたし蜘蛛は少しほろ苦い木の実のようだ。
段々と慣れていくと、ある日突然ピローンと私の舌が伸びてハエを捕らえて飲み込んだ。
水槽に映る顔はカメレオン?
――あぁ、そうか。これが罰か・・・・・・どんどん人間でなくなる刑罰なんだ・・・・・・まともな刑で死にたかった・・・・・・
「おい! いつまで寝てるんだ! お前はこれから火あぶりの刑だ」
騎士達にゆり起こされて、私は思わず足を確認する。
――あるよ、足が・・・・・・夢だったのか・・・・・・でも、ホッとしたのもつかの間、私は木に手と足を打ち付けられた。
下からは、弱火の炎がチロチロと舌をだす。
ー熱い! 熱い! 痛いよ! 助けて! ぎゃぁあぁあぁぁーー!!
ごく弱火で炙られていくとゆうに六時間は死ねないで、苦痛だけを味わうんだ。声がかれるくらいずっと叫び続け、やっと内臓のあたりにまで炎がまわって死ねる。
自分の身体が焼ける匂いで息が詰まり、吐き気はするが吐けるほどの元気もなく・・・・・・死ぬ直前に私は野犬の群れに放り込まれた。
ーーぎゃぁあぁあぁぁーー!!
ーーよくも、こんな酷い刑を・・・・・・人間じゃないぞ・・・・・・お前ら皆・・・・・・
私の周りでピクニックのように見物している民衆達は、笑いながら私を見ていた。
「これが、因果応報だよね。だって、たくさんの女を生きながら解剖したサイコ野郎だもん」
ーー違う! 私は医学の進歩に・・・・・・
がぶっ・・・・・・喉元を食いつかれやっと絶命できた私だ・・・・・・
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