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5 女公爵を追い詰めろ(ジュリア視点)/ あのドレスを着るなんて! (マリア視点)
ꕤ୭*女公爵を追い詰めろ!(ジュリア視点)
今日はハービィ女公爵の誕生日。あたしにその貴族達が集うパーティに参加しなさいという言葉はかけられなかった。
―ー酷い女! 仮にも自分の姉の子供にこんな酷い仕打ちをするなんて、冷たいにも程があるわ。きっと、貴族の他の方々は知らないのよ。あたしがこんなにも差別されていることを!
続々と集まる招待客、マリアは着飾り頭には花まで挿していた。あの白バラってすごく素敵。あたしだって、薔薇を挿したい。庭園に咲き誇っている薔薇を物色して勝手に何本も手折った。
――この黄色い薔薇っていいわね! それからドレスはマリアのクローゼットからクリーム色のドレスを借りよう。あれはリボンも宝石もついていなかったから貧乏臭く見えるし、きっと皆の同情を誘うわ。
あたしは皆が忙しくパーティの準備をしている合間にうまいことマリアの部屋に忍び込んだ。
――マリアの物はあたしの物よね? だってこの公爵家の物って、もともと母さんが全て継ぐはずだったったんだもん。
ピンクの髪に黄色い薔薇を挿してクリーム色のドレスを着たあたしは、なかなか良い感じだった。このドレスって安っぽいかんじでテカテカしていて肌触りはいいけれどあまり好みじゃない。でも、一番地味なものがこれだから我慢した。
パーティが一番盛り上がっているその瞬間を狙ってあたしは会場に姿を現した。皆があたしに注目しているなんてすっごく良い気分だわ。
ꕤ୭*あのドレスを着るなんて! 主人公(マリア)視点
皆が驚いたように一点を見つめているので私とお母様はその視線の先を目で追った。そこにはあり得ないことに私の一番高価なドレスをまとったジュリアの姿があった。
あのドレスは最近我がハービィ公爵家で開発した特殊な生地で縫われており、照明の当たる角度によって七色にきらめく宝石のいらない高価なものだった。
それを堂々とまとい、髪には黄色い薔薇を挿しピンク頭がやってくるのを私とお母様は驚きの表情で見ていた。あのドレスは私がこれから着替えてこの招待客の皆様にお見せしようとしていたものだった。だからこぞクローゼットの全面の目立つところにかけていたのに。あぁ、なぜ部屋に鍵をかけておかなかったのだろう。私は自分の迂闊さに唇を噛みしめた。
「お集まりの皆様!あたしこそがこのハービィ公爵家の跡取り娘のダーシーの娘、ジュリアです! ここにいるハービィ女公爵の陰謀で追放された母様は事故で亡くなり、正統な跡継ぎのあたしは貴族学園にも行かせてもらっていません! それにこの質素なドレスを見てください!」
ざわざわと着飾った貴婦人達が呆れたようにジュリアを見たけれど、得意気に微笑むだけでこの微妙な空気に気づいていない。
「誰が正統な跡継ぎですって?」
今はベイリャル公爵夫人になられた王女殿下がすごく怖い顔でジュリアを睨んでいる。
「だから、あたしの母様です! そして、その娘のあたしこそが跡継ぎですよ? そんな綺麗な顔をして豪華なドレスを着ているのに耳が聞こえないんですか?」
一段とざわざわと騒ぎ始めた貴族達のなかで風格のある老貴婦人が叫んだ。あれはハッチンソン公爵夫人だわ。
「あのダーシーの娘ね? こんなことは言いたくないけれどハービィ公爵家は王家と肩を並べるほどの家格、隣国と我が国の王族を代々婿養子にしてきたお家柄。その最高のお家柄の面汚しの娘を屋敷に引き取るなどハービィ女公爵の非常識にも呆れますわね。こんな娘は修道院か孤児院あたりに放り込むべきなのでは!?」
「そう、そう。非常識でしょう? ん? え? あたしが修道院に行くべきだったって言うの? なによ、感じ悪いおばさんね!」
「んまぁー。わたしは現王妃殿下の伯母ですよ! 無礼な!」
「あれ、このおばさんって王族なんだ。でも、さっきの話で言えばあたしだって隣国とこの国の王族の血がはいっているんでしょう? だったらあたしも王族でしょう? おばさんと変わらないじゃない?」
今日はハービィ女公爵の誕生日。あたしにその貴族達が集うパーティに参加しなさいという言葉はかけられなかった。
―ー酷い女! 仮にも自分の姉の子供にこんな酷い仕打ちをするなんて、冷たいにも程があるわ。きっと、貴族の他の方々は知らないのよ。あたしがこんなにも差別されていることを!
続々と集まる招待客、マリアは着飾り頭には花まで挿していた。あの白バラってすごく素敵。あたしだって、薔薇を挿したい。庭園に咲き誇っている薔薇を物色して勝手に何本も手折った。
――この黄色い薔薇っていいわね! それからドレスはマリアのクローゼットからクリーム色のドレスを借りよう。あれはリボンも宝石もついていなかったから貧乏臭く見えるし、きっと皆の同情を誘うわ。
あたしは皆が忙しくパーティの準備をしている合間にうまいことマリアの部屋に忍び込んだ。
――マリアの物はあたしの物よね? だってこの公爵家の物って、もともと母さんが全て継ぐはずだったったんだもん。
ピンクの髪に黄色い薔薇を挿してクリーム色のドレスを着たあたしは、なかなか良い感じだった。このドレスって安っぽいかんじでテカテカしていて肌触りはいいけれどあまり好みじゃない。でも、一番地味なものがこれだから我慢した。
パーティが一番盛り上がっているその瞬間を狙ってあたしは会場に姿を現した。皆があたしに注目しているなんてすっごく良い気分だわ。
ꕤ୭*あのドレスを着るなんて! 主人公(マリア)視点
皆が驚いたように一点を見つめているので私とお母様はその視線の先を目で追った。そこにはあり得ないことに私の一番高価なドレスをまとったジュリアの姿があった。
あのドレスは最近我がハービィ公爵家で開発した特殊な生地で縫われており、照明の当たる角度によって七色にきらめく宝石のいらない高価なものだった。
それを堂々とまとい、髪には黄色い薔薇を挿しピンク頭がやってくるのを私とお母様は驚きの表情で見ていた。あのドレスは私がこれから着替えてこの招待客の皆様にお見せしようとしていたものだった。だからこぞクローゼットの全面の目立つところにかけていたのに。あぁ、なぜ部屋に鍵をかけておかなかったのだろう。私は自分の迂闊さに唇を噛みしめた。
「お集まりの皆様!あたしこそがこのハービィ公爵家の跡取り娘のダーシーの娘、ジュリアです! ここにいるハービィ女公爵の陰謀で追放された母様は事故で亡くなり、正統な跡継ぎのあたしは貴族学園にも行かせてもらっていません! それにこの質素なドレスを見てください!」
ざわざわと着飾った貴婦人達が呆れたようにジュリアを見たけれど、得意気に微笑むだけでこの微妙な空気に気づいていない。
「誰が正統な跡継ぎですって?」
今はベイリャル公爵夫人になられた王女殿下がすごく怖い顔でジュリアを睨んでいる。
「だから、あたしの母様です! そして、その娘のあたしこそが跡継ぎですよ? そんな綺麗な顔をして豪華なドレスを着ているのに耳が聞こえないんですか?」
一段とざわざわと騒ぎ始めた貴族達のなかで風格のある老貴婦人が叫んだ。あれはハッチンソン公爵夫人だわ。
「あのダーシーの娘ね? こんなことは言いたくないけれどハービィ公爵家は王家と肩を並べるほどの家格、隣国と我が国の王族を代々婿養子にしてきたお家柄。その最高のお家柄の面汚しの娘を屋敷に引き取るなどハービィ女公爵の非常識にも呆れますわね。こんな娘は修道院か孤児院あたりに放り込むべきなのでは!?」
「そう、そう。非常識でしょう? ん? え? あたしが修道院に行くべきだったって言うの? なによ、感じ悪いおばさんね!」
「んまぁー。わたしは現王妃殿下の伯母ですよ! 無礼な!」
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