あなたを解放してあげるね【本編完結・続編連載中】

青空一夏

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78 結婚式 本編完結

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 今日は私たちの特別な日だ。ナー君と私、デリアの結婚式よ。王宮の庭園で行われる式は、まるで夢のような景色だった。庭園は色とりどりの花々と、きらめく飾りつけで彩られている。私たちの愛を祝福するかのように、太陽が輝いていた。

 私たちの結婚式がなぜ王宮で行われることになったのか、その理由はいくつかある。まず、ナー君は国の英雄。彼は神獣を呼び出し、魔獣を討伐して国を救った。彼の勇敢な行動は国中に知れ渡っている。そんな彼との結婚はただの個人的なイベントではなく、国家的なお祝い事となったのよ。

 ふたつめの理由は私の血筋よ。私のお母様はイシャーウッド王国の王弟の娘だし、私のお父様のお祖母様はペトルーシュキン王国の王女だった。ペトルーシュキン王国は、私たちのイシャーウッド王国よりも遥かに大きい国なの。

 この血筋のおかげで、私たちの結婚はイシャーウッド王国だけでなく、国際的な注目を集めている。私たちの結婚はただの結婚式を超えて、二つの国家間の絆を強化する大事なイベントとなっていた。王宮での式はこの政治的な重要性を象徴していると同時に、両国間の友好関係を深める契機となっているの。

 そういった理由から私たちの結婚式は単に私たち二人のためだけではなく、国を祝福し国民と一緒に喜びを分かち合うための行事となったわ。 

 王宮の庭園に設えられた祭壇は、まるで夢の中のような美しさだった。広大な庭園の中心に建てられた祭壇は大理石で造られ、その表面には金と銀で繊細な模様が施されている。祭壇の背後には優雅に曲線を描く白いバラと蔦のアーチがあり、その間から柔らかな光が降り注いでいた。

 祭壇の前には細やかに織られた絨毯が敷かれ、色とりどりの花々の模様が夢幻的な雰囲気を作り出している。祭壇の両脇には、上品な白と金の色合いの装飾が施された椅子が並べられ、そこにはイシャーウッド王国の国王夫妻やペトルーシュキン王国の国王陛下、東洋の皇太子殿下のような特別な方たちが座っていた。


 私のドレスは真珠とダイヤモンドで飾られており、太陽の光を浴びると、まるで水面に反射する光のようにきらめいていた。これはキャサリンのデザインだ。ベールは長く広がるエレガントなもので、ビーズや宝石を散りばめた繊細なレース編みになっていた。セシルとゴロヨ補佐の心がこもった最高のウェディングベールよ。ナー君と手を取り合い、そこに向かう。周りからは感動のため息が漏れた。ナー君の目が、私に優しく微笑んでいる。

 式が始まり歌姫の美しい声が響き渡る。祭壇に立つ私たち。ナー君の温かな手を握りしめ、彼の瞳を見つめる。彼の目は深い海のように静かで、そこには私への無限の愛が映し出されていた。私たちの間に流れる空気は神聖で、まるで時間が止まったかのように思えたわ。

 ナー君が誓いの言葉を囁き始める。彼の声はやわらかく、それでいて強さを秘めていた。彼の言葉一つ一つに、私たちの過ごしてきた日々や、彼が乗り越えてきた困難の数々が思い出された。彼は私に永遠の愛と支えを誓う。その言葉が私の心に染み渡り、私の中にも同じ誓いが湧き上がる。

 私の番になると、私の声は震えた。けれど、ナー君の温かい手の感触が私に勇気をくれた。私は彼に私の全てを捧げること、いつまでも彼を愛し続けることを誓った。私たちの誓いはただの言葉を超えた。それはお互いの魂が結ばれた証なのよ。

 ナー君とのキスは私たちの愛が永遠に続くことの誓い。私たちの唇が触れ合うその瞬間、周りのすべてが消え去り、存在するのはただ私たち二人だけになった。そのキスは私たちの新しい人生の始まりを告げ、私たちの愛がこれからも永遠に続くことを確信させてくれた。

 この日、王宮の庭園はまるで魔法にかかったようだった。私たちの結婚式はただの式ではなく、愛と希望の祝祭よ。この記憶は私の心に永遠に残る。ナー君と共に歩む新しい人生の始まりに、私は心から感謝している。

 この愛は永遠よ!



※おまけ


 特に心を打たれたのは、ナー君の魔法騎士団の部下たちの姿よ。ゴロヨ補佐、ペーン、そして他の仲間たちが、私たちの結婚を祝福するために集まってくれていたの。

 ゴロヨ補佐は感動しやすい彼らしい表情で、時折うるっときた目をこすりながら、私たちの方を見ていた。彼の隣にはペーンが立ち、彼もまた涙と鼻水を流して、感動のあまりにうれし泣きしている。彼らの姿は私たちの結婚式をさらに特別なものにしてくれた。

 ナー君と共に過ごした数々の戦いと困難を乗り越えてきた彼らは、この日のために一丸となっているようだった。彼らの目には誇りと喜びが満ちており、その真摯な祝福が私たちの心を暖かくした。

 祭壇でナー君と手を取り合い誓いを交わすとき、ゴロヨ補佐とペーンは特に感極まっていたように見えた。彼らの涙は、私たちの結婚式の感動的な瞬間をさらに強調し、この日の記憶を永遠に心に刻み込んでくれた。


※おまけ(俯瞰視点)

 グリオンドールは式の間じゅう、空を舞いナサニエルとデリアを祝福した。時折、庭園に降りたち猫になったり、子供の姿になったりするので、近隣諸国の王族たちは混乱していた。

 ただ、ひとつだけ彼らが確実に理解したことがある。グリオンドールという神獣とナサニエル侯爵の絆が深いこと。このイシャーウッド王国を敵に回すことは、すなわち自国の滅亡を招くだろうということだった。

 




 本編完結


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 ※以降はリクエストにより、ざまぁや、あの人どうなったの? 的なことを書きます。リクエストは2/2までに感想欄に書いてくださいね! 
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