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サイラスとアイラは恋仲?

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「ポージ・スライスは第一王子セオドル・カレーの婚約者とする!」

私は両親に泣いて懇願した。

「王太子妃なんてなりたくない!!サイラス様がいいの!!」

でも、そんな我が儘は通らなかった。

「王命に背いたら罪人になるのよ?かわいそうだけれど、あきらめるしかないわ」
お母様は、私がどんなにサイラスを好きかわかっているので、一緒に泣いてくれた。




サイラスとの別れはあっけなかった。

会いに来てもくれず、使者が婚約破棄の書証を持ってきただけだ。

書証には婚約指輪はそのまま処分してほしいとの言葉が書き添えられていた。

それだけ?他にいうことはないの?

そんなに早く気持ちを切り替えられるの?

きっと、私はそんなに愛されていなかったのかもしれない。







ナタリー・クレルモン伯爵令嬢とマイケル・コナン伯爵子息は婚約者同士で同じ魔法科だ。
気のいい二人とは、すぐに仲良くなって、いつもお昼は学食で一緒に食べている。

「あそこを見てよ?サイラス様ってあなたの元婚約者でしょ?アイラ様とずいぶん仲がいいのね?」
ナタリーはプチトマトをフォークで刺しながら言う。

サイラスとアイラは最近、いつも一緒にいる。

「ずいぶんと、切り替えが早い奴だな。あいつ、騎士科だけど、普通科のアイラ様のことをセオドア王子と一緒に毎日送り迎えしているらしいぜ?」
マイケル・コナンはナタリーの前に座った。

そんな情報は聞きたくない‥‥
でも、つい、普通科の子たちが座っているサイラスのほうに目がいく。
大好きなサイラスの手が、親友のアイラの髪をそっと撫でて微笑んでいる。

私の心が壊れていくのがわかる。
そして、私は気絶した。






誰かが私の髪を撫でている。

その優しい撫で方はサイラス?私はついその手をつかんで目を開ける。

でも、目の前にいるのは、サイラスとは違う漆黒の髪にルビーの瞳のディラン・ドルー公爵子息だった。
綺麗な顔が心配そうに私の顔を覗きこんだ。

「大丈夫?うなされていたけど‥‥」

「医務室に連れてきてくださったのですね?ありがとうございます」

「同じ魔法科の仲間だろ?家まで送って行くよ」
私が返事をする間もなく、ディラン様は私をお姫様抱っこした!!
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