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2 今日は、ご飯を作りますのはずが、営業の神と・・・・・・
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私は、昨日の固く心に誓った項目をノートにしっかり書き出した。
そのなかのひとつを、今日はしようと思っている。それは、ご飯作りね。男の胃袋を掴むという言葉はよく聞くでしょう? しかし、なにを作ったら良いのだ? とりあえず、ご飯だけは朝タイマーをセットして夕食時には炊けているように準備ね。
さて、出勤しますか。私は自慢の長い髪をカールさせて、ハーフアップにする。そして、戦闘服に着替える。ブラウスは必ず白だ。仕立ての良い光沢のあるブラウスは飾り気のないシンプルなものに限る。それと、紺の上下のパンツスーツに黒いパンプス。
不動産屋って、どうしても胡散臭さが漂うから、少しでもクリーンなイメージが大事だ。と、私は思っているが実際は、どんな服装をしようが売れる奴は売れる。営業のなかには”神様”と言われる人が必ず何人かいて、いとも簡単に売りまくるわけよ。私は、努力型だと思う。お客様の家族構成とその家庭での力関係を見極め、誰に取り入ればいいのかを憶測したらその人に向かって適度なアプローチを絶えず試みる。まぁ、大抵は奥様強し。家庭円満はかかぁ天下な気もするけれど・・・・・・隠れて浮気でもされていたらたまらないなと思う。
裕太は、優しい。だから、甘えて適当な扱いをしていたのかもしれない。反省、反省と思いながら運転し職場につくと、朝礼が始まる。
「目標! 今月3本必ず売ります!」
「目標! 今月1本必ず売ります!」
同僚達が、今月の売り上げ目標を宣言していくなか、私の携帯の画面が光る。何気に覗くと裕太からのラインだった。
「急に今夜は帰れなくなったよ」
うわっ、これって、絶対あの女と会うのよね?絶対そうなんだ。そうに決まっている。急に落ち込んで、今日はもう営業に行きたくなくなる。
「おい、日向。お前の番だぞ」
「ふぇ・・・・・・えっと5本! いきます」
同僚が呆れて私を見る。5本売ったら、神だわ。私が勤務している不動産屋は物件を1本、2本と数える。
「えっと、間違えました・・・・・・」
言い直そうとすると、神の一人の上条瑛太が盛大な拍手を私におくってきた。
「すごいなぁーー。日向さんのその向上心。皆さんも見習いましょう」
超嫌みな感じの響きに聞こえるが、それは私のひがみだろうな。こいつは、毎月7本あげる怪物だから。
まぁ、いいわ。そんなことより、この今の私の心を支配しているのは、昨日のラインの”なおみ”なんだ。誰だよ?それ、看護士か? 薬剤師 ? 病院の事務か? はたまた・・・・・・飲み屋のねーーちゃんか・・・・・・
あぁー、今日は帰って来ないなんて。いろいろ想像して眠れないよ、私。浮気されるまで、裕太とはずっと一緒にいられると思っていた。結婚も当然できると思っていたのは幻想だったのか。
男と女の仲なんて、永遠に続く保証など、どこにもないんだな・・・・・・と改めて思い、またまた大きなため息をつく。今日は、やけ酒だな。うん、今日は熱燗でぐっと・・・・・・
「ね、今日は寒いから熱燗でぐっと、一杯行きませんか? 日向さん」
「そう、そう。熱燗は最高よ」
私は、反射的にそう答えていた。
「うん、決まり! 仕事キリつけたら直帰して二人で飲みに行きましょう。後で電話しますよ」
上条瑛太が、にっこりと微笑んでいた。いや、なんでこいつと私は飲みに行くことになってんだ?
断る言葉は宙に浮き、上条英太は颯爽と事務所から出て行った。
「顧客訪問と飛び込み、いってきまぁす。帰りは直帰で」
上条瑛太のよく通る無駄に爽やかな声が事務所に響き渡り、事務の女の子が二人頬を染めた。
モテモテの営業トップが、私をなんで誘うのかな? 私は、自分で言うのもなんだが美人だ。スタイルもいい!しかし、年齢は34だ。あの上条は確か24だったかな・・・・・・・10歳も上だよ、私。
あぁ、わかったわ!これは、あれよ・・・・・・恋の相談だろう?経験豊富な私にアドバイスを求めているのね?ふふん、このお姉様に任せておきなさい。あ、しかし、ただいま彼氏に絶賛浮気され中だけどな・・・・・・
自分で自分に突っ込みをいれて、私も戦闘開始だ。
「訪問、行ってきまぁす。その後はポスティングで直帰します」
一声かけると事務の女の子達が一斉に、にこやかに「「「いってらっしゃいませ」」」と答えてくれて、私の名前のボードに予定を記載をする。
事務の女子とは仲良くしておくのに限る。女同士だから、いくら仲良くしても、変な噂もたたないしね。
そのなかのひとつを、今日はしようと思っている。それは、ご飯作りね。男の胃袋を掴むという言葉はよく聞くでしょう? しかし、なにを作ったら良いのだ? とりあえず、ご飯だけは朝タイマーをセットして夕食時には炊けているように準備ね。
さて、出勤しますか。私は自慢の長い髪をカールさせて、ハーフアップにする。そして、戦闘服に着替える。ブラウスは必ず白だ。仕立ての良い光沢のあるブラウスは飾り気のないシンプルなものに限る。それと、紺の上下のパンツスーツに黒いパンプス。
不動産屋って、どうしても胡散臭さが漂うから、少しでもクリーンなイメージが大事だ。と、私は思っているが実際は、どんな服装をしようが売れる奴は売れる。営業のなかには”神様”と言われる人が必ず何人かいて、いとも簡単に売りまくるわけよ。私は、努力型だと思う。お客様の家族構成とその家庭での力関係を見極め、誰に取り入ればいいのかを憶測したらその人に向かって適度なアプローチを絶えず試みる。まぁ、大抵は奥様強し。家庭円満はかかぁ天下な気もするけれど・・・・・・隠れて浮気でもされていたらたまらないなと思う。
裕太は、優しい。だから、甘えて適当な扱いをしていたのかもしれない。反省、反省と思いながら運転し職場につくと、朝礼が始まる。
「目標! 今月3本必ず売ります!」
「目標! 今月1本必ず売ります!」
同僚達が、今月の売り上げ目標を宣言していくなか、私の携帯の画面が光る。何気に覗くと裕太からのラインだった。
「急に今夜は帰れなくなったよ」
うわっ、これって、絶対あの女と会うのよね?絶対そうなんだ。そうに決まっている。急に落ち込んで、今日はもう営業に行きたくなくなる。
「おい、日向。お前の番だぞ」
「ふぇ・・・・・・えっと5本! いきます」
同僚が呆れて私を見る。5本売ったら、神だわ。私が勤務している不動産屋は物件を1本、2本と数える。
「えっと、間違えました・・・・・・」
言い直そうとすると、神の一人の上条瑛太が盛大な拍手を私におくってきた。
「すごいなぁーー。日向さんのその向上心。皆さんも見習いましょう」
超嫌みな感じの響きに聞こえるが、それは私のひがみだろうな。こいつは、毎月7本あげる怪物だから。
まぁ、いいわ。そんなことより、この今の私の心を支配しているのは、昨日のラインの”なおみ”なんだ。誰だよ?それ、看護士か? 薬剤師 ? 病院の事務か? はたまた・・・・・・飲み屋のねーーちゃんか・・・・・・
あぁー、今日は帰って来ないなんて。いろいろ想像して眠れないよ、私。浮気されるまで、裕太とはずっと一緒にいられると思っていた。結婚も当然できると思っていたのは幻想だったのか。
男と女の仲なんて、永遠に続く保証など、どこにもないんだな・・・・・・と改めて思い、またまた大きなため息をつく。今日は、やけ酒だな。うん、今日は熱燗でぐっと・・・・・・
「ね、今日は寒いから熱燗でぐっと、一杯行きませんか? 日向さん」
「そう、そう。熱燗は最高よ」
私は、反射的にそう答えていた。
「うん、決まり! 仕事キリつけたら直帰して二人で飲みに行きましょう。後で電話しますよ」
上条瑛太が、にっこりと微笑んでいた。いや、なんでこいつと私は飲みに行くことになってんだ?
断る言葉は宙に浮き、上条英太は颯爽と事務所から出て行った。
「顧客訪問と飛び込み、いってきまぁす。帰りは直帰で」
上条瑛太のよく通る無駄に爽やかな声が事務所に響き渡り、事務の女の子が二人頬を染めた。
モテモテの営業トップが、私をなんで誘うのかな? 私は、自分で言うのもなんだが美人だ。スタイルもいい!しかし、年齢は34だ。あの上条は確か24だったかな・・・・・・・10歳も上だよ、私。
あぁ、わかったわ!これは、あれよ・・・・・・恋の相談だろう?経験豊富な私にアドバイスを求めているのね?ふふん、このお姉様に任せておきなさい。あ、しかし、ただいま彼氏に絶賛浮気され中だけどな・・・・・・
自分で自分に突っ込みをいれて、私も戦闘開始だ。
「訪問、行ってきまぁす。その後はポスティングで直帰します」
一声かけると事務の女の子達が一斉に、にこやかに「「「いってらっしゃいませ」」」と答えてくれて、私の名前のボードに予定を記載をする。
事務の女子とは仲良くしておくのに限る。女同士だから、いくら仲良くしても、変な噂もたたないしね。
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