【完結】旦那様、契約妻の私は放っておいてくださいませ

青空一夏

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7 ザヘリー公爵邸に行きました

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 翌日は、昨日習ったお化粧法を実践。髪も丁寧にとかしつけて、ハーフアップにしました。レモン色のドレスは私の痩せた身体を、とてもおしゃれに見せてくれます。膨張色なのかしら。

 カイド様は朝も早くからいらっしゃって、私のドレス姿に意見をおっしゃってくださいました。

「アイビーはもっと食べることだな。痩せすぎだ。それとミルクを飲みなさい。胸が豊かになるからね。細いウエストは長所だから、より強調したドレスを着たほうが良いな。スリムな女性しか似合わないドレスを自信を持って着ることが大事だ」

 なるほど。美に対して真摯に向き合うところは凄いです。女性のドレスの種類もよくおわかりのようで。

「ところで、先日の恋人『その1様』とはお楽しみになられました? 恋人の数はあと2人増やしたほうがよろしいかと思いますわ。だって、1週間は7日もありますのよ?」

 私の言葉にカイド様は唖然としていっらしゃいます。

「私だって毎日女とデートしているわけではない。週に2日は、妻となる貴女と過ごすつもりだ」

「えぇ? そんなお心遣いは不要ですわっ! 週に2日も? 要らないです!」

 私はきっぱりとお断りしました。放っておいてくださって構わないのです。余計なことをされたら、それこそいい迷惑です。

 そんなやり取りをしながら馬車に乗り込み向かった先は、カイド様の伯母様のザヘリー公爵家でした。 

 さて、ザヘリー公爵夫妻はどんな方なのでしょうか? どきどきしますね。 

   


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚




 外からは、中が全く見えない高い塀にぐるりと囲まれたザヘリー公爵家のお屋敷。門番にカイド様が微笑みかけると愛想よく開けてくださいました。

「その方が結婚なさる方なのですか? 今までとはまたずいぶん・・・・・・」

 もごもごと言いかけてそのまま黙った門番さん。私の冷たい視線に気づいたのでしょうか? なにをおっしゃりたいのか、だいたいわかりました・・・・・・

 門扉の向こう、ザヘリー公爵家の敷地の先にはまだお屋敷は見えてきません。しばらく馬車で走ること15分、やっと白亜の豪邸が見えてきました。広大な敷地内には湖や牧場もあります。やはり、高位貴族ってすごいです!

 豪邸の前で馬車から降りると、早速侍女さん達のお出迎えがありました。ほんとに申し訳ないです。私、貧乏男爵令嬢の契約妻候補なんですがね。







 応接間に案内され、まずはケリー・ザヘリー女公爵にご挨拶をします。

 え? いきなり歓迎のハグですか?

「まぁーー!とても良いわ! 堅実そうなお嬢さん! 今までのボンキュッボンじゃなくて本当に良かった」

 えっと・・・・・・ボンキュッボン・・・・・・確かに、ボンがひとつもない私って残念な女です。少し、暗い顔になっていたのでしょうか。慌ててザヘリー女公爵が私を慰めました。

「もちろん褒め言葉ですよ。ほっそりとした可憐なお嬢さんだわ。私は貴女のような女性が甥の妻になるのは大賛成ですとも!」

「あのーー。容姿だけで判断なさるのですか? ボンキュッボンの方にだって素晴らしい女性はいるはずですし、私のような地味な容姿でも浪費癖のある方もいます」

 私は遠慮がちに申し上げたのです。容姿だけで判断するのは良くないです。私がイケメン様を苦手なことと矛盾はしますけれどね。

「まぁ、その発言だけでも生真面目なしっかりした女性だとわかりますよ。さぁ、ソファに座っていろいろお話をしましょう」

 がっちりと肩を掴まれてにこやかに微笑まれ、なにか罠にはまって抜け出せない野ウサギな気分になった私なのでした。 

 
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