(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏

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私には、可愛い弟がいる。この弟はとても、美しく性格も優しいから、変な女の子に騙されないようにしないといけないと思っていた。

夏の長い休暇期間に入ると、私達一家は湖の畔の別荘地に行くのが慣習化していた。そこは、涼しくて緑も豊かな場所で、他の貴族達の別荘もあった。


お隣の子爵家の別荘に来ている女の子は、とても綺麗な子らしかった。最近はその女の子に夢中な弟に、私は面白くなかった。子爵家の子と仲良しなら、きっと、その女の子も子爵家以下の下位の貴族の家柄に決まっているわ。

我が家は、伯爵家なのよ? それ以上の家柄の女の子と、付き合うべきじゃなくて?

私は、弟がその女の子と会う約束をするたびに邪魔をした。

「今日は、少し気分が悪くて、カイルがいてくれると嬉しいんだけど・・・」

私は、顔色を悪くする為にわざと白っぽい白粉をたっぷりつけて、貧血を装った。気持ちの優しい弟は、それが仮病だなんて少しも気がつかないのだ。

一緒にピクニックに行くと言われれば、風邪を引いたふりをして引き留めたし、アイスクリームを食べに行くと聞かされた時には、歯が痛いふりをした。

そのうち、弟はその女の子から誘われなくなって、失恋したらしい。少し元気がなかったけれど、どうってことないじゃない? 恋なんてすぐできるわよ? この世に女の子は、その子だけじゃないんだから・・・

一回だけ、その女の子がうちの別荘に来たときに、私はその子に罵倒したのよ。夕方の少し薄暗くなりかけた別荘の庭園に、空色のドレスが見え隠れしていた。きっと、弟の顔を少しだけでも、見たくて庭園でコソコソと様子をうかがっていたのに違いないわ。

「変な虫が庭園をうろついているけれど、弟は迷惑しているのよ? 貴女は、どうせどこかの男爵家かなにかの令嬢でしょう? 伯爵家の嫡男に手を出したい気持ちもわかるけれど、身のほど知らずなのよ?」

その女の子の、髪の色が目に入った。この国では珍しい空色の綺麗な髪だった。顔はよく見えなかったが、その優美なシルエットで、相当の美人なことは想像がついた。容姿に自信がある子って大嫌いよ! 美しければ、なんでも手に入るなんて思わないことね!

「弟は、いつも貴女を迷惑だって言ってたわ。その空色の髪も不気味だってよ? 二度と、その汚い髪を見せないでよ!」

その女の子の髪は、とても綺麗すぎて、私は嫉妬したのよ。だって、私の髪は普通のブラウンでしかも色がさめたような艶のない髪色だったから。

その女の子は、私の言葉にびっくりして、泣いて走っていってしまった。それ以来、彼女の存在を私はすっかり忘れていた。そんなことが、あったことも・・・

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