3 / 9
3 苦痛な学園と屋敷にまで来るマドレーヌ
しおりを挟む
私達は、そのおしゃれなケーキ屋さんに着いたのだけれど、少しも食欲はわかなかった。
それでも、食べないと皆になんて言われるかわからない。
大きな長方形のテーブルに座って、私の隣はアンドリュー様だけれど、真向かいにはマドレーヌが座っていた。
マドレーヌは、アンドリュー様とサマンサを中心に話しかけて、合間にレイラとリアにも話題を振る。
鮮やかなその統制力?に私は到底太刀打ちはできない。
話題にも取り残され、それでも、興味のない話に頷き、愛想笑いを浮かべていた。
美味しいはずのケーキも、パサパサに感じて、少しも楽しくはなかった。
私は、屋敷に戻ると、ただ悲しくて涙が流れた。
お母様は心配してくださったけれど、なんて言っていいのかわからない。
「お友達とは仲良くするのよ?」といつも、お母様もおっしゃるから、私がこんなことを言ったら多分、がっかりなさるわ。
学園の教室にいるのが、とても苦痛になってきたけれど、私は我慢してそのグループに居続けるしかなかった。
「・・・・・・だから、リリアンの家に皆で集合して勉強しましょう」
サマンサの声で我に返った。
「嫌だぁーー。もう、最近のリリアンはぼんやりしていることが多いわねぇーー。ほら、リリアンの家の薔薇の庭園は凄く素敵でしょう? マドレーヌは行ったことがないって言うから、皆で集まってリリアンの家で勉強会をしたらどうかな、って思ったのよ? どうかしら?」
サマンサが、にっこりしながら提案してきた。
「私は、ちょっとその日は・・・・・・」
「あ、いいんです。ごめんなさい。私が、図々しくて、そんなことを言ったらリリアン様は困りますよね? 迷惑そうですし・・・・・・また、私が怒らせちゃいましたか?」
あぁ、また、この流れなのね?
「いいえ、どうぞ、いらしてください。図々しいなんて、全く思っていませんから」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私の屋敷で集まると、またマドレーヌは、その魅力を存分に発揮した。
その結果、お母様はマドレーヌを気に入って、帰るときには薔薇の花束まで持たせたのだった。
私のまわりの全ての人間がマドレーヌに魅了されていいように感じた。
「ねぇ、マドレーヌを、どう思ったかしら?」
私は、幼い頃から使えている専属侍女のペイトンに尋ねた。
「あぁ、とても良いお嬢さんですよねぇ?」
まさか、私の侍女のペイトンまで・・・・・・
私は、その夜に綺麗な便せんを2枚取り出すと、とても、真剣に書き始めたのだった。
それでも、食べないと皆になんて言われるかわからない。
大きな長方形のテーブルに座って、私の隣はアンドリュー様だけれど、真向かいにはマドレーヌが座っていた。
マドレーヌは、アンドリュー様とサマンサを中心に話しかけて、合間にレイラとリアにも話題を振る。
鮮やかなその統制力?に私は到底太刀打ちはできない。
話題にも取り残され、それでも、興味のない話に頷き、愛想笑いを浮かべていた。
美味しいはずのケーキも、パサパサに感じて、少しも楽しくはなかった。
私は、屋敷に戻ると、ただ悲しくて涙が流れた。
お母様は心配してくださったけれど、なんて言っていいのかわからない。
「お友達とは仲良くするのよ?」といつも、お母様もおっしゃるから、私がこんなことを言ったら多分、がっかりなさるわ。
学園の教室にいるのが、とても苦痛になってきたけれど、私は我慢してそのグループに居続けるしかなかった。
「・・・・・・だから、リリアンの家に皆で集合して勉強しましょう」
サマンサの声で我に返った。
「嫌だぁーー。もう、最近のリリアンはぼんやりしていることが多いわねぇーー。ほら、リリアンの家の薔薇の庭園は凄く素敵でしょう? マドレーヌは行ったことがないって言うから、皆で集まってリリアンの家で勉強会をしたらどうかな、って思ったのよ? どうかしら?」
サマンサが、にっこりしながら提案してきた。
「私は、ちょっとその日は・・・・・・」
「あ、いいんです。ごめんなさい。私が、図々しくて、そんなことを言ったらリリアン様は困りますよね? 迷惑そうですし・・・・・・また、私が怒らせちゃいましたか?」
あぁ、また、この流れなのね?
「いいえ、どうぞ、いらしてください。図々しいなんて、全く思っていませんから」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
私の屋敷で集まると、またマドレーヌは、その魅力を存分に発揮した。
その結果、お母様はマドレーヌを気に入って、帰るときには薔薇の花束まで持たせたのだった。
私のまわりの全ての人間がマドレーヌに魅了されていいように感じた。
「ねぇ、マドレーヌを、どう思ったかしら?」
私は、幼い頃から使えている専属侍女のペイトンに尋ねた。
「あぁ、とても良いお嬢さんですよねぇ?」
まさか、私の侍女のペイトンまで・・・・・・
私は、その夜に綺麗な便せんを2枚取り出すと、とても、真剣に書き始めたのだった。
42
あなたにおすすめの小説
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
【3話完結】愛する人の恋のため私は身を引きましょう。どうぞお幸せに。…なんて言うわけないでしょう?
リオール
恋愛
私は知ってるの。あなたには他に好きな女性がいることを。
愛するあたなの幸せが私の幸せ。
私は身を引くから、どうぞ彼女とお幸せに。
……なんて言うと思うの?
婚約破棄と言われても、どうせ好き合っていないからどうでもいいですね
うさこ
恋愛
男爵令嬢の私には婚約者がいた。
伯爵子息の彼は帝都一の美麗と言われていた。そんな彼と私は平穏な学園生活を送るために、「契約婚約」を結んだ。
お互い好きにならない。三年間の契約。
それなのに、彼は私の前からいなくなった。婚約破棄を言い渡されて……。
でも私たちは好きあっていない。だから、別にどうでもいいはずなのに……。
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
彼氏の婚約者が現れて酷いことをされたのでもう貴方とはお別れします
柊 うたさ
恋愛
大好きな彼氏の18歳の誕生日、彼氏に婚約者がいることを知った。
*バッドエンド
*前・後で視点かわります
*小説家になろうにも掲載しています
それは確かに真実の愛
宝月 蓮
恋愛
レルヒェンフェルト伯爵令嬢ルーツィエには悩みがあった。それは幼馴染であるビューロウ侯爵令息ヤーコブが髪質のことを散々いじってくること。やめて欲しいと伝えても全くやめてくれないのである。いつも「冗談だから」で済まされてしまうのだ。おまけに嫌がったらこちらが悪者にされてしまう。
そんなある日、ルーツィエは君主の家系であるリヒネットシュタイン公家の第三公子クラウスと出会う。クラウスはルーツィエの髪型を素敵だと褒めてくれた。彼はヤーコブとは違い、ルーツィエの嫌がることは全くしない。そしてルーツィエとクラウスは交流をしていくうちにお互い惹かれ合っていた。
そんな中、ルーツィエとヤーコブの婚約が決まってしまう。ヤーコブなんかとは絶対に結婚したくないルーツィエはクラウスに助けを求めた。
そしてクラウスがある行動を起こすのであるが、果たしてその結果は……?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
全てから捨てられた伯爵令嬢は。
毒島醜女
恋愛
姉ルヴィが「あんたの婚約者、寝取ったから!」と職場に押し込んできたユークレース・エーデルシュタイン。
更に職場のお局には強引にクビを言い渡されてしまう。
結婚する気がなかったとは言え、これからどうすればいいのかと途方に暮れる彼女の前に帝国人の迷子の子供が現れる。
彼を助けたことで、薄幸なユークレースの人生は大きく変わり始める。
通常の王国語は「」
帝国語=外国語は『』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる