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私はモニカ様に裏庭に呼ばれた。鋭い視線を投げかけて私に、カルヴァン様を弄ぶ悪女のようにおっしゃるのだけれど、まるで身に覚えはない。
そもそも私のような太りすぎていた女の子が、カルヴァン様のような素敵な方を弄ぶなんて、そんな恐れ多いことができるはずもない。
私の方こそからかわれていたのでは? と、思うのに・・・・・・でも、お話ができただけでも嬉しかったから、カルヴァン様に対しての怒りはなかった。ただ、もうお話する機会を失い悲しみでいっぱいなだけだ。
カルヴァン様には幸せになってほしい。私には、自分とは釣り合わない憧れの人の幸せを願うしかできない。だから、ついモニカ様に余計なことを申し上げてしまった。相手は格上の家柄の方なのに。でも、なぜかモニカ様は怒るのをやめて、とても優しい笑顔を浮かべたの。
「リネータ様はカルヴァンが大好きなのね? そうでしょう? だったらなぜあなたが、お兄様のヒース様に恋い焦がれていることになっているのかしら? カルヴァンはすっかり誤解しているわ」
「お兄様に私が恋い焦がれている?」
「そうよ。ヒース様の婚約者が決まったことで食欲がなくてすっかり痩せてしまったとか。本当にそうなのですか?」
「えぇーー! お兄様とは確かに血は繋がっておりませんが、本当の兄妹のような感情しかお互い持っていませんわ。全くの事実無根です。痩せたのはカルヴァン様の為です。お友達でも良いからお話ができる仲になりたくて・・・・・・」
「そう。なら、話は早いわ。ここで待っていて。すぐにカルヴァンを連れて来るから」
しばらくしてカルヴァン様から驚きの真実を聞かされることになった。
「マージがそのようなことを言ったのですか? 彼女は私には、カルヴァン様がモニカ様に振られたので誰でもいいから心を慰めてほしいと思っている、と言いました」
「ははぁーん。原因はマージ様の大嘘ね。おそらくリネータ様が綺麗になって幸せになるのが許せないのよ」
「そんな・・・・・・私達は親友なのですよ。マージはそんな子じゃないはずですが・・・・・・」
「そうね。きっとリネータ様が羨ましかっただけよね。だってカルヴァンは私から見ても、とても素敵だもの。だから、マージ様に似合う男性を私が紹介してあげようと思うわ。どうかしら?」
「まぁ、マージに良い方を紹介してくださるのですか? 良い案ですね。マージにはまだ恋人もいませんし、クリスマスはいつも私と過ごしていました。きっと喜びますわ」
「そうなのね。ならば、今年のクリスマスからはきっと良い時間を過ごせるように、この私がしてあげましょう」
モニカ様はにっこり微笑んで、それからは私に気さくに話しかけてくださるようになった。今まで話さなかった子達とも気軽に声を掛け合うようになり毎日が楽しい。
それから数日後のこと、マージは学園を辞めすぐに結婚してしまった。
数年後、ジャレル侯爵夫人となった私に1通の手紙が届いた。
「どれどれ、わたしが読んであげよう。・・・・・・マージ様はとても愛されているようだ。いつも夫が片時も離れず側にいて、その夫は美男子で大金持ちだと自慢しているよ」
私の夫カルヴァン様が私を抱きしめてそうおっしゃったの。
「まぁ、素敵! お返事のお手紙を書いた方がいいかしら?」
「いや、忙しそうだから後でいいだろう。寝る間もない、と書いてあるからね」
カルヴァン様の言葉に私は朗らかに笑ったわ。
寝る間もないほど愛されているなんてすごい! ふふっ。
(カルヴァン視点)
マージからの手紙には愚痴しか書いていなかった。どうやら散々な目に遭っているようだが自業自得だろう。それにしてもモニカの紹介した相手が・・・・・・だったとは。
気の毒なことだ。なにもそこまでしなくても、とは思ったけれど、マージの目論みが成功していれば私の妻はリネータではないし、私達の可愛い子供達も産まれてはいない。
そう考えれば妥当な罰な気がする。もちろん心優しい妻には真実は告げないでいい。世の中にはついて良い嘘といけない嘘があるのだから。
そしてわたしは今回マージのことについては、ついて良い嘘を吐いたと思っている。
(神よ。許し給え)
そもそも私のような太りすぎていた女の子が、カルヴァン様のような素敵な方を弄ぶなんて、そんな恐れ多いことができるはずもない。
私の方こそからかわれていたのでは? と、思うのに・・・・・・でも、お話ができただけでも嬉しかったから、カルヴァン様に対しての怒りはなかった。ただ、もうお話する機会を失い悲しみでいっぱいなだけだ。
カルヴァン様には幸せになってほしい。私には、自分とは釣り合わない憧れの人の幸せを願うしかできない。だから、ついモニカ様に余計なことを申し上げてしまった。相手は格上の家柄の方なのに。でも、なぜかモニカ様は怒るのをやめて、とても優しい笑顔を浮かべたの。
「リネータ様はカルヴァンが大好きなのね? そうでしょう? だったらなぜあなたが、お兄様のヒース様に恋い焦がれていることになっているのかしら? カルヴァンはすっかり誤解しているわ」
「お兄様に私が恋い焦がれている?」
「そうよ。ヒース様の婚約者が決まったことで食欲がなくてすっかり痩せてしまったとか。本当にそうなのですか?」
「えぇーー! お兄様とは確かに血は繋がっておりませんが、本当の兄妹のような感情しかお互い持っていませんわ。全くの事実無根です。痩せたのはカルヴァン様の為です。お友達でも良いからお話ができる仲になりたくて・・・・・・」
「そう。なら、話は早いわ。ここで待っていて。すぐにカルヴァンを連れて来るから」
しばらくしてカルヴァン様から驚きの真実を聞かされることになった。
「マージがそのようなことを言ったのですか? 彼女は私には、カルヴァン様がモニカ様に振られたので誰でもいいから心を慰めてほしいと思っている、と言いました」
「ははぁーん。原因はマージ様の大嘘ね。おそらくリネータ様が綺麗になって幸せになるのが許せないのよ」
「そんな・・・・・・私達は親友なのですよ。マージはそんな子じゃないはずですが・・・・・・」
「そうね。きっとリネータ様が羨ましかっただけよね。だってカルヴァンは私から見ても、とても素敵だもの。だから、マージ様に似合う男性を私が紹介してあげようと思うわ。どうかしら?」
「まぁ、マージに良い方を紹介してくださるのですか? 良い案ですね。マージにはまだ恋人もいませんし、クリスマスはいつも私と過ごしていました。きっと喜びますわ」
「そうなのね。ならば、今年のクリスマスからはきっと良い時間を過ごせるように、この私がしてあげましょう」
モニカ様はにっこり微笑んで、それからは私に気さくに話しかけてくださるようになった。今まで話さなかった子達とも気軽に声を掛け合うようになり毎日が楽しい。
それから数日後のこと、マージは学園を辞めすぐに結婚してしまった。
数年後、ジャレル侯爵夫人となった私に1通の手紙が届いた。
「どれどれ、わたしが読んであげよう。・・・・・・マージ様はとても愛されているようだ。いつも夫が片時も離れず側にいて、その夫は美男子で大金持ちだと自慢しているよ」
私の夫カルヴァン様が私を抱きしめてそうおっしゃったの。
「まぁ、素敵! お返事のお手紙を書いた方がいいかしら?」
「いや、忙しそうだから後でいいだろう。寝る間もない、と書いてあるからね」
カルヴァン様の言葉に私は朗らかに笑ったわ。
寝る間もないほど愛されているなんてすごい! ふふっ。
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そう考えれば妥当な罰な気がする。もちろん心優しい妻には真実は告げないでいい。世の中にはついて良い嘘といけない嘘があるのだから。
そしてわたしは今回マージのことについては、ついて良い嘘を吐いたと思っている。
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