(完)従姉妹に「財産目当と爵位狙いめ! 私の居場所を取るな」と泣かれましたが、お金ならあるし爵位に興味はありません

青空一夏

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17 残酷R18 ゴドフロアの死刑 コメディ風味

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※閲覧注意 R18 残酷注意 食事中は見ない方がいいですよぉーー。

※後半コメディ風味。






 パーティーホールから連れ出され牢屋に閉じ込められた。
 
(あそこで殺されるのかと思ったが、どうやら今日のところは殺さないらしいな)

 床は常に湿っており、カサカサと虫どもがうごめく。ゴキブリをムカデが食っているのが見えて、思わずぞわっとする。虫どもがわたしを餌と勘違いしないようにじっとしているしかない。ムカデは目が見えないから、動くものを餌とみなし噛みついてくるのだ。あれに噛まれると劇痛だし腫れることは知っていた。

 唯一あるのはベッドと汚物入れのバケツだけ。背中のムチの痛みに耐えながらベッドでうずくまり、いつの間にか朝を迎えていた。

「爪をはがしに来たぞ」
 厳つい顔の大男は、無表情でわたしの爪を一枚だけはがし、
「また一時間後に来る」と、言った。

 一時間ごとに恐怖の瞬間がやって来る。もちろん、はがされる瞬間もその後も、ずっと激しい痛みでギリギリと奥歯を噛みしめた。

 爪と指の間に薄い金属へらを思いっきり突っ込まれる時もあり、ペンチで少しづつはがされる時もある。壮絶な痛みに叫び声が出るが、男はぴくりとも表情を変えない。

(うぎゃぁーー。痛いよ、やめろ、やめてくれぇーー)

 一時間ごとに足の爪まではがされることに、気の遠くなるような絶望感に襲われる。はじめて手足の指があわせて20本もあることを恨んだ・・・・・・もうすでに死にたい。

「これはいつまで続くんだ? 死刑なら斬首台でひと思いにやってくれよ。頼むから」
 泣きながら頼んでも大男は首を横に振るだけだった。






 三日ほど放置され、死なないように消毒などの処置がされていく。食事も充分な量が与えられ、食べないと耳をそがれた。
「なぁ、本番前に死なれたら困るんだよ。俺が国王陛下に罰されるから、餓死はさせないぞ。食べなければ、もっと苦痛を与えるからな」
 わたしはぞっとした。ここは地獄だ。苦痛しか与えられない生き地獄なんだ!

 指の骨が一本ずつ折られ片目だけ抉られた。
「目が見えなくなると、これからなにをされるかわくわくできないだろう? 片目は残すよ。明日は首つりだ」

(あぁ、やっと死ねるのか? ありがたい)




 処刑日当日は快晴で、広場で行われる罪人の最期の瞬間は、見物人で賑わう娯楽のひとつだ。平民達は弁当持参で地面に敷物を敷き待ち構え、貴族達は天幕に設置された屋外用椅子に座り談笑をしている。

 
 首に縄がかけられ締め上げられていく、徐々に窒息して息ができない・・・・・・と、縄が突然はずされ地面に叩きつけられた。しばらく意識を失い目を覚ますと、鋭利なナイフをもった男が近づいてきてわたしの腹を刺す。内臓をえぐりだされてもまだ絶命できないわたしの手足に鎖が付けられ、牛馬につながれ四方に引き千切ろうとする力がくわえられた。時間をかけてじわじわと引き千切られていくのは、今までの痛みの比ではない。


 牛馬の力では、一瞬で人間の手足はちぎれない。最終的には手足の付け根に切り込みをいれて徐々に裂かれていくのだ。

(ぎゃあああ! わたしは天才の兄のせいでこうなったんだ。神様はどこまでも酷い。ぐぅああああああ・・・・・・くっそ・・・・・・神なんてくそ食らえだ)







 ・・・・・・花畑に囲まれて麗しい男性がにっこりと微笑む。女にも見えるし性別は不明だが、目もくらむような美貌だ。

「か、神様? じゃぁ、ここは天国か? やれやれ、良かった」

「やぁ、やっと死んだのか。じゃ、君は死んで来てよ。大悪党がこれから釜ゆでの刑になるんだよ。はい、バトンタッチね」

「え? おかしいだろう。一回死んだらもう天国でのんびり出来るはずだ」

「悪人が天国に行けると思いますか? 君はこれから何度も殺されるんだよ。無実の罪で処刑される者の代わりにね。東国の五左衛門って大盗人がこれから唐揚げの刑にされるから、こんがり揚がってまたこちらに戻って来なさい」

「おかしいだろう? 大悪党ならそいつが受ければいい。それに唐揚げってなんだ?」

「いや、この五左衛門ちゃんって実は善人なんだよ。悪いことをした奴らから金を奪って貧しい者達にばらまいていたし、子供達にも服をあげたり食べ物を分け与えた。そんな五左衛門ちゃんを唐揚げにするなんてひどいよね? だから君がなってあげて」

 わたしの目の前に油が煮立った釜がいきなりあらわれた。周りには不思議な髪型のおかしな服を着た異国人が見物している。

「可哀想に。五左衛門は善人よ」
「そうよ、庶民の味方だったのに・・・・・・酷い」
 五左衛門は見物人達には人気があったようだ。

 わたしは数人がかりでその油釜に放り込まれた。

(ぐっ・・・・・・ぎゃぁーー)




「おかえりぃーー。高熱の油だと苦しむ間もないよね? つまらなかっただろう? 次はね・・・・・・」

「やめて・・・・・・もう勘弁してください。死んだのならなぜそっとしておいてくれないんだ?」

「お前はそれほどの罪を犯したからさ。死んだってその罪は消えないよ。甘えるなよ! お前が殺した人間は、まだこれからも幸せな時間をたくさん過ごせるはずだったんだぞ!」

「くっ。あのアリゼの母親には悪いことをしたよ。兄上にもアリゼにも・・・・・・」

「そうだよ。わかってきたかい? だから、そうだなぁーー、100年ぐらいはいろいろな殺され方を楽しんで? 次はぁ、アケメス朝に行ってね。これは相当楽しめるはずだから。ではまたぁーー」

「嫌だ、いやだぁああ・・・・・・これではきりがないよ・・・・・・」
 
 わたしは心から後悔した。こんなに死んでからも殺され続けるなんて聞いてないよぉおおお・・・・・・


୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

参考にした刑や人物

※アケメネス朝のペルシャ人は囚人の命を奪うことなく、順番にまずは目玉をくりぬき、舌を抜き耳を切り落とし、苦痛で囚人の感覚が麻痺してしまう前に手足を切断し、そのうえで体を串刺しにしたらしい。念が入ったことに、この段階に至っても串が内臓を貫通して囚人を絶命させてしまわないようにして、苦痛の時間を引き伸ばしたそうです。本文ではアケメス朝になっています。

※「首吊り、内臓えぐり、仕上げは八つ裂き」(Hang, Drawn, and Quartered)の刑は実際されていた刑です。受刑者の苦痛を最大限に引き伸ばす人類史上最も残虐な処刑法だったそうです。やり方は、初めに囚人の首を吊り絶命直前に首縄を外し、囚人の意識が戻ったところで腹を裂いて内臓をえぐり出すのだそう。最後に生きながらにして八つ裂きにされたとか。怖いですね。

※石川五右衛門は秀吉の時代に釜ゆでの刑に処された盗人。諸説あるが、権力に反抗して盗みを働き庶民のカリスマ的存在だったとも言われている。本文では五左衛門になっています。
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