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18 石を投げつけようとした浮浪者
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お父様はゴドフロア叔父様が処刑された後、オキスト国王陛下からドナシアン伯爵家を継ぐように言われ、さらに昇爵のお話しもいただいた。
お父様と私がオキスト王国に戻る際、もちろんスティール侯爵家の強者達が護衛として多数ついてくる。
家族で住んでいた今までの国境沿いの屋敷も取り戻し、お父様は変わらず私に愛情のこもった眼差しを向けてくださる。
「サラもいない今ではドナシアン侯爵になっても嬉しさは半分だが、アリゼがアドリアン殿下の王太子妃になるからには爵位を賜ることは必要だろう。きっと、サラもこの婚約を空から見て喜んでいるよ」
「ですね、お母様がいないことがとても悲しいです。叔父様がどんなに酷い刑罰を受けても、お母様は生き返らない。悔しいです」
「あぁ、とても悔しい・・・・・・サラの遺骨はないが、前に住んでいた屋敷の裏庭に木を植えよう。花もたくさん植えて、サラの名前を木に刻みそれをお墓の代わりにしよう」
「そうですわね。お母様はあの屋敷がとても好きでした。あの屋敷は、私が王太子妃になっても訪れたい思い出の場所です。親子3人でとても幸せだった頃の記憶が、あそこに全てギュッと詰まっていますもの」
お父様はオキスト国王殿下から伯爵位を授けられ、さらには昇爵となりドナシアン侯爵となった。こうして私は侯爵令嬢になり、半年後にはアドリアン王太子殿下の元に嫁ぐことが正式に決まった。
「王太子教育は受けなくてもいいのかね?」
お父様の問いに、私は王家の教育係が言った言葉を伝えた。
「レオナルド画伯のお嬢様はすでに王妃並の教育を終了しております、ですって。これはお父様とお母様のお陰ですわ。たくさんの家庭教師をつけてくださったし、なにより惜しみなく愛を注いでくださいましたから」
「娘を愛するのは当たり前じゃないか。アリゼを心から大事に思い愛しているよ。愛しいサラが産んでくれたアリゼ以上に大事な存在はいない」
「うふふ。お父様はお母様が大好きでしたものね。お父様とお母様の子供に産まれて私は幸運でしたわ。愛が溢れていた家庭でした。ところで、ブロンシュはどうなったのでしょう?」
「平民になったと聞いたよ。罪人の烙印を押されたら多分働く場所も限られてしまう。公園あたりで餓死しているかもしれない。だが、そんなことはもうわたし達には関係ないことだ。アリゼは忘れていいんだよ」
お父様はそうおっしゃったけれど、幸せな今は少しだけブロンシュにも同情する気持ちがある。彼女のお父様が私のお父様のようだったら、きっとあのようにはならなかったはずだ。
半年の間、アドリアン王太子とはお手紙を通して愛を深めていた。シアニア国の王宮にずっと居ても良かったのだけれど、その場合はお父様とすぐに離れることになってしまうから、私はオキスト王国に戻ったのだ。
”愛するアリゼ、早く会いたい!”
書き出しはいつもこれで、私も同じように言葉を添えた。
”愛おしいアドリアン王太子殿下、早く同じ景色が隣で見られますように”と。
愛の言葉をぎっしりと詰め込んだ手紙が二日おきに到着することに、お父様は呆れながらも笑っていた。
「これほど大事に思ってくれるなら、王家に嫁いでもきっと守ってくれるだろう。あちらにはスティール侯爵もいるしね」
半年後、シアニア国からアドリアン王太子殿下がお迎えに来て、多くの王家の騎士に守られ馬車に乗り込む。その際、私に石を投げつけようとした女が捕らえられた。
「アリゼぇーー! 財産狙いと爵位狙いのクソ女。私の居場所をとるなぁーー。そこは私の居場所だ。そこは私の居場所だったんだぁーー!」
泣き叫ぶ女の顔は、すっかり痩せこけていたけれどあのブロンシュなのだった。
お父様と私がオキスト王国に戻る際、もちろんスティール侯爵家の強者達が護衛として多数ついてくる。
家族で住んでいた今までの国境沿いの屋敷も取り戻し、お父様は変わらず私に愛情のこもった眼差しを向けてくださる。
「サラもいない今ではドナシアン侯爵になっても嬉しさは半分だが、アリゼがアドリアン殿下の王太子妃になるからには爵位を賜ることは必要だろう。きっと、サラもこの婚約を空から見て喜んでいるよ」
「ですね、お母様がいないことがとても悲しいです。叔父様がどんなに酷い刑罰を受けても、お母様は生き返らない。悔しいです」
「あぁ、とても悔しい・・・・・・サラの遺骨はないが、前に住んでいた屋敷の裏庭に木を植えよう。花もたくさん植えて、サラの名前を木に刻みそれをお墓の代わりにしよう」
「そうですわね。お母様はあの屋敷がとても好きでした。あの屋敷は、私が王太子妃になっても訪れたい思い出の場所です。親子3人でとても幸せだった頃の記憶が、あそこに全てギュッと詰まっていますもの」
お父様はオキスト国王殿下から伯爵位を授けられ、さらには昇爵となりドナシアン侯爵となった。こうして私は侯爵令嬢になり、半年後にはアドリアン王太子殿下の元に嫁ぐことが正式に決まった。
「王太子教育は受けなくてもいいのかね?」
お父様の問いに、私は王家の教育係が言った言葉を伝えた。
「レオナルド画伯のお嬢様はすでに王妃並の教育を終了しております、ですって。これはお父様とお母様のお陰ですわ。たくさんの家庭教師をつけてくださったし、なにより惜しみなく愛を注いでくださいましたから」
「娘を愛するのは当たり前じゃないか。アリゼを心から大事に思い愛しているよ。愛しいサラが産んでくれたアリゼ以上に大事な存在はいない」
「うふふ。お父様はお母様が大好きでしたものね。お父様とお母様の子供に産まれて私は幸運でしたわ。愛が溢れていた家庭でした。ところで、ブロンシュはどうなったのでしょう?」
「平民になったと聞いたよ。罪人の烙印を押されたら多分働く場所も限られてしまう。公園あたりで餓死しているかもしれない。だが、そんなことはもうわたし達には関係ないことだ。アリゼは忘れていいんだよ」
お父様はそうおっしゃったけれど、幸せな今は少しだけブロンシュにも同情する気持ちがある。彼女のお父様が私のお父様のようだったら、きっとあのようにはならなかったはずだ。
半年の間、アドリアン王太子とはお手紙を通して愛を深めていた。シアニア国の王宮にずっと居ても良かったのだけれど、その場合はお父様とすぐに離れることになってしまうから、私はオキスト王国に戻ったのだ。
”愛するアリゼ、早く会いたい!”
書き出しはいつもこれで、私も同じように言葉を添えた。
”愛おしいアドリアン王太子殿下、早く同じ景色が隣で見られますように”と。
愛の言葉をぎっしりと詰め込んだ手紙が二日おきに到着することに、お父様は呆れながらも笑っていた。
「これほど大事に思ってくれるなら、王家に嫁いでもきっと守ってくれるだろう。あちらにはスティール侯爵もいるしね」
半年後、シアニア国からアドリアン王太子殿下がお迎えに来て、多くの王家の騎士に守られ馬車に乗り込む。その際、私に石を投げつけようとした女が捕らえられた。
「アリゼぇーー! 財産狙いと爵位狙いのクソ女。私の居場所をとるなぁーー。そこは私の居場所だ。そこは私の居場所だったんだぁーー!」
泣き叫ぶ女の顔は、すっかり痩せこけていたけれどあのブロンシュなのだった。
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