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14 最終話 私は幸せ
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「はぁ? 父上、どうして・・・・・・」
「どうしてだと? お前は王太子妃品格保持費をなんだと思っているのだ? これは王太子妃の為の特別な費用だ。お前に許された使い道は王太子妃に内定していたイサベラへのプレゼントだけだ。それなのに、これは・・・・・・なぜアパルトマン(家具付きの高級アパート)を4部屋も借りているのだ? しかも、そこに娼婦を住まわせ生活費まで与え・・・・・・よだれかけと乳母車を買っただと?・・・・・・お前がよだれかけをかけ乳母車に乗り赤ちゃんからやり直せ! こんなことでは町中に王家の落胤が溢れかえってしまうわい! まだ王太子の身分でこれをやるとは」
「つっ・・・・・・確かに早すぎたかもしれませんね。ですが父上! サンマリラ国王1世は囲った女が30人いました。敬愛すべきご先祖様がそれなのですから、問題はないかと思います」
「はぁーー。王妃! このバカ者に説明してあげてくれ。なぜ、こんなバカに育ったのだろうか? 歴史は勉強したのだろう? なぜこうなった?」
「エンリケ、お前と初代の国王陛下とでは時代も背景も違います。しかも、初代の王は英雄であり神にも等しき方でした。そして、囲ったとは言ってもそれは愛人とは意味が違います。初代王は近隣諸国との戦の折、手柄を立てながらも戦死した忠義者の妻達を引き取り後宮に住まわせたのです。あれは愛妾ではありません。その生活を保障し面倒をみるために囲っただけです」
「ふっ。母上。そんな綺麗ごとを信じているのですか? 男なら女を後宮に住まわせたら普通は・・・・・・」
「浅ましい。後宮で面倒を見たのは新たに嫁入りするには年齢がいきすぎた夫人ばかりだった。彼女達はそこで清く正しく生活をしたのだ。それが今の修道院の始まりだと言われている。なぜこうも自分の都合の良いように解釈できるのか?」
「嘘だ! それこそ、サンマリラ一世を神格化したいだけの作り話だ。私は信じない!」
わめき散らした王太子殿下はそのまま騎士達に連れていかれたのだった。国王陛下は憤慨しながらも情けない顔をなさっていたが、次の処分についてはこうおっしゃった。
「ジェイコブは規律が特に厳しい修道士だけがいる修道院で3年修行をしろ。その後の態度で処分を決める」
お兄様らしき人は泣きそうな顔で膝から崩れ落ち、王家の騎士達に支えられて退場していった。このままではお通夜のような国王陛下の誕生パーティになってしまう。
その場にいた貴族達は皆が何を言っていいものか途方に暮れているようだった。ところがレオ王太子殿下の言葉がその場の空気をガラリと変えた。
「余興は終わりです。さぁ、ここからが楽しい舞踏会のはじまりだ! 今こそ国王陛下の誕生を祝いましょう。そして新たに王太子になった私は日々精進し、皆の期待に応えることをここに誓う!」
その言葉に貴族達の誰もが祝福の言葉を口にした。
「国王陛下、お誕生日おめでとうございます!」
「レオ王太子殿下万歳!」
「イサベラ様万歳!」
「国王陛下、おめでとうございます!」
たくさんの祝福の言葉に私とレオ王太子殿下がにっこりしあう。私はこの方とずっと婚約者でいたような気分だった。
悲しい記憶が戻らないのは神様の恵みかもしれない。幸せな今があれば過去はいらない。
「さぁ、イサベラ! 私と踊ろう。今までもこれからも私がずっと守っていくから少しも心配しなくていい」
レオ王太子殿下にそう言われると全てがうまくいくように感じる。そっと頬にくちづけられるとほわんとした幸福感に包まれた。
「はい。レオ様がいらっしゃれば、なにもかも安心ですわ」
私は心の底からそう思った。これは狂おしい燃えるような恋ではないけれど、絶対的な愛に裏付けられた安心感。私はそう感じられる男性の妻になれる。
嬉しさに頬はピンクにそまり、瞳が生き生きと輝くのを自分でも感じた。王妃殿下は私にそっとおっしゃった。
「今まで見るなかで一番綺麗よ。それこそ恋する乙女の顔だわ」
完
ꕤ୭*おまけ
ー1年後ー
「そう言えば、このあいだオペラの観劇でイングリッド様に似た後ろ姿を見たのですが」
私が王妃殿下にお話すると王妃殿下はクビを横に振った。
「それはイングリッドではないでしょう。生きてはいますが一番あの子にふさわしい場所からは出られません」
王妃殿下はそうおっしゃっただけでそれ以上はおっしゃらなかった。私は想像するしかなかった。
多分彼女は・・・・・・
完
「どうしてだと? お前は王太子妃品格保持費をなんだと思っているのだ? これは王太子妃の為の特別な費用だ。お前に許された使い道は王太子妃に内定していたイサベラへのプレゼントだけだ。それなのに、これは・・・・・・なぜアパルトマン(家具付きの高級アパート)を4部屋も借りているのだ? しかも、そこに娼婦を住まわせ生活費まで与え・・・・・・よだれかけと乳母車を買っただと?・・・・・・お前がよだれかけをかけ乳母車に乗り赤ちゃんからやり直せ! こんなことでは町中に王家の落胤が溢れかえってしまうわい! まだ王太子の身分でこれをやるとは」
「つっ・・・・・・確かに早すぎたかもしれませんね。ですが父上! サンマリラ国王1世は囲った女が30人いました。敬愛すべきご先祖様がそれなのですから、問題はないかと思います」
「はぁーー。王妃! このバカ者に説明してあげてくれ。なぜ、こんなバカに育ったのだろうか? 歴史は勉強したのだろう? なぜこうなった?」
「エンリケ、お前と初代の国王陛下とでは時代も背景も違います。しかも、初代の王は英雄であり神にも等しき方でした。そして、囲ったとは言ってもそれは愛人とは意味が違います。初代王は近隣諸国との戦の折、手柄を立てながらも戦死した忠義者の妻達を引き取り後宮に住まわせたのです。あれは愛妾ではありません。その生活を保障し面倒をみるために囲っただけです」
「ふっ。母上。そんな綺麗ごとを信じているのですか? 男なら女を後宮に住まわせたら普通は・・・・・・」
「浅ましい。後宮で面倒を見たのは新たに嫁入りするには年齢がいきすぎた夫人ばかりだった。彼女達はそこで清く正しく生活をしたのだ。それが今の修道院の始まりだと言われている。なぜこうも自分の都合の良いように解釈できるのか?」
「嘘だ! それこそ、サンマリラ一世を神格化したいだけの作り話だ。私は信じない!」
わめき散らした王太子殿下はそのまま騎士達に連れていかれたのだった。国王陛下は憤慨しながらも情けない顔をなさっていたが、次の処分についてはこうおっしゃった。
「ジェイコブは規律が特に厳しい修道士だけがいる修道院で3年修行をしろ。その後の態度で処分を決める」
お兄様らしき人は泣きそうな顔で膝から崩れ落ち、王家の騎士達に支えられて退場していった。このままではお通夜のような国王陛下の誕生パーティになってしまう。
その場にいた貴族達は皆が何を言っていいものか途方に暮れているようだった。ところがレオ王太子殿下の言葉がその場の空気をガラリと変えた。
「余興は終わりです。さぁ、ここからが楽しい舞踏会のはじまりだ! 今こそ国王陛下の誕生を祝いましょう。そして新たに王太子になった私は日々精進し、皆の期待に応えることをここに誓う!」
その言葉に貴族達の誰もが祝福の言葉を口にした。
「国王陛下、お誕生日おめでとうございます!」
「レオ王太子殿下万歳!」
「イサベラ様万歳!」
「国王陛下、おめでとうございます!」
たくさんの祝福の言葉に私とレオ王太子殿下がにっこりしあう。私はこの方とずっと婚約者でいたような気分だった。
悲しい記憶が戻らないのは神様の恵みかもしれない。幸せな今があれば過去はいらない。
「さぁ、イサベラ! 私と踊ろう。今までもこれからも私がずっと守っていくから少しも心配しなくていい」
レオ王太子殿下にそう言われると全てがうまくいくように感じる。そっと頬にくちづけられるとほわんとした幸福感に包まれた。
「はい。レオ様がいらっしゃれば、なにもかも安心ですわ」
私は心の底からそう思った。これは狂おしい燃えるような恋ではないけれど、絶対的な愛に裏付けられた安心感。私はそう感じられる男性の妻になれる。
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「今まで見るなかで一番綺麗よ。それこそ恋する乙女の顔だわ」
完
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私が王妃殿下にお話すると王妃殿下はクビを横に振った。
「それはイングリッドではないでしょう。生きてはいますが一番あの子にふさわしい場所からは出られません」
王妃殿下はそうおっしゃっただけでそれ以上はおっしゃらなかった。私は想像するしかなかった。
多分彼女は・・・・・・
完
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