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前編
「お姉様。モデル伯爵領の予想作物収穫量を大体計算しておきました。この分だと今年は豊作だと思います」
「まぁ、ありがとう。アンリエットは本当に計算が得意よね? とても助かるわ」
「いいえ。このようなことは、お礼を言われるまでもありません。お姉様には、いつも可愛がっていただいていますから、当然のことですわ」
ふっくらとした頬にえくぼを浮かべて微笑む妹が可愛い。アンリエットは私より4歳年下。18歳の本当に愛らしい妹なのだ。
「急だけれど、リエル伯爵家のエリオット様がこれからいらっしゃるのよ。皆で仲良くディナーをいただきましょう」
エリオット様がいらして、ディナーの席には私と夫ステファン、アンリエットが同席する。
エリオット様は背も高く筋肉質で、身体もそれなりに鍛えているようだ。それでいて文官で出世コースにいる方なので、安心して愛おしい妹を任せられると思う。妹は面食いだが、そこもクリアしているレベルなので、私は自信を持って彼をアンリエットに紹介出来ると思うの。
「実はね、アンリエット。このエリオット様をあなたの夫候補として考えているのよ。彼と結婚してはどうかしら? もちろん、新居になる屋敷はモデル伯爵家のほうで用意するわ。生活も援助するし・・・・・・」
「・・・・・・お姉様が私を早く結婚させたいのは、このモデル伯爵家の跡継ぎが心配だからですわね? お姉様は4年も結婚しているのに、子供の一人もできないのですもの。お気持ちはわかります。私の子供をモデル伯爵家の跡継ぎにしたいのでしょう? でもね、お姉様。私はすでにお腹に子供がいますの」
「え? そうなのですか? 順番が違う・・・・・・まぁ、いいでしょう。アンリエットに子供ができたなんてとても嬉しいわ。お相手はどなたかしら?」
「うふふ。実はお義兄様ですわ。私が子供を産んで、その子が跡継ぎになるのですから褒めてくださいませ。お姉様は当主の座を退いてください。そうだわ、お姉様がエリオット様と再婚なさればいいわ。私に勧めるほど、とても気に入っているのでしょう?」
私は溺愛している妹から思いがけぬ返答をもらい、目眩がして倒れそうになる。咄嗟に私を支えたのは夫ではなく、初対面のエリオット様だ。
「大丈夫ですか、モデル伯爵? しかし、妹さんは全く躾のなってない泥棒猫ですね。血筋が悪くても性格も頭も良いと聞いていたのに、これじゃぁ取り柄はないですね」
エリオット様は、アンリエットに侮蔑の眼差しを向けたのだった。
「まぁ、ありがとう。アンリエットは本当に計算が得意よね? とても助かるわ」
「いいえ。このようなことは、お礼を言われるまでもありません。お姉様には、いつも可愛がっていただいていますから、当然のことですわ」
ふっくらとした頬にえくぼを浮かべて微笑む妹が可愛い。アンリエットは私より4歳年下。18歳の本当に愛らしい妹なのだ。
「急だけれど、リエル伯爵家のエリオット様がこれからいらっしゃるのよ。皆で仲良くディナーをいただきましょう」
エリオット様がいらして、ディナーの席には私と夫ステファン、アンリエットが同席する。
エリオット様は背も高く筋肉質で、身体もそれなりに鍛えているようだ。それでいて文官で出世コースにいる方なので、安心して愛おしい妹を任せられると思う。妹は面食いだが、そこもクリアしているレベルなので、私は自信を持って彼をアンリエットに紹介出来ると思うの。
「実はね、アンリエット。このエリオット様をあなたの夫候補として考えているのよ。彼と結婚してはどうかしら? もちろん、新居になる屋敷はモデル伯爵家のほうで用意するわ。生活も援助するし・・・・・・」
「・・・・・・お姉様が私を早く結婚させたいのは、このモデル伯爵家の跡継ぎが心配だからですわね? お姉様は4年も結婚しているのに、子供の一人もできないのですもの。お気持ちはわかります。私の子供をモデル伯爵家の跡継ぎにしたいのでしょう? でもね、お姉様。私はすでにお腹に子供がいますの」
「え? そうなのですか? 順番が違う・・・・・・まぁ、いいでしょう。アンリエットに子供ができたなんてとても嬉しいわ。お相手はどなたかしら?」
「うふふ。実はお義兄様ですわ。私が子供を産んで、その子が跡継ぎになるのですから褒めてくださいませ。お姉様は当主の座を退いてください。そうだわ、お姉様がエリオット様と再婚なさればいいわ。私に勧めるほど、とても気に入っているのでしょう?」
私は溺愛している妹から思いがけぬ返答をもらい、目眩がして倒れそうになる。咄嗟に私を支えたのは夫ではなく、初対面のエリオット様だ。
「大丈夫ですか、モデル伯爵? しかし、妹さんは全く躾のなってない泥棒猫ですね。血筋が悪くても性格も頭も良いと聞いていたのに、これじゃぁ取り柄はないですね」
エリオット様は、アンリエットに侮蔑の眼差しを向けたのだった。
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